その1 ウィーンフィルとブレンデル

2001.3.11 19:30〜
 場所:楽友協会大ホール(Balkon-Mitte 左7列11番)
 楽団:ウィーナー・フィルハーモニカ
 ソリスト:アルフレッド・ブレンデル(Alfred Brendel);Klavier
 曲目:リヒャルト・シュトラウス(Richard Strauss)
      メタモルフォーゼ(弦楽)
     ロベルト・シューマン(Robert Schumann)
      ピアノ協奏曲 a-Moll, op.54
     ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト
    
(Wolfgang Amadeus Mozart)
      ピアノ協奏曲第9番『ジュノム』 Es-Dur, KV271 《Jeunehomme》

 ブレンデルのピアノはすばらしく熱の入った演奏でした。
 そしてウィーンフィル。父の言っていた低音の響きというのはこれなのか!と聴いて納得ました。まさに。バスの音が音楽をしっかりと下から支えています。この低音があるからこそ、ヴァイオリンやフルートの響きがふわっと広がって聞こえるんですね。
 一連の演奏は、コンチェルトとはこういう物だ、と見せつけられた感じでした。ソリストとオーケストラの掛け合い、自分の音楽を互いに提示して、相手の音を聴き、さらにそれを受けて発展させ・・・というように、音楽がどんどん展開し、膨らんでいく様子は見事でした。ブレンデルはまさに真剣に、かつ楽しげに演奏していて、急楽章ではその演奏に徐々に熱が入っていきます。とても70才とは思えないエネルギッシュな演奏でした。

 シューマンのピアノコンチェルトについて、母は「あれはピアノだけの曲でもよかったのでは」と言っていましたが、私はむしろオケとの掛け合いが面白かったです。特にオーボエソロがピアノと掛け合うところでは、ブレンデルもオーボエの方をしっかり見ていて、その音楽を受けた形で演奏しているようでした。オーケストラがあるからこそ、ピアニストの本気の演奏が引き出され、また、ピアノが完全にソロで弾くのとは違った響きが生まれるんだと思います。
 モーツァルトは、奇をてらうことなく、軽く明るいモーツァルトでした。
 メタモルフォーゼは、これぞウィーンフィルという感じ。指揮者なんていらないよ、という感じが露骨に見えました。でも、曲としてはいまいち面白みにかけるかもしれません。全体的に見ても、サイモン・ラトルは添え物だったのではという印象を得ました。
 それより面白かったのは楽友協会の演奏会目録にはシュトラウスとしか書いてなかった事。曲を見ればウィーンの人達はヨハン・シュトラウスかリヒャルト・シュトラウスかわかるのでしょうか。この前のミサもHaydn-Tage 2001の一環として行われていたというのにヨゼフ・ハイドンではなくミヒャエル・ハイドンだったし。このあたりの事情はよくわかりません。

 以上、今日聴いたコンサートの報告です。

追記:今、改めて読んでみると、とても人に見せられる文章ではないと思います。でも聴いた音楽をどう表現するのかこれから自分なりに模索していきたいと思います。どうぞこれも一つのステップだと思ってお読みください。