8・15は終戦の日ではない (公務員 加藤孝幸 37) 一般に「終戦記念日」といわれる8月15日は、 正確には「終戦の日」ではない。確かにポツダム宣言を受諾し、 玉音放送が流された。 しかし、樺太や千島では日ソ戦が続いており、 流血がやんだのは、もっと後のことだ。 千島列島北東端の占守島の戦いでは、日本軍が奮闘し、 上陸してきたソ連軍に大打撃を与えた。 こうした「終戦」後の日本軍の頑強な抵抗が、 北海道占領というスターリンの野望を阻んだのだ。 だから、私は8月15日に特別な思いは抱かない。 むしろ、この日は多くの人に誤解を与え、樺太・千島の 悲劇を忘れさせてしまうのではないかと心配になる。 私はソ連軍による北方四島の占領が完了した9月5日 こそ「終戦記念日」と呼びたい。 この日は、連合国への降伏文書が調印された3日後だ。 日本人にとっての「屈辱の日」を忘れてはならない。 (京都府福知山市) (2008/8/15 産経新聞より)