- 服装
いのっち 薄いグレーのくたびれたスエットのズボン(身体のおうとつがけっこうあからさまに目立つ)
黒のスカジャン、下には青いタンクトップ(袖ぐりが大きい、下着っぽいもの)
ヘアバンド(記憶曖昧)
シャワー後は、バスタオルを腰に巻いただけ(少し濡れ髪)
中川さん
Vネックのセーターと、ひざ丈のフレヤースカート。 脚は素足。
シャンパン色の絹のガウン
- 第1幕
- モードが誰かの留守電にメッセージを残す(別れたフィアンセ?)。
「きょう、トイヤーの新しい被害者の女の子を診察した」と。「ごめんなさい、貴方にかけるべきじゃなかった」とも。
キッチンの包丁を1本手にとり、部屋を横切ってベッドに行き、客席のほうを頭にして仰向けになる。
膝を立てているから、しなやかなひざ丈のフレヤースカートの裾がずり落ちて、白い腿やふくらはぎが惜しみなく見えてしどけない。 包丁を自分の喉元に向ける。
仕事と恋愛両面でのモードのフラストレーションを端的に示していて、ガラスの空間のテンションが一気に高くなったように感じられた。
- モードがCDをかけたのは憶えているが、男声だったか女声だったか記憶曖昧。 曲は、「真珠採り」「羊飼いの歌」のどちらかのはず。
- とつぜん、ドアをドンドン叩く音がして、モードがハッと我に返る。
でっかい口開けてにこにこしながら、ガラスのドアに張り付いてるいのっち。 アホっぽいまでに人懐っこい笑顔がいのっちだ(嬉)。
- モードが指先にちょっとケガをする。
モードが洗面所で手を洗い、髪を直している間、ピーターは中国風のタンスの中を物色する。
写真スタンドの男の写真、手紙、ピストルなどを確認し、元に戻す。
- 好きな音楽はオペラ、家にあるお酒はウォッカにテキーラにアーモンドリキュール。 モードは劇的なものに対する好みが強いようだ。
って言うか、知らない人の作った飲み物を飲むなんて、危険だわ(→海外旅行時の防犯ビデオなどを参照)
冒頭の包丁シーンと合わせて、モードには自滅願望みたいなのがあるのかも…。
- 音楽がジャズに変わる(ラジオをつけたらしい)
- モードの家の周りをうろつくジョギング姿の覗き趣味の男だと、思わせぶりな言葉を口にするピーター。(コンパクト・ミラー) 彼の前でカーディガンを脱ぎ、ブラを取って、またカーディガンを着るモードは、自分の崇拝者を試しているみたいだ。
ヴォワヤールの発音を教える。「ヴ」よ、と。またの名をスコポフィリア
- ラジオから、トイヤーの新たな被害者発見のニュース(モードが留守電でボヤいていた患者のことか)。
トイヤーのふり
気を付けな、ボクは素早いんだよ
子供のころの金魚の話
レモンゼリーと金魚を浴槽に入れて、ゼリーが固まっていくにつれて金魚が動けなくなっていくのを観察していたんだ。
「トイヤーのことを、殺人者とは呼ばないわ、誉め過ぎだもの」
「人がトイヤーのニュースを聞いて、それでもふだん通り生活していることが、悪なのよ」
「女性は、トイヤーのニュースを聞いて、自分の中の被害妄想を目覚めさせてしまう。性犯罪者を警戒すると同時に、新たな性犯罪者を作り上げてしまう」
みたいな会話があったが、どのシーンが思い出せない
電話のトリック(電話線を切断したのに、かかっているようなふりをすること)
「クレタ島人の嘘つき」の話みたいに、相手が「自分は俳優だから、役作りをしているんだ」と言ったら、何を信じて良いか判らなくてイライラするのも判る。
- モードの提案。
「わたし、死ぬほどキツいこのブラを外してシルクのセーター1枚になるから、その着替えが終わったら、あなた、出て行ってくれるわね」
ピーターに「はい」を強いる。
鏡の前に立つようにリクエスト。
中川さんの着替え … 3階席の横からでは、鏡も本人も見えませんでした。
ピーターを追い払った、と思ってモードがホッとしていると、ベランダからピーターが現れて「モード、愛している」
モード愕然!というところで1幕が終わる。
- 第2幕
2幕も同じ場所から。
- 第2幕のオペラは、繰り返し「蝶々夫人」の「ある晴れた日」
ややヘビーなオルタナティヴ・ロックはピーターのテーマ?
オペラに戻して、モード
「まともな音楽が聞けた」
- ベランダから現れたピーター「モード、愛している」
モード、部屋の明かりを消し、先ほど包丁を置いたベッドのほうへ行く。
ピーターは常に何か(「判ったから、明かりをつけて」など)を喋っている。
ベッドのほうで悲鳴、ピーター、自分の右肩を押さえている。
怪我の治療のため、スカジャンと水色のタンクトップを脱ぐ。
ぼくのことをトイヤーだと信じただろう、助かるためには何だって喜んでするつもりだったろう? それって興奮する体験だったんじゃない?みたいなことをピーターが訊ねていたような。
- カウチに横になったモード。 なんとなく良い雰囲気になって、ピーターの胸から徐々にお腹のほうをゆっくりと撫でていく。
床に座ってカウチに寄り掛かって、モードに撫でられるまま放心しているピーター。
(いのっちの、華奢な骨格に筋肉だけ付いた薄っぺたい身体は、どことなくヌメヌメした感じでエロっぽい。 しかも何て女性に撫でられるままの姿がさり気なく似合うんだろう)
シャンパンベージュのショーツ1枚になったモード、ベッドに寝そべって、ピーターを誘う。
ピーターがスエットのズボンを脱ぐと、太股にメスが貼ってある。 それを外して机の引き出しにしまってから、ベッドの上に。
- 二人の身体がゆっくりと重なるとき、オペラの声がひときわ高くなったような(記憶曖昧。自分の脳内Remixかも)
(このへんのシーン、いやらしいと言うよりは、動作がゆっくりとしていて、緊張感が強調されいたように感じた)
- そのまま暗転して、モードがシャワールームにいる場面から再開
シャワーを終えたモードは、シャンパンベージュのシルクのガウン(大人の女性だ)。
- モードがシャワーを浴びている間、ベッドの上で、投げ捨てられた紙人形みたいにクタッとしているいのっち。 無防備でしどけない。 (もう、アンタこそ
toy だよ!)
- ミキサーでジュースを作るピーター。
(ミキサーでジュースを作る姿に、ポンキッキーズ出演開始当時を思い出して、少しだけ和んでしまった)
懐中電灯の乾電池入れから何かを取り出し、白い粉をジュースに入れる。
シャワールームから、その光景を盗み見て、「やっぱりトイヤーだったんだ!」と恐怖に崩れるモード。
ピーターの薦めるジュースに口をつけ「肉の味がする」と言い、シャワールームに捨ててしまう。
- 「あなた、わたしの匂いが移ってるわ。このまま待ちに出たら顰蹙よ」とピーターにシャワーを浴びるように頼む。
いのっちのシャワーシーンは柱の影で全く見えず。 ガラス張りでも見えないときはある。
トランクスを脱ぎ捨てているのは見えたが、一応、下に肌色の何かを着ているのだろうな … 公然猥褻で捕まっては、その後の公演もトニコンもできなくなってしまうもの。
ベッドの下の鞄から薬剤を取り出し、コーヒーに入れ、ピーターに飲ませる。
- モード、薬に当たったふり。
モードをお姫様抱っこして、ベッドからカウチに連れて行く。
剛くんとどちらが重いかな?と考えたのは、中川さんに失礼?
健(164cm、48kg)くらいに見えた。
「ゼリーの中を泳いでいる気分かい?」
「なぜ、わたしなの?」
何度か尋ねる。答えはいつも同じ。「貴方が特別な女性だから」
薬が効いて来らしく、ピーター、カウチに仰向けになる。
頭がずり落ちて、「のけぞりいのっち」状態。
モードが馬乗りになり、どんなふうに前頭葉ロボトミー手術をやるかを言葉でシミュレーションする。
「どこで調べたの(笑)、今ではもう行われてない古い技術なのよ」
「わたしずっと、自分が人を殺せるか疑問に思っていた。答えが判ったわ」
(動けないピーターに話しかけて、自分の思い通りにしようとしているモードが、(O.ワイルド)サロメに重なって仕方なかった)
- メスを振りかざすモード、暗転。
(オープニングも刃物、ラストも刃物…)
- 感想
- グローブ座
って暗くない? シェルブール〜のときも暗いと思ったけど、今回も暗くてよく見えなかった(単に老化現象かも)。
- モードの視点で見ていたかも。
ラストで高揚感/解放感を感じたのも、たぶんそのため。
ピーターは得体が知れないから、感情移入しようがない。
金魚やモードのような美しいものへの執着が強いところや、鏡の前で着替えるようにモードにリクエストするところなんて、皮膚感覚では通じるものを感じるのだが。
ピーターは肉体的には受動的なせいか、「アイドルさんがこんなことを!」という生々しさは感じなかった。 シャワーシーンは見えなかったし。 第1幕のせりふは攻撃的で、言葉では死ぬほどモードを弄んでいたが。
- セットが綺麗。
セットを変えることがないから、重さに制限がなくて、そのぶん本格的なものが作れたのかもしれない。
ちゃんと "建設"してあって、作り物っぽさがなかった。
流しやシャワーから水が出る。幕間には、水の補充をしていたような?少なくともグラスなどの後片付けはしていた。
シャワーは、お湯が出ているのかしら。 でもお湯だとガラスが曇ってしまうから、水かしら(寒そう)。
会場を暑めに空調してあったのも、水を浴びたり、裸に近い格好だったりするから?
ずっと素足の中川さんを見て、冷え性の人間としては健康を心配してしまった。
- 原作のその他のエピソードや登場人物、モードの経歴さえもバッサリと切り捨てて、ピーターとモードのリアルタイムの関係(トイヤーと狙われた女性の関係?)だけに絞っていた。
モードの苗字も違うし。 ピーターとの会話も、それまでのトイヤーの犠牲者のエピソードから持って来たものがある。
ラストシーンは同じ。
- パンフレット
林立するメスやピンセットに囲まれたいのっちと中川安奈さん。
黒のシャツと革パンツのロックないのっちも良いが…。
目や口のアップ。 いのっちは腕や手も。 明るい照明でハッキリ写っていてオイシイ。
いのっち…生命線、短い。
(「小枝」のCMで健が言っていたセリフ)
出演者2人+司会者の対談。
長野さんのコメントも1ページ。
長野さんには、坂本さんがコメントするのだろうな。
中川さんには佐野史郎さんのコメント。
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