黒保根・東の教育連携を協議 〜桐生・みどり未来創生会議 2020.2.11
桐生市役所で開かれた会議。 |
第3回となる桐生・みどり未来創生会議が2月3日(月)に桐生市役所で開かれ、過疎地域の教育と学校間連携について話し合われました。黒保根・東の両地域は児童生徒数が減少していることから、両地域の一貫教育や行事を合同で行うことが議題に上るとともに、人口減少対策を望む意見も多くあがりました。
みどり市を間に挟む形で飛び地となっている黒保根地区と、山間部で繋がっているものの道路や鉄道は黒保根地区を経由するなど実質的に飛び地状態となっている東地区は、市町村合併以降人口が急速に減少しています。小中学生を合わせた黒保根地区の児童数は60人程度で、小学校と中学校の施設一体化に向けて動き出すほか、児童数30人程度の東地区は小中一貫校に向けての作業が始まります。
また、行政を超えて良好な形で合同の事業を行うこともあげられていますが、距離が10km以上も離れているため、児童生徒の移動手段が課題となっています。黒保根地区と東地区の学校を統合する意見も出されましたが、行政が異なるため、「市立」ではなく「組合立」にすることで統合も可能となることが事務局より説明されましたが、その場所や子どもたちの通学手段など、多くの課題がありそうです。
児童生徒数が少ないことの課題としては、「競争心を持たない」「団体スポーツを行いにくい」「社会性を持ちにくい」などがある半面、「英語教育に特化する」などのメリットもあげられます。委員からは、「中学校までの教育が完璧ならそれ以降も自信を持っていける。少人数を逆手にとって、個別指導教育ができる。英語やITのプログラミングなど、少人数教育を手厚くすることで定住も増える。それには仕事が必要で、インターネット環境の整備によりITやデザイン系の人などが増える」という意見があがる一方で、「小中学校を統合したところでさらに生徒数が減るようでは根本的解決にならない」「学校を統合することで空き地となったところに企業の研究室を誘致してはどうか」などの意見があり、学校の統合や連携だけでなく、人口減少への歯止めを求める声が多く上がりました。
なお、会議の冒頭で、前回の会議で議論されたオンデマンドバスや「電話でバス」の運行範囲の拡大、防犯パトロールの相互乗り入れ、黒保根地区の桜祭りと東地区の花桃祭りの共同開催などについては令和2年に実行できるよう調整中であることが報告されました。
4回目の会議は水資源の活用と森林の利活用などについて、3月末ごろに行われます。