肝、据わりきっていないかあさん奮闘記

◆「てつ子」さんプロフィール◆
某県郡部在住。今年、長年の夢が叶って出産を経験。現在実家で、夫と息子、実母、実祖母との5人暮らし。

 

「水疱瘡(ミズボウソウ)」

 <妊娠7週と6日目>

  2000年の幕開け早々、何となく体に湿疹のようなものが出来ていることに気づいた 時には、「妊娠すると肌が敏感になるってきいたことがあるけど、ホントやなあ。」ぐら いにしか思っていませんでした。
 それから数日。まるで全身をアリが這って歩いているような、そんなあまりのかゆさに 一睡もできなくなって、休日にも関らず病院にいって診てもらうことになりました。
この日の担当はS先生。診察室に入った私の顔を見るなり「あーっ、水ぼうそうやね」。 本当にショックでした。「どうして、よりにもよって、子供がかかる病気に、しかも妊娠 初期という大事な時期にかかってしまんやろ」と。

 昔、母親と子供の頃の話になって「あんたは小さい頃、はしかぐらいしかかかってない から、妊娠したら何でもうつされんようにせなあかんよ」と聞かされたときには「そうや って思っていると本当にうつされたりして・・・。」と何だか嫌な予感がしたのですが、 これが現実となってしまうとは。あまりの運の悪さに、随分と落ち込んでしまいました。
 とにかく、お腹の赤ちゃんへの影響が心配で先生にじっくりと話を聞きました。あまり 前例がないらしく、たまたま出勤された担当医のK先生もまきこんで、たくさんの本やイ ンターネットで水ぼうそうが胎児にあたえる影響について時間をかけて調べてくださいま した。 それによると、「確かに海外には何例か、手足の障害や皮フへの影響、知的障害 などが発表されているが、水ぼうそうの影響によるものと思われる障害の発生率の上昇は 数パーセントにすぎず、ほとんど気にする必要はないと思う」とのことで、それより「妊 婦自身に高熱が出たりしてとてもつらいので、最悪の場合、妊娠にたえられなくなったり することがあるので、そちらの方が心配だ」とのことでした。
胎児への影響はあまり気にしなくていいと聞いて、とりあえずはホッとしたのですが、 それでも「その数パーセントの中にこの子が入っていたらどうしよう」と心配になったこ とは事実です。外を見れば雪がシンシンと降り、空は灰色で暗く、それでなくても気分が 沈みがちなのに、つわりの時期でずっと気持ちが悪く、吐き気が続いているような状況だ ったため、とにかく悪いほう悪いほうへと考えがちになってしまい、体力的にも精神的に もつらい時期でした。

 薬などによる治療はできませんでしたが、幸い、水ぼうそうは体のかゆみとだるさぐら いで高熱が出ることなく治りました。
胎児への影響についてはその結果を待たなければいけませんが、あまり悩まないことにし ました。先生の「もし障害があって、それが水ぼうそうによるものだったら、学会で発表 できるほどめずらしいことです。」という言葉もあったためですが、何より体調がよくな るにつれ、赤ちゃんがお腹の中にいる!という幸福感のほうが強くなったためです。

 水ぼうそうにかかったのは、少しつわりがラクな時に、「年末やし、久しぶりにダンナ とデートや!」と浮かれて映画を観にいったときではないかと思います。少し軽率だった かな、と反省しました。妊娠初期の頃は、つわりなどで体力が落ちていることもあり、で きれば人ごみの中は避けた方がいいのかもしれない、と、実感させられる出来事でした。

                                (第3話 完)

 

第4話 お楽しみに!

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