岩宿博物館の改修工事を発表 〜相澤さんの功績前面に 2025.6.3

相澤記念展示ゾーンのイメージ。
2階展示室の4つのゾーン(拡大する)。
(図はいずれもみどり市HPより)

 岩宿遺跡発見80周年の節目を迎えるにあたり、岩宿博物館の常設展示等を改修し、相澤忠洋さんの功績を前面に打ち出した、より来館者に愛される博物館を目指すことになりました。

 岩宿博物館は開館から30年以上が経過し、施設老朽化や一部の展示が現状の研究成果と合致していないことが課題になっていました。これらを解消するとともに、国・県の登録有形文化財である「相澤忠洋蒐集考古資料」を常設展示に組み込み、岩宿発見の感動と相澤氏の業績を恒久的に顕彰していくため、常設展示を改修して令和8年10月にリニューアルオープンする予定です。

 改修基本計画では、博物館の役割に、「旧石器時代をまなぶセンターミュージアム」と「相澤忠洋氏の業績の顕彰とその情熱の継承」を掲げています。また、「楽しくてまた来たくなる博物館・市民の誇りとなる博物館・誰にでも利用しやすい博物館」とすることを重視することで、リピーターの獲得や相澤忠洋氏の顕彰、周辺散策や観光情報の提供を狙いとしています。

 具体的な改修内容は、誰もが楽しめる「体験性」を重視した展示空間へ生まれ変わるもので、@シンボル展示ゾーン(槍先形尖頭器の展示)、A相澤記念展示ゾーン(相澤忠洋氏の人生を追体験)、Bラボ展示ゾーン(楽しみながら体験)、C岩宿時代ゾーン(本物に出会う展示)と、4つのゾーンで構成されます。顕微鏡での3万年前の火山灰の観察や、スーパー顕微鏡で石器の傷の観察、石器制作時の破片を集めて元の石の形を復元することもできるということです。また石器づくりの実演や毛皮の服を着るなど、様々な体験ができるようになります。

 このほか、岩宿遺跡発見者である「相澤忠洋さんの研究室にタイムトリップ」と題した映画や、遺跡調査風景などがスライドショーで上映されることになっています。

 改修工事のため令和7年9月から令和8年9月まで休館となりますが、その間は西鹿田中島遺跡ガイダンス施設に所蔵資料の一部を出張展示するとのことです。なお、館外で実施する学校等の体験学習は、休館中も受け入れるとしています。

 

 

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