チューニング
ストラトキャスターは調子が悪いと、一発のチョーキングでも狂ってしまうほどシビアな部分を持ち合わせたギターで、ブラックモアも初期のころはかなりチューニングに悩まされていたようだ。
彼のステージ上での曲間チューニングを聴いているとGコードをメインにチューニングすることが多い。鍵盤のGに合わせたり、自分でGコードを分散させたフレーズを弾いたりしている。これはオフィシャル・ブートかかわらず78年ころのステージまでは頻繁に聴ける。
曲中においてもうまくアドリブに溶け込ますように楽曲を損なわないようにチューニングしたりする。'76 Live In Germany のStill I'm Sad ではアドリブソロ後、キーボード独演ソロ前のサイレントパートにてチューニングの狂いを調節してから、メインフレーズを静々と弾き出している。2弦開放B音と1弦2フレF#をさり気なく微妙にペグを調節しつつ、最後に一回Bmコードを12th,8th,5th,1th,8thと廻して正しい音程を確認してから、正規のフレーズへと入っていく様子が展開されている。ちなみに超有名ソング、Live In JapanのHigway Star のキーボードソロ佳境のDコードソロ部分で、音量を下げてしまいピーン、ピーンとペンペンサウンドが鳴っている。間違いなく、チューニングしていると思われる。
一方、1981年の大阪公演では、強烈なチューニングを行っていた。Smoke On
The Waterでチューニングが狂ってしまい、3弦開放G音を大音量のままトレモロしながら、左手でペグを調節していた。(らいぶ・ぶらっくもあ1981参照)バカな私は高校時代、チューニングが狂ってもいないのにええかっこするため、ライブでソロのときチューニングするふりしてトレモロさせたっけ・・・・・G音が使える曲だが。こういうラフでいい加減な演奏が嫌いな人は耐えられんのだろうが、私は感銘受けてマネまでしてた。
さて、一環してレギュラーチューニング(Album-Green BullfrogeをテープからCDに保存する過程でピッチ調整していて、半音下げの曲を発見。曲名わかりません。KeyはE♭で6弦開放音が鳴ってました。ま、例外ということで・・・パープルデビューAlbumトップ曲、And The Addressも半音下げてるみたい・・・・これも・・例外、っちゅうわけにはいかんな・・)を通してきたブラックモアだが、Album
- Bent Out Of Shapeから変則チューニングやドロップチューニングが登場する。Can't Let You Goは全弦半音下げ、Fire Danceでは6弦のみD音まで下げられているため、ライブではこの曲のときにはサブのギターに持ち替えていた。(The Battle Rages Onもかな・・・)ちなみに、何気に立ち読みした某バンドスコアではスタジオでのダビング録音でD音出してるなんてヘンな事書いてたな・・・
また、以下の曲についてはスタジオ→ライブのKeyに相違が生じているが、ボーカリストの都合による理由が大半であろう。
I Surrender Gm→F#m
Nocking At Your Back Door Bm→Am
Lost In Hollywood Bm→Am(1981年時)
Man On The Silver Mountain Gm→Cm(1997年) Gm→Dm(1981年)
Long Live Rock'n' Roll Gm→Dm(1981年) Gm→Em(1982年 1995年
2016年)
Since You Been Gone G→F(1995年,2004年、2016年)
Still I'm Sad E→B(1995年)
Memminngen F#m(カポ2フレ)→Em(レギュラー)
Beyond The Sunset G#m(半音下げ)→Am(レギュラー)
Queen For A Day Part1 C#m(半音下げ)→Cm(レギュラー)
Queen For A Day Part2 C#m(半音上げ)→Dm(レギュラー)
Diamonds And Rust E♭m(半音下げ)→Em(レギュラー)
Child In Time Am→Dm(2004年)
All For One C#m(半音下げ)→Dm(レギュラー)
「Long Live Rock'n' RollのKeyをGからEへ変更したばかりの頃、演奏していて一瞬Gのときの感覚でポジションが頭に浮かぶともう収集がつかない。」というブラックモアのインタビューを読んだことがある。このインタビューを読んで感動したものだ。オレも全くいっしょだ!
私もDmのMan On The Silver MountainやLong Live Rock'n' Rollを音源に合わせて弾いていて、思わずGmでのコード進行やポジションしか見えなくなってしまったとき、オブリガートなどのアドリブフレーズに逃げてよく演奏する。つまり全く知らない曲でもKeyさえ把握していれば取り合えずスケールアウトさせる心配はないわけだ。
ただ、世界を股にかけるギタリストと無名の一アマチュアギタリストでは、ご愛敬と単なるヘタクソといった評価の差が生じるについては、ギターテクニックの差以上に人を惹きつける能力差以外のなにものでもなかろう・・・・・
同様にライブプレイ定番のBluesについても年代によりKeyの変更を伴うが、こちらは前後の演奏フレーズのKeyに準拠させた結果であろう。’82年あたり以降はBluesそのものがライブ中、ランダムに演奏されるようになり、これ以降KeyはGに固定される。
2004.10.23渋谷公演でジャパンツアー唯一Bluesが演奏された。85年Purple以来生で聴いたため、かなり感動!Self
Portrait、The Temple Of The Kingの曲間というこで、A-Bluesにて♭5th音を聴かせてくれた。
You Fool No One(1973-1975) D-Blues
Man On The Sirver Mountain(1976-1978) C-Blues
All Night Long(1980) A-Blues
Random(1982-1997) G-Blues
Self Portrait-The Temple Of The King(2004) A-Blues
Soldier Of Fortune(2006) A-Blues
Blackmore's Nightの楽曲に至っては、半音下げ、1音下げ、ドロップチューニング、カポタスト使用等により、レギュラーチューニングの曲は激減している。そのためアルバムを通しで演奏するのは困難を極める。その上、ライブでキーを変更してしまうので間違ったままコピッてた曲もあった程だ。
Under A Violet Moon、The Storm、Troika、Somewhere Over The Sea等はアコギの弦を全弦ゆるゆるの1音下げにし、KEYのルート4弦開放はCまで下げられている。ライブステージにおいてはブラックのストラトでの演奏で、更にテンションは弱い。ピッキング時における弦の抵抗感は弱く、更にアコギを弾いた直後は弦高の低くさも相まって、かなり違和感を覚え弾きずらい。
また、Possum's Last Danceでは1〜5弦を半音下げ、6弦については1音半下げのC#だ。テンションの高いアコギの弦を、チョーキングが出来るほど緩めている。独奏のためキーを下げる必要はなさそうだが、単純に弾きやすいよう弦のテンションを下げた、というのが正解だろう。
セカンドAlbum以降に至ってはレギュラーチューニングのほうが少ないくらいで、キーやコードを判定するのに少し苦労する。カポタストについては、Christmas Eve、Dandelion Wineは1フレット、Queen's Lament、Barbara Allen、The Clock Ticks On、Fayre Thee Well、Spanish Nights、Memmmingen(スタジオ)あたりは2フレット、Sister Gypsy、は3フレット、The Last Leaf、Emmanuelは5フレット、Ghost Of A Roseはなんと7フレット使用だ。
Ghost Of A Roseは本人のインタビュー読む前、ブートビデオ見る前にコピってしまったので、間違ったポジジョンで録音までしてしまった・・・・。
R「興味深いことを教えると、私は(Ghost Of A Roseの)メロディーを書いていた時に、ヴァースを低く、コーラスを高くしたので、私のパートは逆にコーラス部分を低く、ヴァースでは高くしたんだ。だから7フレット目にカポを付けて、変わったキーでプレイしたんだよ。キーはEだけど、高い音域でプレイしている。〜」
どうりで低音の音が出てこないわけだ。本人どおり弾いてみると弾きやすい上にニュアンスはソフトで暖かく、まんま再現できる。正しく音符はコピーしたけど、カポなしローポジ高音弦(4〜1弦)使用ポジションでかなりトレブリーなきついアルペジオ音での録音となり、久々に大外れの見当違いコピーだったけど、7フレカポはちょっと想像できなかったなぁ・・・・。当然に対位法を使用したロマンチックフレーズもカポ使用に伴い、カポ未使用時と同じフレット押さえても弦のテンションの違い及びカポによる開放弦音により微妙にサウンドは変わる。 カポタスト対策は、今後コピーを進めていく上で喫緊の課題だ。
ちなみにこの経験則を活かすことが出来た曲にアルバムAutumun Skyに収録されているBelieve In Meがある。5フレット・カポタスト使用についてサウンドを見誤ることなく対処してコピーすることができた。後日、←You
Tubeの動画でLakewoodによる弾き語りを偶然発見。正にドンピシャ!
もうひとつ、同アルバムのStrawberry GirlはKeyがCだけども、2弦1フレのC音を開放弦音にしたかったため、リード及びオブリのパートでは1フレカポを装着している。これにより、3回ほどC音開放を鳴らしつつハイポジションでフレージングしている。当初イントロのリードコピーで、どうもニュアンスがイマイチ再現できない不満足な思いを抱きつつ、その後オブリのコピーを進めていくうちに途中で明らかな開放弦によるC音を発見、そういうことか!当然イントロもカポ装着して録りなおした。バッキングはレギュラー、ソロは1フレカポ、というオーバーダブが可能なスタジオ演奏ならではの変則使用だ。
Carry On...Jon及びBlack Sheep Of The Family 2019も転調後(Em⇒F#m)にわざわざ2フレカポ装着により、開放弦音が変わっている。ノーマルだとF#mでは得意の開放弦が不協和音的で良質な響きが得られないためであろう。
Carry On...Jonでは一旦Jon Rordを彷彿させるキーボードソロへ主軸を譲り、ユニゾンで絡み再びBlackmoreのF#mソロに帰って来るわけだが・・・カポは外しての演奏となりフェイドアウトへ・・・・要は・・Slide、Em、F#m、Endingと一発録りではなく4回に分けて録音しているっちゅうことですわ。