Between Ferrum and Argentum ----------------------------------------------









熱の通わぬ 虚ろな空洞
抱き締めても 握り返す掌に感覚も なく








ああ オレが そんな身体にした

だから









お前に触れるのは 熱を与えたいと思っていたからだ



この身体に宿る熱を、 すべて














すべて お前に。












それは黒い深淵のように見えるはずである

それは井戸を見下ろすのに似ている

われわれは炭素が複雑に複雑に進化した存在なのだ

すべては依然としてそこにある。






……きみは自分の望みしだいで、いくらでも強い人間になれるのだ
















最も安定した元素は、周期律の真ん中、ほぼ鉄と銀のあいだに現われる。



鉄と銀のあいだ。 















君が気を失っていたあいだ 精神を共有する弟の魂が
どれほど不安定を強いられていたかなど 君が知る由もない









お前は鉄の、 血の味が する。



それだけが唯一、お前を人と感じられる刹那 











僕ずっと憧れだったんだ、お兄さんのこと。



金の髪 金の瞳 

奪われてなお 立ち止まらぬ四肢 

歳の割りに賢しい頭脳 



鋼のこころ 

絶対的な、絆。


人間にしておくには、惜しいなあ って。









逃げて兄さん お願い早く、ボクを






















オレ、を 



暴くな。













…なんか色々すみません…?
エロはありますがエロ目的ではないので、そんなに酷くはないと…思います。
(カラーイラスト内文章出典:「ハンニバル」トマス・ハリス)