2006年 1月 ドラマ                 かあちゃんが来た    NHK   平成18年1月6日   金   21時
スタッフ

■脚本・・・阿部美佳

■演出・・・富沢正幸

キャスト

甲本雅裕
ブイ・ティ・フェン

福島一樹
吉川史樹

山谷初男
田山涼成
高瀬春奈






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 評価とコメント


ドラマ「かあちゃんが来た」★★★★☆
超ベタな展開ですが、それでいいのです。自分よりも弟たちのためを優先する。優しい心、それは今の日本には失われてきている。何でも、自分が中心だ。自分の主張を通すにはどうしたらいいか。自分が儲かるにはどうしたらいいか。そんな世の中だから、ベトナムから来た花嫁の心は胸を打つ。貧しくってもいいじゃないか、ささやかな喜びでもいいじゃないか、家族と一緒に自分が何かを作る。一緒に生きる、それが美しい。
何しろ、決して美人ではないブイ・ティ・フェンですが、表情が素晴らしい。彼女が微笑む、彼女が歩く、彼女が農作業する。それが美しい。心の美しさが表情と動きに出る。それだけでも、儲けものでした。いい涙を夫婦で、彼女を見て流した。素敵な濃密な時間だった。
それにしても、日本では人口減少とともに、外国の労働力が入ってくる。花嫁という形もあるのだろう。全てはきれい事ではない。高瀬さんの家では、トラブルが起きていた。ドラマだから、うまく決着が付いたが、現実はこうはいかないだろう。かえってささやかに続いていた家庭や農業が破綻するケースも多いと思う。突出したものは犯罪までになるかも知れない。医療の現場も看護師不足をフイリピン看護師でまかなおうという考えもある。これからの日本をどうするのか、それも問いかけている。泣いてばかりいられないゾ。


 公式HPから

 〜第29回創作テレビドラマ脚本懸賞公募 最優秀作〜  2006年1月6日(金)・総合・午後9時15分〜9時58分
日本放送作家協会が主催、NHKが後援して毎年行っている創作テレビドラマ脚本懸賞公募の昨年度の最優秀作のドラマ化。応募総数784編から選ばれた。入選作がドラマ化されるのは「窓を開けたら」(2003年3月放送)以来3年ぶり。
山形県の農村部はこの20年余り、アジア各国からの花嫁を多く迎え入れてきた。異なる文化をもった人たちと新しい家庭を作っていくにはさまざまな困難を乗り越えていかなければならない。
ドラマは、ベトナムから後妻を迎えることになった男(甲本雅裕)の家族のひと夏の物語。ベトナム人花嫁(ブイ・ティ・フェン)と、新しい母親を認めまいとする子どもたち(福島一樹・吉川史樹)の密かな葛藤と心の交流を、山形・最上川中流域の美しい自然を背景に叙情性豊かに描く。他の出演は、山谷初男、田山涼成、高瀬春奈ほか。
作 :阿部美佳     演出:富沢正幸



 あらすじとコメント

これは42分ほどの短編ドラマです。しかし、泣きました。かみさんと二人で大泣きしました。山形の農家の嫁不足で、家庭内と農業で労働力が必要だ。安価な嫁という労働力があって、成り立つ日本の農業なのだ。しかし、今の若い女性は農家に嫁ぐことは考えていない。海外からの労働力に依存しないと行けない。最初に子供に、その経済的な側面を説明すべきだろうと言ったが、かみさんには却下された、笑い。そして、田山さんが演じるが、世話する半ば職業も存在するようだ。ただでさえ、子持ちの後妻は辛い。そこに異郷なのだ。言葉が通じない、だからうまくいかないと予想される。
実際、やって来た花嫁は魅力的だったが、子供たちと解け合うことはできない。最初に夫は、ともに農作業することで理解し合えた。じいさんも、花嫁の心に見守っていった。しかし、子供は食事や、言葉の問題で、戸惑ったままだ。そして、
亡くなった自分たちの母の浴衣を花嫁が着ていた。子供は、母が消えていくのが怖かったし、許せなかった。浴衣を引きはがす。それで、花嫁は飛び出す。子供との関係はうまくいかない。しかし、父は子供たちに説明する。−−ベトナムでは、6人兄弟で、貧しい暮らしをしていた、新しい浴衣を買ってあげると言ったら、いらないから、その分をお金でください、弟たちに仕送りしたい。自分のことよりも弟たちを心配する優しい女の人です。お前たちの亡くなったおかあさんは、天国で見ている、おかあさんはかわらない。そして、おとうさんは一緒に畑仕事をしていて、とても嬉しかった。仕事を嫌がらずに、一生懸命に働いてくれるからだ−−。ここで夫婦で泣きました。
その後、花嫁がベトナムの音楽を歌っている。そこに子供がいた。近寄ると、子供たちは先を歩く。農道をあるく、そのうち早足になり、夜になる。その時子供たちの前に蛍が光る。子供は「おかあさん」と言って追いかける。そのうち、
一人が川に落ちる。花嫁は川に飛び込み助ける。それから、子供たちは花嫁が、ベトナムから、子供たちのために持ってきたシャツを着る。明るい派手なカッターシャツだが、それを見て花嫁は畑仕事を休め、夫と見つめ合う。おしまい。

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