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林道ツーリングのすすめ

 G三境線

<詳細図>

桐生川上流、気温は笠懸庁舎付近に比べ5度ほど低くなる

 市町村合併でみどり市も広大な面積になりましたが、栃木県みどり市周辺の林道はほぼ紹介し尽くした感がある中で、唯一残っていたのが「林道と呼ぶには幹線に近いかな?」と判断していた三境線です。

 桐生市街を抜け県道66号線で梅田湖を目指します。梅田トンネルを抜けたところの交差点でトリップをリセット、右折して田沼方面に向かうと前回のツーリングコースとなるため、今回は直進します(ここからは県道337号線)。

 右手に見える梅田湖に別れを告げると、道も徐々に狭まり、2kmほど走ると桐生和紙の工房があります。地元のある高校はここで造られた和紙を卒業証書にしています。

 337号線は山と桐生川との間の少しでも広い側に造られたと見え、頻繁に橋を渡り、その度に川が左右に入れ替わります。同時に道は狭まり、植林された杉林となります。杉が伐採された9.2km地点を左折するといよいよ三境線となります。

 林道開通当時は「桐生市(市町村合併前)から日光方面に抜ける近道」と期待されましたが、幅員4〜6mの道路は両端から草や木の枝が伸びて、実質的には2〜3mほどとなっています。車の通行量も少なく、林道は幹線にはなり得なかったようです。13.5km地点のトンネルを抜けるとみどり市東町になります。

道路を渡るニホンザル、こんなチャンスに望遠レンズがない

 14.8km地点で林道柱戸(はしらど)線との分岐点になりますが、ひとまず直進して三境線を下ります。筆者としては見慣れたような、そうでないような景色に頭の中を整理すると、ここも柱戸線と併せてラリーによく使われたところで、1990年頃は舗装が3割程度であとは握り拳大の石が転がる悪路だった記憶があります。

 林道の大半は杉林で、撮影ポイントが少ないことをぼやきながら走っていると、少ない雑木林に30頭程の猿の群れを発見。林道を走っていると様々な動物に出会うことがありますが、群れの移動に出会ったのは初めての経験でした。「これも林道が幹線にならなかったおかげかな」と妙に納得し再スタート。

草木湖

柱戸の不動滝、滝壺にあたる木漏れ日がスポットライトのよう

 22.1km地点で林道は終点となり、正面に草木湖、右手には国民宿舎サンレイク草木があります。ここをベースにみどり市周辺の林道ツーリングを楽しんでも良いでしょう。お奨めは湖畔にある富弘美術館です。星野富弘氏の原画が展示されており、心和むひとときを過ごすことができるでしょう。

 湖畔で景色や食事を楽しんだあとは再び22.1km地点に戻り、三境線方面からは左折します。4kmほど走った26.1km地点の橋の左に、落差10mほどの柱戸の不動滝があります。橋を渡りきって左折すると全長4.3kmの林道柱戸線になります。
幅員は4mほどですが、両端から木の枝が伸び、アスファルトは崩れて深さ30センチ程の窪みもあります。このまま放置されると以前ラリーで使われていた頃のような悪路に戻ってしまうかも知れません。

 梅田湖と草木湖との2つの湖を繋ぐのが三境線で、その両脇はほとんどが杉の単一林。単一林は保水性が悪く、水不足の影響も受けやすい。一方数少ない雑木林には野生動物の群れも見られます。幹線にならなかった林道は生態系に負荷を掛けませんでしたが、手入れをしないとかつての悪路に戻ってしまいます。「環境に人がどう関わるか」を考えさせられた三境線でした。

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