第9回 さんしん同好会

 さんしん同好会に入りました。草野球のチームではありません。沖縄の楽器・三線(三味線・三絃とも書きます)を愛する同好の士の集まりです。ちなみに僕はスポーツが大の苦手で、野球でボールが飛んでくると、目をつむる癖があるため、ボールはバットに当たらないし、グラブにも入りません。三振同好会があれば、立派なメンバーになれるかもしれません。あまり入りたくはありませんけど。

 部屋の飾りになってもイイヤと勢いで、買ってしまった My 三線。自宅でこっそり練習してウマクなってやろうと目論んだのですが、音がまともに出ない、チューニング(チンダミといいます)さえままならないといった状態で、やはりコヤツは部屋の飾りになる運命だったのかと思っていたところ、『ちゃんぷる』で知り合いになった、沖縄大好き・島唄大好き・年に何度も沖縄に遊びに行くという、羨ましくも妬ましい同好会メンバー、『台風直ちゃん』こと伊藤さんに勧められて『さんしん同好会』に行ってみました。

 さんしん同好会は、毎月第2・第4日曜日、千葉市中央コミュニティーセンターの5階か6階のどこかの部屋で午後1時から5時の間、開かれています。費用は参加した日につき500円払えばいいだけです。これは休憩時のお茶代と工工四(クンクンシー=さんしんの楽譜)のコピー代に充てられます。遅れて来てもいいし、途中で退席してもよい事になっています。見学大歓迎でもあります。その様に、いかにも沖縄らしい極めて緩い会則の会ではありますが、絶対に守らなければならない条件が一つ、それは「楽器は各自が持参すること」です。
 『同好会』の名のとおり三線が好きな人の集まりで、僕のような超初心者から聞きほれてしまうほどの名手までいろんなレベルのメンバーがいます。沖縄出身の方もいれば、鹿児島県の奄美の方もいます。僕のようなただのナイチャーも。

 この会をまとめ、引っ張っていってくださるのが、知念さんと会のリーダーの上里さんです。僕は、このお二人の、千葉における沖縄伝統芸能の普及と発展にかける情熱と献身的活動に、驚きと尊敬の念を感じずにはいられません。はじめて同好会に参加した時、知念さんの「唄・三線です。あくまでも唄が主で、三線は従。いくら三線が上手でも、唄が唄えなくてはダメです」の言葉に「ガーン!」。カラオケなんか大嫌いの音痴の僕には、三線のやさしい音色とカッコ良さに憧れて三線を習い始めようとしていた矢先の、キツーイ一発。でも、知念さんは、こうも言って下さいました。「続けることが大事です。続けられないのは、結局、それほど好きではなかったとゆうことです。言葉のハンディ(ウチナーグチ(沖縄の方言)が解らない)があるかもしれないけれど、続ければ好きになってくるし、上手にもなってゆきますよ」と。

 入会して早3ヶ月以上過ぎても、唄を唄おうとするだけで手が完全に止まってしまうような状態ですが、僕と年齢も腕前も近い「同級生」の謝花さんが一緒に並んで怒られて(?)くれるので、嬉しく、楽しく通っています。近頃ではなかなか上達しない自分を悔しく思うこともあり、これは進歩かもしれない。老後の趣味としても悪くないし、少しガンバってみようかな。

Copyright 2001 KAWAMURA Tsuneo / All rights reserved