Night and Day(日記) You're Too Far Away(コンサートなどの感想) Between You and Me(掲示板)


 


DEATHTRAP 


感想
セットなど
ストーリーに沿って(第1幕)
ストーリーに沿って(第2幕)
パンフレット

2004年06月27日(日) 18:00〜19:15 19:35〜20:45
2004年07月05日(月) 19:05〜20:20 20:40〜21:45

於:東京グローブ座
【感想】

  1. 今まで観た長野さんのお芝居は、脚本の物足りなさを長野さんのパワーで持って行ってた印象があったが、今回は、内容の面白さは保証付き(かつてロングランしたこともあり、映画にもなったミステリー)なので、長野さんが無理して頑張る必要がなかったのが良かった。 役になりきることに専念できたのでは?

    声の調子を抑えたまま、表情や身体で怖さや激しさを感じさせる演技が新鮮だった。

    色んな顔が観れた。
    第1幕だけでも、
    シドニーに連れられてマイラに挨拶するときの好青年。
    ちょっとウザいくらいに熱心なスリラー愛好家。
    亡霊に扮して(?)、シドニーやマイラを襲うワイルドな動き。
    マイラの死を確認した後の、冷酷な態度(V6では聞いたことのないくらい低い声が怖かった)。
    シドニーと一緒に暮らせることを喜ぶ小悪魔な可愛い子ちゃん,etc. ,etc.

    第2幕では、スリラーや作品への一貫した愛情や名声への野心と、状況(力関係)に応じて目まぐるしく変わるシドニーへの態度のギャップが、自分には実感として掴めないくらい恐ろしかった。

  2. パンフレットで作品、演出、出演者、舞台装置や音楽、それぞれの立場の人が平等に扱われていたのが新鮮。 「トイヤー」みたいに「こりゃ凄え」という感じではないが、みんなで愛情を持って作っている感じして、なかなか好印象。
    格闘シーンだけ別に演出が付いているなんて(ファイトコリオグラファーと言うらしい)、贅沢だわ。


  3. カメレオンの目が欲しい
    セリフを喋っている人に目が行くが、黙っている人の動作も気になる。
    きっと、いっぱい見落としている

  4. 全員、肉声

    キャスティングが絶妙。
    特に、長野さんと江波杏子さん。

    江波さんは、佇まいも活舌も発声も素晴らしかった。
    カーテンコールで婉然と客席に会釈する姿に、憧れすら感じた。

  5. この舞台のために追加された(?) エンディングのどんでん返し。

    それまで脇役だったヘルガとポーターのシーンで終わると、「これはヘルガの霊能力がテーマだったの?ほんとうの主役はいったい誰?」と少し戸惑う。
    でも、物語の中で何が "現実" かは判りやすいと思う。

    そのシーンも含めてクリフォードの創作だった、となると、物語の入れ子が深過ぎて、自分のような単純なアタマには、どのシーンがどのレベルの真実なのか?こんがらがってしまう(まぁ、クリフォードのペンネームがアイラ・レヴィンだと考えれば、同じなんでしょうけど…書き手と同じ名前の登場人物が死んでいるから当惑するだけで)。 "現実らしさ" は少し損なわれるような感じがした。
    主役が最後にシメるので、観た瞬間は気分的に落ち着く、とは思う…。


  6. でも つまるところ、この芝居の主役は『DEATHTRAP』というスリラー作品という気がする(タイトルしかないけど)。

  7. シドニーの代表作は「殺人ゲーム」だが、この舞台自体が、殺人ゲームそのものという気がした。

  8. 1幕と2幕で、同じセリフを違う人が言ったり、同じ人が違う状況で言ったりする。
    「気を付けろ、刃は切れる」
    「死んだ。間違いない」
    「真実のもっとも近くにいるものほど、安全だ」
    シドニーが好きだという "シンメトリー"?

  9. シドニーの言葉は、ウソだらけ
    ウソをついても仕方ないような場面でも、事実と逆のことを言っている。
    (お蔭で、原作を読んだときは いっぱい騙されました)

    2幕、出て行こうとするクリフォードを、なかば泣き落としなかば猫撫で声で引き止めようと擦り寄って、クリフォードに冷たくあしらわれているところ、シドニーが哀れだと思ったが、彼は とっても嘘つきだし動作も芝居がかっているので、クリフォードに対する気持ちもどうだか…と ふと疑問に思った。

     クリフォードが聴講生だったというのも、疑い始めるとアヤシい。
     もしかすると、シドニーが街で拾った青年なのかも…(ひとつの可能性として。「DEATHTRAP」完成にかける情熱や、シドニーとスリラー談義をしている様子を見れば、スリラー愛好家なのは確かでしょう)




【セットなど】

  1. "馬小屋を改装したコロニアルふうの室内"、らしい。
    たぶん脚本の指示どおり。
    奥さまがリッチなので家具も高価なはず…
    第2幕で登場する、二人分の机は、ほんとうにあるのかな?

  2. 開演前、ロールスクリーンのようなものが天井から降りていて、舞台セットを1/3くらい隠している。 スクリーンには、血染めのタイプライターの写真(DやEが赤くなっている)

  3. 舞台奥にスクリーン(「二週間後」などの字幕や、エンド・クレジットが出る)

  4. 満月(1m程度の円板)が天井から吊ってある
    (舞台が暗転したとき、天井の満月が光る)

  1. 【音楽】
    バッハ(「半音階的幻想曲とフーガ」)、F.シナトラ(「Fly me to the Moon」)、パンフレットによるとヴェルディ(「女心の歌」のギターver)、ムソルグスキー(「はげ山の一夜」)、ヒッチコック劇場のテーマ、などを元にしたジャズ。
    優しい感じの弦楽曲、軽快なオモチャのピアノ曲。

    この舞台のために編曲、演奏されたのが嬉しい。
    舞台最後のクレジットで、ちゃんとミュージシャンの名前も載っていた。

  2. ドラマの効果音的なBGM(不安なシーンにおどろおどろしい音楽,etc. )も、もちろんあった

  3. 「ジャン!」と突然大きな音が鳴って、ビクッとすること数回

  4. どこだったか、シーンの印象と音楽がちぐはぐな印象を受けたような気がするが…。一見、深刻なシーンなのに軽快なBGMだったような…(記憶曖昧)?



【ストーリーに沿って(第1幕)】

  1. 《第1場》10月の午後

  2. 暗転のうちに、椅子に腰掛けたシドニー
    「DEATHTRAP」について賞讃する。

  3. 「Fly me to the Moon(記憶曖昧・「Stardust」だったかも)」を口ずさみながらマイラが入って来る

    夫婦の会話。
    シドニーの仕事の進捗とか、友人達の噂とか
    ヘルガが近くに住んでいることや、シドニーが大麻をやることなどが判る。
    シドニーがヒット作を書いたのは18年前、この夫婦が結婚したのは11年前。

    代表作(デビュー作)のタイトルは「殺人ゲーム」 … これから起こることを暗示しているようなタイトルだ。

  4. クリフォードのことが判らない振りをするシドニー
    「あのデブか?それとも吃っていたヤツか?」
    (クリフォードが ばりばりの美青年だということは、当人が来たら判るのに、どうして こんな嘘をついてトボケるんでしょうね? 過去にも、聴講生の美青年に手を出して、マイラにバレたことがあるのかしら)

  5. シドニー、この原稿の名前を自分に変えて、世に出そうかな、と冗談めかして言う。
    マイラがシドニーの行動に注意するようになっていく。

  6. マイラがシドニーに、クリフォードに電話をかけることを勧める

  7. シドニーは電話で、テキトー喋っている。超能力者について脚本を書いているんだ、とか、自分のデビュー作を有名プロデューサー(?)が添削してくれたように、この作品も自分のアドバイスを受けるべきだ、とか。
    執筆中の脚本のタイトルは「奢れる妻」だとか。

    さりげなく、手書きメモや、ほかに原稿を読んだ人の存在を問うているのを聞いて、マイラがますます警戒していく。

  8. 友人たちから、映画のお誘いの電話。
    マイラはシドニーに断ってもらう
    シドニーは勝手に、マイラが具合が悪いことにする。

  1. 《第2場》その日の夜
    いったん暗転
    バッハ→F.シナトラ
    天井の月が光る

  2. 奥の玄関扉から、シドニーとクリフォードが入って来る

  3. 黒のブーツ、ジーンズ、カウチン・カーディガン、青のダウンベストを着た、非の打ちどころのない好青年。

    (ここでの、長野さんの鮮やかなこと!!! 現役アイドルの貫祿。 カウチン・カーディガンからチロッと覗いている胸元が色っぽい)

  4. ミステリー映画について、盛り上がるシドニーとクリフォード
     ポスター(シドニーによると「ウィンドー・カード」)や、映画で使われた小物の武器などを見ながら

  5. マイラの「共作」の提案を渋るクリフォード。
    「名医から手術を勧められている状態と同じでして…ボクとしては、本当に手術が必要か他の人の意見も訊いてみたいんです」

    雰囲気に飲まれて不利な条件を受けるようなヤツではない。彼としては、編集者やプロデューサーを紹介してもらいたいと思っているらしい。

  6. フーディーニの手錠(銀色)を試させる
     (27日:勢い付けて両手を離したら、手錠が外れてしまった)

    シドニーがクリフォードを殺すのではないかと怯えているマイラ
    シドニーを止めるべく演説する。息が切れて荒い。
    シドニーは、それ息づかいにイラつく。

  7. 「GFが来る」と言うのは作り話だったのね
    (「殺されたらGFが気付く」と牽制して、マイラをドキドキさせている?)

    わいせつ電話がかかって来るので、シドニーは電話番号を変えたばかりらしい。
    (この電話が誰のせいだったか、2幕3場で判るのですね)
    ("大学職員が 自宅の電話番号を(勝手に)教えているらしい" と匂わせるのも、マイラをドキドキさせるため?)

  8. シドニーが手錠の鍵を取り出して、ホッとしてシドニーに抱きつく
    シドニーとマイラが抱き合って喋っているとき、ばつが悪そうにコミカルに遠ざかるクリフォード(笑いポイント)

    クリフォード「これは、スリラーのネタになりますね」

  9. が、渡された鍵では手錠は開かない。

    鍵と格闘するクリフォードの後ろから、黒いゴムホースのほうなもの(ギャロット)で、首を絞める
    (殺人シーンの音楽は、ムソルグスキー)

  10. じゅうたんの上に倒れたクリフォードを、夫婦で外に運んでいく

  1. 《第3場》2時間後
    (弦楽四重奏の曲)

  2. ブランデーを作るマイラ
    「ダブルで頼む」と言うシドニーを無視して、ひとりで飲んでいる。

    (マイラはアル中?単に強心薬代わりに飲んでいるの?)

  3. マイラ「どうしてこんなことが出来るのか、まるで別世界の人だ、ずっとそうだった」、とシドニーを非難する。

  4. 「あなたの稼ぎで暮らせるのなら嬉しいのに」というマイラの言葉が切ない(結婚後ずっと、マイラがシドニーの生活を見てあげてたんだろうな。しかもセックスレス夫婦)

    「この作品が売れたら、リビエラに行って療養して、馬鹿げたロールスロイスを買おう、家政婦も雇おう」
    「その お金があったら、私から この家と土地を買ってちょうだい」と口論。

    (「タイプライターをどうしよう」などと、警察が来ることを心配している割に、玄関脇にクリフォードのダウンベストが掛けっぱなしなのが気になるんですが(汗))

  5. 呼び鈴をせわしなく慣らすヘルガ
    結局、カーテンのかかっていたフランスドアから入って来て、マイラを驚かせる
    「ヒッチコック劇場のテーマ」にのって、おもちゃのような身のこなしで歩く。 コミカルな印象。
     服装は黄色のスエット上下。
    オランダ人だが言葉はなまっていない。 でも、短い文しか喋れない。

    マイラに痛みがある、という。マイラは否定

  6. 「ブーツの若い男がシドニーを殺す」「映画の短剣は、もう一度、女性に使われる、芝居に関連して」と二つの予言。
    マイラに疑念を抱くシドニー

    退去するとき、「こんどグリフィン・ショーに出るので、見てね!」お茶目なオバサンだ

  7. マイラ「こうなることを、望んでもいたし、恐れてもいた」
    シドニー「君は僕を止めようとしたし、死体を運ぶときも動転していたから僕に従ってしまっただけなんだ。武器のコレクションを捨てよう、短剣を捨てよう」
    と話して、シドニーがマイラを落ち着かせている

  8. 「殺しは性欲促進剤になるようだ。朝鮮ニンジンが売れなくなるゾ」
    などとシドニーはマイラに気をもたせているが、実際はマイラとキスしたあとはイヤそうに唇を拭っていた。

  9. 上半身ハダカのクリフォードが、恐ろしい表情で、手に薪(笑)を持ってフランスドアから突入して来る。

    シドニーを殴り倒したあと、マイラに向かって薪(笑)を振り上げると、恐怖のあまりマイラは心臓発作を起こしてしまう

    (長野さんの後ろ姿の、背骨の溝までキレイ。肌もキレイ)

    (運び出されたときは着衣だったのに、脱ぐ必要があるんでしょうか(笑)?身体の傷跡などが見えたほうが迫力があるからかな?←カウチンセーター姿の亡霊なんて、想像しただけで笑ってしまうか)

  10. クリフォードは、マイラの脈をとったり、鏡をマイラの鼻の前にかざしたりして様子を確かめる
    「死んだ。間違いない」

    シドニーが起き上がる

    計画どおりに進んだことを言葉で確認し合う。
    シドニーは、(その日の夕方マイラが飾った)バラを、マイラの上に置く。
    優しげなストリングスBGM。

    (初見で違和感が有ったのは、たぶんこの音楽ではないかと思う。優しげな音楽はマイラの性格を示しているのか、恋人たち(?)の心情を示しているのか?いずれにしても、人が死んでいるのに短調ではないのが意外だった)

  11. バーカウンターの棚から、真っ白なバスタオルを出して、クリフォードに投げて渡す

    (上半身ハダカに白いバスタオル…思わずコンサートのアンコールなどを思い出した)

    シドニー「発泡スチロールは痛かったぞ、リハーサルのときより力が入っていた」

    二人はモーテルでマイラの前での狂言芝居をリハーサルしていた

  12. 身体に描いた傷跡を、タオルでこすって消している。

    (芸能ニュースではシドニーがクリフォードの顔を触っていたので 拭いてもらっているのかと思ったが、舞台ではシドニーに促されて自分で拭いていた)

  13. 一緒に暮らすようになったら、びっくりするようなプレゼントがある、とシドニー。

    救急車が来ている間は、2階に隠れているように言う。
    「2階の床は軋むから、さっさとシャワーを浴びて、ベッドで大人しく待ってなさい」

    (このあたりの会話の調子は恋人同志っぽい。
    クリフォードと わりと長くキスした後は見つめ合って 手まで握っちゃってる)

    (キスの後、長野さんが田中さんの手を握り返して、上目遣いで見上げている可愛らしさと言ったら、「この小悪魔め!」という感じ。この表情を思い出すだけで、余裕で あと5年くらい長野さんファンでいられそう(笑))

  14. クリフォード「もうスリラーは書かない。福祉事務所を退社するとき、ネタに気付いた」

  15. 車に積んだ荷物を取りに出て行く前後
    素肌に白いバスタオル+ダウンベスト(これがまた、カワイイ)

  16. シドニー、ソファーの端に座る。
    嘘泣きを始め、電話を掛ける

  17. 外から戻って来たクリフォード、テニスラケットまで持って来ている!

    シドニーが「妻がいなくなって、もうどうやって生きていけばいいのか」と嘘泣きしているのを、スネたように、または皮肉っぽく見ている。

    ソファの背に手を突いて前かがみになり、電話を終えたシドニーに自分から顔を寄せていく。微笑んで見つめ合う二人。 唇が重なる直前に、暗転。

    (原作にはない。(原作は、2幕でクリフォードが言うように、電話を掛け始めるところで終わっている))

    (1幕は、シドニーとクリフォードが らぶらぶな感じで終わるけど、ぜったい このままでは終わらないだろうという不穏さは感じる)


【ストーリーに沿って(第2幕)】

  1. 《第1場》2週間後、朝

  2. 「半音階的幻想曲とフーガ」幻想曲とフーガが交錯したフリージャズ

  3. シドニーの言っていた「びっくりするもの」とは、1台で2人が向かい合って仕事ができる机のことだったらしい。
     水色のワイシャツ、POLOの青いベスト、下はジーンズのクリフォードは、1本指で凄い勢いでタイプしている。
    シドニーは、ヘチマ襟のカーディガンにシャツ、襟元にスカーフ(このあたりがホモっぽい)
    からかい半分、イライラ半分で、クリフォードのタイプのリズムに合わせて机を連打する

  4. クリフォード「福祉事務所にいた頃の不満などを書いている」
    創作(?)に没頭していて、シドニーが話しかけてくるのを邪険に扱う。
    「黙っててよ。そのうち、良いアイディアが湧いてくるって」 … 思いっきりタメ口。

    2週間後だけど、仕事を再開したのは ここ数日らしい(それまで何をしてたんだ?)

  5. ポーターがやってきて、クリフォードは、秘書だと紹介されたあと、座を外す(食料品店に買い出し)

    シドニーが2階に行っている間、ポーターはクリフォードと世間話をする。
    ポーターも、昔、脚本を書こうとしたことがある。
    「タイトルは『判事フランクフルター』」
    「ソーセージみたいだ」

  6. クリフォードが玄関を出た後、外でエンジン音がする。

    「クリフォードのことをゲイだと思う?」とポーターに尋ねる
     「仕事をきちんをしてくれたら、ゲイでも構わないけどね」とうそぶく
     ポーター「一緒に生活しているのだから、彼の性向は問題になると思う」と常識的判断。

    シドニー、マイラの使っていたカゴ(爪ヤスリが入っている)を火にくべる。
    (この行為は、どんな意味があるんでしょう?残った爪の粉からマイラの当時の健康状態が判る訳でもないだろうに)

  7. ポーター、マイラの遺言や遺産について説明。
    シドニーが驚くほど、多かったようだ。

    シドニーは、畑の見積もりを出していたらしい。
    「余計なことをすると誤解されるぞ、まぁ、不動産屋の早トチリで良かった」

  8. 超能力者について脚本を書いていると公言しているシドニーに、ポーターはクリフォードにアイディアを盗まれないか心配している。
    出かけるとき、引き出しに鍵をかけていた、とシドニーに教える

  9. 再びエンジン音がして、クリフォードが帰宅。

    シドニー、自分の青いバインダーを引き出しから出しておく。 二人は同じ青いバインダーを使っている。
    買い物を台所に持って行く。
    台所からクリフォードに用事を頼み、彼が台所にシドニーを探しに行っている間にバインダーを差し替える

    ビールの栓抜きを頼む(「急に狂ったように飲みたくなった」わりには、ちゃんとグラスに注ぐのね…)。

  10. シドニー、クリフォードのタイプしていた紙を読み始める
    バッハのフーガ。
    舞台が暗転し、ジャジャーンという効果音。
    クリフォードは、シドニーの妻殺しを そのまま脚本にしていたのだった
    シドニー愕然。 素知らぬ顔でタイプを続けるクリフォード。

  11. シドニーが、クリフォードの原稿を音読し始めたので、クリフォードは原稿をすり替えられたことに気付く。

    「君は死にとりつかれている」とクリフォードを非難する。
    ("死" に? 「死の罠」でなくて?この時点では ちょっと疑問)

    冷たくて、不敵な笑みを見せるクリフォード。
    「怖い」と言うよりは、とんでもなく「冷たい」表情。
    クリフォードは むしろ、シドニーに気付いて欲しかったらしい(クリフォードの底知れない恐ろしさが実感できる瞬間)。

    これ以降の、男性二人のパワーゲームは、1幕のキスシーンより ある意味エロティックに感じた。

  12. こんな脚本が世に出たら、間違いなくマイラ殺しを疑われる、とシドニーが原稿を暖炉で燃やそうとすると、クリフォードが激怒。
    「その原稿を燃やしたら、僕は出て行く」と脅す。

    マイラの死とクリフォードがシドニーの秘書になった時期の関係を疑われても、「ノーコメント」とだけ言えばいい、と開き直っている。

  13. 1幕はクリフォード、2幕はシドニーで共作、ということで和解。
    脚本がヒットしても、自分は刑務所の中だ。ゴシップ記事に「妻殺しのホモ」と書き立てられるんだ、シドニーは自己憐憫に陥っている

  14. クリフォードは、いずれにしても出て行くと言う。
    「ヘルガが、『女性が短剣を使うイメージがある』と予言していた。危ないからね」
    シドニーの身体を女性のような曲線でイメージするように両手を空で動かしながら、いたぶるように言う。
    (それは、シドニーがクリフォードを殺そうと思っているかも知れないということ? シドニーって女役なの?(そう言えば、外出から戻って来たとき もろにオネエ言葉だ))

    シドニー、言下に否定。「愛する君を傷つけるようなことはしない。だから出て行かないでくれ」

    「いろいろ××してあげるよ」と猫撫で声でなだめるシドニーが、哀れみを誘う…どこまでが芝居で、どこまでが本心なのか
    (原作だと「I'll whistle a lot.」嬉しくて口笛を吹くのか!?それとも吹くのはクリフォードの笛か(爆)!?)

    取りすがるシドニーを振り払って、考えている様子のクリフォード。
    無言の長野さんが素晴らしく冷たい表情をしていた。対照的にシドニーが俗物に見えた)

  15. 遺産相続について、クリフォードにウソ。本当は多額だし税金も少しなのに、まるで逆のこと

    二人して2階に上がっていく。明かりが消えた1階と、一部屋だけ灯がついている2階の部屋
    (軽快なオモチャのピアノ曲)


  1. 《第2場》さらに1週間後、夜

  2. シドニーの留守中に、ヘルガがろうそくを借りにやってくる。
    嵐が来て、木々が倒れるでしょう、とヘルガ。「ラジオで言ってました」
    今度は黄色のレインコートに赤い長靴。

    クリフォードのブーツに気付いて、ヘルガ息を呑む

  3. シドニー帰宅
    「つまらない食事会だったわ〜」シドニーは酔っぱらってオカマさん口調。
    「ヘルガさんが来ているんです!!」慌てて止めるクリフォード。

    クリフォードがシドニーを襲うイメージがあると警告するヘルガ
    前回訪問時のアルファベットのイメージ(QWERTY)が、タイプライタ(スミス・コロナ)のキーの並びであることを発見する。

  4. 立ち去り際、「う、妊娠しました」と突然かがみ込むヘルガ。
    (え?こんなオバチャンに?と驚いていると…)

    長い間 子供の出来なかった娘が妊娠したことを喜びながら帰って行く。

  5. クリフォード「僕が先生を襲うって?」
    シドニー「空手を習っているからと言っておいた。色んなところで組んずほぐれつね」みたいなことを言うのは、笑うポイント!?

  6. シドニー、クリフォードに2階へ窓のチェックに行かせる。
    自分は その間、マントルピースの上の額の裏に隠した銃をポケットに入れる。

  7. シドニー、芝居の練習と見せかけて、自分のシャツを破かせ、斧にクリフォードの指紋を付けさせる
    斧を持つとき、野球のバッターの構えや、ギターの構え(笑うポイント)

  8. シドニー、クリフォードに銃を向ける。
    「『DEATHTRAP』の芝居は終わった。これからは現実だ」

  9. 両手を挙げて、壁際に追い詰められたクリフォード。
    「このカワイイ顔に同情してくれたら いいんだけど」
    (自分で自分の顔のことをカワイイと言うとは、なんて男だ!と思ったが、シドニーにしょっちゅう言われていたのかも…)

    シドニーが汚い言葉を言うと、クリフォード「それをマイクに向かって言える?」
    (落ち着き過ぎだわ)

  10. シドニーが銃を撃つと、クリフォードが崩れるように倒れる。
    しばらくして、高笑いをしながら起き上がる。
    もう一度、シドニーが撃ち、クリフォードが一瞬 倒れて起き上がる。

    嘲るように笑いながら、シドニーに、ピストルの弾丸を交換しておいたと告げる。
    (もしかして、クリフォードがシドニーの策略に先回りするのに成功したのは、これが初めて?夜中にシドニーがゴソゴソしているのを聞いて思いついたのだとしても)

    バーカウンターの上に飾ってあったピストルを手に取る。

    (いきなり低いドスの利いた声で喋るので、威嚇される)

  11. シドニーにピストルを突きつけながら、「3種類のデオドラントと4種類のマウスウォッシュを使っている」と皮肉を言う。
    (若い恋人に嫌われないように頑張っているんだから、温かい目で見てやってよ>クリフォード)

  12. シドニーに黒い手錠を掛けるように促すクリフォード
    一瞬だけ迷って、あえて黒いほう(自分が掛けられたほうでない)を選ぶ。銀色のほうなら、鍵がないと外せないことを体験済みなのに!

    (シドニーに逆襲させて、自分に正当防衛の理由を作ろうとしたのか!? シドニーが動かないと物語が膠着してしまうから?(ここまで、ネタを考えたのは全てシドニー) お互いが、自分の命を賭けて「死の罠」を完成させようと競い合っている…これこそ 「殺人ゲーム」)

    情けなさそうに従うシドニー
    クリフォード「椅子の肘掛けに通して手錠を掛けるんだ」

    (クリフォードは空砲なのを知っていながら怯えているし、シドニーも奇術用の手錠と知っていながら泣きそうな顔で従っている。この人たちヘンタイですか?)

  13. シドニーの財布から 金をくすねる。シドニーの家から出て行くと言う。
    「僕に不名誉なことで警察に通報したら、そのときは胃に穴を空けてやる」いたぶるような、シドニーの気持ちを天秤にかけるような口調で言う。

  14. クリフォードが2階に行ったすきに、シドニーは手錠を外す「本物のフーディーニの手錠はこっちだ」

    中世の弓(クロスボウ)を手にして、外壁にはしごをかけて2階に上っていく

    書斎にいるクリフォードを、後ろから射る。 倒れたクリフォードを、ソファーの後ろに引きずって行く。
    「死んだ。間違いない」
    偽装のため、斧をクリフォードの横に置く。

    指紋を消すなどの作業中、電気が消えかけて「コネティカット電力、頑張れ」

  15. シドニーがソファーに座って、「私は秘書を殺しました」と電話している最中、クリフォードが起き上がって、自分の身体から引き抜いた矢で何度もシドニーを刺す。
    力尽きたように、ソファーの背に シドニーに折り重なるように倒れる

    (同じ矢で死ぬのか … それはそれで恋人同志っぽいかも←たぶん、そういう話じゃない)


  16. 《第3場》1週間後、午後

  17. 喪服を着たヘルガとポーター。
    (江波さんの髪型がアップになっている。今までのボサボサの赤毛はカツラなのでしょう。骨っぽい江波さんに、広がったスカートのタフタの喪服を選んだスタイリストさんの勝利。毅然としていて素敵です)

    ヘルガがポーターに、クリフォード殺害が心臓の弱いマイラを驚かせるための狂言だったこと、その脚本化のためにシドニーとクリフォードが争って殺し合ったことを告げる。

  18. かつて脚本家を志したこともあるポーター、自分が その話を書こうと考える。

  19. ヘルガ「印税はフィフティ・フィフティ」
    ポーター「僕が余暇や休みを返上して書くのに?」
    ヘルガ、友人たちにイタズラ電話をしていることをバラすとポーターを脅す。

    (友人たち(シドニーを含む)に、ハンカチを通して裏声でイタズラ電話しているので、「奥さん、きょうのパンツ何色?」じゃないと思うのよ>江波さん。「ボク、きょうはブリーフ?」とかじゃないかと…(汗)。ポーターには隠し子もいるらしい)

  20. ヘルガ、短剣を持って、ポーターを追い掛ける
    「『芝居に関連して女性が短剣を使う』と予言した、あれはワタシだった!」
    ヘルガは やっぱり笑いポイント
    「アムステルダム警察は、私に護身術を教えてくれた。私は強く、恐れ知らず」
    ポーターは何故か「ローズマリーの赤ちゃん」とか「オーメン」とか、オカルト映画のタイトルを連呼している。 腰が抜けた状態で、逃げ回っている。

  21. フレンチドアから、クリフォードがぴょこんと登場
    「『死の罠』として、こういう芝居を、書こうとしています」

    (パンフレットの高平さんのコメントでは、原作と映画で結末が違うらしい。このエンディングは映画と同じなのか)


  1. カーテンコール(1回目)
    和やかな雰囲気で全員が、三方の客席に挨拶。
    長野さんは、ソファーの陰から登場(2幕2場ラストのように)

    江波さんのダンサーのようなお辞儀が素敵。

  2. カーテンコール(2回目)
    全員が挨拶した後、長野さんがフレンチドアで他の出演者の退場をお見送り。
    田中健さんが、長野さんにオネエっぽく迫っていく。
    長野さん、スススッと逃げる。


    「Fly me to the Moon」の歌声に乗って、奥のスクリーンにエンドロールが映される。

  3. カーテンコール(3回目)
    クレジットの字幕が終わった後に、長野さんだけ登場。
    挨拶を終えた長野さんが背中を向けると、トレーナーに矢のあとの血痕がある。
    あたかも撃たれたかのようによろめいて、転ぶ。


【パンフレット】

  1. モノクロ表紙のA4版。
    表と裏の扉は、赤く染められた長野さんの手のひらの写真。

    写真は西村淳さん、ヘアメイクはヒロセ ヨシさん、スタイリストは矢野恵美子さん。

  2. 出演者のグラビアと「DEATHTRAP」の舞台に対するコメント。

    出演者5人のページ数に差がほとんどない
    長野さんのグラビアが1ページ多い程度。
    アイドル誌では見かけないウエットヘアが素敵だ


  3. 演出の高平哲郎さんのコメント。
    折原一さんの、「DEATHTRAP」という作品へのコメント

  4. 第1幕、第2幕の第1場までの 粗筋。

    この芝居に登場する小物や音楽に対する蘊蓄のコラムがある。
    カーボンコピーとゼロックスの違いを説明してくれていてヨカッタ。







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