2004年1月 単発ドラマ


向田邦子の恋文★★★★★  1月3日    聖徳太子★★★  1月3日
古畑任三郎★★★★   1月4日    老いてこそなお★★★  1月4日
ブラックジャックによろしく★★★★   1月5日  大友宗麟★★★  1月5日
 二重生活★★★   1月8日   Drコトー★★★★★  1月11日
つげ義春の「紅い花」★★★★★  3月15日   鬼畜★★★  3月25日

鬼畜★★★   日本テレ50周年記念、今回はどうかな、黒木さんが・・・

何度も見たことがある松本清張のドラマ化だ。見始めるとストリーの見当はつきそうだ。時代設定はいつなのかな。現代だと思うのですが。
川口の工場街にある竹中印刷所では、今日も夜遅くまで主人の竹中保夫(ビートたけし)と妻の春江(黒木瞳)が働いていた。保夫は中学卒業後、父親の跡を継いでこの道に入った印刷一筋の男で、元銀行員だった春江との間に子供はなかった。保夫は10年間、ここ川口で開業したが、最近は景気が悪く、パートの従業員もいない。パソコンが主力となっていたり、気軽にパソコンで個人が印刷する時代だ。世の中の景気そのものも悪い。経費節減のため、真夏にも工場内のエアコンさえ止めていた。保夫の工場に、ある日、幼い子供たちをつれた小出昌代(室井滋)が姿を見せた。昌代は保夫が川口で仕事を始めたときからの愛人で、現在本庄で小料理屋のママをやっている。10年間よく愛人に出来ましたね。月10万円のお金か。設定は妥当だろうか。黒木さんが本妻で、愛人が室井さんで成立するのでしょうか。春江が何であんなブスが愛人となじられたよ。顔では黒木さんですが、最近は露出が多くて、それが引っかかる。一緒にいる子供は、5歳の保(片岡涼)、4歳の良子(佐藤愛美)、10ヶ月の庄二(諸岡真尋)の3人だ。

昌代は、1年近く滞っている子供たちの生活費と養育費の支払いを求めるためにやってきたのだ。春江は、保夫が自ら子供たちの名前をつけ、全員を認知していると知り、顔色を変えた。春江の派手な格好や子供たちの顔を見て、3人の父親はほかの男の可能性が高い、と保夫の軽挙を責める春江だ。室井さんは自分の範囲内の手堅い演技です。子供たちが慣れた様子で、保夫に「とうちゃん」と話しかけるのを見た春江は、ハラワタが煮えくりかえる思いだった。黒木さんは、一応言葉も荒く、怖い感じを出している。「あんた」、「あんた」というのですが、キャラが違うようですが。ビートたけしさんは無口であのころの男を演じています。
この10年間、春江は経理はもちろん営業や工場内の仕事までこなした。自分に子供ができない分、春江は、保夫の愛を信じてがんばってきた。そんな春江を、保夫はずっと裏切り続けていたのだ。10年間春江は自分が洗った下着を着けて、あの女と一緒にいたのね。10年前の回想シーンだ。保夫と石田(小野武彦さん)が行きつけの店が春江の店だ。石田と昌代も怪しい関係みたいだ。保夫は、いきなりキスか、そして押し倒す。昌代「真剣なの、浮気じゃないの、本気なの、捨てない」。保夫「女房は何とかする」。昌代「捨てない、捨てない」で抱きついてきた。自然でエロく、生々しい。
暑い夜で、汗かく子供たちを涙で呼び、昌代は2階の春江の所へ行き、「子供たちを頼んだよ」と昌代が子供たちを残して飛び出した。春江は子供の顔を照らし出し「似てないよ」と吐き捨てる。失踪したことから、保夫は厳しいツケを払うはめになった。春江が裏切りの証拠ともいうべき子供たちの世話をするはずもなく、保夫は工場の仕事と並行して食事の世話や洗濯などをやらざるをえなくなったのだ。結構絵面的にはビートたけしに似合っている。昌代の家はもぬけの空だ。家賃を滞納して敷金などは帰ってこない。おにぎりを食べさせた。病弱な乳飲み子の育児は特に大変で、夜泣きしておむつを保夫が替えた。春江が子供の服の趣味が悪く、新しい服を買ってやるが地味でこ、子供は気に入らなく古い服を着る。春江は頭に来る。子供と保夫が仲がいいのも腹が立つ。子供も食事「まずい」なんて言っちゃいけないよ。怒れば怒るほど、子供は反抗的になる。育児は大変だ。医者に庄二が栄養失調だといわれた保夫は、慌てて昌代の行方を捜し始めた。
銀行に新規の融資を断られた春江のイラ立ちが募る中、ついに事件がおきた。寝ていた庄二の顔の上に毛布が落ちて窒息死したのだ。立ち尽くす春江の表情はいい。庄二を連れて走る姿もいいですね。庄二を診た医者は、いきなり先天性幽門狭窄による衰弱と嘔吐での窒息死として死亡診断書を書く。保夫は毛布のことは医者に話していない、春江が故意に毛布を落としたと察しながらも、事故と思い込むつもりだった。その夜は激しく愛し合う二人だ。結構長く、テレビとしては頑張ったかな。でも黒木さんが汚れじゃないので辛いな。
やがて、昌代の居場所をつきとめた保夫は、良子を連れて訪ねた。だが、保夫らが見た昌代は、若い男とベッドにいたらしい半裸の姿だ。昌代は追いかけてきた。保夫は事情を説明して骨壷を渡したが、最初会って喜んだ良子も何かを感じて、昌代と暮らしたいとは言い出さなかった。雨の中で泣く昌代だ。昌代のしどけない姿を目の当たりにしたことで、保らがほかの男の子供ではないか、との疑念が保夫の心の中でさらにふくらみはじめた。子供さえいなくなればこの地獄のような状況から抜け出すことができる。そう考えた保夫は、残る2人の子供を消す計画を立てた。良子を水族館に連れて行く。風船をもらって喜ぶ。本当の海を見に行く。そして観覧車に乗る。案内人が酒井敏夫さんだ。得した気分だ。夜の花火まで見たよ。名前や住所を覚えていない良子を人混みのなかで一人置いて帰った。帰って春江に報告すると、児童相談所が保護してくれる。ここより幸せだという。印刷屋も2台の機械の1つを売ることにして、当座の金を得ることにした。
そして春江は飛び込みの仕事を見つけた。そこへ電話がかかり、保が保護している。警察で妹とはぐれたという保を引き取る。保が今までのいきさつをすべて知っているとみて、毒殺を提案した。保夫は、保を自らの手で消そうと計画する。動物園に行った保夫は、大きなおにぎりを食べるが、吐き出す。やはり毒が入っているのか。無理矢理押し保の口に押し込む。通行人に見られてやめた。家に帰ると保夫は春江を殴り出した。鼻血を出しながらも抵抗しない春江だ。「あんたの子じゃない、あんたが可哀想、私がついてなきゃ、何ひとつできない、私がいなきゃ駄目なあんたが好きよ、ごめんね、あんたの子供産んであげられなくて、ごめんね」。ちょっと、この二人が可哀想に思えた。保夫がひどい男なんだけど。保夫と保は伊豆へ旅行に行く。土肥温泉だ。保夫の父の話をする。神田で石版印刷だ、職人だから、物知らなくて、おばちゃんが手伝ってくれた。父は3から6倍は掘った。石の磨き方から教えて貰った。仕事が出来なくて怒られ殴られた。父の仕事にかける情熱を思うと、一生懸命働いた。どんな仕事も手を抜かずに頑張った。でももう町の印刷屋なんて見向きもされない。これは分かるね。日本の技術、職人の技と魂はどうなるのだろうか。保は寝てしまっていた。松崎のなめこ塀だ。ここは黄金岬じゃないかな。保を断崖の上から突き落とそうと掴むができない。父と子の映像シーンだ。プチ砂の器じゃないか、笑。夕暮れの黄金岬で、夕日をみる保夫だ、怖いですね。たけしさんは事故の跡で仮面をかぶっているように見える。草むらで寝てしまった保を抱えて、そのまま離れた崖から落とした。ここは名所だから人目があると思うけど。
家に帰る。二人だけになった。昌代が掃除をすると庄二の母子手帳がでるので燃やす。店も売ることを決めた。春江「あの子は、本当はあんたの」。言葉を遮って保夫「もういうなよ」。印刷機を手入れしていると、刑事が来た。石倉三郎さんだ。「西伊豆の落下した小児のことで伺いたい」、車に乗せられていくと、昌代とすれ違う。昌代は春江のところにきて、「庄二を手元に置いて考えた、私の所で貧乏するよりもと考えたが、オッパイが張るんです、保と良子を返してください」。春江「あんた子供より、男と金を選んだんだ、あんたに母親の資格ないよ」。昌代「私が母親なの、返して」。春江「できないは、子供を置き去りにしたから、もう無理なの、遅いの」。警察では保夫は「子供はいない、親戚の子だという」。 良子のクレヨンの絵を描いた石版が出てきた。神田の印刷屋の原版だと調べ、あなたに行き着いた。あ、保は怪我しているが生きていた。松に引っかかっていた。驚く。刑事「おとうさんでしょう」。住所も名前も言わない。保「知らない、知らない」。これは涙だ。保夫は大泣きする。保夫「良子を捜してください」。保は石版を落とし割る。そして保も泣く。エンドロール。監督は田中登さんだ。あのロマンポルノでいい絵を見せてくれた監督ですね。

このドラマは、子供を虐待するのだが、そこが耐えられるかどうかですね。以前のみた映画かなテレビかな、相当激しいシーンがあった記憶が残っている。しかし今回は余り激しい暴行シーンはありませんでした。時代に配慮しているのですね。ネグレクトで面倒みないが主でした。やはり生理的に見るのは辛いですね。これは何といっても黒木さんの演技ですね。お金が苦しいといっても、こざっぱりして見える。生活も濡れ場も汚れて見えない。室井さんは得だ、濡れ場も激しくないがエロイ。下品さが情感を高める(失礼な表現ですがお許しを)。それにしても最近の子役はうまいものですね。上の二人には感心します。そしてたけしさんに似ていますね。室井さんは得だね、雨の中で、「良子」と叫び泣くシーンも絵になっている。たけしさんは貫禄ですね。最後の父を語り、石版に思いを託し、職人の誇りと気概を語る。その石版が最後にシメとして登場するうまさにプチ感動だ。

つげ義春の「紅い花」★★★★★ NHKアーカイブ  
昭和51年の単発ドラマだ。国際エミー賞を受賞しているようだ。昔のNHKは本当にわからないドラマをよく作ったものです。しかも凄くエロイのですよ。漫画家つげ義春の原作を、演出が佐々木昭一郎さん(夢の島少女、四季、川の流れはバイオリンなどを作った)が作品化した。草野大悟さんがつげ義春を演じている。最初は「ねじ式」ですね。そこから「紅い花」の少女の話になる。キクチサヨコだよ。沢井桃子(1982年に水戸黄門に出ている)がいいよね。ぴったりだ。嵐寛が出ているよ。初経の少女の美しさと大人への変わる色気が川に流れる紅い花で表したのだ。よくぞ、映像化したものだマサジが苦しむサヨコを背負って歩くさまは優しい。つぎは「沼」だよね。蛇を鳥かごに飼っている。この青年は広瀬昌助さんだ。あの「八月の濡れた砂」に出ていました。夜蛇が首を絞めに来る、エロイ映像ですね。小島三児さん、多くの人が故人となっている。これつげ義春の漫画を見ていないと、何が何かわかりませんよね。

今日は、娘が京都大学の修士課程を卒業するので、荷物を運びにいった。レガシーは荷物が入ると感心された。娘も高校時代はテレビのチャンネル権を握り、受験勉強した怖い存在だった。しかし大学の研究室で助教授の余りの未熟な暴君的な支配に挫折したようだ。京都大学は、一部世間を知らないまま歳を取ったおかしな人がいて腐りかけているようだ。社会に出て、適当に力を抜いて、適切にバランスよく仕事して欲しいものです。
東名高速は空いていた。家から3時間で着いた。帰りには滋賀県で覆面パトカーが多かった。養老PAの近くのトンネルの後の長い進路変更禁止区間で、燃費を考えて走るので、思わず前に車に近づいた。セリカなのでスピードは出るはずだ。そしてあと少しで禁止区間が終わる手前で、セリカは黄色の線を越えた。すると、その前の白い車が突然、赤色灯を見せて、電光掲示板に「止まりなさい」の文字がでた。驚いたな。自分はスピードも早くないし、車線変更していないので、そのまま減速したまま通り過ぎた。セリカが動揺したのだろうね。ひどく減速していた。ごめんセリカさん、あおった訳ではないのですよ。許して下さい。その後も別の1台の覆面パトカーも来ていた。驚いた。名古屋は女子マラソンで、空いていた。こちらは覆面パトもいなかった。ただ、オービスも多かった。あとで来ないでしょうね、反則通知書(爆)。疲れました。
Drコトー★★★★★  いいとこ取りの編集だ、かみさんと泣いた
問題の研修医だった三上先生(山崎さん)の北の国の診療所の話からはじまる。こちらは天気も内容も暗い。。コトー先生(吉岡さん)は南の島で忙しい診療だ。彩佳(柴咲さん)は本土に研修でいません。診療所は和田(筧さん)が留守番だ。繁盛するのはいいけれど、病気でない人も見ている。これからも新しい話が始まると思った。そこに北の国の三上医師からの手紙がくる。人口1000人の離島でささいなミスも許されないプレッシャーで苦しんでいる。よそ者扱いに悩んでいる。
そして、これまでのコトー先生の回想シーンが続く。懐かしいな。タケヒロの虫垂炎(無茶な手術だな)、内さんの腹部大動脈瘤(大手術だが、母の力に感動だ)、妊婦の子癇発作(保育器がない、受け入れ病院探しとヘリ搬送だ)、あきおじ(美しい最後ですね、これが一番泣けました。命は神様、病気は先生に)だ。あれ、もう時間が終わったよ。最後に三上先生が草村さんの家の前で見つけたのに、そのまま去った。コトー先生なら家に入り込んだよ、最初は強引な営業活動が大事だ。
しかしそれぞれのエピソードを思い出しながら泣いたよ。本編を毎回見ていたときも良かったが、編集してエッセンスだけでも泣けるのだ。不思議だ。本放送を見ていなかった「かみさん」は、この編集スペシャル版だけ見て大泣きだ。やはりいいドラマなんですね。しかし折角テレビの前に座ったのに総集編だけなのだろうか。明日もこんな感じなのだろうか。それでも見ると思うし泣くと思うが、できれば新しいエピソードを作って欲しかった。
   ☆   ☆
もう何だかよく分からない。「BJによろしく」「白い巨塔」と医療ドラマが続き、今回の冒頭は「北の国」だ。頭の中は大混乱だ(笑)。やはり心情的にはコトー先生が一番だ。治療でも、ブラックジャックでは癌病棟編のように極端な2つの人物(石橋さんと阿部さん)を登場させた。コトーでは違う患者を登場させ内さんの場合は全力で手術し、アキオジでは形だけの手術をした(これまでの日本の医療ではたまに見られた、これを無駄といえば無駄だが・・・)。患者中心の医療を提起している。患者は皆微妙に違うのだ。だから一つの方法で、すべてに対処あ出来ないと思うのだ。

Drコトー(2夜)★★★  やっぱり総集編だった
記者の妹の過去の医療事故が島で問題になり、集会へ行く途中での土砂崩れ事故の話だ。このエピソードは編集するとちょっと説明不足の感じがします。そしてコトーは島を出る。このエピソードは相当腹立たしいのです。今見てもこの記者はどうして外罰的に個人だけを責めているのでしょうか。都会の救急医療の厳しい状況や離島での医療の状況などを自分の目でしっかり見ることをしないのでしょうか。でも最後に船酔い止めのおまじないで指を絡ませても、吐きながら船着き場に戻ってくるシーンは泣けました。かみさんも3分で大泣きです。また、三上医師(山崎さん)は教授の記者会見をメチャメチャにしたのでしたね。それでは「北の国」かもしれませんね。離島医療での重圧は今も強くなっているとコトー先生は率直に手紙で述べている。それで三上先生は営業活動で押しかけていった。やっぱり家で苦しんでいた。ぶつかれよ。治療代が心配だったのだ。胆嚢炎の診断だ。おぶって連れて行った。このシーンも泣けますね。愚直に自分が島の人と向き合って生きていく、そうだよ三上先生は第2のコトー先生になれるだろうか・・・息子のどてらを貰った。荻野さん役は草村さんではありませんでした大方さんでした(ごめんなさい)。コトー先生は予防医療で島の全員を往診で見ていこうというつもりだ。そして彩佳さんが週刊誌を持ってきた。そこには、あの記者が離島医療で頑張るコトー先生を好意的に記事で紹介していた。

以前書いた文を一部加筆して再記します。
---------------------------------------------------------
医療も結果論でいわれると辛いです。コトー先生の過去の高校生の話や、今回の土砂崩れの事故は本当に厳しく難しい(これを医者個人の責任にされると辛いです、システムの問題も大きいのですが、そういうと逃げのように見える)。究極では和歌山のカレー事件(カレーにヒ素がはいるなんて)、松本−東京サリン事件(サリンが大規模にまかれるなんて)などです。確かに世の中の多くは結果責任ではあります。だからコトー先生は個人的には離島で自分の医療を実現しようとしたのですが、それでも罪は許されないのでしょうか。このドラマは主人公のキャラも共感できて楽しみにしています。
さてこのドラマで初めは離島で船上の虫垂炎の手術、腹部大動脈瘤の手術に違和感がありました。しかしモデルがいて実話に基づいているとの書き込みがあったので、微妙なところで納得していました(昔の話ならいいかな)。今回かみさんに雑誌を捨てろと言われ、整理していたら2001年11月のドクターマガジンに「離島医療」で瀬戸上健二郎氏の特集があった。この人がモデルだと思いました。今回の小冊子の特集を読めば間違いないと思いました。
瀬戸上氏は1966年に鹿児島の大学を卒業し第一外科から国立療養所外科医長から、1978年に下甑村(しもこしきむら)手打診療所長に赴任して23年勤めた(2001年の時点で)。今回のようなエピソードはなく、半年というつもりで赴任したら、治療後の島の人の喜びように手応えを感じて、いつのまにか20年以上になった。現在はCT、人工透析の機器があり、ISDN回線でテレビ電話で大学病院や患者宅とネットワークができているそうです。「命のことは神様に、病気のことは先生に」のセリフも書いてあった。いつも島の老人が編んだ草履を当初から愛用している。その写真も載っていた。平成11年度は19例の手術をしている。食道がん、胃がん、直腸がん、腸閉塞から、大腿骨頸部骨折は8例と多い。ドラマの初めのエピソードは多分80年代の話が多いと思われます。小生もこの頃に山が近い町立病院で内科医長をした。若くて元気だけが取り柄で技術も未熟だったが、患者さんや家族も良くしてくれた。医療レベルは今と比べると低かった。今なら治ったかもしれないが、当時は十分良くならなかった患者さんもいました。それでも感謝してくれた、本当に良い時代でした(過去は美化されるためかな)。きっとコトー先生も時代が味方してくれたのかもしれない。個人的な思い出話をしてしまいました。ごめんなさい。

二重生活★★★    結構普通のドラマじゃないか、もっとコントを繋いだものかと思った
ココリコ田中が近藤大成(建築関係なのだから?)で主人公だ。いきなり2つのカップル登場だが、やはり夢オチだ。仁子(松下さん)が奥さんだ。大成は心優しいというより、頼りない、「ごめん」ばかりだ。不動産屋(レオパレスのCMあり)で働いている。沢田(八嶋さん、「いいとも」で一度だけ伊達メガネをかけると言っていたが不明?)は同僚だ、野村(遠藤さん)は同じ大学同期でもてて頭も良かった、そして今は上司の課長だ。奥さんの松下さんは大学の先輩でアイドルです。だから大成は頭が上がらない。愛子(坂井真紀さん)が物件を探しにきて、お互い謝ってばかりだ。物件を世話して、ついでにアドバイスする。犬の通り道だからペットOKのカフェを提案する。愛子はドジでのろまなキャラだ。仁子は仕事もバリバリだ。
坂井さんの妹役の小西さんは可愛い。「いいとも」でタモリさんから「あざらし」と言われていた。今回は強きキャラだ。脇で登場するだけで存在感あるので、このままでいいよね。たまに心温まるドラマの準主役を続ければいい。もちろん愛子(坂井真紀さん)も可愛いですけど。愛子さんの前彼のピエール滝さんですよね?は顔は悪そう(「いいとも」ですね、怪しい商売で金せびりに来た。行きがかり上、見ていた大成が「彼だ」と言ってしまった。愛子さんのお部屋ですね、ここらはココリコミラクル風ですね。奥さんからの携帯が鳴っているが・・朝帰りだ。大成「ごめん」。意外と妻は普通だ。安心しきっている。八嶋さんに相談した。答えが「ダブルライフ」だ。しかも面白がってプロデュースしてくれた。
木更津の物件の管理を週3回することにする。そこで奥さんと愛子のアリバイとする。次にアパートを自分の家として借りる。日曜日は絶対おくさんと一緒だ。完全に2つの人格と生活の時間割を作る。プレゼンしている。ここらはココリコミラクルですね。やはり1万円の企画費を貰うのですね。さあ始まるぞ。まだ馴染んでいない。品川は奥さんの職場のカメラマンで同僚だ。おっと大事な指摘を八嶋さんから受ける。Hの問題だ。大成は緊張して奥さんとはできていないらしい。これはまずい。そうです。夫婦の基本はHです。次の日肌の色がいいと言われる。まんざらでもない。奥さんの同僚で庄司さんと加藤夏希さんだ。
遠藤さんは奥さんの愛子に気があるのか。しかし奥さんは情に弱いのだ。優しい男が好きなのだ。でもいよいよ坂井さんのペットと一緒の喫茶店の取材だ。もめるよね。アドバイザーとして大成の名前が出る。ラ・タイセイという名前だ、大成が一致した。小西さんのツッコミがココリコミラクル風ですね。キャラが違うので安心だ。でも互いに会いたいと約束した。ほら名前が出た。うろたえる。偶然だ。でもなんとかばれずにきたか。
奥さんが妊娠だ。木更津勤務はどうする? 決断の時だ。しかも坂井さんは2号店を出すことになった。どちらも仕事量が増える。しかし心優しい大成は真面目に頑張る。一日50時間の生活が始まる。家事も手伝い、2号店の開店に頑張る。疲れ初めてきた、破綻は見えているね。りりーさんは産婦人科医でした。ギリギリでニアミスでしたた。でもカフェの写真で足がついた。借りたアパートの方からも足がつきそうだ。遠藤さんが気づいたぞ。これは破綻の仕方がドラマだよね。遂に全員集合したよ。言い訳タイムだ。大成「愛子は本当に愛してる、仁子さんも愛してます」。小西さん怖いですね、怒ってます。大成「ごめん、ごめん」です。両方同時に無くした。呆然とする大成、僕生きみたいだ。八嶋さんのサポートはないのか。実家に奥さんは帰る。倍賞さんが母だ。一人で育てる事を決意するが、結婚して2年だ(母と同じだ)。母「喧嘩は何回? 一回もしていないで別れたことを後悔している」。愛子も仕事ができない状態だ。愛子が大成と会う。愛子「さよならを貰いにきました。しっかり別れたい。後悔したくない」。涙。大成「さようなら」。愛子「ありがとう、バイバイ」。大成は仁子に会いにくる。離婚届けを渡した。大成「本当に済みませんでした。ありがとうございました」。愛子「頼りたい時もあった、男らしくして欲しかった。たまには私をひぱって。私が年上で稼ぎが多いから。本気で愛してしなかったのでしょう」。大成「二度寝しません、カバン、携帯わすれません。頑張ります。だからもう一度僕とやり直してください」。大成「馬鹿です」。普通に感動しちゃた。その時に陣痛が始まる。子供が生まれた。ふたたび愛子もカフェの名前をラ・アイコで始まる。退職届けは野村が破り、大成は産休済んで会社復帰だ。今度は喧嘩しながら夫婦していく。最後に加藤晴彦さんバイク便で登場ですが、これだけ。
   ☆     ☆
仁子と愛子で、「仁愛」がテーマなのかな。意味は、めぐみいつくしむこと。いつくしみ。思いやり。なさけ。(広辞苑) 最後も情けで許したのかな。普通は一回の浮気でも離婚するのに、こりゃ厳しい状況ですわ。でも男としたら分からんではない。二重人格じゃないが、人格を変えて2人の女を愛せると思うが。人類には歴史上も地域によっては現在も一夫多妻も乱交も結婚形態としてある。ひんしゅくかな(ごめん)。しかし全く普通のドラマでした。もっとコントの爆裂で不条理な非日常の、シュールな愛のドラマを期待したのに残念だ。ただキャラを探す楽しみはあった。
大友宗麟★★★  心の王国よりも女運の悪さから優しい女を求めて
戦国時代で九州の事情は余り知らなかった。NHK大河で「毛利元就」でちょっと出たことがあったことを思い出した。キリシタン大名と丸坊主の肖像画しか記憶なかった。今回で少し理解できたが、どこまで信じて良いのか、どこまで本当か心配である。
大友宗麟は若くして、父から亡き母の血の子供に家督は譲りたくないと言われ、地方の殿になる。しかし家臣の反逆で父が殺され急遽家督を継ぐことになる。ここらは細川俊之さんが父で、松平健さんが息子だが、実年齢を考えると微妙で入り込めない。しかもこの時間眠気もありボート見ていた。家督を継ぐと早速、難問が控えていた。北九州と山口は流動的で大内氏と陶氏が戦っていた。宗麟は速やかに決断して、勝利する。家臣はまとまった。そして結婚するが、国東の水軍の八幡神社の姫らしい(眠気で不明?財前直見さん)。この姫というか妻が大変で、恐妻だ。自分は実家の代表で大友家と対等合併するための政略結婚だから、自分も政治的に夫に指示を出すパターンだ。とにかく財前さん恐ろしい、口も顔も怖い。
しかし国は肥後、豊後など九州中部を支配して、貿易をして南蛮との交易で新しく活気に満ちた国を作っていった。交易とともにザビエルとともにキリスト教が入って来る。このキリスト教と武士道との価値観に違いの論戦は面白い。キリスト−愛vs煩悩−武士道、ザビエルが「戦は解決にならない、憎しみは連鎖する、愛こそが人も世界も救う」という。現在のキリスト教はアメリカにはないのか? 誰か説明してくれ。当時は新しいものに対する興味と同化する能力に優れていたのだろう。1551年に陶が大内をやっつけて、殿様に大友宗麟の弟(坂上忍さん)を迎えることになった。弟と話すとやる気満々だった。しかし何も知らないところへ陶氏が「立派な人物」だからといって、行く弟は気負っていたのだろう(兄に負けたくない)。その後、重臣が敵に内通してあいた。一刀田と服部を討ち取る。服部の残された妻(麻生祐未さん)に同情して、宗麟は強引に関係する。本妻の財前さんには嫌になっていた。しかし女運がないというか、女の好みに関して亡き母へのコンプレックスがあるのだろうか、普通でないような
1553年、川中島の年に、陶氏が大内氏に滅ぼされる。宗麟は弟を見殺しにしてしまった。1560年、桶狭間の年、宗麟は朝廷から九州探題にしてもらう。毛利との戦いが続いていた。妻に嫌気がさして、長男に名目だけ家督を譲り別居する。そして麻生さんと暮らす。それを知った妻は、麻生さんの家を焼き殺す(半ば麻生さんは覚悟の死)。妻と離婚することを告げると、妻は心を病んでしまった。1569年から宗麟は毛利との戦いで勝つ。しかし戦いに疲れた。そんな時にキリスト教の音楽をきき癒される。妻の世話をしていた露(宮本真希さん、大大好きです、天国の階段から)が洗礼を受けていたことを知り、キリスト教に傾倒していく。
しかし、今度は南九州の島津氏との戦いになる、戦いをしたくないが、長男は言うことを聞かず、出陣するが大敗北を喫する。1582年、本能寺の変、重臣立花(佐藤慶さん)が死ぬ。遺言は「島津との戦いに窮したら大阪の秀吉に助けて貰え」だった。1586年秀吉に臣下の礼で頼んだ。九州平定を目指した秀吉は好都合だった。名門大友氏だが6カ国から豊後だけでいいだろうという。しかし宗麟は帰りの船で満足だ、天下に平定される。自分を捨てていたようだ。1587年58歳で死ぬ、1ヶ月後キリスト教禁止令が出る。
   ☆     ☆
とにかく女を求める人生だ。こんなこともあったのだろう。政略結婚でも何となく上手くいっていたように書くことが多い。これだけでもこのドラマ異質だよ。最初から露を側室にできなかったのかな。どうも秀吉の側室の多さに目がいっていたが、普通の大名は側室は入れ替わりして2−3名だったのかもしれない。
九州も戦国時代は大変だったのですね。これまで注目度が少なく、脇役ばかりでした。今回は交易とキリスト教がセットで入ってきた特殊性が分かったようだ。そしてキリスト教がこれまでの武士の世界のテーゼに対して強烈なアンチテーゼだったのですね。だから人は惹かれていったのですね。今キリスト教がテーゼになっている世界ではテロリズムがアンチテーゼなのですね。だから自爆テロはなくならない。大きな二つの力動が渦巻く世界は変わらない。「憎しみの連鎖・・・」は説得力をもつのか? 絶望的になるが、いつの時代も動いていく、善悪ではなく、無目的に・・・
(付)
独眼竜政宗★★★★  楽しかったけど、職人の技術が伝承されいかなかったのか
昨日は見られなかったが、今日はチラチラ見ていた。昔リアルで全編見ましたね。渡辺謙さんが珍しかった印象があった。今見てもイイような。今日は勝新太郎さんが秀吉で出ていて、これだけで現場が大緊張だったと思わせるテンションが伝わった。桜田淳子さんはアイドルだったと思うが、ピークは過ぎていたのかな、でも役者としても時代劇には違和感はなかった。今は米倉さんがでていると時代劇には見えなくなる。役者やセットや衣装やカメラ、多分予算も全てが今の方が経験から学習していると思うが、技術が伝承されていないようだ。日本の優秀な職人の技術が伝承されていない。「新選組」の香取君も30歳近くだ。やれば出来ると思うが、やらせる気にする職人がいないかな・・・
ブラックジャックによろしく★★★★  最後甘すぎる、大学病院攻撃はやめた?
斎藤先生も1年目の研修終了が間近です。第4外科ですね、癌専門だ、白い巨塔並の総回診だ。最初に斎藤「教授の方針に逆らうことはしません」。頭下げたよ、今までは何だったんだ(もちろん悪あがきしてくれますよね)。阿部寛さんが指導医オーベンだ。37歳の薬師丸さんが患者さんか。紹介されてきたが、あっさり「膵癌」と告知した。そして直行で手術だ。ちょっと早すぎる気もする。検査し直すと文句がでるし、しないくても文句がでる。手術は財前教授より激しいキャラだ。本当に神のみぞ知るですよね。言っていることは概ね正しい。でもそれだけじゃない。
鈴木京香さん登場だ。何でも知っている情報ですね。またけしかける役目ですね。トラブルは京香さんだよ。石橋貴明さんも登場だ。25歳の末期胃癌で伊東美咲さんです(酸素マスクだから分からなかった、結構やつれていました)。石橋さんは抗癌剤否定派です。デクネ君の指導医なのか(恋愛感情は持たないように指導されたよ、伊東美咲じゃ惚れちゃうよ、仕方ない)。しかし外科医じゃないよね。塩モヒで疼痛対策だ。チュリップの花を見て死んでいく。「私もっと生きたかった」(やっぱり泣けまあすね)。家族はどうしたの。これのやり方も正しい。正解はない。なぜなら癌の終末は死で、死は個別だたらだ。どうして極端なのでしょうかな。まあドラマだから仕方ないけど。
薬師丸さんは肝に多発転移だ。知って絶望だ。今度は告知しない。旦那には抗癌剤を使います、精神的に支えてください、と説明する。食事が食べれない。阿部先生の説明はワンパターンだ。おざなりだ。確かに膵臓癌に認可されている抗癌剤は少ない。抗癌剤は効かなかった。でたでた、斎藤先生未承認の薬を使う手を考えてきました。一生懸命勉強する。胃癌にしか適応のない薬を「保険病名で胃癌」をつけて保険で使う手を考えた(禁じ手ではあるが・・)。ただ大学で終末医療はしないので患者を紹介する。妥当な考え方です。一人の医者が全部できないのが現状だ。医者は医療しかできない。ただ患者に情報をしらせましょう。またまた鈴木京香さんが告げ口だ。昔、阿部さんと石橋さんが若かった時は仲良かった。一人の患者に当時未承認の薬(ジェムザールある種の肺癌と膵癌に適応)を使って、癌は小さくなったが患者の希望は完全な治癒だった。石橋さんはその患者と籍を入れた。その後二人は完全に違う道を歩んだ。本当にどうしてこうも極端なのでしょうかな。それにやはり指導医が反対だよね。まあドラマだから仕方ないけど。
画像は相変わらず良く出来ていますね。国仲涼子さんはいいですね。デートだよ(斎藤くん、泣かせちゃ駄目だよ)。善悪で考えないでよ。NICUの鶴瓶さんは相変わらずですね。前シリーズ同様いい感じです。それにしてもあと少しで研修終了なのにけしかけるのですか。「自分の答えを用意しろ」なんて。remission寛解を辞書食っていましたね(駄目だよ知ってなきゃ)。最後にやってくれましたね斎藤くん、研修が終わったのですよ。切り捨てたのではないのですが、一見まっとうな意見だが、「神」のみぞ知るのです
本人も含めて告知しました。このシーンはいいですね。斎藤「一緒に頑張りませんか」。未承認の胃癌の薬を使うことを提案した。薬師丸さん「これじゃ実験じゃないですか、ふざけないで」(いい返事だ、妥当な返事だ)。「絶望って眩しい」。斎藤が走って「待ってます」といっても返事しなかった。時間がいるよね。おお、研修延長を申し出たのか。おお、救急車で永大に帰ってきたのか。多分一生懸命走ってくれたからだ。その治療法や論理が正しいからではなく、この先生は私のためにどれだけ一生懸命やってけれるかで判断しているのだと思う。このドラマが新しく提案したテーマは今回は旧態然とした結論で終わるか。残念だ。NICUは絶品だったのに・・・阿部さんと石橋さんも仲直りか。阿部さんも教授に裏技を申し出たか(効くと思えないが)。みんないい人だよ。大学病院もイイ所みたいだ。攻撃は辞めたのか。やはり癌に正解はない。あらゆる答えが正解で、同時に不正解だ。

老いてこそなお★★★   渡辺美佐子さんが可愛い、吉沢文子は昔の○○だ
デイサービスでの棟梁の話。棟梁(三国連太郎さん)は右半身麻痺だ、利き手交換をし出した。介護は無くなった機能を戻すのではなく、残存した機能を最大限に使うことが目的だ。息子(塩見三省さん)と嫁(田中好子さん)は離婚で話しあっている。文子(渡辺美佐子さん、昔と変わらず美しいですね)がアルツハイマー病だが、会いたい人がいる。だから出て行こうとする。結構痴呆としてはレベルがいいですね。服装も表情もしっかりしています
しかも抜け出して、トラックの前に出て、ヒッチハイクか。危なすぎる、老人の事故死だよ。金がないよ、25円だ。文子さんは財布入れたつもりがない。コンビニ強盗(棟梁の動かない右手が動いた)、雨漏りの家での突然の妊婦と出産(文子さんは助産婦だ、嵐の中での屋根の修繕だ)。飯にありついた。けど人遣い荒いな、修繕を山ほど頼んだ。3万円を獲得した、妥当ですね。ここからは楽しい旅になりそうだ。郡上八幡のお祭りだ。
文子さんの初恋の相手の坪井さんの家をやっと見つけたら、相手は1年前に死んでいた。坪井さんは学徒出陣の前の約束を破った事を詫びていたのだ。その詫び状を受け取っていたことを文子は忘れていたのだ。忘れることが怖いと思う。棟梁の息子夫婦は追いついた。そして郡上八幡で昔を思い出した。
次は棟梁の家を見る旅だ。これが福井の三国だ。懐かしいな。越前鉄道だ。ここでも弟分が死んでいたのか。墓参りした。棟梁の家は皆立派だ。息子夫婦とも揃って、2時間ドラマか、断崖の上で話する。東尋坊だ。棟梁は「家族は一緒にご飯食べて、話し合うもんだろう」。「全力でいきるんだ、今度の旅で分かった」。息子夫婦もやり直すようだ。
NHK名古屋が制作ですね。あらかじめ予想された通りの展開です。しかしまあ嫌いでもないし、設定もまずまず妥当なものでした。デイサービスならあの程度の痴呆患者が利用するのでしょう。痴呆のレベルは軽症でしょうが、本人の不安が強い段階ですね。周りも大変かもしれません。福井県の三国はもう少し出て欲しかった
古畑任三郎★★★★   ツルとアリはいないが やはり刑事コロンボですね  
楽しかったです。スペイン語のとある中南米の日本大使館が舞台です。だからツルとアリはいない。その役目は八嶋智人さんがやりました。及川ミッチーさんが参事官です。その妻が出たキムタエ(木村多江さん)です。キムタエさんいいですね、今回は結構セリフが多く登場場面も多い。本当に声がいいな。浅野さんも、僕生きで覚えたので、よく出ていますね。津川雅彦さんは医者が、でも酒ばかり飲んで全編赤ら顔です。そこに猿にパスポートを取られた日本人が登場、我らが主人公の古畑さん(田村正和さん)です。松本幸四郎さんが大使で、豪華な建物で地元の企業からの寄付金を私物しているらしい。企業は地元の労働者から搾取している(懐かしい言葉、死語だよ)ので、現地人からは「go home」といわれている。そして大使と参事官で、この事態について確執がある。参事官は日本から外務大臣が来て、その時に報道関係に告発するつもりだ。当然小競り合いから衝動的に大使は参事官を殺してしまう。ごめんネタバレです。でも2時間半の初めの30分で殺人だから、いいよね。
ここから古畑が捜査のような捜査でないような。治外法権だから、捜査権はどこになるのかな。複雑だと思うが、一応捜査はしてないで聴取しているだけだ。今までとは違う感じがする。もちろん、衝動的に殺人したので、準備不足だ。死体を隠さないといけない。料理人が解雇になる。誘拐事件ではないかと言われ、脅迫状を書き出てこないといけない。そして外務大臣がきている間は、何事もないように保留にしないといけない。外務大臣が帰ったあとで、死体が発見される。そして、大使館内部の人間が犯人だというためには、犯人をでっち上げなければならない。最後にやはり積み重ねられた嘘はもろくも崩れていく・・・最後の大使の言い訳はちょっとひどいですよね。普通あっさり終わるのですが、あのセリフの意図するものは何だろう。考え込んだ。更にひどいのは結末ですよね。2時間ドラマだったのか
テンポもいいし、ネタやオチもくすぐられるものだ。何より田村正和さんの古畑のマネをしてかみさんをいやがらせることもできて、嬉しい時間だった。これは無条件に懐かしい世界に時を忘れる。これまでの事件の話も意図的に書いたのですね。SMAPの事件もありましたね、肛門におみくじを入れる監察医の話もあったような。年だからうっすらと思い出す気分も嬉しい。設定には無理があったが、八嶋さんがすっかりボケ役を演じながら、ツッコミもいれる凄さだ。しかもスペイン語のセリフがどんどん出ました。役者さんも大変ですね、丸覚えでしょうね。大使の妻役の三田和代さんが何とも倦怠に満ちて、物に憑かれたような怪しげな役を演じました。エステのシーンは何とも凄味が出ていた。本当かな、人の幸せは何なんだと思いました。ささやかな日々と楽しみで生きている自分を小市民だけど良かったと思った。これは三谷脚本の陰謀・罠ですか?

聖徳太子★★★   不思議な時代だ。再放送だが、「和をもって貴し」の精神は不滅だ
時空警察で聖徳太子=キリスト説を見たあとなので、少し馴染みがあるかと思ったけど、やはり名前が難しい。漢字が多く、○○皇子ばかりだ。衣装も違いが余りない。しかもこの人間関係が難しい。親子関係から、叔母甥の関係まで行くと覚えられない。しかも帝は実力がない。太子の父(近藤正臣さん)も帝になるが氏の勢力争いのストレスから病気で死んでしまう。帝の後継者争いで柄本明さんも殺される。次の帝(太子の兄で加藤雅也さん)も暗殺される。本当にたくさん人が死にましたね。
とにかく伝来した仏教を認めるかどうかを理由(所詮理屈ではない好きか嫌いかで戦争するのです、昔も今も)に、蘇我馬子(緒方拳さん、さすがに上手い、複雑な悪役を演じました)と物部氏(宝田明さん、結構似合いました)が勢力争いを続け、そこに聖徳太子も巻き込まれていく。しかも当時の朝廷には朝鮮から、様々の人と文化が取り入れられていた。伊真(重要な役ですね、ソルジョングさん、韓国の俳優さんですか)や秦(国村準さん)などは実際大陸の人のようです。日本の原点に深く関与していることが理解できた。大陸そのものも勢力争いが絶えず、中国では隋が台頭してきた激動だ。しかも時代は木や石から青銅器から、まさに鉄の時代に大変換している時代なのだ。
衣装が見慣れないので戸惑いました。しかも冠が何となく安っぽい。武器も弓矢と刀で争いをしていたのですね。主人公の本木さんは目力がありました。これでは聴力に優れ、夢見る力に優れていたようですね。人を殺してはならないという理想も、やはり平和を願う集団の戦いの中で、物部氏を殺してしまう。「平和のために戦を止めるために、人を殺さねばならない」。永遠の不条理の命題ですね(本当は「嫌いだからやっつける」というレベルなのだ)。推古天皇を決め、太子は摂政になるのだ。2重権力状態なのですね。結局太子の改革は時期尚早、いや理想すぎたのですね。新しい都、冠位制度、17条の憲法の意義を、今もう一度再確認する必要があるのかもしれない。最後まで改革をやり通したのですね。太子が馬子を刺したところ胸にしまってあった仏像に当たり、馬子は死ななかった。このエピソードから仏の力を信じて馬子も太子とともに改革を許したのですね。平和のギリギリの意味合いを感じることができた。現代にも通じる普遍的な想いだと思いました。
中谷美紀さんは太子の妻で、蘇我馬子の娘の役です。若々しく見えます。ちょっとバタくさく気品がないような気がしました。松坂慶子さんも気品が欠ける気がする。小野妹子役の今田耕司さんは、お笑いのイメージが強すぎて、浮いてしまいます。
向田邦子の恋文★★★★★  質の良い省略と余韻。山口智子さんに見えない演技  1月3日
良かったね。質の良い省略の珠玉の短編だ。テーマの邦子の恋愛も家族愛も過不足なく描かれていると思った。山口智子さんが向田邦子さんを演じる。最初山口智子さんだ、と感動した。そのうち変わったな、と思った。最後には向田邦子さんが乗り移った、向田邦子さんはこんな人だと信じてしまった。復帰おめでとう。心配したけど素晴らしいかったよ。でも余り露出してほしくないな。
主題は邦子の恋だ。邦子は当時33歳になっていた。相手役の中原カメラマンが大口広司さんで、調べると52歳だ。自分と同年代だ。ショーケンのテンプターズのドラム担当だった。実際の年齢も逢っているのかな。最初の出会いがちょっと分からなかったが、中原は脳血管障害で右半身麻痺であった。一応歩ける生活活動動作レベルだ。この恋が不思議だった。中原はちょっとボケているような母(樹木希林さん)と暮らしている。そこに邦子が通う。邦子は中原に「褒めて欲しい」。中原は「今の邦子だったら何でもできる」と褒めて安心させてくれる。そして邦子の成長が「生きている証」だった邦子の手紙は日記に近い、好きだとかはない。何を感じて何を書いているかだ。中原の日記は記録だ。邦子との食事の内容と邦子のいた時間と物の値段だ。互いに必要だったのだ。しかしそれは邦子が記者から放送作家の卵から一人前になるまでだった。邦子は「7人の孫」(子供の時にリアルで見ていました。森繁さんが蘊蓄をたれるドラマだった?泣きが入った。テレビドラマにはいい時代だった)を書くほどになった。その時に2人の恋は悲劇的に終わる。これが愛でなく、恋だったのが、何となく二人の関係を暗示しているのかな・・
向田家は娘3人だ、自分の家と同じだ。大変だが、幸い時代が違うし、「亭主関白」ではなく「かか天下だ」(笑)。父(岸部一徳さん)と母(藤村志保さん、てるてる家族でばあさん役なので母に見えないが年齢としては妥当だ)で、父が浮気する。これも良質の省略で描かれている。相手は岸本加世子さん(顔も作り込んだ、エピソードは3つほどでセリフも少ないがだ。母が父の脱ぎ捨てた下着で浮気を悟るシーン、浮気相手の家から妻の倒れた病院へ行き父が無性に顔を洗うシーン、浮気相手の岸本さんが酔った父を向田の家まで届け玄関に置き去るシーンなど、全て映像で心情を十分感じることが出来る。
田畑智子さんも良かった。向田邦子さんが生きていたらきっと彼女を使ったよ。勿論、岸本さんと樹木希林さんは向田ドラマの常連ですよね、上手すぎる。こんな役者さんが力を発揮できるドラマをもっと見せて欲しいよ。最後に森繁さんは、生きていたのですね(失礼しました)。あのセリフはアドリブなのでしょうか。脚本通りだったのでしょうか。