コロナ過での公民館活動について公運審に諮問 2020.12.8

 

 今年度2回目のみどり市公民館運営審議会(公運審)が11月26日(木)に多世代交流館で開かれ、市内各公民館の事業や運営などについて協議されました。また、笠懸公民館長から「新型コロナウィルス禍における公民館活動について」と題する諮問が行われました。諮問は、みどり市公運審が誕生して13年目で初めてのことです。

 公運審は、社会教育法第29条やみどり市公民館運営審議会規則第2条で「館長の諮問に応じ」と規定している公民館長の諮問機関です。しかし、みどり市公運審としてはこれまで一度も諮問が行われたことがなく、委員の中からも諮問の必要性を訴える声が上がっているほどでした。こうしたなか、新型コロナウィルスの影響で公民館のあり方が問われる事態が生じ、今回の諮問に至ったものです。

 諮問書によれば、諮問理由は「仲間と交流する公民館の活動は、感染が広がりやすい『三蜜』の状態になりやすく、人との関わり合いを大切にしてきた今までの公民館活動が困難な状況にある。新型コロナウィルスの流行は未だ収束する兆しも見えず、公民館活動そのもののあり方も考え直さざるを得ない事態を迎えている」として、@公民館の「つどう」機能をどのように維持、充実していくべきか、A公民館の「まなぶ」機能をどのように維持、充実していくべきか、B公民館活動の「むすぶ」機能をどのように維持、充実していくべきか、この3つの事項をあげ、意見を聞きたいとしています。

 答申までのスケジュールは、委員の出日当制をとる報酬規程と予算の関係から、答申のための特別会議は設けられず、従前の年6回の審議会に協議事項に組み込ませて審議をするとし、来年中には諮問案を完成させたいとしています。しかし、連日のようにみどり市内からコロナウィルス感染者が複数出ている現状は、休館に追い込まれた5月当時より公民館を取り巻く状況がはるかに悪化しているといえ、危険は身近に迫っています。審議会がいつまで開催できるかさえ微妙な状況とも見えます。簡単には答えの出しにくい諮問内容ですが、今後の公民館運営の指標とるべき事柄であり、慎重でていねいな審議が望まれます。

 この日の協議ではこの他に各公民館の利用状況が報告されました。利用実績としては、各館ともコロナ禍で利用実績が大きく落ち込み、笠懸公民館では利用回数が例年の54%程度になっていて、利用人数では利用者が参加を控えたり蜜を避けたこともあってさらに落ち込みが激しく、笠懸公民館で例年の44%ほどに激減したということです。特に4月は回数、人数とも8割減とコロナの影響が顕著に現れました。また、利用団体の中にはコロナの影響以外にも高齢化により活動の継続ができなくなった団体も複数あり、団体組織の高齢化も各公民館共通の課題となっているとのことでした。

 協議事項では、3館合同事業や慶弔内規の見直しなども協議されましたが、委員からの発言は少なく、駆け足の協議に終わり、議事進行に課題を残してこの日の審議会は午後9時ころに終わりました。

 今後、諮問については6人づつのグループに分かれて審議するとしていますが、いろいろな角度から物事を捉え、活発に意見を出し合い、答申スケジュールに捕らわれないていねいな審議を経て答申に至ってほしいものです。