その3 プレートル指揮ウィーンフィル

2001.3.18 11:00〜 
 場所:楽友協会大ホール(Stehplatz=立ち見席)
 楽団:ウィーナー・フィルハーモニカ(Wiener Philharmoniker)
 指揮:ジョルジュ・プレートル(George Pretre)
 曲目:フランツ・シューベルト(Franz Schubert)
      交響曲第2番 B-Dur, D125
    エクトル・ベルリオーズ(Hector Berlioz)
      幻想交響曲, op.14

 まず思ったのは、昨日のシンフォニカーと比べてフィルの人達は軽々と音を出しているな、ということ。いい意味でも、悪い意味でも。おそらく、いつもオペラをやっているせいだろう。シューベルト、第1楽章。プレートルは音楽の進行を団員達に任せる事に決めた様子。要所要所でしかきちんと棒を振らない。しかも振ったときでもテンポは任せっきりで、音の膨らませ方などに関してちょこっと指示を出す程度だった。小手調べ、というようなことだったのだろうか。第2楽章になると、断然指示の数が多くなった。シューベルトの歌心を、内声までしっかりと描いていた。

 ベルリオーズはいまいち一貫性に欠ける感じ。きれいではあったけど、第2楽章も、もう少し勢いがあっても良かったのではないか。鐘のシーンには、もう少し静寂な空気とものものしさが欲しかった。フェラインザールの窓から時たま射し込む日の光が、音楽と相まっておもしろい効果を作り出していた。音楽とぴったり息があっているかと思えば、今度はまるで逆だったり。こういう面白さは、客席に光が射し込むムジークフェラインならでは。マチネーで、しかもめずらしく晴れた日にしか見られない。

 今日の席はシュテープラッツ、立ち見席。指揮者のほぼ直線上だから、位置的には申し分ない。ただし、オペラほどではないにしろ立ちっぱなしで足が疲れるのと、早めに並んでいい場所を確保しなければならないのが大変。しかし、何といっても50シリングという安さが魅力。