御宿かわせみ  NHK 金曜時代劇 21時   プラウザの 戻る← で戻ってください

原作 「御宿かわせみ」 平岩弓枝    脚本  斎藤樹実子、池田政之、山本むつみ、相原かさね     
演出…富沢正幸、松岡孝治        プロデューサー…菅野高至
音楽  大島ミチル        主題歌 「悲しい歌はきらいですか」 挿入歌「花になれ」田川寿美
庄司るい…高島礼子     神林東吾…中村橋之助   畝源三郎…宍戸開→沢村一樹
お吉…鷲尾真知子      神林通之進…草刈正雄   嘉助…小野武彦
神林香苗…仁科亜季子   長助…螢雪次朗       麻生源右衛門…井川比佐志
麻生七重…吉本多香美   天野宗太郎…鈴木一真
            小西美帆

(新)御宿かわせみ★★★★  12話最終回 12回「祝言」(8月5日放送)

るいのかわせみに源氏車の紋付きの打ち掛けが届いた。かわせみの一同は見に来る。るいはお礼を言う。るい「かわせみを無事にやってたのは、あなたたちのおかげです、心からありがとう」。一同「お幸せに」。るいと東吾の祝言が近づく。最後の難関は、東吾の後見人を自認する麻生源右衛門(井川比佐志)に、どうやって、るいを認めさせるかだったが……。麻生源右衛門は盛大にやろう、高砂を謡うとやる気満々だ。るいを見てから高砂を考える。気に入らないと謡わない、とまるで子供だ。タイトル。
東吾がかわせみに行くと、るいは墓参りだった。りんどうの花を持っていた。しかし、庄司の家の墓に、若者がお参りしていた。るいは聞くと、遊んで貰った進藤一馬で、一馬の父は同心だった。そして一馬は病の父に代わって家督を継いだのだ。今は見習い同心なのだが、父から、まず、庄司の父墓に参ってこい、それを役目を果たす励みとしている。それを知って、るいは父の遺志が継がれていることで喜ぶ。東吾の祝言で、るいが一番に気にしているのは父のことだ。不正を暴き出した父は商人や役人に上役に反感も持たれているのだ。東吾は今夜源右衛門に会いにいこうとする。そこに宗太郎も来た。義理の父は大丈夫だ、と言う。東吾は、結婚したらかわせみに来る事にした。
宗太郎は、盗賊の事件で源三郎、長助は忙しいのだ。長助がまだ開いていないめし店「升屋」に気づいて入る。そこには取り逃がした盗賊がいて、長助はやられてしまった。東吾たちは、盗賊は世直しだという浪人くずれらしい。今はどこかで暗くなるまで待っているのだ、と話している。るいは香苗のところにお礼に行った。打ち掛けは通之進が呉服屋を呼んで選んだのだ。るいはお礼を言う。しかし、話を聞いた源右衛門はるいの家に住むので、婿入りみたいだと、怒っている。そして、東吾を操っている、ワシが追い出してやると息巻いている。宗太郎は帰りは身重の七重を連れてきて下さいと頼む。その七重はるいと会って、これまでのことを謝る。七重の東吾への思いが、二人の恋を邪魔していたのだ。るいも、「私の方こそ」。七重「私は一足お先に幸せです、るい様も幸せになって下さい」。−−−人の妻になり、母となる七重様の輝く笑顔をみた−−。香苗の所から帰るるいと出かける源右衛門はめし屋の升屋の前で一緒に雨宿りする。るいは源右衛門に手ぬぐいを差し出す。源右衛門「中に入れば濡れずにすむ」と戸を開けようとする。しかし、戸は閉まっていた。ちょっと、話し込む。その時、捕らわれた長助が止め棒を外す。戸があくと、長助が出てきた。そして盗賊は一斉に出来た。源右衛門とるいは迎え打ち、斬り合いとなる。るいに源右衛門は脇差しを貸す。長助が呼び子を吹き、東吾と源三郎が走って間に合った。その後、町方が盗賊を全員とらえる。そこで、るいと源右衛門は一緒になった。源右衛門は、火急の際だから、このおなごは強うそうなので加勢してもらった。そこで、東吾が驚いている。お互いが名乗り合う。思わずうち解けてしまう。雨も上がり、盗賊も捕まった。
源氏車の紋の打ち掛けを身にまとい、かわせみで待つ。籠が迎えに来た。源三郎夫婦が親代わりだ。るいは嘉助とお吉に、お世話になった、父母を亡くした私を支えてくれました、兄と姉と思います、今後も頼りにさせてください」。二人「過分なお言葉です」。るいは籠に乗り、皆が見送る。つつがなく、三国一だ。嘉助とお吉は思わず辛抱したと泣き崩れる。そして、手を合わせ、抱き合って泣く。
上下の東吾は通之介に挨拶して、お礼を述べる。「父母に代わって、養育して頂いた、衷心より御礼申し上げます」。通之介も涙する。るいの手を親代わりの源三郎の妻千絵が引いた。綿帽子をかぶった白無垢のるいが入ってくる。テーマ曲だ。通之進「二人を褒めてやってくれ、女の身、長い間、今日までよく耐えてくれた、礼やら詫びやら、申し上げたい」。るいの目に涙が・・・回想シーンだ。いつも二人は口喧嘩して、仲直りだ〜〜〜。そして、子供の最初の東吾がるいを嫁にすると約束するシーンだ。通之進「人の世に生きる・・・暖かかく見守って頂きたい」。固めの杯を交わし、右衛門の高砂が謡われる。−−−忍ぶ恋の日々は終わり、神林るいとなりました−−−父も喜んでいると思います。立会人が「見届けた」。源右衛門「ワシは派手なのが好きだが、今日みたいものも、いいな」。るいは神林家を後にして、夫婦として過ごす「かわせみ」に帰ってきた。−−−東吾様、幾久しく−−−  るい、幾久しく−−− 次の朝も、東吾はかわせみから行く。るい「行ってらっしゃい、旦那様」。東吾は嬉しくてもう一度言ってくれと頼む。かわせみの皆も喜んでいる。−−ひとまずのお別れです、恋の行く末を見守った皆様に御礼いたします−−− おしまい。
まあ、念願の二人の祝言です。そこに盗賊の事件を絡めます。それが源右衛門とるいの初見にするとは、思いませんでした。それにしても、源右衛門とるいに対して、盗賊は多かったよ。危なかった。東吾、もっと早く来ないと・・・。かみさんは、横で泣いていたが、自分は泣けなかった。だって、初めから一緒になることが分かっていた。ただ、長かったな〜〜と思った。二人とも、結婚適齢期をとうに過ぎています。そこらも、泣けない理由でした。七重が宗太郎とさっさと祝言をあげたので、もう決まりだった。高島さんの白無垢も、想定内だった。みなのセリフも想定内だ。脇の人たちの暖かさが嬉しかった。長い話をずっと見てきた自分に★一つあげたい、4つ★とした。ひとまずのお別れだから、またやるのですね。できれば余り役者さんを変えないで出来るといいですね。


(新)御宿かわせみ★★★  11話 [花嫁の仇(あだ)討ち」(7月29日放送)  頭痛だよ、一回見だ

最初に、医者のかたわら仲人をしている鶴田典庵と妻の加女(かめ)が登場だ。鶴と亀で縁起がいいと仲人で縁を結んでいる。田舎から江戸に来た母娘は鶴田に声を掛けられる。タイトル。
木曽からやってきたその母娘がかわせみに婿捜しで泊まった。聞くと、田舎の大家(たいか)からの縁談を断ったので、田舎にはいられないのだ。どうやら医者の仲人の礼金は持参金の1割だ。しかも、どうも、口が上手くて、かわせみの皆は心配している。嘉助から医者の名を聞いて、調べるという。早速、仲人医者がかわせみにやってきた。娘は口入れ屋・辰巳屋の息子が気に入って、まとまりそうだ。辰巳屋が支度金を持って来るというのだ。東吾がかわせみにやってくる。持ってきたツツジを見つけ、娘は「日の出霧島」だと名前を口にした。かわせみの皆は母娘に注目する。そこで、仲人医者は以前も深川の店屋の酒飲みの男を、おみつという娘を世話したのだ。その娘は、あまりの男の身勝手さに嫁ぎ先を出奔して、大川に身を投げたのだ。今回の話を聞いて、嘉助は母娘に止めるように説得し、やっと聞き入れてくれたようだ。そのころ源三郎は、江戸で見つかる偽小判作りの事件を追っていた
香苗のところに東吾は行く。香苗は「仲人医者に世話にならなくて、よろしゅうございます」と嫌みを言われるが、東吾とるいの祝言が近いことを漏らす。そんな日、長助は口入れ屋の辰巳屋に嫁が来ると巷で評判だとかわせみに話にくる。東吾は、母娘に「女郎に売られるかも知らない、仲人は礼金目当てだ、間に人を立てるから、ヤメにするがいい」という。しかし、おたかが相手が好きになった。それに支度金をもらった。母は「結婚してから、壊れたら、仲人さんは大変でしょうね」。娘「医者が仲人、任侠が悪者、江戸はおもしろい」。母は「すぐに仮祝言なので、かわせみから嫁に行きたい」と申し出る。るいは承諾するが、もう一度念を押す。るい「辰巳屋に嫁ぎたいのは本心ですか?」。おたか「もう決めたんです」。その後、かわせみのるいの部屋で、るい「訳がある、思い詰めた目をしている」。東吾「るいにはお見通しだな、おたかは典庵にだまされたおみつの妹だ、縁組みは壊れる、おみつの母は亡くなっていて、さだは叔母なのだ、おみつの里を調べたら、つつじの日の出霧島で気づいた、大久保の傍なのだ、つつじの名所だ、おたかは姉のおみつの敵討ちだ、祝言を壊して、典庵をひどい目にあわせる」。るい「やめさせます」。東吾「気の済むようにやらせよう、万が一の時は俺が助ける」
仮祝言の日が来た。典庵がかわせみに来て、おたかを見て、美しいと大喜びだ。夕方に花嫁衣装の白無垢綿帽子のおたかはかわせみを出ていく。最初は籠、それから船に乗って、おたかは祝言の辰巳屋に行く。東吾たちも、その周りを見守っている。東吾達は、船が着いたままになっていて、それで逃げるつもりだ、と推測する。宴たけなわで、美しい花嫁の評判を聞いて、酔った男が花嫁の綿帽子の被り物を外す。すると、おたかは真っ赤に腫れ上がり、ひどい顔をしていた。その場は大混乱となり、明かりが消される。明かりが付けられると、花嫁はいなくなった。仲人の典庵は逃げようとしていたが、辰巳屋の男達に捕まった。追手は船を見つけ、中を改めるが、野菜で船頭は長助だった。追手はかわせみまで来た。東吾は籠でおたかを源さんのところにやったのだ。追手は花嫁を出せと言うが、間に合った東吾は刀を抜き、客がいるので勝手にさせない、外で見張っていろ、無法者は叩ききる、と啖呵を切る。おたかは漆を顔に塗って、ひどい顔にしたのだ。お床入りで、男を驚かすつもりだった。今は宗太郎が治療をしていた。その宗太郎は治るまで半月ほどかかりそうだ、と東吾に話す。支度金はどうしようか、と預かった嘉助が東吾に相談する。そこには文が入っていて、おさだは「迷惑をかけたので、辰巳屋に返してくれ」と書いてあった。おたかは、顔を包帯に包んでいるが、るいは「これで心がはれるのでしょうか?」と聞く。ところが何と、調べると辰巳屋の支度金は偽小判だった。数日後、おさだは姉おみつを連れてきた。そして、おたかと会う。二人は抱き合う。おたか「無事だったの」。かわせみで、おさだは挨拶する。おみつは身投げしたが助けられ、寝付いてしまった。その後、身体がよくなっても、皆に迷惑になって困ると思って、田舎にも帰られなかった。しかし、噂で辰巳屋の嫁の話を聞いて、妹ではないかと出てきたのだ。おさだは、るいにかしこまって礼をいう。おさだ「姉を思ってやった、仕業です、咎があれば、叔母の私が・・」。るい「奉行所は、偽小判の事件もあり、お礼を言いたい位です」。辰巳屋から、偽小判の一味が知られた、全部捕まった。通之介は、東吾と源三郎の手柄だ、いや中津川の親子の仕業だ。そして、1ヶ月後に、身内だけの祝言をあげようと言う。源三郎夫婦がるいの親代わりを頼む。東吾も源三郎も涙を流す。そのことは、嘉助から、お吉に伝わる。喜ぶ二人だ。るいと東吾は縁側で抱き合って座る。男と女を結ぶのが仲人なら、東吾様と私の仲人は、長い歳月だ。つづく。来週は祝言で最終回だ。
今回はネタが結構バレバレだった。話は、母娘といかがわしい仲人医者しかいない。そこに偽小判だ。それが45分でまとめないといけないから、大急ぎで終盤となった。調子よかった。だから、話としては人情とか、いつもの泣かせるところはなかった。ただ、夏のお化け物風の、綿帽子をとるときの恐怖は「お岩さん」だったよ。それと母娘と一緒に、いかに悪者をこらしけるか、それが楽しかった。そして、逃げるときもドキドキだった。いよいよ来週は最終回でるいと東吾の祝言だ。
詐欺まがいの仲人医者:鶴田典庵(樋浦勉)、その妻:加女(大島蓉子)、姉:おみつ(松永香織)、妹:おたか(山田麻衣子)、叔母:おさだ(黒田福美)


(新)御宿かわせみ★★★  10話 「春の寺」(7月22日放送)  2回見たよ

神林家の通之介と東吾と香苗の3人は菩提寺である谷中の経王寺(きょうおうじ)を参拝した。寺の御坊に「東吾は年貢の納めさせる所存だ」と通之介から言われる。その寺で、香苗は近くの茶屋のおきぬと出会う。東吾は母を覚えていないのだ。それで父は母は通之介とよく似た顔だと東吾に行ったのだ。帰りに茶店に寄る。おきぬが働いていた。おきぬはここの桜は一本桜だが、見物客でにぎわうのだ。世間話になり、おきぬは住職の嫁に行く話も、身を寄せる子供もいない、一生この茶屋で暮らすつもりだ
かわせみに、育ての母を捜している長太郎(東根作寿英)は、家を出て15年後に帰ると、生まれ育った「よしい屋」酒問屋が何もなくなっていたのだ。店の旦那は放蕩三昧で、あっという間に店を潰して、その後旦那死んだのだ。母親は行方知らずだ。しかし、腹違いの3人の子供を、子供のいない女将は育てたのだ。そして、産みの親は深川で芸者をしていた。長助なら知っているかもしれない。嘉助と東吾とるいは長太郎に協力するつもりだ。東吾はるいと二人になると、昨日の墓参りの顛末を話す。東吾「通之介は、俺に年貢を納めさせる、俺に嫁を貰わすと言っている」。るい「どこのお嬢さんを」。東吾「ここのお嬢さんだ、俺の嫁はるいだけだ、姉上にも確かめた、間違いない」。るいは「かついでいる」。東吾「嫁に来てくれるな」。るい「夢のようです」と泣きうなずく。二人は手を握り、東吾「長いこと待たせたな、一緒にやろう、るい」。るい−−待ち続けた言葉を伺いました、ほのかなな梅の香が漂う春の夜に、浮き立つような幸せにひたりながら、私は−−。るいは東吾とのこれからに不安を覚えた。るいは長太郎を長寿庵に連れて行く。行くと長助は宗太郎と出かけていた。そこで、待つこととなった。二人は話す。長太郎は生まれの母と8歳で別れた、赤ん坊で「よしい」に育てられた。店の金5両を盗んで、生まれの親に渡した。「よしい屋」のかみさんが、父親から責められてもかばってくれた。本当に探しているのは、育ての母「よしい」屋のおふくろだ。子供の時に、そこの八幡様に来て、お守りを買って貰った。悪さすると、叩かれました、俺は泣いて、でも、おふくろもも泣きながら叩いていた。俺がが馬鹿だった。親戚が、子供がいないのに、家を出て行かないのは、身代が目当てだ。陰口を言われていた。そして、自分はひねくれて、意見された母に「てめえは俺のおふくろじゃない」と言ってはいけないことを言った。悔やみました、でも引っ込みがつかない。それで、家を出てしまった。すまない、一人前になるまで帰らない。それから、苦労して、造り酒屋に奉公して頭になった。一人前になったので、母親を引き取って面倒をみようと思った。数日後に、産みの母の消息が知れた。10年前に木更津の廻船問屋の旦那の世話になったが、病で死んだという。長太郎は川越に帰る。長助も後添えなので、すっかり同情したのだ。
長助が宗太郎は、おめでたかも知れないと東吾達に報告する。宗太郎が岩田帯を買うが、照れている。それで、長助が一緒に付いていったのだ。七重は、まだはっきり決まったことではないが、源右衛門も宗太郎も舞い上がっている。東吾はるいに、もう少ししたら花見に行こう。経王寺の一本桜を見に行こう、墓参りしよう。るいは「父上様や母上様は許してくれるでしょうか、跡取りです、私に子が出来なかったら・・・私が嫁いで東吾様に迷惑がかかるのでは・・・」。東吾「庄司の父のことを気にしているのか」。るい「父はお上の不正を調べたために、お奉行所にも嫌っているものがいる」。東吾「るいの父上は立派な方だ、よく分かっている、陰口をたたかせるものか、るい、俺は子供の時から決めている、生涯かけて、るいを幸せにすると決めていた」。るい−−父の晩年の淋しい姿を思い出されて不安が強くなる−−−。東吾は義理の姉の香苗に相談する。東吾「嫁ぐ時に、迷いや案じられたか」。香苗「迷いがあった、子供の時から、いつか旦那様と、でも私でよいのか・・・今も思います、私でよかったのか、東吾様、誰の心も揺れるものです、大切な方を思うと、心の波が収まるまで、待ってあげなさい」。しばらく、二人は嫁ぐ話をしなくなった。
やがて桜の季節になった。よしい屋の女将が見つかった。長助の妻がが店の客に聞きまくったのだ。経王寺の茶店のおきぬさんです。早速、川越の長太郎に使いを走らせた。そして、長太郎ときぬは対面する。お守りを見せた。おきねは泣く、長太郎も泣く。東吾の代わりにるいに付いてきた嘉助は「探していた方が、神林家ゆかりの方だったとは、縁ですね」。しかし、長太郎は淋しく一人で出てきた。長太郎の母と一緒に暮らしたいとの願いは叶わなかった。その後で、るいがおきぬに聞きに行く。おきぬはるいに礼をいう。おきぬは「嫁いでいくのだ」と言う。るい「長太郎さんは、この先一緒だと楽しみにしていたのに」。おきぬ「ずいぶん意見されました、この年でよそに行っても苦労するだけだ」。るい「嫁ぐのは真ですか、長太郎さんの申し出を断るために話をすすめたでは、なぜ」。おきぬ「意地、でございました、次々子を作って、子の出来ぬ私に育てさせる、主人への意地でございました、子は愛しかった、でも、母としての思いだけで育てたと嘘になる、そんな私が老いて、あの子の世話になれない、重荷になるばかりです、いずれ、それだけはそうしても、なさぬ親の義理です」。るい「それはかえって長太郎がおつらいのでは、重荷になりたくないから、身を退くのは・・・私がこんなことを申し上げるなんて、同じ事を思っていました、私の大切な方の重荷になりたくないと、それがかえってその方を傷つけると、分かっているのに、いざとなると踏み出せなくて」。おきぬ「桜の見事なこと、どんなに見事に咲いても一本桜はどこかさみしい、どこか頑なに見えることがある、まるで私のように、あの木のように生きてまいりました、誰にすがることもせず、それが辛い淋しいことだと思っても、この年になったら生き方を変えるのは難しょうございます、お嬢様、花ののように生きる道をお選びなさい、花は群れて支え合って、地に咲く、私もそのように生きれば・・おこがましょうございます、おのれに出来ないことを他人様に、どうぞ大切な人を失いませんぬように」。東吾がやってきて、おきぬに達者でなと声をかける。東吾は嘉助から聞いたのだ。るい「嫁にいくのは偽りだと思います」。東吾「悩みぬいて、長太郎のために決めたのだ、不思議だ、花の盛りに寺に来られた、俺と一緒に墓に参ってくれるか」。るいはうなずき。墓に手を合わせ、るい「いたらぬものですが、東吾様と一緒になることをお許し下さい」。東吾「なになに、お前にはすぎた女房だ、ただ、気が強いので、尻に敷かれぬように用心しろ」。おきぬはどこかに旅立っていった。
母の思いについての回でした。おきぬと長太郎の母子関係と、東吾との結婚に戸惑うるいを重ねて物語を作った。とにかく、東吾とるいは結婚することになりそうだ。二人は男と女の相性は合っている。それでも、家のことになると、不安が一杯になるのだ。子供が出来ないと・・家に父の行状が身に降りかかることを心配する。そんな物かも知れないな〜。でも、長かった二人が無事結婚に向かっている。結婚するときは泣けると思うけど・・・。おきぬさんの孤独だが、凛とした生き方は見事だ。そして、それが出来たのは意地であり、なさぬ親の義理だ、と言い切る自己洞察の素晴らしさ。日本人の美しさを感じる金曜の夜です。でも泣けなかったな。東吾とるいの話しが主だったからかもしれない。
長太郎(東根作寿英)、おきぬ(沢田亜矢子)、脚本:山本むつみ

(新)御宿かわせみ★★★★★ 9話   「目籠(めかご)ことはじめ」  (7月15日放送)

竹籠を目籠で鬼が怖がって逃げるのだ。2月8日は事始めで、目籠を高く上げて、災いを避けるのだ。それが終わると、田んぼなどを始めるのだ。おみやは、竹細工屋を見ている。源三郎が東吾が教授方になることを知らせる。講武所から東吾にお定が決まった。一番若くて頼りにしているといわれる。るいは勿論嬉しいのだが、胸の片隅に不安が、東吾は遠くて行ってしまう。忍ぶ恋故でしょうか。品川まで見送りに行った。顔を合わせることなく、後ろ姿を見送るばかりだ。2度と会えないという想いは今も忘れられない。東吾の伝言を源三郎がるいに伝える。方斎先生にるいを会わせたいのだ。それで同行するように言ってきた。方斎の方月館に東吾が訪ねる。方斎は若い者が淋しがると言う。るいは挨拶する。方斎はニコニコしている、幕府が鍛錬を作るとは遅きに逸する、東吾に目を付けるのはよい、将来を邪魔できない、と話す。東吾は若い者と稽古をして行く。
方斎は竹籠をるいに渡す。そして、方斎は、清太郎とおみやの所に行く。るいとおみやは顔見知りだった。3人が嬉しそうだ。東吾を送った品川の帰り道に、盗賊に襲われて傷ついた清太郎をるいは見つけた。そして、おみやが荷車で助けた。るいは、夫婦になったとは嬉しい。傷から足が化膿して1ヶ月苦しんだが、おみやの看病で元気になった。そして、清太郎が竹細工で身を立てられるようになった。るいは竹細工を「かわせみ」に持って帰る。東吾は見送りに来たことを言ってくれなかったのだ、と「るい」をからかう。おみやが清太郎に竹細工を奨めたのだ。それまで、おみやは麻生織りの織り子で生活を助けていた。東吾は通之介にも、竹籠を渡す。通之介「夫の才能を見つけ、売れるようにした、なかなかの才覚だ」。
おみやが「かわせみ」を訪ねる。頼み事をもってきたのだ。日本橋の竹籠の守口屋にツテはあるか聞いてきた。それは販売の依頼ではなかった。実は清太郎は、守口屋の長男で、このまま日陰では駄目だ、本家に戻れるように口を利いて欲しい。家を出た理由はつまらない、親子喧嘩だ。弟は風邪が元で亡くなった。両親は力を落としている。早速、源三郎が口を利き、その日のうちに両親は清太郎に会いにいった。方斎の家で、親子3人は涙で再会する。守口屋に戻ることになる。お吉などは「算盤ずくだったのではないか」と話す。清太郎はおみやを両親に会わせる。おみやは、挨拶する。母親はと父親はおみやにも挨拶する。しかし、おみやさんは、口が聞けないので、大店(おおだな)の女将さんには向いていない。清太郎は両親と帰ってしまう。おみやは、家の後片づけがあって、2〜3日で戻ると言った。
お吉「気後れしたのでしょうか」。るいはおみやの所に行く。おみやは一人で竹籠を見ていた。るい「このまま、どこかにいてしまうのですか」。おみや「どうして、そう思いましたか、私は3つ年上で、清太郎さんの内儀にふさわしくない、これまでの清太郎さんには役立てました、しかし、守口屋に帰るときが別れるときだったと思っていた、清太郎さんには悪い男が出来たと言って下さい」。るい「あなたが言って下さい、そんな言葉を清太郎さんが信じる仲なのですか、私も1つ上でした、好きな人のために身を退くべきかと思うときもありました、それは独りよがりだ、今は流れに身をまかせるように思います、このまま消えることが、あなたのなさりたい事ですか、方斎先生の奇遇じゃを大事にして下さい」。おみやは大泣きする。
「かわせみ」でおみやは清太郎と話すことにした。おみやは物も食べす、寝ていないのだ。お吉を清太郎に使いに出した。しかし、清太郎がならず者に因縁を付けられ殴られているとお吉が知らせた。それを聞いたおみやは裸足で走り、清太郎を助ける。しがみついて、清太郎の身をまもるのだ。それは小さいときからの姿だった。東吾がやってきて、ならず者を追い払う。母親は「籐吉の娘のおみやぼうだったのですね」。「かわせみ」で、両親と話す。おみやの父はは竹細工職人だったが死んでしまった。それで、清太郎の両親は一時、おみやを預かったのだ。清太郎が腕白に殴られていると知らせがきたが、おみやは坊ちゃんと、主人の子を守ったのだ。父親「清太郎が、私たちの子だと知って、私たちに返そうとしたのですね」。しかし、清太郎を帰そうとした時に、清太郎の母「あなたがおみやさん、初めまして」と覚えていなかったことを、おみやは悲しく思ったのだ。清太郎「どうして、黙っていたのだ、今でもお前は愛しい女房だ、お前がいなくなると聞いて、急いで籠で駆けつけた、その途中で襲われた」。清太郎の母「また清太郎が逃げ出したかと、後を追ったのです」。4人で話し込み、次の日、4人で帰った
東吾「男がしっかりしていれば、女を泣かせることはない。守口屋は若夫婦になるのだ」。お吉が、酒を持ってくる。東吾とるいに新しいことが始まるようになった。方斎が通之介に「ずっといたら、どうだろう、教授方なら、扶持もでる、次男坊でも、一家を構えても、嫁も」。道之介「私も考えていました」。かわせみの女が目籠に若草を盛ってきた。続く。
いやいや、泣かされました。純愛でした、韓国ドラマなんか、目じゃない。江戸の時代の忍ぶ恋だよ、年上女の心意気だ。助ける時は、身を捨てても、向かう。それでも、自分の分をしり、身を退くときを知っている。それを、るいは「独りよがりだ、流れに身を任せる」と忍ぶ恋の極意を教える。泣きました。かみさんもおいおい泣きました。評価アップで5つ★だ。単純な展開だが、本当に日本人の美しさを感じ入りました。お馴染みの西尾まりさんはピッタリでした。彼女でなければ、5つまで行かなかったかも知れない。素敵な役者さんです。そして、時代背景がはっきりしてきましたね。東吾の講武所は新選組で近藤勇が、入れなかった所ですね。先ほどの黒船と言い、同じ時代だったのですね。
ゲスト:おみや(西尾まり)は、清太郎(川口貴弘)



(新)御宿かわせみ★★★★ 8話  「梅一輪」  (平成17年7月8日放送)

神田明神は、江戸っ子の氏神様です。手を合わせる親子に、るいは子供の頼みで蕾に結ぶ。蕾だから大きくなって願いがふくらむと言う。大吉は明日から奉公に上がる。母のおまさは「子供はあっという間に大きくなる」と嬉しそうだ。今夜は父を思う敵討ちの話だ。
橋で東吾は女にぶつかったので、スリと見抜く。しかし、女は身体を改めてもらおうと着物を脱ぎだした。背中には見事な滝夜叉の刺青が入っていた。東吾は女の動きからスッタと思ったのだ。源三郎と長助がやって来る、調べると男とつるんでいて船をも出した用意してあったのだ。半纏をだした職人風の男だ。半纏を拾って、その時に盗んだ財布を取るのだ。同じように、男達が集団で襲って、財布を女に渡す事件もあった。るいは辻斬りだ。東吾、どうも残忍なやり口だ。嘉助は昔はスリでも将門の彦六がいたという。彦六は1両以上入ってる財布を狙い、1両だけを盗んで、返すのだ。盗られたほうは気づかないが、財布の中に「彦六」と書いた紙が入っているのだ。平将門で娘は滝夜叉だ。東吾はるいを意識しながら、女の滝夜叉の見とれたので、バツが悪い。
通之介に東吾は呼ばれる。辻斬りの一味の犠牲者が出たのだ。そして、東吾に滝夜叉の美しさに逃がしてしまった、とからかう。今宵、宴がある、麻生のおやじさんとの酒だ、東吾に代わりに出て欲しい、と頼む。その夜、麻生は早速東吾に嫁を薦める。婿の宗太郎も同席して、その場を何とか逃げて、厠に行く。そこの庭で泣いている子供を見つける。東吾が声を掛けると、この店の小僧だった。その子の父は板前だったのだ。しかし、病気で死んだ。東吾「一人前の板前になったら、食わせてくれ、辛抱しろ」と声をかける。帰ると、麻生は、東吾の女の好みを聞く。東吾は早速、滝夜叉の話をする。もう、噂になっていた。将門のスリの話をする。そこに店のおまさが来て、息子の礼を述べる。すっかり息子はその気になった。神林東吾と名乗る。
数日後に、長助は頭巾をかぶった女スリの現場をみる。スラれた男に尋ねると財布に1両足りない、しかも彦六と書いた紙が入っていた。そして、おまさは「かわせみ」にやってくる。るいは覚えていた。お互いに名乗る。まさは一人息子が手を離れて、どうしても会いたい人がいるので、かわせみで泊まりたい。るいは協力を申し出る。神林家には彦六のスリが6件起きていると報告がある。るいはまさと神田明神で会っている。神田明神は将門を奉っている。るいはおまさが辻斬りの一味とは考えられないと言う。そんな時にまさは探している人が見つかったという。東吾はまさの顔を見るが、滝夜叉の女性に似てるようで似ていない。しかし、どこかで会った気がする。長助が来る。まさは浅草に行き、行ったりり来たりで、本当に人を探しているようだと報告する。そして、滝夜叉かは背中を覗けば分かる。そこで、風呂を覗こうかという話になる。笑い。それで、まさは親を亡くして12年だ、と言っていた、13回忌だ。おまさの部屋に、るいが来て、火を入れる。るいは「親御が亡くなってとは、お父様ですか?」。おまさ「母がいなく、父に育てられた、大吉を育ててわかった、男一人で育てるのは如何に大変だったか、親の大変さが分かった」。るい「大吉さんも大人になって、親の苦労が分かるのでしょう」。るいは東吾にまさは彦六の娘だと分かったと言う。しかし、滝夜叉とは関係ないという。そこに風呂に入ったまさの部屋に「彦六殺しの下手人が知りたければ、明日6つ神田明神へこい」との文があったとお吉が持ってくる
その夜、まさはるいに白湯を希望する。寝付けないのだ。まさ、明日父の敵討ちにないります、父は将門の明神に参った、私はそこに捨てられていた、それを縁だと育ててくれた、そして死んでから12年はスリの父を忘れようとしていた。しかし、父は丑松から、おまさを嫁にと言われたが、好きな男と添い遂げろと逃がしてくれた。そして、父は丑松に殺された。るいは「親孝行が、敵を討つことだと思うか?」と聞く。おまさ「大吉も大人になると分かる、明日は13回忌の命日だ」
次の朝、東吾がまさを送って行く。東吾「彦六のまねをしたのも、呼び出しの文を見えるようにしたのも、奴らを捕まえたら、奉行署に来て、証人になってくれ」。明神に行くと、丑松と女がでる。そこに東吾もくる。捕り方もやって来る。丑松「はめやがったな」。丑松はまさを殺そうとするが、東吾が助ける。丑松一味の捕り物が終わると、まさはいなかった。まさ「父の墓参りに行きます」と文を残して、逃げる。るいも、墓参りさせてあげて下さいと頼む。夕方に、神田明神で東吾とるいは待つ。東吾「るいは人が良い、一杯食わされたな、おまさの願いが叶ったのだ、祝ってあげよう」。帰ると、かわせみにおまさがやって来た。おまさ「お世話になりました」。梅の木に文が書いてあった、「有り難うございました、お奉行所に名乗り出ます」。奉行所ですった小判をすべて差し出した。通之介の計らいでおまさは無罪となった。大吉に会わずに、江戸を去ることになる。おまさ「大吉は一人前だ、そして子離れ、親離れだ」。その言葉を聞いて、長助が見送る。源三郎は調べの話を東吾に知らせる。おまさに丑松がスリのやり方を教えたのだ。彦六は叱った、丑松は大きくなったらまさを相棒にしたかったのだ。そして、おまさは彦六の墓を立てた。そして、明神に戻ったが、東吾達の前に出てこなかったのだ。理由はわかりません。るいは「女の意地だ」。東吾「俺たちの中が良くて出てこなかった」と笑う。名残雪が舞い散ると、大河端にも貼るがやって来る。つづく。
親子の人情話ですね。スリの悪事を働く悪者にも、職人堅気で、プロであるが故に厳しく節度を守る。職業倫理がある、こういうの好きですね、スリと言うよりも職人芸です。そして、捨てってあった子を育てるなんて、彦六は凄い。でも、おまさは、その有り難さが分からなかったのですね。好きな男と逃げて、大吉を産んで、その子が奉公にでるまでに成長した。その時に丁度13回忌と言うこともあり、親の有り難さが本当に分かるようになった。それで、仇討ちをすることを考える。彦六と同じ手口の事件を起こし、丑松たちに気づかせる。そして、呼び出すようにする。しかし、一人では叶わないので、東吾達が手助けするように証拠を見せていく。すべてが完璧な職人芸のようだ。親と子というものは、こんなものだ。自分が親になると、初めて親のことが分かる。子供達にも、親になって欲しいものだ。今回も無粋なエロ親父の話だが、滝夜叉の刺青は色ぽかった。もちろん、普通の女は無実でも絶対あんな事出来ないよ。それだけ、クロだといっているものだが、証拠がない、笑い。しみじみとして、人情と意地も感じた、評価アップだ。4つ★だ。
脚本:相原かさね、おまさ:奥貫薫、丑松:山西惇、滝夜叉:寺田千穂



(新)御宿かわせみ★★★ 7話  「雪の夜ばなし」  (7月1日放送) 先週は人口減少で中止

七重と宗太郎の祝言に東吾は出る。両家とも満足で、七重も宗太郎も幸せそうだ。いい祝言だった。帰り道は、雪がしんしんと降っていた。東吾は河原で身投げしよとする娘(遠山景織子)を助けた。そこに娘を捜していた女中がやってきた。娘は期を失って倒れ、東吾は雪道を足袋だけで娘を背負って屋敷に運ぶ。余りの寒さに東吾は、その家で湯をいただき、こたつに暖まる。そして、お酒も拝借する。女中は娘は、結婚したが、床入りを拒否して、次の日には離縁となった。それは6歳のときに、さる大名の息子にいたずらされた。それが心の傷になっていると話す。娘もやってきて、こたつに入る。娘は、そのことを忘れていたが、床入りの時に思い出してしまった。そして、話すと悲しげに東吾に抱きつき、抱いて欲しいと頼む
次の朝は、東吾は籠に乗るが、籠屋は八丁堀に行かず、途中で置いて逃げてしまった。東吾は朝帰りだ。ずっと待っていたるいの「かわせみ」にも罰が悪くて帰れない。長助の蕎麦屋に入り、思わず経緯を話す。長助は、籠屋や、入った屋敷を探し出す。東吾は源三郎にも、話をせざるを得ない。長助が出戻りの娘のいる屋敷はないが、いつもは使わない別宅が、その日だけ光があったと聞き出した。東吾と長助と行ってみると、そこは東吾の入り込んだ屋敷だった。その屋敷の主がやってきた。その夜は妹に貸したと言った。
東吾が長助の店に行くと、女中が会いたいと来ていた。東吾が会ってみると、あの日の女中だった。女中は「兄から話を聞いて、お手討ち覚悟でやってきた、お嬢様は東吾様をお慕い申し上げていた、近々再婚するが、その前にお慕い申し上げる東吾様のお情けで、心の傷を癒せると考えた」。それには、東吾は刀を抜くわけにも行かず、秘密を約束させる
娘は、七重とお茶を一緒に習っていたのだ。そこで東吾を見初めた。その七重はお祝いに来たるいに「の」の模様に鴛(おしどり)が細工された簪(かんざし)を祝い返しをする。七重も持っているのだ。宗太郎が七重に「のの字を書いて七重を我慢させない」と約束したのだ。その話を帰って、東吾にるいが話すと、東吾は「俺の女房はるいお前だけだ、おいらも「の」の字なんかるいに書かして我慢させたりしない」と言って肩を抱くのだ。
まあ、七重の祝言と、娘の性的トラウマを克服して祝言に向かう話が連動している。そして、「の」の字の簪が、小道具として、東吾とるいの愛を描いてくれる。しかし、無粋ではあるが、真相がはっきりしない。NHKだから? 時代劇だから? 東吾は娘とHしたのか??? 多分したのだよね。だから、娘は慕っている東吾となら出来て、それで新しい婿とのセックスも出来そうで、男性不信を克服出来て、祝言がうまくいくのだろう。そうすると、もっとるいは東吾の朝帰りに悋気(りんき)か嫉妬しても良いと思う。だって、娘の部屋では伽羅の香りが強くたかれて、服に移っていたと思う。賢明なるいは絶対気づくよね。そんなところが気になって、そこらを粋(いき)に描いても良かったのではないだろうか? 雪の時期になって、情調は出てきたのだが、梅雨時に放送して見る方はちょっと微妙です。
ゲスト:娘(遠山景織子)。 



(新)御宿かわせみ★★★ 6話  「忠三郎転生」 (平成17年6月17日放送)

東吾は七重の所に行くが、宗太郎が忙しく来られない。そこで、弟の宗次郎が代わりに薬を持ってきていた。宗太郎の家の父は典薬頭になのだ。意外にも、名家なのだ。そして七重は宗太郎を褒めている。嬉し恥ずかし〜、毎回恥ずかしいよ最近、江戸では病人のいる家を狙う賊がはやっている。急な病気だと遣いが来て、戸を開けたところを押し込む。大金を狙って家人を皆殺しにする。喘息で奥坊主を引退した隠居所を賊押し込み、3000両を取られた。給金は高くないが付け届けで潤っていたのだ。その他、帯問屋もやられた。東吾と源三郎はそれぞれの係つけの医師を調べる。そのうち2名は、宗二郎が言っている今王子?(いまおうじ)の弟子だった。ここらの言葉や関係がさっぱり分からないよ。間違っていると思うのでご容赦下さい。宗太郎先妻の子で、後添えの子で、腹違いの堂二郎と宗三郎がいた。今王子は宗二郎が継ぐ、天野に家は宗三郎が継ぐ。そして、宗太郎は好きなおなごがいて、婿入りしたいのだと東吾に言う。
東吾は薬草園へ宗二郎を訪ねる。そこで、宗二郎は初めてではない。雨の日に川ばたで、すれ違ったと言う。一緒にいたのは内弟子の岡崎だった、凄い殺気があった。岡崎は水戸の医師の跡取りだ。長助が東吾に3年前に大事件を起こした忠三郎(京本政樹さん)を見かけたと報告に来る。実は、忠三郎が岡崎家に入り込み、半次郎と名乗っていた相変わらず美しい京本さんです。東吾がかわせみに行くと、何と七重が攫われた(さらわれた)のだ。その文を読んだ宗太郎は急いで走り去ったのだ。そこに麻生の所の下働きの久米が、七重をかわせみに迎えに来た。しかし、当然いない。東吾が久米に聞くと、迎えに来たのは岡崎半次郎だったと言う。かわせみの嘉助は天野の後を追っていた。そして、さらに東吾と源三郎が後を追う。
橋のたもとで、嘉助が傷つけられて倒れていた。そして、東吾と源三郎が追うと、人を斬り慣れている賊が襲いかかる。殺陣シーンだ。3年前の絵島忠三郎の回想シーンも加わって描かれる、忠三郎は岡崎半次郎になって、登場だ。あまりに多くの手勢に源三郎も痛手を負った。その時呼び子が鳴り、賊は逃げる。かわせみに宗二郎が訪ねる。嘉助は長助に付き添われて医師の所で手当を受けていた。嘉助に籠の行き先を聞くと水戸様の屋敷ではないか・・と答える。七重と宗太郎は水戸屋敷だろうか。東吾は長助に若者を集めて、鍋や鳴り物を持って集めるように頼む。東吾のところに、宗二郎、宗三郎がやって来る。そして、今回、七重が攫われて宗太郎が血相を変えて走った理由を聞くと、宗太郎の好きな娘は七重だと答える。驚く、東吾とるいだやっと、気づいたか、ご両人〜〜分かりそうなものだけど、笑い
若い者が多数、水戸屋敷に集まる。長助は門番に金を与えて情報を得る。水戸のみなさんは出かけている。残っているのは、国元の医者の倅(せがれ)が得体のしれないものを入れているのだ。東吾は長助に塀をこえて入ったら、若者に鳴り物を鳴らせる。そして、朝まで帰ってこなければ、通之進に伝えるように指示する。蔵の中で、宗太郎と七重がいて、宗太郎は半次郎に蘭書の毒の作り方を朝までに翻訳させようとしていたのだ。半次郎は東吾に恨みがあるのだ、そして腐りきった世の中をぶっ壊す、と呟く。七重「どうかしている」。その時、町方が騒いでいることが知らされる。蔵の鍵が開いたままで皆は表の方に行く。宗太郎は緊張から七重に倒れ込む。東吾ははしごで蔵を見る。その時、蔵の中では、二人は良い感じだ。東吾が声を掛ける。そして、降りて鍵を開けて、逃げ出す。ちょっと、ここらの設定は甘めですが、そうしないと脱出できない。江戸時代は今より、賊ものどかなのだ裏門に通之進と麻生の軍勢が陣取っていたのだ。大変な騒ぎだ。東吾は表から町方が来たぞというと、皆は裏門に逃げる。そこに待っていた通之進と麻生の軍勢が次々と捕まえる。残った半次郎は  望みのないこの世をひっくり返す、腐ったこの世を終わらせる。二人は真剣勝負だ。鋭い殺陣が続くが、東吾の刀は半次郎の腹を峰打ちする。七重と宗太郎は抱き合う。それを見て麻生は驚く。
数日後、岡崎半次郎は当家とは関係ないという。半次郎も何も言わなかった。調べると、親皇党?の一味の末裔だった。ここらも言葉が難しい、間違っていますね。医者や僧侶の修行もしたのだ。しかし、自分の才能を生かせない世の中を恨んでいたのだ。そのまま打ち首になった麻生は宗太郎の父宗伯と一同で会食する。宗伯は宗太郎を麻生の家で一人前の侍にしていただきたいと願う。麻生も「ふつつかな娘ですが、よろしく」と頭を下げる。皆が頭を下げて、縁組みの了解が得られたのだ。それkらは酒盛りが始まった
嘉助の床上げが行われる。東吾も酒を注ぐ、源三郎も昨日床上げだったのだ。皆が去ると、東吾とるいの二人になった。七重と宗太郎の婚儀を報告する。七重が昼に「ゆおやく大切な人に出会った、東吾様をよろしく、淋しいのでしょう、七重様を宗太郎に取られたみたいで」。笑い。冷えると思ったら、外は雪gあちらついた。東吾「るいが一番だ、るい一人いればいい」。雪が風に舞っていた。七重様が雪のような真っ白の衣装を着るのも近いでしょう。
設定が完全に冬になりました。これからの季節にどうでしょうか。でも、今まで吐く息が白かったのに、比べて、はっきり冬だのほうが良いかも知れない。話は忠三郎が名前を変えて登場です。京本さんは時代劇でカツラを付けると、独特の色っぽい演技が出来ます。やはり、各シリーズに一回は登場でしょうね。ただ、全く別の役でよかったと思う。無理に忠三郎で再登場する強引さは不要だったのではないか。今回のもう一つは七重と宗太郎の愛の成就でしょうか。まるで中学生の初恋みたいに初々しくって恥ずかしいばかりでした。吉本さんは結婚して、いますよね。でも、うまく演じていました。本当に恥ずかしいのでしょうね。まあ、ドラマとしては京本さんの殺陣が見所なだけでした。評価は3つ★です。
ゲスト、岡崎半次郎、忠三郎(京本政樹さん)

(新)御宿かわせみ★★★★★ 5話  「雨月」 (平成17年6月10日放送)

火事になり、半鐘がなる。火事は人の定めを変えてしまう。逃げまどう一組の兄弟は離ればなれになった。20年後に蔵の錠前が開けられた。雨の日、橋の上で僧侶と商人になってすれ違う。僧が托鉢にかわせみにやって来る。その後、僧は橋のたもとで腹痛で苦しむ商人を見つける。そこに医師天野が通り、かわせみに運ばれる。商人は泊められ、僧は御仏のご縁で、かわせみに商人を頼み去る。商人は伊之助(岡田義徳)で、僧の吉太郎は浄心(鷲生功)だった。天野は恋の病で東吾の相談に来たのだ。一方、七重も恋わずらいであった。翌朝、薬種問屋で南京錠を外すと、中のものの盗難が判明した。調べに来た源三郎が表を見ると、僧が立っていた。かわせみでは伊之助がお礼を言いたいと降りてきた。東吾は白い菊を嘉助と愛でている。東吾「亡くなった母が好きな花だった、母はもう口も聞けない状態だったが、自分の手を通之助の手に重ねた、その後まもなく母は亡くなったが、今度は兄が自分の手をずっと繋いでくれた」。それを聞いて、伊之助は泣いた。やはり、伊之助も大火事で親と別れ、その後兄は自分の手を離さずひっぱてくれた。それで、生き延びたが、その後は覚えていない。お寺で助けられたことだけ覚えている。その後、自分は産みの母が迎えに来たが、兄は違う母のため寺に預けられたのだ。兄の方まで面倒見切れなかった。そこで、生き別れたのだ。伊之助は遠州に生き、今度は茶の売りをしながら、兄を捜しているのだ。東吾は、両親を亡くしても、兄がいてくれて、暢気にしていますと感謝する。
源三郎は東吾に怪しい僧を3回とも盗まれた店に立っていたことを話す。浄心は京都で修行をしてやって来たのだ。先代の住職が火事で焼け出された浄心を引き取っていた。そして京都に修行に出してくれたのだ。しかし、嘉助は昔の岡っ引き仲間から、伊之助の話を聞いていた。母親が伊之助をそそのかして盗ませていた疑いがあった。実の母に引き取られたのは裏目に出たのかも知れない。伊之助は、浄心のところに行く。そこに東吾たちが来て、話を聞く。浄心は「伊之助は、忘れたことのない弟です、もしや、盗賊でないかと聞いていたんです、自分は吉太郎で伊之助の兄だ、京の帰りに伊之助を探して、浜松に寄ったが、錠前を器用に外す盗人がいたが、仲間割れでお縄になる前に逃げた、江戸で半年前から同じ盗賊がいた、これ以上弟に罪を重ねて欲しくない、別れた時、弟は6つでいたいけな子だった、実の母なので、手放したのです」。東吾は助けた商人が伊之助だと教える。浄心は驚く。
伊之助は町を歩くと、芋を黙って取っていく子を追う。母に与えるために盗んだのだが、母は諫める。伊之助は見つめていた。東吾はるいと伊之助の話をする。引き取った実の母は新しい夫との生活に伊之助が邪魔だったのかも知れない。長助から、伊之助を見かけた情報が伝えられる。伊之助が盗みに入った家で、見つけられた見回りの女中を取り押さえようとする。その時、女中の明かりが落ちて、油が流れて火が付いた。そこで、泊まりの武士が気づいた。伊之助は一太刀受け手、腕から血を流し彷徨う。火事の時の思い出が蘇ってくる。
東吾、源三郎は血の落ちた跡を追う。そして、それは浄心の寺の方に繋がっていた。浄心が読経を終えて、外に出ると、伊之助と再会した。その時、浄心は「伊之助」と呼ぶ、伊之助も「あんちゃん」と抱き合って泣く。寺社内は寺社方の扱いだ。東吾は「ゆっくり知らせな」と言う。伊之助は手当を受けた。その後、寺社方から町方に引き取られた。通之助「遠州でも、仲間の一人をあやめている、死罪は免れない」。東吾「悪人でも、兄と会いたい思いは本物です、私の話を聞いて、泣いた思いは本物です」。通之助は白い菊を見て「母に見せたものだ」。伊之助が刑場に引き立てられる日に、浄心の願いで出家が許された。浄心は伊之助を剃髪する。そして、僧の姿をした後、9月13日御仏の元に旅立たれた。
るいは東吾と雨を見ている。不思議だ、伊之助は浄心さんに背負わされて来た、縁だね、13夜は雨月だ。あの雨は浄心と伊之助の涙雨でしょうか
。江戸は冬も間近です。おしまい。
たっぷり泣かされました。これですよ、金曜時代劇の江戸の人情劇は、こうでないといけません。人はどうにもならない定めに流されて生きるしかない。実の母の方が良かれと思っても裏目にでることもある。しかし、どんなに厳しくても、お互いを思う兄弟の思いは互いに変わらず強かった。これが感動させるのですよ。一緒にいると喧嘩ばかりするかも知れないが、笑い。遠く別れたが故に、会いたくなる物だ。いよいよ佳境に入ってきましたね、期待しています。
商人は伊之助(岡田義徳)で、僧の吉太郎は浄心(鷲生功)



(新)御宿かわせみ★★★ 4話  「秋色佃島(しゅうしょくつくだじま)」 (平成17年6月3日放送)

るいが捕まって後ろ手に縛られている。波の音が聞こえる。すぐに思い出せないが、船に乗って鳩尾を打たれた。
5日前,、薬師堂は縁日だった。三春屋を名乗る饅頭屋が無料で饅頭を配ったが、みな腹をこわした。下し薬が入っていたのだお参りに行ったお吉も3日寝込んだ。なにしろ2個とも食べたのです。三春屋には覚えがない。餅物を作ってないのだ。お上への挑戦か、三春屋への恨みか、と推測した。3人が配ったことが分かっていた。東吾はお吉に顔を聞くが覚えていない。源三郎が手を聞く。するとお吉は覚えていて、ほっそりした手、日に焼けた大きな手、そして、女の手だ。そこに雷だ。雷怖いるいは東吾に抱きつく。
早速、三春屋に行くが、騒ぎのあと、お調べを受けたと言うことで、売れ行きはさっぱりになり、事実上、閉店になっていた。使用人もお暇を貰っていた。薬師堂に行っても聞くが、今の代の三春屋とは関係ないと答えが返ってきた。東吾と話す通之進は「強い恨みで、何か企てをおこすだろう」と予想する。三春屋の手代の宗七がお吉に反物を持ってお詫びにくる。名前を語られた、三春屋の名前を聞いて食べたのだ。やはり、主人が謝らなければならない。宗七が三春屋のありさまを語る。主人は下手人のように落ち込み。女将さんは心労で、浅草の里にかえたのだ。宗七はるいに浅草までお運び願いたい。力づけてくれると喜ぶでしょうと言う。るいは承諾した。嘉吉の伴も断った。舟に乗って貰う。そこを七重が偶然目撃していた。良かったね、ドラマ的に大事なシーンです。これがないとお宮入りだ。かわせみのお吉は源三郎の所に行ったのだ。しかし、遣いを出していないと源三郎が知らせに来た。しかも、宗七という名前の手代は三春屋いないのだ。大変だ〜と騒ぎ出した頃、舟のるいは鳩尾を殴られる
七重が通之進のところに七重が栗を持って行く。そして、そこ源三郎が来て、るいが拐かされた、と知らせに来た。七重はるいの乗った船を目撃したと話、三の橋で漁師の舟だったと言う。三春屋には別の主人がいたのだ。宗七の妹、夫婦のところにも宗七がるいを拐かした知らせが来る。この3人が毒饅頭を配ったのだ。宗七は咳き込んでいる。胸を患っているようだ。三春屋は10年前に代替わりしていた。それは、三春屋の娘が拐かされたのだ。犯人は捕まったが、その噂は世間に流れ、三春屋の娘は自害したのだ。その調べをしたのが、るいの父だったのだ。宗七の妹の夫は漁師だったのだ。宗七は殺さないという。妹はもう、これ以上罪を犯さないでくれという。しかし、饅頭配ったのはお前らだと言うぞ、と脅かす。るいは、宗七に聞く。そして、先代の三春屋の経緯を話す。娘のおくみも気だてが良かった。夫婦約束をしていたのだ。あんなことがなければ三春屋の主人になれた。殺しはしないが、お嬢さんがこうされたからだ。あんなことに・・・お嬢さんの気持ちは戻らなかった。俺はお上が憎い、金をつかまされて、黙っていた。お前のオヤジはもっとひどい、男を捕まえて、お嬢さんを世間のさらし者にした。捕まえずにほっといてくれたら・・世間に知れずに・・・お嬢さんのぬ麺をはらすのだ
佃島に東吾達が来ると、妹の夫が「兄を助けて下さい」。妹「もう辞めて下さい、その人に何の罪もない」。宗七「恨みを晴らす」。るい「お嬢さんは、そんなことを願っていない、私にも好きな人がいる、あなたに怪我されるなら舌を噛んで死ぬ、東吾さんにはこんな恐ろしいことして欲しくない」。宗七「あの時、自分がお嬢さんから目を離さなかったら、しかしお上が憎い」。宗七が咳き込んでいる間に、妹が縄を切る。るい「きっっと待ってますよ、来世で、あなたに添い遂げたいと」。宗七「お嬢さんが俺を待ってると・・」。激しく咳き込む宗七だが、東吾達がやって来る。その顔を見て、るいは胸の中で気を失う。天野が宗七を診るが、死んでしまった。
類はしばらく、寝込む。東吾は手を握り付きそう。身体は大丈夫だが、沈み込んでいる。宗七は肺を病んでいた。10年ほど、やけにやっていたが、やっとやる気になったが、その時は肺を病んでいて死ぬことを覚悟した。恨みを晴らしたいが、もう、相手がもういなかった。そんな時に調べた与力の娘が宿をやっていることをしって、逆恨みをした。しかし、最後に宗七は正気も戻っていた。るいの説得が効いたのだ。嘉吉「旦那は正しい、捕まえなければ、何人もの娘が拐かされた、嘉吉が証明します」。最後は東吾が「何があっても死ぬんじゃないぞ、いざとなったら、舌を噛んで死ぬと言った、それを聞いた俺は、るいに死なれてたまるか、俺はるいがいないと生きていけない、死ぬほど辛くても乗り越えていくんだ、それが夫婦とうものだ、強くなれ、俺のために」どうしたのだ、今シリーズは東吾さん、るいさんいベタベタですよ。韓国ドラマの影響でもあるまいに。かみさんは涙ぐんでいましたが・・・笑い。るいは大きくうなずくと東吾の胸にもたれる。嘉助とお吉がふすまの向こうで聞いて泣いていた。おしまい。
最初の饅頭配りや、三春屋の窮状はよかった。しかし、宗七がるいを拐かすまでが、逆恨みが過ぎるぞ。親子関係が濃密で、親の恨みは子が背負う時代でも、ひどすぎないですか。それに、宗七さん、るいさんを拐かしたら、急に咳き込みだして、あっけなく死んでしまった。話としては評価ダウンですが、何といっても、るいさんの縛られた姿のエロさ、東吾の最後のベタ甘セリフに救われました。嘉吉さんの「旦那さんは正しい、捕まえなければ、何人もの娘が拐かされた」は納得です。それにしても、現代も同じような事件が多いことに驚かされます。
もと菓子職人の宗七(松田洋治)、大西結花さん、も出演してました。


(新)御宿かわせみ★★★ 3話  「牡丹屋敷の人々」 (平成17年5月27日放送  29日アップ)

物もらいのできたるいとお吉は茶の木稲荷神社にお参りに行く。そこは行者が祈ってくれるのだが、同時に茶絶ちを申しつけられる。そこの茶屋で団子を白湯を飲んでいると、源三郎と会う。武家屋敷を狙って、銘刀だけだけ狙う盗賊団の事件があったのだ。町方と会っているるいを見ていた琴の名手の小雪(渋谷琴乃)から牡丹屋敷に誘われる。牡丹作りの兄・岡本彦四郎(大沢健)と暮らす小雪は、視力が衰える病にかかっていたのだ。彦四郎は新しい雪より白い見事な牡丹を開発していた。大きくて美しい花ですね。散るのは早いそうだ。撮影はどうして撮ったのでしょうか、結構牡丹が揃っていました。撮影は吐く息が白いので冬と思われたが・・・。しかし、その兄は夜釣りに毎晩出かけていた。怪しげな医師笹川道林が同居していて、るいは追われてしまった。お吉は道林は怪しいと言う。しかし、下働きの男は小雪の命で牡丹を貰った。東吾は麻布狸穴(まみあな)方月館で10間の泊まり込みの大稽古で不在なのだ。そこで伊太郎の剣に迷いがなくなった。そこの道場主は大名屋敷の銘刀泥棒を嘆いていた。
るいのところに医師の天野が診察にくる。物もらいだが治るでしょうと言われる。牡丹屋敷の兄弟は吉宗と一緒に紀州から来たのだ。牡丹の根が血の道に効くからもってきたのだ。さすがに天野医師の物知りだ。3日後に東吾が来て、「惜しい、目病み女は色っぽい」と話す。東吾も一緒に茶断ちしているのだ。しかし、源三郎が関わっている野党の件で通之進に会いにいく。秘蔵の銘刀ばかり盗まれている。武門の恥なので公に出来ない。噂は流れる。賊は最初から銘刀が目当てだ。誰かが刀に詳しくないといけない。そこに煎じ薬の茶を入れてきた。七重が天野から貰ったものを、通之進のために持ってきたのだ。七重は天野のことを言うと声が裏返っている。ラブラブだ、多分最後まで引っ張るのでしょうか源三郎が船が転覆して、彦四郎と船頭が死んだことを東吾とるいに知らせる。驚くるいだが、小雪は琴の名手で尾張様にも出入りしていたのだ。内々に調べようと思っている。船頭が溺れるか疑問で、彦四郎は金に困っていたのだ。先代の実子ではなく、家督を譲る前に先代が死んでしまい。家督獲得のためには金いるのだ。しかも、彦四郎の実家は刀屋を商っていた。5年前に実父も亡くなっていたのだ。るいは町方と繋がりがあってが、話しかけたのだ。そこで、るいと東吾は夜に牡丹屋敷を訪れる。しかし、道林が小雪に会わせない。
やはり、何か怪しいと推測する。東吾は一人で兵を越えて、小雪のところに行く。琴を弾いていたが、人の気配で戸を開ける。るいの亭主と名乗って、話す。小雪は「兄は殺されたのでは、家の中がおかしい、2月からこの屋敷にきたが、夜釣りでかけ、明け方に戻る、兄は刀屋の仕事を嫌っていたが、父の伴で武家屋敷を回った」。東吾「刀に詳しいだけかが関わっている」と言う。しかし、邪魔が入るので、明日茶の木稲荷で待っていると告げる。茶の木稲荷で待っているが、小雪は通り過ぎる。源三郎が牡丹屋敷を調べると立ちが悪い奴ばかりだった。ますます怪しく思うが、証拠がまだない。帰ってるいに話すと、るいは女中が見張っていると推測する、長助が来て、牡丹屋敷は取りつぶされることを知らせに来る。るいは眼病平癒のお礼に行く。小雪は「今日の日暮れで屋敷を引き払い、上方で琴を教えて生きる、持って行くのは琴だけだ」と話す
その引っ越しの琴を運ぶところに源三郎が、ご用調べだと琴の荷物を開ける。中から琴でなく、盗まれた銘刀が出る。格闘になるが、東吾も来て、小雪は無事だった。事件は落着した。小雪を天野に診て貰う。しかし生まれつきの病のようで治らない。源三郎は彦四郎が仲間を抜けようとしたので、殺されたことを知らせに来た。道林が口封じのために殺したのだ。牡丹屋敷の下働きの六助が、彦四郎の絵集を持ってきたのだ。小雪はるいに「分かっていた、医者もお稲荷さんでも治らない、後ろ幸せかも、世の中の嫌なものを見なくてもすむ」。るいは絵集を渡す。その中の白い牡丹に小雪という名前を付けていたのだ。目のかすかに見える間に見れて良かった泣かせて貰いました。しkさい、ここだけでしたね。それを見て、るいは東吾に彦四郎が悪事に荷担したか分かったと言う。小雪のためだったのだ、沢山の牡丹を見せたかった。目の中に牡丹が見えるように。通之進も、妹のためだと思っていた。小さいとき、柏餅を弟の泣く東吾に譲った。兄は辛いよよ。小雪は東吾と畝の世話で、赤坂で琴を教えて暮らすことになった。牡丹屋敷はどうなったか・・・、幻のように思われる。
渋谷琴乃さんは青空クリニックの母親役でおなじみでした。琴乃なので、琴の名手とは・・・今回はネタもすぐに分かってしまった。最初から道林が悪役ですよね。大沢は美しかったです。それなのに悪に荷担していたとは残念だった。今回もるいは事件解決に積極的に動きましたね。でも、話としてはちょっと人情味が足りなかったかも。
小雪(渋谷琴乃)、岡本彦四郎(大沢健)、笹川道林(隆大介)。脚本(山本むつみ)

(新)御宿かわせみ★★★ 2話 千鳥が啼いた  (平成17年5月20日放送)

るいの父の月命日だ。父が亡くなったのは、かわせみをはじめる一年前だった。山吹の花を見るとるいは父を思い出されている。離れていようとも、親子の縁は絶てないものです。今回は子が親を思う話だ。
夜帰る東吾と通之進の所に狼藉者だ。刀を抜いて立つ向かうことになる。そこに東吾の道場の後輩の伊太郎が助太刀する。野党が江戸の町を荒らしていたのだ。今回は、お寺の修繕金が狙われた。そのため東吾たちは朝まで調べられたのだ。それで、東吾はかわせみのるいの膝で寝てしまう。源三郎が伊太郎が武士でもないのに抜刀した? やましいことがあるのではないか? 調べられるのだ。東吾が同席する。伊太郎は東吾が稽古を付けている松浦(神山繁さん)の道場に来ている若者だ。長助が伊太郎を調べてきた。伊太郎は吉田様のお手つきだったようだ。だが名主の庄右衛門(益岡徹さん)が分かった上で、伊太郎を引き取ったのだ。伊太郎と庄右衛門は仲の良い親子だ。伊太郎は実の親の織部の屋敷があったのだ。吉田家の鍔を残していたのだ。伊太郎は私の父は吉田様だ。それで屋敷の前で立っていると、親への思いと切なさがこみ上げてくる。そこに刃の音で気が付き、助太刀にやってきたのだ。それを聞いて、源三郎は了解した。一本気な伊太郎を見て、松浦は東吾の若い頃に似ている、と笑う。
2日後、かわせみに庄右衛門夫婦が東吾を訪ねた。伊太郎が吉田様に武家奉公に出したいのだ。吉田家に働きたいのだ。母も泣く。庄右衛門「武家になりたい、その心を思うと、子の背中を押すしかない、それが父の役目です、跡目は養子を取るつもりだ」。東吾は分かった「吉田様に頼もう」。庄右衛門はるいに「伊太郎を家に置くと、気が変わるかも知れない、奉公が決まるまで、伊太郎をこちらに置いてくれ」。
数日後伊太郎がかわせみにやってくる。預ける方も、育てる方も大変だったのだろう。るいは「それでよいのでしょうか、真の父とは何でしょう」と話す。通之進は伊太郎に聞く「武家奉公して、親子の名乗りをあげたいのだろう」。伊太郎「なりません」。通之進「師匠と同じだな」と笑う。将来を案じている。通之進は「しかと分かった」と答える。そんな時に、鶴伊勢屋が襲われた。早速、東吾が見回ると、今回は3人が殺された。今までの殺さなかった賊と違う。そして、800両が盗まれた。東吾はいき過ぎだ、手引きした物がいると推理する。手代の佐助が、ひどい音だった、と答える。喜八は佐助に起こされて気づいた。そして、布団部屋に隠れていた、と証言した。二人とも800両があることは知っていた。
佐助が芸者に入れ込んで、金を使い込んでいることが分かった。主人に責められていたことが判明して怪しまれた。一方の喜八は鶴伊勢屋の主人の隠し子だった。しかし、主人は息子として認めていなかった。喜八は手代ではなく、下働きだった。気の弱い喜八だが、お吉「親子だって他人の始まり」と言い、そして、ふすまを開けると伊太郎が立っていた。伊太郎は小日向に行った。父の姿を見たかったが、その籠は家来衆に守られ、顔さえも見られなかった。るいは伊太郎に同心の父の事を話す。亡くなって婿を貰って跡を継ぐ気にはならなかった。かわせみが出来る半年は悩みました。悩んでこそ言える真の心があるのだ。そこに東吾が来て、剣の練習を始める。悩みを剣でぶつけてきたのだ。
通之進は、話すと吉田様に断られる。ただし・・・と条件を付ける。東吾達が鶴伊勢屋を張ってると、喜八が出て行き、ある屋敷に入っていく。そこは賊のアジトだった。長助は源三郎と東吾に話す。相模屋が喜八のことに反対したことを恨みに思っている。そして今夜は、相模屋に金が入っている。伊太郎が相模屋の守りに加勢することになった。喜八が相模屋の木戸で、火急の用があると言う。門が開けられる。一斉に賊が押し込もうとするが、東吾達が出てきて、賊を取り押さえる。喜八を助ける伊太郎は喜八が「父は鬼じゃ、この世に生まれなければ良かった」と泣くが喜八はとらえられる。伊太郎は「私がお願いした」。 通之進「初めて人を斬ったのか」、。伊太郎「斬るのも斬られるのもいやだ、吉田家に入るのは厭になりました、父と母に孝行したい、鍔(つば)は私には不要の品、帰して下さい、私がこのようにあるのは吉田家の父のおかげで、感謝しています、御身が健やかであることを祈っています」。通之進「あい、わかった、そちも健やかで」。伊太郎が帰り、通之進がふすまを開けると、吉田が座っていた。一目会いたかったのだ。吉田「そこまでよく育ってくれた、あそこまで〜〜」と泣く
かわせみから、伊太郎は家に帰ると言う。大きくなったようだ。助っ人は辞めるのだ。お吉「収まるところに収まる物です」。伊太郎「侍にはならないが剣術はやめません」。東吾「あれこそ、誠の親子だ、るい、おれはるいに誠を尽くすぜ」。つづく。
伊太郎の産みの親は武士だ、育ての親はやさしく本当の子として育ててくれた。この悩みの話と、賊の事件を絡める。事件には産みの真の親の家に入ったが、子として扱って貰えない。それで賊に手を貸すようになった。うまくまとめてありました。ちょっと親子の人情の機微に感動しました。
松本伊太郎(生田斗真)、育ての親・庄右衛門(益岡徹)、実の親の旗本・吉田織部(並木史朗)
(新)御宿かわせみ★★★ 1話(平成17年5月13日放送)

いきなり夜に東吾は斬りかかられる。そこに、怪しげな女の大きな声で、斬りかかった男は逃げる。おえい(杉本彩さん)だった
昔の五井兵馬(佐々木蔵之介さん)との経緯が蘇える。その妹の和世(有森也実さん)は仏門に入って尼になっていた。るいはその和世を訪れる。源右衛門は、娘の七重が東吾との祝言に命を燃やしていた。相変わらずです、笑い。その上、食事が進まない。東吾は兄の通之進の勧めで、若い御典医の天野に診させに行かせる。しかし、源右衛門は無類の医者嫌いで、以前押し返したので、誰も診てくれなかったのだ。天野はこわごわ訪ねる。そこでお茶を持ってきた七重を患者と間違える。額に手を当て、手を取り脈を診る。二人とも恥ずかしそうだ。どうも二人は子恋に落ちたようだ東吾は夜の斬りかかった男の突きに兵馬の突きを思い出させられ、道場で稽古に励む。るいは花御堂参りの帰りに、男に扇子で手を打たれる女おえい(杉本彩さん)を助ける。おえいは子供に死なれ、相手の男も不審な死を遂げたのだ。そして、今は花御堂の茶屋で働いていた。それでお香の匂いが取れないのだ、とこぼす。
前シリーズ最終回で感動の祝言を上げた源三郎と千絵は子供をもうけていた。そこに長助が兵馬の情報を持ってくる。兵馬は田舎で道場を持っていた。その中に、強い男が二人いた。その二人が兵馬の仇討ちとして東吾を斬るように、おえいからたきつけられていたのだ。東吾に左封じの書状が届いた。果たし状だ。江戸の新知識です。必要ようないけど。兵馬の道場の二人の村野兄弟からのものだった。持ってきたのは左手の甲に傷があり、お香の匂いが付いていた女だった。東吾は書かれた場所に行くと、二人が襲ってきた。二人は茶屋の所まで来る。るいは、事情を知り、東吾の元へひたすら走る。
騒ぎに巻き込まれた茶屋の女おえいを東吾は武士らしく逃げろと助ける。しかし、そのおえいこそが首謀者なのだ。おえいは逆に灰を東吾の顔に投げかける。東吾は目が見えないまま戦わなければならない。窮地に襲われた東吾の元にるいが走ってくる。そして、敵の居場所を知らせる。それで、峰打ちで倒す。そのとき、おえいがるいの首元に小刀を突きつける。しかし、死を覚悟してまでも、東吾を助けようと、次の敵の居場所を叫び、峰打ちを当てる。さすがに驚くおえいに、るいは小刀を振り払い、押さえる。今回のるいさんは極道の妻並の強さですね、こうだったかな。その夜、通之進は東吾に寺社で血をながさないことは偉いと褒める。3名は島流しになるだろうと告げる。
るいは和世を訪ねる。和世は捕まったおえいに面会した。おえいは「理屈では分かるが、兵馬に死なれて、心は嵐だった」。でも、東吾から「そんなに惚れられた兵馬は幸せ者だ」と言われて和んだ。るいは和世に、私も夜叉になります。和世「恋は底なし沼に落ちるものなのですね」。るい「うらやましいですか」と問いただす。和世「東吾様をいらないと言いなさい」とおどける。るい「こら〜」と怒る。るい「昔無邪気に琴を弾いていた頃は、こうなるとは思わなかった」と、お互いの運命に思いを馳せるのだった。
どうも、登場人物は全く変わりませんね。東吾とるいはこれまでの関係のまま進むようですね。天野医師と七重に新たな恋の予感が・・・。さすがに七重とるいのライバルを引っ張り続けられません、笑い。そして、るいには危ない立ち回りが出るような予感だ。江戸の人情が描かれるのですが、今回は説明的な話が前半に合ったので、おえいの愛とるいの愛の対比が、十分描かれたとは思えませんでした。それで評価は下がっています。それに、源三郎と千絵(小西美帆さん)に子供が出来ていたよ。多分、もう少し人物を増やして、毎回のゲストを見せていくことになるのでしょうね。

御宿かわせみ★★★★★ 16話「源三郎祝言」(最終回・7月23日放送)
かわせみに手絵が見舞いに行く。そんな時に定町廻り同心の畝源三郎(宍戸開)に縁談が持ち上がる。相手は笠原家の一人娘・おいね(仁科仁美)で評判の美人だがまだ会ったことがない。江戸時代はこんなものかもしれない武家同士の良縁である。かわせみには宗太郎が飯を食べに来ている、東吾は気に入らないで追い返す。実は往診だった。籠で帰った女はお目出度だった。幼なじみの許嫁がいたのだ。結婚前の女性では珍しいことだ、実は相手はまだ許嫁ではなかった。源三郎が懇意とする、扶持を両替する札差の江原屋佐兵衛(磯部勉)にも祝福される。佐兵衛は叶わぬ夢で、一人娘の千絵(小西美帆)と源三郎を添わせたいと思うが、一人娘では嫁には出せないし、仕事好きの源三郎が、侍を捨てて婿に入るとは思えず諦めていた。だが、千絵は秘かに源三郎を恋い慕っていた。「畝様の良さを分かる娘はいます」と千絵はいう。
そして源三郎の見合いが行われる。おいねは、かわせみでお目出度を言われた娘だったよ。おいねとは盛り上がらない。一度は娶らなきゃならないと浮かぬ顔だ。源三郎も「好きな女がいるのか」と聞かれ、千絵の顔が浮かんだ、千絵がが好きなようだ。結納が行われた。そんな時に悲劇が襲う。佐兵衛が逆恨みの旗本に斬殺される。通りかかった通の進が取り押さえる。通夜の席で、源三郎が訪れると思わず泣く千絵を恋する自分の気持ちに気づいた。江原屋は一人娘になってしまった。源右衛門は通の進に訪ねて、噂があるようで告げる。かわせみでもおいねが源三郎の見合い相手とは思わなかった。源三郎は、いきがかり上と承知した。見合いの席でおいねは自害しようとしたのだ。父は一徹もので、聞けばおいねを殺すと思われた。一旦結婚して離縁するという。東吾は「男の子が生まれれば、跡継ぎになる、お前が惚れているのなら、丸ごと引き受けるのなら分かるが、そんあでは承知できない」。るいはおいねに訪ねる。「畝の好意にすがるしかない、好きな人は3男だった、小さいときから思い合っていた、相手は畝との話を聞いていなくなったのだ、子供ができたことも知っていない」。るいと東吾は、悩んで月見をしていた。東吾はおいねの相手を探した。千絵は畝に父の形見の碁盤と石を貰ってくださるようにいう。そして、千絵はなごりに一局だけ勝負する。いいですね、女性が碁をする姿はいいです。そんな時に東吾は相手を探し出した。子供が出来たことを知らせた。身を引く辛さ、身を引かれる辛さ、一言耳に入れたかった。
畝の祝言がかわせみのスタッフで行われる。江原屋も手伝いに来た。千絵も残った。東吾は源三郎に会い、挨拶する。東吾がお祝いを言う。通の進が早めにやってくる。千絵が桜湯を出し挨拶する。夜になり、花嫁の到着を待つばかりとなった。千絵は源三郎に握り飯を持って行くが、廊下でぶつかってしまう。そんな時に嘉助と長助が、江原屋の旦那が千絵を源三郎の嫁にとまで考えていたと聞き驚く。それを聞いて源三郎は千絵の手と間違えて通の進の手を握っている、笑。そしておいねが駆け落ちしたと聞く、おいねの父はやって来て謝罪し成敗するという。通の進はおいねは病だ、荒立てることもないという。るいたちは画策して奔走して、香苗の花嫁衣装を借りる。通の進は千絵に源三郎の面目を立たせるために、力を貸して欲しいと仮の花嫁を頼む。夜更けて祝言の用意が行われる。源三郎が宴会の場に入ると、かわせみの全員の出席で行われる。通の進の仕切りで、婚礼が始まった。源三郎は花嫁を見ると千絵だった、源三郎が驚く。次いで、かための杯だ。嘉助が高砂だ、思わず咳き込むと源三郎が手助けしょうと席を。東吾は「源さん良かったな」。感極まって、源三郎が喜び泣きだした、格好悪く泣き続ける。皆も泣き出す。日をおかず、二人は本当の夫婦となった。江原屋は番頭が預かりとなった。東吾は通の進に呼び出され、東吾が駆け落ちをそそのかしたのか、と問いつめる。東吾は  心の内で泣いていますが、東吾は心底惚れています。駆け落ちが、本当の恋というばかりではない。このような恋もあるのだと思います。
小西美帆さんは新選組にも出ましたが、今日の千絵の方が綺麗で健気ですね。泣き顔は不思議な、やんちゃくれの顔だった。しかしこのドラマは何という人情の世界だ。話は源三郎と千絵、おいねの駆け落ち、東吾とるいの3者3様の恋の形の対比が見事でした。
来週から慶次郎縁側日記だ、馴染みの高橋英樹さんですね。また女優さんを上手く使ってくれるのでしょう。安達祐実さんでしたね。奥田瑛二さん、遠藤賢二さん、楽しみにしています。
御宿かわせみ★★★★★   15回「三つ橋渡った」 7月16日放送
赤ん坊を道具に使う強盗が頻発する。伊勢屋の前でるいは捨て子を見つける。赤子は伊勢屋にしばらく預けられた。しばらくして父親の正之助が伊勢屋を訪ね、引き取りにきた。しかし、3日後に伊勢屋に夜分赤子の声が聞こえた。赤子の事で相談がと言われ、思わず戸口を開けたところ、盗賊に入り込まれた。店先に捨て子をして、思い直したと父親に化けた男が引き取りに来て、店の内情を調べて、後に押し入ると言う手口だった。るいは赤子に何の罪があるかと、怒る。その時、宿に、赤子連れの若い夫婦が逗留する。清吉(志賀麻登佳)・おとみ(平田裕香)は、赤子の幸吉の見えない目を手術で直そうと江戸に出て来た。手術で直る確率は五分五分だが、夫婦は労り合ってお百度参りをする。母親から親には渡らねばならない辛い橋が幾度かやってくる。夜、父親が裸足参りをするという。後を付ける嘉助だ。本当に稲荷に裸足参りをしていた。母のおとみは旅の疲れや子供の病気の疲れで倒れた。茶断ち、酒断ち、何でもやっている。かわせみは赤子に夢中になってしまう。るいは赤子を背負って東吾にお茶を出している。そこに宗太郎がやって来て、倒れた母おとみを診察する。おとみは「この目を幸吉にやります、直して下さい、必ず治ると言ってくれ」と頼む。しかし宗太郎は「親が必ず治ると思わなくてどうする、親が不安がっていては駄目だ」と諭す。おとみは元気になった。一つ目の辛い橋を渡ったようだ。
るい(高島礼子)が二人に感動した話を東吾(中村橋之助)は義姉・香苗(仁科亜希子)に告げる。かわせみに赤子で皆てんやわんやだ。東吾のいる場所がないとぼやく。それを聞いて香苗も手術の前の日にかわせみにやって来る。だが香苗は、途中で、赤ん坊を抱いた若い女・おせい(高松あい)が雨でずぶ濡れで可哀想だと、宿に連れて来てしまう。後を付ける正之助だが、声を掛けない。子供は熱を出していた。身内はいないと答える、父親には知らせてもしかたない、と答える。宗太郎が診察に来て、肺炎だ、部屋を暖め、水分を飲ませる。おせいは懸命に看護する。幸吉が手術して帰ってきた。香苗も赤子が可愛いようだ。かわせみから出たところで不審な男正之助を見つける。15年前にも同じ手口の強盗が頻発していたのだ。早速東吾と通之進に報告する。そんな時におせいは正之助の手引きで子供を連れて出て行こうとする。しかしるいに引き留められる。伊勢屋で赤子が捨てられたことを、おせいに告げる。東吾は正之助を見つける。源三郎は尾行する。しかし、強盗の一味の頭竜五郎にとらえられる。正之助は子供はもう許してくれと頼む。一味に殴られる正之助だ。東吾はおせいに聞きただす。怖い顔になるおせいだ。そんな時に幸吉が泣く、るいは幸吉の親の気持ちを告げる。子供のために何ができるか、味方だよと、告げる。おせいは、「強盗の一味だが、うちの人正之助は私たちを逃がしてくれた」のだと告白する。そして夜、かわせみに強盗がやってくる。待ちかねる、東吾だ。女房子供がお世話になっています。るい「よろしゅうございます」で、戸口を開ける。東吾は出て行き、強盗団を討ち果たす。おせいも3歳頃にさらわれて盗賊団に育てられたのだ。おせいの子守歌 --- 一つ橋渡った 二つ橋渡った 三つ橋 三つ橋渡った からころと渡った ---  この歌を手がかりに江戸のおせいの生まれたところを探していた。そんな時に幸吉が目が見えるようになった、みな喜んでいる。おとみはそんな3つの橋を、幸吉の待っている間、築地の三つの橋を何度も渡ったという。おせいは生まれたところが分かった。備前橋の傍のアワヤの娘と分かった。お咎めなしだ。他の盗賊は厳罰だが、正之助は江戸払いだ。正之助の生まれの相模へおせいも付いていく。3人一緒だ、いい家を作り、いい夫婦になるよ。
赤子が出てくると、思わずおじさんは涙してしまった。横のかみさんも涙でした。いい話だな。ストレートに子を思う親心にやられました。江戸も今も、子供を思う親心は変わらないと信じたいものだ。脚本は相原かさねさん。盗賊の頭に丹古母鬼馬二さんだ。
御宿かわせみ★★★   14回「麻布の秋」(7月9日放送予定)
宿に小田原からの客おもん(原日出子)が泊まる。おもんは、女中頭のお吉(鷲尾真知子)が嫁いだ小料理屋「さくら」の奉公人で、幼い頃のるいや東吾を知っていた。お吉はヨメに行ったのだが、1年でいい男の旦那は亡くなったのだ。それ以来、お吉は一人だった、そんな過去があったのか。その頃、麻布狸穴の方月館へ出稽古に行った東吾は、虫の音を聞き分けて楽しむ「虫聞きの会」に参加する。その縁で、菓子職人の弥助(大門正明)の娘おすず(遠野凪子)と知り合う。おすずは機織りの名手で気立ての良い娘だが、嫁に行きそびれ、父親との二人暮らしだった。その弥助の家を、おもんが訪れる。虫かごのかごの虫は、名代があらかじめ用意した物だ。おすずの家へ行き、鈴虫をただで貰う。それじゃ悪いと、何かあったら神林東吾を訪ねなと言い残した。ヤブ蚊に刺された東吾は虫かごをもって通之進の家を訪れる。
おもんは麻布の菓子職人と所帯を持つが、折り合いが悪く、別れて大工と再婚し小田原に住む。その夫が亡くなって、再び江戸に出て来たのだ。墓参りを終えた。女一人で生きるのは淋しいものだ。お吉や嘉助は、「かわせみ」でこんなに楽しく生きていけると、涙目だ。るいはおもんと宿で鈴虫を聞きながら話し込む。もう10年になる、娘がいる、その子を置いて駆け落ちした。なのにあっさり死なれた。品川へ奉公にいくことになった。その道中、おもんは弥助と出会う。そして、おすずの家に帰ってくる。元の親子が一緒だ。おすずは憎々しく見つめる。
るいは怒っていた。おすずがかわせみに来ていたのだ。それで怒っているのだ。おすずは江戸で奉公したいという、うちにいられない。選五郎?親分が迎えに来た。品川では芸者が少なく、花火の夜だけは、素人芸者といって人妻が一夜芸者になる。しかしおもんは間違いを犯し、駆け落ちしたのだ。お吉「お高い風流でございます」。東吾はおすずを説得する。おすず「ヨメにいったと諦めてくれ」と伝言してくれと頼む。東吾はおもんが機織りしていた。おもん「ヨメにもいかず、紅もささず、機織りしてた」。おもん「帰るつもりは亡かったが、つい里心がついた、でも私はここにいちゃいけないんだ、家出する位なら、ぶつかってくればいいのに、昔は広尾には虫が一杯いた」。弥助「年老いたおもんがのたれ死んでは辛い」。東吾「夫婦が元に戻るなら、ヨメに出したらどうだ、そうしてヨメに出さなかったのか、
母親の駆け落ちが傷になった、そうじゃない、お前が手離さなかった」。お吉は好きなひとはいなかったか、おすずに聞く。いたが木更津の男で、諦めた。お吉は「思い出した、おもんが小さいとき、鈴虫は誰にも好かれる、だからおすずと名付けた」。
るい「私のおかあさんは死んだが、おすずのおかあさんは生きています」
。東吾が戻る。おもんは家を出るだろう、広尾に戻って弥助と暮らすがいい。おもんが戻って来て、3人でちゃんと喋ったか、人の心は喋らなきゃ分からない、自分の気持ちも分からない、喋ってみるんだ、気持ちがわかってくるもんだ」。おすず「一度家に帰ります」。おもんは紅を買う。おすずは家に帰り機を織る。母と娘は戸惑うが、おもん「ごめんよ、帰るつもりはなかったが、お前が気になり、何で帰ってきた、父はほっとけばいい、出て行けばいいんだよ」。おすず「でていくけ」と怒る。おもんは出て行く。鈴虫の籠を貰っていく。おもん「おすず、紅を塗って綺麗にしてごらん、紅ひとつで頑張って生きる気になるもんだよ」。残された紅を見て泣くおすずだ。おもんはかわせみにいた。私1年待ってようかしら、おすずがヨメに行って、孫ができます。おもん「るいさんが羨ましい、小さな時に手を繋いでいた、そのまま今も一緒なんて」。お吉「思い出した、二人でお吉を探し、迷子になった二人を、おもんさんが番屋まで引き取りにいきました」。初恋が実るのは羨ましい。その後おすずはヨメに行った。めでたし。
しみじみ人情ですね。だって事件は起きていません。鈴虫が風情を増していました。遠野さんは時代劇に合いますね。でもヨメに行き遅れた役になるとは思いませんでした。原日出子さんと親子とは思えませんでした。ゲストは原日出子、大門正明、遠野凪子さんでした。
御宿かわせみ★★★★   13回 「藤屋の火事」
旅籠の藤屋が火事になり、藤屋に世話になったるいはお客を「かわせみ」に引き取る。その客の中に、同宿の妹を亡くしてしまうお幸(前田愛)がいた。るい(高島礼子)に引き取られたが、お幸はショックのためか口もきけない状態で、天野宗太郎の診察も受けた。るいは気がかりとある心配をする。
扇問屋の近江屋から番頭が来て、お幸の身の上が分かる。二人は京都の扇折職人の子だが、父親違いの姉妹で、姉のお幸が父親に会いに来ての災難だった。その父親は、近江屋の亡き先代主人で、婿養子ゆえに、京の職人の娘が産んだお幸を引き取れなかったのだ。二日後、番頭がお幸に会うと、お幸は死んだお里にそっくりだった。先代の書き置きも持っていた。近江屋の当主・由太郎(酒井敏也、カツラなので髪が気にならずいい男だった、驚)は、お幸を温かく店に迎える。だが、由太郎も婿養子で、お内儀のおりき(林真里花)と、その妹のおよう(太田有美)は、お幸の美しさに悋気もして歓迎しない。おようは先代に全く似ていないと言う。これは伏線ですね、気が付きました。るいと東吾の不安が的中し、お幸は家付き娘二人から日々苛められる。お幸と由太郎が「かわせみ」で妹の供養の話しただけでも告げ口され、お幸は内儀に廊下で叩かれ、その後は井戸に落とされそうになる。案じた由太郎は、お幸を橋場の別宅に住まわせるが、そこでは孤独で辛い日が続く。案じたるいが訪れると、お幸は自分は運のない女で、公家の奉公や大店の嫁に行く話も、途中で上手く行かなくなる。折角、近江屋に入れて運のないままだったと話す。るいは自分の身の上を語る。両親は死んで、武家を捨て、かわせみを開いた。好きな東吾とは相思相愛だが、身分から結ばれない定めだ、と淡々と述べる。最後に「運、不運はあるが、幸せ不幸せは自分で決めるものです」と諭す。橋場の別宅に探りに来ていたおようは、お幸が「おねえちゃん」と呼び嘆いているのを聞きつけた。
かわせみに雨に濡れたお幸がきて、おようが来て、あんたは出て行け、何もかも近江屋の物だからと浴衣姿だった。お幸は「京へ帰る」と言うが、来ていた由太郎に諭されかわせみに泊まる。そんな時に事件が起こった、人情物だけではありませんでした。おようが居なくなった。おりきは機嫌が悪く酒飲んだのか、起こしても起きなかった。次の日に川からお幸の着物を着た死体で発見された。由太郎がおりきを起し、問いただすと「あれは、お幸だ」と言った。源三郎が調べると、おりきが橋場でおようと一緒に会うことになっていた。おりきはおようと橋場で会う約束をした。行ってみると、おようはいなかった。お幸が堤にに立っていたが、呼んでも答えない。思わず悋気から突き落としたのだ。おりきはおようがお幸の着物を着ていたので、お幸と間違えて突き落としたと白状した。お幸は近江屋に連れ戻され、幸せに暮らしていた。久しぶりに会った宗太郎も良く覚えていた。しかし、東吾の命令で調べた長助から、意外な結果を知らされた。火事の藤屋の女中の証言で、お幸は「おねえちゃん」と何度も叫んでいた。東吾はお幸をよく知っている扇折職人が江戸に来ると、お幸に知らせるのだ。お幸は東吾とともにかわせみに行き、るいにも全てを話す。昔から、江戸の大店の娘だったねえさんが羨ましかった。それが火事で助かったとき、皆からお幸と言われた、その時「お六」と言えばよかったが、何となくお幸にされないかなと思ってしまった。書き付けを見ると責めらている気がする。火事になったとき咄嗟に書き付けを持っていた、それなのにねちゃんは火の中に取りに戻った。橋場にいたら、おようがきて、お六でシッポ掴んだ、番屋へ突き出すと言われ、足下にしがみつくとおようは倒れ、頭を石にぶつけ死んでしまった。おりきが来ることが気がかりで、堤に立っておりきを待つと、やはりおりきは私を突き落とした。そして、その後私の着物をおように着せて川に流した。お幸になっても一層、間が悪いお六や。るいさんも運が悪いのに、笑って幸せそうだ、私は女将さんのように笑えなかったのかな、ありがとう。お六のお沙汰は死罪ではなく、遠島となった。お勤めをすれば、また江戸に帰ってこれるだろう。るいは帰ってきたら、かわせみで働いて貰おうと話す。おしまい。
前田愛ちゃん、大きくなって京言葉も似合う、NHKの時代劇には前も出たと思うが嬉しいです。ネタはすぐに分かりましたが、人の生き方の悲しさに涙しました。
御宿かわせみ★★★   12回 「酸漿(ほおずき)は殺しの口笛」
ほほずきを鳴らすと、母との幼き時を思い出します、母子物です。東吾(中村橋之助)は定町廻り同心・源三郎(宍戸開)の頼みで、日本橋の呉服屋・江嶋屋の入り婿・忠三郎(京本政樹)を調べる。そのため、るいとお吉でどこの女への贈り物かと問いつめられる。実は取り調べだった。笑。評判が良く申し分のない男前(本当に必殺を思い出す)だが、気が許せない男だ。元は武士で、祖父の代に碌を離れ浪々の身だ。病気の妹・おしず(秋本奈緒美)を橋場の別宅で療養させている。二人は蛍が飛ぶ切ない夜で抱き合う。青い月の光は二人の行方が儚い死への道行きを暗示しています。。一方、るい(高島礼子)も小梅村の名主の娘・お三重(滝祐可里)の相談を受ける。幼い頃に家出した母親・おとくに、そっくりの女を橋場で見たので、真偽を確かめたいという。東吾が三重を連れていいってやる。主は病で番頭が対応する。調べると、そっくりな女は忠三郎の妹・おしずだと分かる 。他人の空似ということで、決着するが、三重は酸漿を鳴らす。それを隠れた障子越しにおしずは聞く。
忠三郎がかわせみに、反物を見せに訪ねる。女中たちは浮き足立っている、嘉助は浮かない顔だ。るいも世間話のように忠三郎の身の上を聞く。おしずは妹で嫁いだが体をこわし離縁となったと述べる。その忠三郎の後を長助が付ける。三重の叔父が連れ立ってくる。小倉さんでは、ないでしょうか。三重の母、おとくは船頭の娘だったが、離れに小島という男が居候しており、役者のような男ぶりで、おとくと小島は連れ立っていたが、その後いなくなった。本所の小島に聞くと、そんな男はいない、金を100両ほど持って出たのだ。三重は初めて話を聞き「母は私を捨てた」。東吾に「若先生も好きな人には子供も捨てられるか」と聞く。一途さはいいです。忠三郎と小島が一致したと考える東吾と源三郎だが、嘉助は「金の切れ目が縁の切れ目にならないのは?」。るいは会った感想を聞かれ「本当に惚れ合っているように見えた」と言う。忠三郎や江島屋の番頭も船頭も寂れた寺に集まる。どうやら、江島屋に押し込むようだと推測する。
三重の所へ、船頭の幸吉(小磯勝弥)が文をもって届ける。「おくさを殺されなかったら、今夜100両を持ってこい」だった。何と箪笥に小判が一杯で、三重は100両を用意する。一方、江島屋に忠三郎が頭となり押し込むと、すでに東吾たちが張り込み、大捕物となる。東吾と忠三郎の殺陣もあったが、忠三郎は身外手締まった。三重と船頭は一緒に身買うが、途中橋場の家に立ち寄る。幸吉が心変わりして、三重の100両を奪おうと襲う。悲鳴を上げる三重だ、それを聞きつけておしげが様子を見る。幸吉が酸漿を鳴らし、三重と気づくおしげは「三重」と叫び、気の失っていた三重は気づく。それでおしげを襲おうとした幸吉を間にあった忠三郎が倒す。忠三郎が幸吉を言い含めて三重を呼んだのだ。しかし目の前の100両に目がくらんだのだ。忠三郎は母を帰すと言う、そして一人で行こうとする。ところが、おしげは三重を捨てて、女として忠三郎に付いていく。可哀想な三重は2回、母から捨てられる。「電池」の最終回とは正反対だ。東吾たちがやっと来て、三重は東吾の胸で泣いた。最後に通の介は東吾に「忠三郎とおしげが本当に好き合っている見抜けなかった、まだまだ」と言い放つ。面目ない東吾だ。るいには「お前とは駆け落ちも出来ると」のろけるのだ。その後、三重に差出人のない文が届き、おしげはまもなく死んで木更津に埋葬されていると書いてあった。そして酸漿の花と赤い実が押し花にして付けられていた。
ゲストは京本政樹さん、時代劇が似合いすぎる。恐ろしいほどの色気があるよ。再登場もあるようだ。期待しよう。秋本奈緒美さん、病気で子を2度捨てた女と母の間の女を描きました。滝祐可里さんは目がくりっとして力のある女優さんです。大坂の17歳です、ナースのお仕事4で小谷美香役だったらしい。ちょっと、100両を落とした時の裾の乱れが色ぽかった。最初気が付きませんでしたが、小倉一郎さんもさり気なく出ていました。さすが贅沢なNHKです。話もさすがに母子もので、酸漿の赤い色が印象的に配して見事でした。ただちょっと、話が入り組んでいました。忠三郎が盗賊だったとか、幸吉が心変わりしたところも、分かりにくかった気がする。もっと単純な展開でよかったかも。
御宿かわせみ★★★  11回 「夕涼みの女」
長岡の縮問屋の気の小さな若旦那・伊之助(蟹江一平)が宿に泊まる。深川の娘・おすみ(金子さやか)との6年の初恋が実ったというのだ。狂言の自殺の真似までして旦那の許可を貰って、祝言をあげようと迎えに来たのだ。るい(高島礼子)らに見送られ、深川に向かう伊之助を、夜空の花火が祝福する。だが翌朝、伊之助は憔悴して帰って来て倒れてしまった。昨夜、伊之助はおすみを確かに見たのだが、花火を見上げた隙に、おすみが消えてしまったというのだ。幽霊らしいと言われ、幽霊嫌いのそれを聞いてお吉は寝込んでしまった。父の吉三(芝居の道具係、石井愃一)と母のおくら(三味線弾き、友里千賀子、すごく太って誰か分かりませんでした)は、おすみは先月病気で死んだ、幽霊を見たのだと言う。夫婦の職業も関係し、芝居と三味線で、嘘とバレバレになるのかな。位牌と墓があり、もともと内気な伊之助は、失恋の痛手で寝込んでしまう。
東吾は幽霊を信じていないので調べることにした。早速吉三とおくらを訪ね、49日だと金を渡す。位牌の年齢が間違っているし、卒塔婆もおかしい。おすみは生きていると確信した。おすみを伊の助の嫁に出したくない、袖にされたのだと見抜く。るいは伊の助の思いを遂げさせたい、正直に言えば良いのにと憤慨する。失恋の源吾はその場を立ち去る。長助が伊之助の幼馴染みで、分家の娘・おりき(雛形あきこ)が浅草の料理屋の八百善で働いていると聞き知らせた。NHKさすが、八百善の人々が終わったばかりですが、宣伝です、ビックリです。おりきが見舞いに来る。女将修行中で、しゃきしゃきで姉のように叱る。伊の助の仕事は江戸で、集金することだと諭す。だだっ子のように泣く伊の助だ。知らせもしていない。祝言の許可も、惚れ合っているも、思いこみだった。教育係として、しっかりした旦那になって欲しいと、思っているのだ。その夜、るいはおりきと伊の助の子供時代からの話を聞き出す。泣き虫の坊ちゃんと、しっかり者の姉御だ。好きだとるいは見抜くが、おりきは死に別れの出戻りだ。江戸に出て修業3年になるが、年2−3回伊の助が江戸に来るので、会うのだが、色々いうので疎まれている。
長助は吉三とおくらに49日には縁の人を連れてくるという。しかもおりきは医者の宗太郎にも、脅して心の臓が悪いて長くない、しっかり食べるのと、南蛮の薬を飲むようにいうと、さすがに食べ出した。おりきの発案でお吉も連れて行く。怖がるお吉におりきは「幽霊が怖がるはお吉が生きているからです、死じまったら自分が幽霊になるもの、だから幽霊を怖がるのは、ちゃんと生きている証です」で一同納得だ。49日が行われる。長助は東吾の身分を証し、「生きているような気がする、もし生きていたら出してくれ」、長助「もしも生きていたら、お上にも偽りをいったので、お咎めで厳しく江戸所払い、遠島だ」。東吾「生きている人間を殺すのはいけないが、死んだ人間を生かすのは目出度い、咎めたりしない、これから先、1、3周忌、月命日にも手を合わせに行く」と言う。脅しに遂におすみが出てくる。るいやお吉に幽霊はいない。
訳を聞くと、1ヶ月前に文が来たが、その気がない。父も一人娘を遠い越後に嫁に出したくないと謝った。おすみは「若旦那がそこまで思ってくれるならお嫁になります、私を貰って下さい」と言う。若旦那はおりきを見る。おりき「若旦那の思うとおりにしなさい」と言う。私の役目はここまでだ。若旦那は断る。そして伊の助とおりきは一緒に帰る。その後、越後で一緒になった。おりきの関所手形に口添えをしてくれたので、越後ちぢみを渡した。香苗と七重は大喜びだが、通の介は断る。東吾が貰ったと言うことで手にいれた。七重「本家だ、分家だと言わず一緒になればいいのに」。東吾、一本取られる。

筋は丸見えですが、追えば逃げ、逃げれば追うの恋の永遠のテーマで、初恋は実らないものではなく、おりきとの恋が本当の初恋だとの発見も嬉しい。「ビックマネー」の香港トレイダーや「エースをねらえ」の音羽さんの金子さやかさんが日本髪で登場ですが、役的には深みはなかった。雛形さんがメインでした。カツラではちょっと老けてみえました、出戻りの設定も妥当になってきました。鷲尾真知子さんのお吉の寝込み具合も名演技ですね。蝋燭で顔を照らす様は笑いです。伊の助の蟹江さんは蟹江敬三さんの息子さんですかね、顔がよく似ている。
御宿かわせみ★★★ 10回 「卯の花匂う」 どうしても東教授夫人だ
鍛錬の為に、妻が身体の悪い夫を支えて、神社の石段を上り下りする夫婦がいる。るい(高島礼子)と東吾(中村橋之助)も顔見知りの、筆屋の治兵衛(清水紘治)と志乃(高畑淳子、白い巨塔の東教授夫人だ)である。内職のように筆を作っている。治兵衛は病気で倒れて、脳卒中でリハビリ中だ。るいと東吾には、町の片隅で労り合って暮らす二人が理想の夫婦に思えるのだ。
そんなおり、宿に「江戸で仇討ちを」と、京都から武士の進藤喜一郎(細山田隆人)が、お付きの女中おくみ(小橋めぐみ)を伴い逗留する。部屋が空いていないので、二人相部屋ということが色ぽいです。夫婦ではないのでるいと嘉助はどぎまぎだ、定番です。女中たちも出来てるか出来ていないかで、饅頭を賭けている。喜一郎は真剣に待ちで探しているようだ、男と女でもないようだ。長助と源三郎も噂になっている。源三郎とるいが聞くと、仇討ちだという。仇は京都奉行所配下の荒井で、7年前、荒井は13歳の喜一郎の父親を殺し、母親を連れて駆け落ちしたのだ。しかし、喜一郎の親族が家の恥と、父親を病死とした為、仇討ちは届け出の無い許されないものだった。通之進も源三郎が調べにかかる。仇討ちについて相談するが、上手く行ってもただの人殺しになってしまう。毎日、喜一郎は出かけ、おくみは手を付いてお見送りする。内緒でお針子の仕事をしたいとるいに申し出る。おくみが自分から付いてきたのだ。
お吉から筆屋さんが捨て子を拾ったと聞き、るいは訪ねる。るいも子供が欲しいのだが、志乃は渡さないという。東吾は喜一郎が稽古をつけながら、剣の腕前を見るが、全く駄目だ、返り討ちに合いそうだ、京へ帰るように勧める。だが、東吾とるいは二人の生真面目さに心を寄せる。東吾は助太刀まで考えている。そして、遂に喜一郎は目撃者を見つけた。翌日に出かけるという、くみは「旅の終わりだ」と思い詰めたように言う。外は雨と雷が激しい。
くみは喜一郎に「一度だけと」すがり迫るが、喜一郎は「嫌いではないが、いけないのだ」と拒否する。良いですね、忍び耐える恋も良いです。くみは手首を切り自害を試みた。喜一郎は東吾に語る「好きです、妻に貰うならくみしかいない、くみを思うから、荒井を撃ち、母を撃ち、私も死にます」。おくみはるいに語る「このまま永遠に若旦那との旅が続くように祈っている、しかし若旦那の望み本懐を遂げることです、そうなると若旦那は・・」。両思いなのだ。同じ頃、源右衛門は香苗に目付として知っている真相を語る。金利御用の役人と商人との不正を荒井は調べていた。進藤は疑惑の主だったのだ。不正は京都所司代と奉行所の不和があり、明らかにならなかったが、内々で処分された。進藤家は処分がなかった。調べた荒井と妻が出奔していたからだ。進藤家は守られたのだ。
次の日若旦那が出かける、長助が後を追い、東吾に知らせる。遂に神社で喜一郎は母と荒井を見つける。襷がけをして、「仇討ち」という。母「悪いのは母じゃ、撃ってたもれ」。荒井「違う敵は私じゃ」。母「悪いのは母じゃ、先に切りか掛かったのは、そなたの父じゃ」。喜一郎「嘘じゃ」。母「あの時父上は・・」。荒井「もういい」。一段一段と降りていく。そこにるいが飛び出し、子供を預かる。荒井は階段を転げ落ちる、それを気遣う母。そこへ東吾がやってくる。卯の花の臭いがした。立ち尽くす皆だ。喜一郎は斬ることができない。東吾、「お前さんでも敵を討てそうな相手じゃ、やりな」。喜一郎「私は・・」。撃つ方も、撃たれる方も、同じ花の臭いをかいでいる。京のお屋敷にも卯の花は咲いていた。
源右衛門は真相を語る、不義密通の疑いで荒井を成敗しようとしたのだ。調べた者がそう思ったらしい。荒井の調べた不正から進藤家を守るつもりか、元々荒井が好きだったのか、妻女の気持ちは分からない。
筋は毎度配役を見ればすぐに分かる。小橋さんの秘めた思いは良いですね、いつも必ず登場しますが、時代劇ならではの色香をまき散らしてくれます。それにしても、高畑さんは白い巨塔での印象が残って、今回全く違う思いを秘めた悲しい母の役でした。何でもこなせる役者さんです。これからも色々な役を演じて、東夫人をぬぐい去ってくれるでしょう。仇討ちは虚しい、建前の恨みだからだ。今回も悲しい物語だった。
御宿かわせみ★★★  9回「幽霊殺し」
本所の大名・旗本屋敷を女に化けた盗賊が荒らし廻る。だが、武家の事件で町方は手が出せず、探索が進まない。通之進(草刈正雄)の義父で、目付けの麻生源右衛門(井川比佐志)は、武門の恥だと自ら探索に乗り出し、東吾(中村橋之助)に協力を求める。しげしげと屋敷に通えと命令する。るいは嫉妬で機嫌が悪い。しかも源右衛門は、屋敷に霊験あらたかな高価な家宝(30cmの黄金の仏像)があるとの噂を市中に広め、盗賊を自分の屋敷に誘い出そうとする。
そんな時に、未明に柳の木の下に、「やなぎや」のお春がお女中の幽霊を見た。あれは男の女装だ。お春は店を辞めると長助のところに行くが、説得され店に戻る。一緒にみたというお島は店に因果を含められているのだ。 
しかし探索というのは口実で、東吾を屋敷に呼び出し、自分の娘・七重(吉本多香美)と近づけようとの魂胆だ。七重は東吾を幼いころから一途に想い続ける、るい(高島礼子)の恋敵だった。そして源右衛門は「盗賊逮捕の日まで、東吾を屋敷に泊まり込ませる」と、通之進と話を付けてしまう。七重と東吾が一つ屋根の下に、意外と酒を飲んで楽しんでいる。夜の灯り(行燈の橙色)では七重さんは綺麗だね。早速七重を嫁に貰ってくれと源右衛門は頼む込む。一応あいまいに逃げました。東吾を信じつつも、るいは不安が募る。しかし酔った寝てしまった東吾に、布団を掛けてくれ東吾は「有り難う」というが、その後「るい」と呟き、七重はおおむくれだ。昼間は源右衛門が出所し、七重と東吾は二人きりだ。宗太郎が仏像を見に来る。るいの弁当を代わりに持ってきてくれた。七重の姉で東吾の義姉の香苗は東吾をるいに帰せと助言するが、七重は「ずっといてもらいます」と怒る。夜も七重は真剣で、大勝負です。しかし、源右衛門に泣きながら、七重は残念ながら断念する
また「やなぎや」の井戸端で女と思ったら、斬られてお春たちの所にやって来た。そして源右衛門の家に盗賊が来る。大立ち回りになる。本当に来たので源右衛門は内心吃驚だ。仏像は二束三文の偽物だが、七重には東吾との楽しい2日を与えてくれた縁結びの縁起物かもしれない。盗賊は「やなぎや」の安兵衛たちの一味だった。お小姓のお吉は仲間割れから殺され「幽霊殺し」事件で報告された。。
盗賊事件より、東吾を巡る女の戦いがメインで、まったり楽しみました。事件のネタは最初からバレバレだったので、高島さんと吉本さんの演技を楽しむしかない、笑。江戸時代も女の嫉妬は可愛いものでしょうか。恐ろしいものかも知れません
御宿かわせみ★★★  8話「息子」
大工の棟梁・源太(高橋長英)と23歳の息子の小源太(山崎裕太)は、互いに相手を思う気持ちを伝えらず、喧嘩ばかりしている。仕事を勝手に引き受けたのだ。今日も町中で喧嘩をして、るい(高島礼子)が大声を出して仲裁する。それが丁度親父橋だった、NHK時代劇のお馴染みの橋です。棟梁を東吾(中村橋之助)は知っている。頑固で怖いのだ、仕事に厳しいのだ。小源太は夜に親にも行く先を告げずに出かけていく。一方、神田日本橋界隈で、二人組の連続強盗殺人事件が起きる。この夜は味噌問屋が襲われた。源三郎が取り調べに走り回り、かわせみの東吾にも事件を知らせる。襲われた店はみな源太が普請した店と分かり、源三郎はかわせみの普請している源太を聞きにいく。博打や岡場所に入れ込んでいる部下はいないか聞く。最後に小源太は昨夜どうしていたか聞く。源太はあっさり出かけたと言った。二人組の一人は必ず袈裟懸けで人を斬るが、もう一人は手引きするだけらしい。そして昔ぐれていた小源太が疑われる。源太の再婚相手が死んで小源太は戻ってきて、仕事に人一倍の修業をしたのだ。東吾が探索を進める。馴染みの医者の宗太郎(鈴木一真)がやって来て、源太の顔色が悪いと言う。事件の話を聞いた嘉助が、反魂胆でしょうという。大道で反魂胆を売っている芸人は、薬を説明して最後は藁人形を袈裟懸けするのだ。鬼童丸という芸人が浮かび上がる。小源太も博場に出入りしている。早速、鬼童丸の元締めに聞くと、半纏の職人が来てから、鬼童丸は仕事しなくなったのだ。息子の疑いを晴らそうと病を押して、源太は普請した店で、息子2人が勤めている大和屋で寝ずの番を始めた。東吾は無茶しないように源太に説得にくが聞き入れない。長助は賭場を回るが、偶然小源太を見かける。小源太は左官の職人で派手な奴がいることを聞き出して走っていったのだ。大和屋に押し込みが入った時に、源太を守るために小源太が助けに行く。やっと追いついた東吾が鬼童丸を取り押さえる。無事、一見治まったが、源太と小源太は互いを庇い喧嘩になった。源太は心の臓の病気だ。小源太の仕事ぶりを見守って指導する。源太がかんなを掛け、かんなに息を吹きかけると、かんなくずが一反の布のように一筋舞い飛ぶ。美しい。源太が最後の晩に、飲めない酒を小源太と一緒に飲んで、源太は「うまいな、この馬鹿野郎」と言った。何に言ったのか、誰に言ったのか。もう一度「うまいな、この馬鹿野郎」と言った。泣けますね。職人ならではの美しい世界だ。それをいいながら小源太「馬鹿野郎と言いたいのは、こっちだよ」。東吾は小源太に「いい棟梁になれと」肩を叩く。小源太は親父橋で一人佇み、親子喧嘩した日々を反復し涙する。後日かわせみで東吾とるいは、小源太が夜出歩いたのは、兄弟子に教えて持って行ったのだ。親子では照れてしまい、出来ないものなのだ。見て盗むものかもしれない。
かんなくずで大工の腕が分かるのだ。だから源太のかんなくずの一筋舞い上がる絵は最高でした。職人の悲しさと美しさです。楠勝平さんの漫画を思い出しました。定番でこれまでもあったのでしょうが、いいものは何度でもいい。高橋長英さんは年取り貫禄の演技です。病気がちな姿も本当に心配になりました。山崎裕太さんも「さんま先生」から大きくなったものです。最後に馬鹿野郎と言った相手は酒ではなく、小源太にです。ここで終わっても良かったかも知れない。最後るいと東吾の語る場面が必要かな。
御宿かわせみ★★★  7話「夜鴉おきん」 昼の鶯から夜の烏
ある夜、茶問屋が強盗に襲われ、15才の小僧正助が殺される。駆けつけた姉の清元語り・おきん(真矢みき、日本髪は初めてかな、別人のようにふっくらして若く見える)は、弟が店の戸を開けて賊を手引きし、一味だと役人から疑われていることを知る。弟の潔白を証明し仇を討つことを誓った、おきんは、以来、夜烏のように夜の町へ新内「流し」に出て一味を捜す。兄弟子が清元に戻るように説得に来るが、出来ないという。平田屋の旦那が残念がる。その平田屋も賊が入り小僧が殺されていることを知り、おきんは歌う。長助は寅吉という小僧がいなくなる事件を東吾に伝える。寅吉を捜す目的で、東吾(中村橋之助)は盛り場を歩き、おきんの清元を聞く。おきんは平田屋に事件を聞き、ヒントを得る。東吾が飲んで、おきんに会う。正助は芸人になりたがったのを、おきんは堅気の仕事にしたかったのだ。手がかりがあったら知らせてくれと頼むが、おきんは良い返事をしない。
「かわせみ」出入りの酒問屋の御用聞き・末松(佐藤雄)も2か月ぶりに里から帰って注文を取りに来る。ところが、その酒問屋の伏見屋に賊が入り、千両を取られる。末松も戸口を開け、押し込みに襲われ殺される。末松は、東吾が格別に可愛がり、るい(高島礼子)も、御用聞き昇進の祝儀をあげた。兄の通之介は、連続する事件を並べて東吾に説明する。共通点は、金のある日で、小僧が殺されているのだ。東吾は次々訪ねる。小僧が身内の遠縁だったり、良い子だったり、完全に一味と思われている場合まで様々だ。みな賊とは知らず手引きしたと推測する。源三郎も調べるが、小僧同士で繋がりもない。東吾が末松に酒のとっくりを割った所を助けた想い出が蘇り、そのお礼に親からの干し柿をくれた良い子だった。東吾は末松の敵を討ちたいのだ。蕎麦屋の寅吉が戻ってきた。「抜け参り」だ、抜け参りと柄杓に書くと、皆が世話したり路銀なしでやっていける。雇い先もお伊勢参りなので、首にしたりできず、若い奉公人が次々抜け参りした。東吾とるいは寅吉に聞く。由比で風邪を引き、世話して貰い返された。2分(5万円)を徳兵衛(田中要二、お馴染みの無骨キャラです)という男だ。この男が皆をそそのかしたのだ。長助が調べると、殺された小僧の主人は隠していたが、みな「抜け参り」していた。謎は解けたが、次の襲撃先が特定できない。そんな時に、「麹町の名主を見張れという」文が御宿かわせみに届けられる。おきんが届けたのだ、東吾がおきんを褒めるので、るいは焼き餅だ。笑。寅吉が徳兵衛たちを連れ、顔見知りの名主を呼び出す、その時おきんが寅吉を助ける。斬り合い寸前に東吾など町方が登場し、やっつける。敵討ちが終わった。おきんはるいに会い、お礼を言う。おきんは清元に戻る。おきんは兄弟子といい仲なのだ。
清元指導は清元延志佐さん、新内指導は富士松延治太夫さん、でした。真矢みきさんが唸っていたのでしょうか。とても上手く吹き替えだと思いましたが。清元節(通常、単に清元と呼ばれます)とは、江戸時代後期(1814年)に生まれた三味線の伴奏による豊後節系浄瑠璃の一つで、浄瑠璃の諸流派の中では最も新しいものです。清元協会のHPから。新内は1730年頃、京都で一中節で活躍していた宮古路豊後が生み出した豊後節の流派から、鶴賀新内という美声の持ち主が現われました。彼の鼻に抜けるような声が魅力的で、誰も彼もこの新内の芸風を真似て声を鼻に抜いたという。新内のHPから。開祖というか命名者がちがうのですね。浄瑠璃の語りは共通です。年とって情緒が分かるような気がします。「抜け参り」も検索するとヒットした、本当にあったようです、平岩さんは調べたのです。
御宿かわせみ★★★ 6話「美男の医者」今回は語りの調子の良さだ。
若い美男の医者・天野宗太郎(鈴木一真)が宿に泊まる。市中では、呉服屋の四条屋が一夜で分散(倒産)し、多くの被害者が出る。かわせみに働くお吉(鷲尾真知子)も被害者だ。釣りをしている東吾(中村橋之助)と宗太郎とは出会う。今晩かわせみに泊まるつもりだ。そして若い娘おもん(田島穂奈美)が奉公を希望した。四条屋で会った娘で、両親はいない、兄も四条屋の分散で困っている。おもんは病気だった。そんな時に、男に追われた女二人を助けて感謝される。女達は四条屋の女主人・おとみ(高瀬春奈)と娘・お春(片山さゆり)で、男は染物職人・左太郎(三上大和)だが、源三郎に助けを求めて、長助からかわせみにやってくる。おもんの兄で倒産の代金の返済を迫っていたと分かる。
四条屋には、計画倒産の可能性があった。番頭の吉兵衛もお春と出来て絡んでいるようだ。嘉助と長助が調べ始めた。計画を練ったのだ。おとみとお春が団子屋に寄っているところ、お吉が団子屋に化けている(団子に仕込んだのかな)。そこへ宗太郎が医者で腹をこわし、死ぬかも知れないという。夜には良くなった。すっかり信用させ、悪性の胃のヨウだ、胃癌だという。余命半年だ、お大事にという。宗太郎と東吾の二人は完全に詐欺師だよ。10両とふっかける。親子は探し足袋にも隠している。10両あったのだ。宗太郎「医は仁術、真っ黒な便がでれば、ヨウが降りたことになる」。その10両をおもんと兄の佐太郎に渡す。これでいいのだろうか。
おとみとお春は金がなくなり、工面に吉兵衛の所へいく。その話を源三郎が聞き耳を立てていた。寺に金と反物を隠していたのだ。しかも、東吾はおとみとお春を取り調べた通之進に厳しくお叱りをうけた。語り(詐欺)をお詫びする。宗太郎は御典医の長男で勘当と判明する。宗太郎がレギュラーになるそうな。るいからも香苗からも反物を貰った、お吉は泣き出した。
今回は気楽だ、おとみとお春も漫画的に強調された。宗太郎と東吾もお笑いだ。最初の親子を助けるシーンと、その親子を語りで懲らしめるシーンもお笑い風だ。こんな話もいい。今シリーズは殺陣などはなく、人情話の連続だ。江戸の人情が分かる歳になった。
御宿かわせみ★★★  5話「源三郎の恋」
定町廻り同心・畝源三郎(宍戸開)が一目惚れをした。美しい尼の紫香(しこう・宝生舞)だ。源三郎の乳母だった「およね」(菅井きん)の灸の療治をしている。源三郎は紫香を訪ねる、紫香は夫が死に、仏門に入った。草餅をよばれる。るいの勧めもあり香炉を贈ることにした。るい(高島礼子)と東吾(中村橋之助)は、実りのない尼僧との恋の行方を思い悩む。ある夜、医者の道案(大島宇三郎)が襲われた。前にも橋の上で襲われ、何度も脅迫文が届いてた。真面目な医者で怨みはかっていない。紫香尼の庵の傍で、道案とよく似た医者姿の住職の光照(江藤漢斉)と出会う。光照は医者が襲われた近くに女がいるらしい。かわせみの嘉助(小野武彦)が紫香を調べると、光照の弟子の坊主と付き合っている。そんな時、紫香の庵で「およね」が腹痛で倒れ、道案が薬を出すが、そのまま昏睡で紫香の庵で寝込む。「およね」が持ってきた草の草餅が原因らしいが、源三郎は「およね」は草をこれまでも良く吟味した。信じられない。
ある雨の夜、住職の光照が刺された。凶器の脇差し見て弟子の妙玄が医師の姿の時は持っていると証言する。町方ではなく、寺社奉行が担当する。寺社奉行は道案の代わりに殺されたと推理した。しかし東吾は光照を殺す目的だが、攪乱するために道案を傷つけた、と推測する。脇差しが当日、光照は見けられなかった事も分かった。源三郎はあの時は、「およね」が吐き、紫香は井戸の水を汲んでいた。しかし、雨の中で着物を替えた。光照の血が付いたのだと詰め寄る。紫香は、光照に尼にされた。そして得度の時に妙玄と出会い恋に落ちた、ただ逢えるだけで良かった。しかし、光照が反対した。あの夜は雨で「およね」は来ないと思ったが、脇差しを持っている所を見られた。それでおよねに毒入りの草餅を食べさせた。紫香は全て自分がやったというが、妙玄も共犯だったのだ。やがておよねは目を覚ます。喜ぶ源三郎だ。源三郎は紫香を見て、そばにいるだけで幸せだった、と語る。源三郎に負われて「およね」は「もったいない、よねは幸せもんだ、嫁さんを貰って下さい」。
今回のゲストは宝生舞さんでした。セリフの語りは時代劇には似合わないが、尼姿は源三郎でなくても一目惚れしてしまうね。でも源三郎が熱情で、尼に惚れるとは思わなかった。殺人事件のネタ、犯人は最初から分かってしまっていることが淋しい。
御宿かわせみ★★★★  4話「狐の嫁入り」怪談風ですね
深川で人気の梅之丞一座の芝居がかかる。楽屋に、材木商の木曽万の娘・およね(萩野なお)が訪れる。嵐梅之丞(橋爪淳)は、急逝したおよねの父親に大恩がある男だった。梅之丞は、およねの沈んだ表情に気づき、その訳を聞く。そして、本所の夜空に、物の怪の「狐の嫁入り行列」が出没するようになる。狐の面を被っているが火の玉(焼酎火で舞台で使う)があり、籠が消える怖さだ。るい(高島礼子)と女中おさと(久保内亜紀)も行列を見てしまう。東吾(中村橋之助)は笑いながら探索を始めた。長助(蛍雪さん)も目撃したので案内してもらい現場を見て、黒い糸くずを見つけ(これで籠を持ち上げたのだ)、物の怪ではなく人間の仕業だと推理する。
一方、木曽万の跡継・万兵衛(金子貴俊)が宿に来て、妹・およねの祝言で、るいに介添を申し出る。父親の急逝で商売が危うくなり、万兵衛は多額の借金をしたのだが、借りた相手が非道な金貸し橘屋で、直ぐ返せぬのなら、およねを息子の嫁に出せと強要される。店を守ろうと、およねは健気にも嫁入りを決意したが、事情が事情なだけに、ひっそりと夜、目立たぬ様に夜更けに嫁入りをするという。るいも亡くなった大旦那に世話になったので引き受ける。ここで自分はネタは分かりました。
また狐の嫁入りが起こった。橘屋(女房が女郎屋をしている)が借金のかたに娘をさらっていった。橘屋は北町の奉行所にコネで通しているのだ。るいは梅の丞に稲荷を持って会い、梅の丞にこれまでの恩を忘れたかと聞く。梅の丞は救いたいと見栄を切る。るいは「それで狐の嫁入り」を計画したのですね。二人は協力することになった。東吾も真相がわかる。るいは露見したら東吾にも迷惑がかかる。るいの父も与力の身内の疑惑追求で追いつめられたのだ。東吾はこのままでは露見する。いい手があるという。
東吾は長助に行列の警護を、源さんに屋敷の警護を頼む。嫁入りだ。長助が先頭で、るいが籠に寄り添う。心配した事は起こず着く。化粧を直すため部屋に案内された。ここで梅の丞がおよねと入れ替わった。るいが出てきたが、部屋に残った花嫁は狐の面を被っていた。そして火の玉が出る。大騒ぎとなり、追っ手が来て籠を改めるが、籠は空だった。途中で船で逃げたのだ。橘屋に沙汰が出た。金利をむさぼり、狐騒ぎで世間を騒がした、よって所払いとなった。およねは梅の丞と1年間旅に出て、ほとぼりを冷ます。恩を忘れぬ江戸の人情と、手助けに協力する粋に、日本人の美しい機微を見た。花嫁の白無垢姿もいいですね。名作です。
御宿かわせみ★★★★  3話「藍染川」
子供の無い井筒屋徳右衛門(鶴田忍、悪役かと思いました、笑)は、昔、顔も見ずに手放した隠し子を茶道具屋の跡取にしようと探すが、見つかっていない。そんな折、手代の清太郎(笠原秀幸)はお光(沢松綾子、可愛いですね)と恋仲で会っているところを絡まれ、遊び人の新之助(忍成修吾、時代劇も新鮮でインパクトあった)が助ける。そして元気になった新之助は井筒屋の清太郎と知って後を付けていたのだと話す。そして芸者だった母ための息子で井筒屋の息子だと名乗りを上げる。その後ためは井筒屋と別れた後再婚したが、再婚相手に金をむしり取られ、岡場所へ落ちぶれて死んだという。井筒屋はかわせみに会いに行き、涙して詫び喜んだ。子供の時から父親は井筒屋だと言われてきた。別れるときに金を貰ったので会いに来なかった。しかし井筒屋が探しているので来たという。井筒屋は「子供が出来ないなら、その時、手離さなかった」と言う。この言葉は条件つきなので、後で問題になる。
跡取として迎えるが、新之助は店に馴染めない。食事の時に正座出来ない、音を出して食べる。夜にお光に運んで貰って自由に食べている。お箸の使い方の練習をする。やはり店の者も、馬鹿にしていたが、練習で行儀が良くなった。井筒屋は新之助をお光と一緒にしたいとまで考えた。そして手代の清太郎(笠原秀幸)は両親を知らないで、養子で育てられた。自分と同じ年代の男の子がいて、あんちゃんと呼んでいた記憶がある。自分と同じ藍染川の思い出を持っていると知り、新之助は再び荒れ出した。店の者とも喧嘩をし出す始末だ。そして深川で遊び呆けていた。そこへ東吾がやってくる。年増の芸者と遊ぶ新之助をみて、母の知り合いを捜していたことを知る。新の助も母も井筒屋も怨んでいないのだ。良い子ぶるのは疲れてしまう。自分は相応しくない、子供がなかったから、戻されたのだ。そんな新之助を、るい「心に悔いを残さず生きられる人はいません」と言って諫める。
井筒屋は新の助と一緒に出るという。新の助があなったのは自分の咎だという。そして店はお光に見合いをさせて継がせると決まってしまう。それを聞いた新之助はお光に知らせ、お光は清太郎に駆け落ちを言い出す。ちに新之助は、清太郎が自分の兄弟だと思い到る。新の助はるいに人を探して貰う、昔の紺屋町の事情を知る久米衛が証言する。清太郎もおたねの子供だったのだ、死ぬ前に井筒屋に奉公に出したのだ。それを井筒屋へも報告に行く。どちらかが井筒屋の子供だ。井筒屋も悩む。るいは心配して井筒屋へ行く、新の助は「これまでのことは嘘だ、大店の息子も悪くわないと思ったが、堅苦しくて良くない、世話になった」と出て行く。見送るお光に一瞥した。道で清太郎に会い、事情を語らず言わず急いで帰るようにだけいう。紺屋町でるいと新の助は「藍初め(会い始め)で藍染川ともいう」。どちらもあんちゃんと呼んでいた。新之助「清太郎が若旦那の方がいいと思う、井筒屋が自分と家に出ると聞いてそれで良いと思った、藍染川、会い初めが別れだ、ちょっと夢を見たが戻ります、あっちのほうが性に合っている」。麻生(井川比呂志)は井筒屋に聞く、麻生「清太郎でいいと思っているのか」。井筒屋「分かりません」。るい「双子じゃないでしょうか」。東吾「あいつには、あいつの生き方がある」。
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今回は完全に人情物ですね、大好きです。忍成修吾くんのカツラと時代劇は新鮮でした。嬉しくなります。昔の節度ある日本人は、自分を犠牲にしても、弟のために、身を引くことを知っていた。この自己犠牲は悲しくも美しい。今の日本にはみられない世界だ。
御宿かわせみ★★★★  2話「女難剣難」  時代劇に色気が嬉しい
定町廻り同心・畝源三郎(宍戸開)は暴漢に襲われた町娘・おとよ(長澤奈央)を助ける。水戸の材木商の娘おとよは源三郎に一目ぼれをして、以来、源三郎を追いかける。さらには縁談話までになる。一方町では、人を殺して金を奪う、紫頭巾の女すりが暴れていた。本当に紫の頭巾は江戸で流行っているのだ、どんどん登場する(笑)。色っぽく見えるのだ。「かわせみ」で東吾(中村橋の助)とるい(高島礼子)は嘉助(小野武彦)とお吉(鷲尾真知子)と一緒に話し込んでいる。正月で、神林家へるいが新年の挨拶にくる。兄の通の進(草刈正雄)と親友の源三郎がいると緊張してしまった。るいはどうもおとよが気にくわない、計画的なものを感じた。そんな時に源三郎に先代から懇意にしていた礼差し大口屋が匕首で殺された。大口屋は恨みをかう男ではないと、源三郎は泣いた。また同じ夜に元与力がおこそ頭巾で同じ匕首で殺された
るいは町角に立つおとよにるいは近づき声をかけた。るい「思いを隠せば隠すほどでてしまう不思議なものです」と言う。そのことは東吾にも知られた。十手持ちの長助(蛍雪次朗)が、長助の妻が5年前の出来事(結婚を誓った日だった)を覚えていた。殺された二人は牢内で死んだ盗賊二吉を逮捕した関係者であることに気づいた。狙いは源三郎で仇討ちだったのだ。気づいて慌てて駆けつける東吾だが、源三郎はおとよと船宿で逢っていた。おとよのお付きの男は、女に化けて匕首で殺していたのだ。外では東吾が手下と戦っていた。船宿は灯りが消えて、おとよは怪しくも諸肌脱いで首に匕首を突き付ける。しかし斬ることは出来なかった。おとよは悪党の娘として仇討ちだけが生き甲斐だった。それを優しく源三郎は聞きとめる。「かわせみ」で源三郎は熱を出しているが、暖かく慰められる。るいと東吾は初雪の朝を迎えていた。一味は死罪だが、おとよは格別の計らいで遠島となった。
   ☆    ☆
まずまず上手くまとまりました。何で今回だけ紫頭巾ばかりなんだ(笑)。今回のポイントの高さはおとよさんです。しかも色気は素晴らしい、諸肌の露出だけですが、どきっとしました。それで3つ★は4つ★になりました。エロじいさんですが、時代劇のエロはつきものです(爆)。長澤奈央は1984年の現在20歳ですか、A型、165cmで『忍風戦隊ハリケンジャー』(未見)のヒロイン・ハリケンブルー役で絶大な人気を誇ったそうです。ただ、この御宿は登場人物の年齢と役者の年齢が合わない、ここが気になって入れません。
御宿かわせみ★★★  1話「美人の女中」
るいの「まあお久しぶりで」から始まる。本当にご無沙汰です。挨拶が入りました。師走で忙しいが、相も変らぬ大川端の宿「かわせみ」に、新しい美人の女中・おきた(松尾れい子)が雇われる。東吾(中村橋之助)も嘉助(小野武彦)も大喜びだ。東吾やるいのこれまでの話が始まる。東吾の「お嫁さんになりたい」七重(吉本多香美)の話も紹介される。ここを押さえないと話が分かりません、自分は前回も見たので、大体理解しているのです。女中のおきたは元気で客引きまがいのことまでする。また東吾が風呂に入っていると背中を流しにおたきが来る。愛嬌が良すぎる。ある日、夫婦の客(斎藤暁)が結納金の50両を盗まれた。勿論同心が来て調べが始まる。客と奉公人の荷物調べがはじまる。常連さんは快く応じてくれた。一見の客の若い男、佐吉(金山一彦)は50両を持っていたので疑いがかかる。しかし博打で儲けた自分の金だと言う。盗まれた夫婦は結納を断るし結納金を返せないと先方にいう。るいも一緒に謝るが、相手の男も悔しく奉公に来い、生娘か調べてやるとまで言い出した。るいは娘が見る目があると慰めるのだ。番頭の嘉助(小野武彦)は佐吉を知っていて、凶状持ちだ。佐吉の好きな娘が若旦那に乱暴をうけ、身ごもったが捨てられ、産後の経過が悪く死んだ。その後酔って若旦那と喧嘩になった。江戸払いになってしまった。るい(高島礼子)の与力の父親が、遠島の折りに佐吉を信じた人柄だと庇う。その無実を誰もが信じたいと思う中、おきたは70両を持っていたが風呂場の天井に隠していた。持っていそうな人がもっていなく、持っていない人が持っている、宿で枕探しは付きものだ、と言う。その言葉で東吾は事件の鍵を思いついた。夫婦は狂言だろうと推測し、夫婦に伝馬町送りで獄門だ、50両は戻ってきます、と長助が言いに行く。驚いた夫婦は、かわせみに謝りにいく。店の経営が苦しく、結納金を使ってしまった。それで大概、枕調べしても、見つかることなく、うやむやにされると思っていた。まさか50両を持っている客がいて、捕まるとは思っていなかったのだ。時間の猶予で50両を返すつもりだった。
佐吉は釈放された。るいの父のことは覚えていた。今度のことは良かった。博打で儲けた金を持っていては駄目だ。佐吉「結納金として使って下さい、今度のことはるいの父のお導きと考えました」。おきた「江戸払いになった娘さんをどれくらい好きになったんですか」。佐吉が宿を出立すると、夫婦がお礼にやってきた。東吾はおきたに聞くと、「みんなの驚く顔が見たかった、おたきは同じように奉公先で隠居に身ごもり里子に出してしまった、隠居が死んだ時に70両をもらった、良かったと思うが、その時、私にもぶん殴ってくれる男がいたらな」。10日ほどしておきたは暇を貰い、佐吉の元へ行った。「かわせみ」に雪が降った。
   ☆    ☆
おひさしぶりです。今回は松尾れい子さんに注目です。いい役者さんですね。時代劇には似合わないかもしれないが、おきゃんなすっれからしの女中ならピッタシでした。東吾が風呂に入った時に背中を流しに行ったのも、70両が気になったからだったのか。ただ、事件そのものは狂言という小ネタでの解決でした。金のありそうな人に金はなく、なさそうな人が金を持っている。でも金持っている人は、金持っていますね。佐吉役の金山さんはいい役者さんですが、もっと若い人にやって欲しかった。折角の時代劇ですから、若い俳優さんがどんどん挑戦して欲しい。敬遠するのかな。新選組に出ているから無理なのかな(笑)。このままじゃ時代劇の美しさが消えてしまう。

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