スーパー「ベルク」が出店説明会、地元の関心薄く 2024.2.27

説明を行った会社側関係者。
出店が予定されている桐生地方卸売市場の一角。

 桐生地方卸売市場の一角に出店するスーパーマーケット、株式会社ベルク(埼玉県鶴ヶ島市)の大規模小売店舗立地法に基づく地元説明会が2月20日(火)に、同市場の研修室で午後2時と6時の2回行われました。午後2時の説明会には地元住民や市場関係者など19人が、午後6時からの説明会には市民2人と報道関係者2人が参加という低調ぶりでした。

 説明に当たったのは、株式会社ベルクと建設を行う関東建設株式会社の他、許可申請を行う21世紀開発株式会社と設計事務所の8人でした。

 説明によると、店舗の名称は「フォルテ桐生市場店(きりゅういちばてん)」で、所在地はみどり市笠懸町阿左美2161-1の一部となっています。店舗の延べ床面積は4,081u、駐車場253台、駐輪場80台で、大規模小売店舗立地法の要件を満たすものです。営業時間は午前9時から午前0時です。

 ベルク以外の店舗としては、物販店はバラエティーショップ(100円均一)とドラッグストア、美容室のほか、コーヒーショップが予定されています。具体的な店名に関しては「まだ明かせない」とのことでした。立地法上の開店予定日は今年8月29日ですが、実際にオープンするのは9月にずれ込むことになりそうです。

 市場関係者から出された質問は、場内の交通事故防止の観点から市場側からの経路についての質問が多数あがりました。これについては、「詳細な図面を提示し、市場関係者と話し合いたい」としています。また、地元区長からは、交通量が増えることから事故や渋滞に対する懸念があがりましたが、これについては「地域の人とともに安全に取り組みたい」とのことでした。

 今回の出店に際し、開発についての事前協議が無かったことについては、「県と協議し事前協議は不要なことを確認している」とのことでしたが、地元住民だけでなく、みどり市も事業の全容を把握することができなかったことから「違法ではないが地元軽視」とも受け止められる進め方でした。

 また、アクロスプラザが近くにあり、消費人口が少ないことについてベルク側では、「共存共栄していけると考えている」との回答でした。交通安全や地域安全については、「午前0時30分から8時30までしっかりと鍵を閉めるので、若い人のたまり場になるような問題はない。地域の人とともに地域安全に取り組みたい」と話していました。

 「市役所や合同庁舎など、桐生市とみどり市双方にとって便利な施設にしてほしかった」と説明会に訪れた男性は話していました。

関心が薄い?ベルクの出店

 説明会の参加者を見ると行政区の関係者2人、商工会関係者2人、市議会議員1人、報道関係者2人と市場関係者と地元住民という構成でした。桐生地方卸売市場は岩宿駅の南口で、スーパーマーケットの出店は駅周辺の整備計画に重要な影響を及ぼすものです。また、みどり市内にある桐生市が所有する土地であることから共同利用できる利用計画を望む声も少なくありませんでした。

 桐生市議会では、市が所有する土地の利用法について議会でも話し合われているとようすがうかがえますが、肝心のみどり市は参加した議員が1人のみと寂しい状況です。地元経済やみどり市の将来に影響が少なくない今回の出店計画ですが、議員たちの関心の薄さに驚いてしまいます。「桐生市がやることだから何を言っても仕方が無い」ということでしょうか。

 

 

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