新館長に中山正之さん 〜コロナ禍のなか動き出した公民館 2020.6.23

4月に着任した中山館長(左)と野主事(右)。

 新型コロナウイルス感染拡大防止の対応により、笠懸公民館では音楽室が使用できなかったり、“蜜”を避けるためとして各部屋に定員制限を設けたりと、利用者にとって利便性が損なわれる制約が課されてきましたが、6月13日(土)に群馬県の「社会経済活動再開に向けたガイドライン」の警戒度が「1」に下がったことを受けて制限を緩め、音楽室の開放や部屋の定員数の緩和、ダンスや囲碁・将棋などの対面型サークルも活動ができるようになりました。ただし、マスクの着用や来館前の検温の実施、人との間隔をあける(1m以上)、「来館記録及び健康状態申告書」の記入などは利用に伴う条件として今後も実施するとしています。

 何はともあれ、市民講座運営委員会や公民館運営審議会など各種の委員会も順次開催されそうな情勢になって、新たな規準のもとで公民館での活動が返って来ることになりました。しかし、こどもの夏休み期間中に行われていた学び支援事業は中止と決まり、こども祭りや笠懸地域文化祭も、100人を超える人々が集まれる部屋がないことなど、実行委員会が開けるかも含め極めて厳しい状況にあるようで、公民館では現在、“鋭意検討中”としています。

 やっと再スタートを迎えたコロナ禍の中での公民館で、運営を支えて行くのが職員の人たちです。今年度は当初から休館が続き、この間ほとんどの職員は市民課や社会福祉課などへ応援として出向いていて公民館には出勤せず、「6月になってやっと事務所の机に向かえた」と話しており、館運営は“ウィズコロナ”という慣れない環境下でいまだ手探りの状態のようです。

 今年度館長として赴任してきた中山正之さんは、「公民館勤務は初めてですが、笠懸公民館が地域に果たしてきた功績はある程度知っていた」「地域とのつながりがこの公民館の強みだと思うので、それを今後も活かしていきたい」「若い人たちに対して公民館の認知度を高め、この人たちをどうどう取り込むかが今後の課題となるだろう」と力強く話してくれました。また、市職員になって以来、大間々庁舎で市民課職員として勤務してきて、今年の異動で初めて公民館職員になったという野修平さんは、「公民館はなじみが薄いですが、学びながら住民と行政を繋げる役割を果たし、協働・共創社会の一助となりたい」と話していました。

 事務分掌も新たに決まりました。館長が対外的事項や館の管理運営に関することを担当し、副館長の小室智美さんはこれまで通り公民館運営審議会や人権教育事業、公民館大会などを担当します。主事の真下(旧姓和田)愛美さんは家庭教育学級や高齢者大学、笠懸地域文化祭、県公連・東公連などを担当し、主事の田村翼さんは、大間々市民生活課へ異動となった斎藤利夫さんが担当していた事務を引き継ぐ形で、文化祭や利用者の会、青少年学級、市民講座などを担当、新任の野修平さんは地区公民館連絡協や公民館報、こども祭り、地域自主申請学級を担当することになりました。

 公民館の利用制限が緩和され、職員の事務分掌も決まって、新たな公民館の日常のあり方を探りながらの船出となったわけですが、課題として、蜜を避けながら、公民館の基本方針である“学びを通した仲間づくり”をどう実現していくのかや、交流すること、接触することを控える求めの中で、目指すべき公民館像としている住民のたまり場、住民の集団活動の拠点としての公民館は今後どうあるべきなのかなど、難問は多々ありそうです。

 コロナ禍は長期戦になりそうな気配です。「恐れ過ぎず、されど侮らず」そんなスタンスでコロナに対峙し、一時でも早く新たな日常を見出して、公民館が憩いの場に戻ってほしいものです。