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第2話 イリムティヤの「海人・邦夫」
今日の収穫はこれ。「捕れなかったヨ」と言っときながら
30センチの魚3匹じゃんかよー!!
おいちやんは海人(うみんちゅ)。もちろんイリムティヤの夕食の刺身盛は、おいちゃんがとった魚だ。でも漁に出られない日は仕方なく買った刺身。私が食べたのはシチューという銀のうろこの魚と、どうやらカワハギの一種らしい魚。どちらも30センチ以上の大物。とれる日はそんな魚を20匹ちかくとってくるらしい。「うろこ取り、嫌になるほどやったんだよぉ・・・・・・冷蔵庫にはいんないし・・・」とヘルパーのゆうかちゃん。しかし、1時間以内に新鮮な魚が食べられるんだから、すばらしい。いやぁ・・・こりこりして美味でした
魚の話が出たところで、もう1つおいしい話。イリムティヤの庭に島バナナがたくさん生えている。運が良ければ自由に食べられる(氷バナナ有り)アイディアマン邦夫があみ出した「バナナ染め」も体験できる。しかし、おいちゃんは「バナナ染めかぁ・・・人気ないなぁ」とつぶやいていたので、心優しいみなさんは是非やってみて。私が行った時は運悪くまだ青々としたバナナ。「島バナナたべたかったなあ」と、ぼそっとつぶやいたら、おいちゃんはグァバをとってきて食べさせてくれた。優しい そしてそして・・・・・・夏の暑い日には嬉しいアイスも70〜110円で食べられる。"イリムティヤ" アイス専用 BOX にはアイスがぎっしり。縁がわで食べるアイスは最高。
りりしく魚をさばく邦夫。
こんなん夕飯前。そう、まだおいちゃんの本名を公開していなかった。彼の名は、西表邦夫(イリオモテ クニオ)。そう、イリムティヤの由来はおいちゃんの名前から来たワケ。みんなはおいちゃんのことを『邦夫さん』と呼ぶ。おいちゃん自身も自分のことを『邦夫さん』と呼ぶ。おいちゃんは女の子が大好き。だって独身なんだもん! 常に「恋したいなぁ」とつぶやく素敵な六十ン歳。私が泊まった3日間はヘルパーさん(女)2人、私を含めて1人旅の女の子が3人、家族づれ1組、旅人(男)1人。女の子ばかりだったので、おいちゃんは終始上機嫌。その前の日は宿泊客が男ばかりで夕食時はむっつりしていたらしい。
邦夫さんはいつ撮っても絵になるキュートなおじぃ。でも、おいちゃんは言う。「みんなの邦夫さんだからね。おじぃはいやだよ。」この言葉の意味を推測すると・・・・・・「邦夫さんはみんなの邦夫さん。ひとりじめはだめよ。でも・・・恋人になってくれるならいいヨ。邦夫さんはおじぃと呼ばれる歳じゃないさ。まだまだ恋する年頃さぁ」とまぁ、こんなところではないかと思う。本当に、おいちゃんの言葉は哲学めいていておもしろい。
「おいちゃん、
なんか可愛いかっこして。おねがい」
って言ったら、このポーズしてくれた。
「黒島の海が一番じゃんかー」
―――ある日のヘルパーゆうかちゃんとおいちゃんの会話―――
ゆうか「かゆいよー、邦夫さ〜〜〜ん。蚊にさされちゃった」
邦夫「なんで?」蚊に刺されない男 邦夫!! 彼の魅力は語りきれない。
ヘルパーエリィちゃん「邦夫さん ドライブ好きだから、れいこちゃんが誘えばきっと喜ぶよ。」
れいこ「本当?」
れいこ「おいちゃん ドライブ行きたいなぁ」
邦夫さん「いつ行くぅー?」
れいこ「いつでもいいよ。日中でも夜でも」
邦夫さん「両方か。」《おいちゃんニコニコ 行く気満々》――昼間 2人きりのドライブで―――
れいこ「おいちゃん! 島に保育園ある?」
邦夫さん「なんて?」※おいちゃんは左の耳が遠いので左から声をかけると「なんて?」と聞き返す。
その「なんて?」が上がり気味の可愛い声なのです。れいこ《大きめの声で》「おいちゃーん、く・ろ・し・ま・に、ほいくえんあるぅ?」
邦夫さん「・・・・・・潮が引いたらあるぅ」
れいこ(笑)
邦夫さん「潮が引くとな、いっとき家族風呂になるぅ。一緒に入るか?(笑)」おいちゃん・・・どう聞き間違えたのだろうか・・・
――みんなで楽しくテーブルを囲み八重泉飲み飲みゆんたく中―――
旅人A(男)「邦夫さん タバコけっこう吸うんですねぇ」
邦夫「・・・・・・・・・・・・最近・・・・・・やっと、くわえタバコが出来るようになった」こんな会話が毎日繰り返されるのだからリピーターや連泊(ずるずる型)が多いのである。
―――海を眺めながら語る邦夫―――
邦夫「あそこにちいちゃい岩がおるな。あの岩から・・・・・・あっちの岩がな、邦夫さんの漁場」こんな Cute な彼のそばにいると、心がほわほわ、あったかくなる。おいちゃんは本当にくろしまの海が大好きなんだなぁ。と思いながら一緒に海を眺めた。緑、マリンブルー、瑠璃色、ひわ色、ぐんじょう、水色・・・・・・海の色は一つじゃない。海に魅入っていると、おいちゃんはぼそっとつぶやいた。
邦夫「今すぐ 恋ができたらいいねぇ・・・・・・」
本当だよ。おいちゃん。私はそんなおいちゃんが大好きさ。