雹害で売り物にならず 〜若き農業後継者の苦労が水の泡に 2025.7.15
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雹害で売り物にならなくなったキャベツ畑にロータリーをかけていました。 |
7月6日(日)、朝から市営鹿団地の西の畑から大きなトラクターの音が聞こえました。7月1日(火)の雹害で売り物にならなくなったキャベツ畑でロータリーをかけていたのです。
栽培していたのは西鹿田の農業後継者Mさん(30代)です。「雹害でキャベツが売り物にならなくなりロータリーをかけています。耕作面積は1町5反。このキャベツは品種改良がされ、今でも栽培でき販売可能なはずでしたが、この雹ですべてが無駄になりました」「種代・燃料費・消毒用薬剤代・人件費など250万円を超える損害です。農業経営の収入保険に加入していても給付の対象にはならず、もうキャベツ栽培はしません」と言い、強い日差しのなか、作業をしていました。
古くから、「農業はお天気次第」と言われています。それは農業技術が進んだと言われている現代でも当てはまり、気候変動・天候変動により、作物の収量は毎年のように変動し収入も大きく変わります。夏の雨に祈ります、「雹が降りませんように」「強風が吹き荒れませんように」。農家の人たちが災害の後、畑を走りまわり、気の気が抜けた顔と肩を落とした姿を今でも思い出します。
次の日、友人が「農家さんからたくさんの傷んだナスをいただいて、食べきれない」と話していました。雹害などは局所的で「所貧乏」などともいわれますが、最近の極端な気象による被害は、単に自然現象だからとは言えそうにありません。