2006年 1月 ドラマ                 女王蜂      平成18年1月6日  フジ    金   21時
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スタッフ
■脚本
 佐藤嗣麻子
■監督
 星 護
■プロデュース
 稲田秀樹
 川上一夫
■企画
 荒井昭博
 和田 行
 保原賢一郎
■音楽
 佐橋俊彦
■制作
 フジテレビ
 共同テレビ

■オープニング
曲名:MIDAS TOUCH
アーティスト:山下達郎
■エンディング
曲名:time to say goodbye
アーティスト:KOKIA

キャスト

金田一耕助 … 稲垣吾郎
大道寺智子/琴絵(二役) 
… 栗山千明
多門連太郎 … 及川光博
九十九龍馬 … 杉本哲太
横溝正史 … 小日向文世
橘署長 … 塩見三省
神尾秀子 … 手塚理美

大道寺欣造・・石橋凌

遊佐三郎・・・青木伸輔
駒井泰次郎・・池内万作

今井・・徳井優
清水刑事・・北山雅康
日下部・・萬雅之


衣笠元殿下・・高橋昌也

 評価

女王蜂★★★
このシリーズも八つ墓村(2004年10月)、犬神家の人々(2004年4月)に続いて、3作目です。何だか、稲垣金田一も馴れてきました。女王蜂は自分は余り記憶に残っていませんでした。だから、新鮮な気持ちで見ることができました。
これはセリフがどうかというドラマではない。里見八犬伝と
同じ物語なのだ。横溝さんが原作だから、19年前の小さな島の濃厚な社会での、人間の愛憎が事件の発端となる。そして、金田一の時代に連続殺人が起こる。この物語では、登場人物が少ないので助かった。これまでのドラマは血縁関係を見るだけでも混乱した、笑い。だから、どうしても登場人物で、役者的には手塚さんが怪しいと思ってしまう、爆。これ以上はネタバレになる。詳しくは あらすじ の方を見てください。謎の手がかりは、コウモリでした。コウモリを撮ったという写真が決め手でした。そこの謎が最後に明かされる。かみさんはちょっと、知っていたようだ。意外と単純だが、何もコウモリと言わなくてもいいのに・・・笑い。直接的な表現をすれば、連続殺人は起こらなかったのに、爆。
自分は推理や探偵物では興味もない素人ですが、
殺人事件のネタとしては、ちょっと、偶然の力がないと、うまくいかない部分が多かった。最初の時計台殺人も、死体の倒れるタイミングは偶然だったのか? チョコレートでの殺害も、別の人にあげたりしたらどうするんだ。九十九殺害も、今度は返り血を浴びなかったのか? 素人の自分でもツッコミどころは一杯だ。推理ファンはもっと文句が出るかも知れない、爆。
このドラマでは、
智子と琴絵の二役の栗山千明さんがすべてでした。いい感じではあったが、自分の好みからいうと微妙ですね。顔のパ−ツはいい。目はそこそこ力ある。唇も厚めで魅力的だ。しかし、全体でバランスが悪い。とても綺麗に見える一瞬があるが、すぐに能面のようなブサイクに戻ってしまう(ファンのみなさん、ごめんなさい)。だから、他にどの女優がいいのだと言われても、困るな。ただ、栗山さんはテレビに意外と露出していない(特にバラェテ−などに出ていない)ので、ミステリアスな雰囲気は十分出ていた。
稲垣さんは、3作目なんで馴れてきていました。一つのはまり役になってきました。
稲垣さん、金田一になりきっていました。今日も朝からフジテレビに出続けていましたが、もう自前の前髪よりも、金田一仕様の付け毛が身に付いていました、笑い。好印象でした。。このシリーズの特徴は作者の横溝役が、作品の中まで入り込こむことです。今回は深く入りましたね、どこにでも、何にでも登場する小日向さんなので、全く違和感がない。最初から、金田一と名コンビで最後まで登場していくのでしょうね。全く新しい金田一コンビの話が続きそうです。大成功です。脇で注目したのは、高橋昌也さんでした。以前、「年下の男」での怪演の印象が残っている。今回も、短いシーンだけど、いぶし銀の演技でした。恐れ入りました。相変わらず渋いです石橋陵さん、ここまで作り込みますか杉本哲太さん(笑い)、王子なのかフ−テンなのか及川光博さん、ちょっとでしたが池内万作さん、楽しい役者さんでしたね。この時代の衣装は笑える衣装でもいいのですね。
巨大なセットを作ったのでしょうか、月琴島の屋敷、中華風なのかよく分からないが、よく作りましたね。時計台も頑張ったけど、セットでしょうね。断崖も2時間ドラマのように楽しみました。智子が飛び降りたのに、金田一助けられるわけないぞ、大笑いでした。しかも、大道寺さんも、神尾さんも一緒なんて、爆笑でした。とにかく、
おどろおどろしいが、なんだかチープさを感じました。それが楽しい所でもありました。まあ、一通り楽しませてくれたので、★★★としました

 公式HPから

『女王蜂』では、伊豆半島沖の月琴島から始まり、下田、修善寺と旅情豊かな舞台の中、ひとりの娘の結婚を巡って起きた悲惨な連続殺人事件の謎を、金田一(稲垣吾郎)が追う。
 早くに父と母を亡くし、独り島で育てられた智子(栗山千明)。母の遺言により、東京の養父に引き取られることになった矢先、「島から娘を呼び寄せるな。あの娘の前には多くの男の血が流れるだろう。彼女は女王蜂である…」という謎の脅迫状が届く。
 セットの迫力や映像の美しさに加え、金田一シリーズ独特のスケール感と深みがあり、スリルはもちろん時にはコミカルさもある深く描かれた人間味溢れるストーリー。
 “昭和27年”という「身分制度」や「戦争」の名残がある時代背景を舞台に、源頼朝の末裔たちや元宮家という華麗な世界で繰り広げられる愛憎の渦と連続殺人だ。



 あらすじとコメント   1回見で、間違い容赦

金田一耕助(稲垣吾郎)は、旧知の作家・横溝正史(小日向文世)を温泉旅行に連れ出した。ふたりが訪れたのは、修善寺にある松籟荘というホテル。大きな時計台があるこのホテルは、好事家で有名だった衣笠智仁殿下の別邸を改装したものだという。金田一と横溝は、洋館と本館を繋ぐホールの一角に、中国から渡来した楽器・月琴が飾られていることに気付く。これは、松籟荘の現在のオーナー・大道寺家が、伊豆下田の南方に位置する島・月琴島の出身であることにちなんだものらしい。
そのころ、世田谷に暮らす大道寺家の当主・欣造(石橋凌)は、
月琴島にある大道寺家の本家で生活を送っている義理の娘・智子(栗山千明)を東京に呼び寄せようとしていた。するとそこに、智子を東京に呼び寄せるのは止めろ、という内容の怪しい警告状が届く。「あの娘には、慕い寄る男どもをかたっぱしから死に至らしめる運命にある。彼女は女王蜂である」。警告状にはそう記されていた。
あくる日、欣造は、松籟荘を訪れる。月琴島からやってくる智子を迎えるためだった。そこにやってきた智子の姿を見た金田一たちは、その美しさに目を奪われていた。智子は、家庭教師の秀子(手塚理美)と一緒だった。
その日、松籟荘で智子の誕生パーティーを開いた欣造は、そこで智子に遊佐三郎(青木伸輔)と駒井泰次郎(池内万作)を紹介する。ふたりは、智子の3人の婿候補のうちのふたりなのだという。もうひとりの候補、九十九龍馬(杉本哲太)は、急に来ることが出来なくなったらしい。するとそこに、多門連太郎(及川光博)という美貌の男が突然現れ、強引に智子に近づいた。連太郎は、智子を口説こうとするが、彼女に拒否されるとその場から立ち去ってしまう。
事件が起きたのはその夜のことだった。現在は動いていない時計台の鐘が突然鳴り響いた。金田一や横溝、ホテル従業員の今井(徳井優)が時計台に駆けつけると、そこには、壊れた月琴を手に呆然と立ち尽くす智子の姿があり、その足元には男の死体が横たわっていた。死んでいたのは三郎だった
捜査を開始した静岡県警の橘署長(塩見三省)と清水刑事(北山雅康)は、三郎のポケットから、彼を時計台に呼び出す手紙を発見する。差出人は連太郎になっていた。しかし金田一は、連太郎がすでにホテルを後にしていること、そして、金田一たちが時計台に駆けつけた際にすれ違った九鬼と名乗る黒眼鏡の老人も姿を消していることに注目する。
あくる朝、金田一は、橘から意外な情報を得る。ホテルから姿を消した九鬼という老人が、衣笠智仁殿下の別荘に向かったことがタクシー運転手の証言で明らかになったというのだ。金田一は、この事件に隠された謎を探るために、欣造から事情を聞く。すると欣造は、1
9年前に起きた出来事を話し始めた。当時、帝国大学の学生だった欣造は、友人の日下部(萬雅之)とともに月琴島を訪れていた。その島に、源頼朝の末裔である大道寺家があると知り、夏休みを利用してそこを訪ねたのだ。そこで日下部は、大道寺家のひとり娘・琴絵(栗山・二役)に出会い、恋に落ちた。ところがそれから数ヵ月後、日下部は、琴絵が自分の子どもを身ごもったことを知り、ひとりで島に渡るが、不慮の事故で亡くなってしまう。欣造は、生まれてくる子どもを私生児にしないためにという名目で、日下部に代わって大道寺家に婿養子に入ったものの、琴絵の希望もあって、彼女とは別居生活を続けていた。が、その琴絵も、日下部の子・智子を生むと、彼女が5つの時に他界していた。そのとき琴絵は、智子が18歳になったら東京にいる欣造の下で暮らし、同じ頼朝の末裔である遊佐、駒井、九十九の三家の何れかの子息と結婚させること、という遺言を残したのだという。欣造の話を聞いた金田一は、もし智子の結婚を望まない人間がいるとしたら、駒井、九十九にも危害が及ぶ連続殺人の可能性がある、と指摘するが…。
意外にも、脅迫状を作ったものは、遊佐の面の皮をはがすために、智子の弟・文彦だった。しかし、誰にも出さなかったのだ。しかも、一文字違っていると指摘した。これを真似て出したのは誰だろうか、新たな謎がわき起こった。
智子は教師の神尾に苦しみを打ち明ける。横溝正史は事件の内容を書き始めた。−−犯人は分からず、舞台は東京へ−−。智子と神尾は東京の欣造の家に着いた。金田一は東京帝大の名簿を調べる。欣造の友人は、衣笠元殿下の息子しかいなかった。日下部の死んだ時のことを、金田一神尾に聞く。
日下部はコウモリの写真を撮って、喜んでいたのだ。しかし、現像しても写っていなかった。7枚の写真だけが残っていた。一つずつ金田一は見ていく。ネガを借りていく。智子は3人目の相手の九十九に会う。不思議な霊能力・占いをやっていた。智子に加持祈祷をするといい、開かずの間の謎と教えてやる、その部屋の鍵も九十九が持っていたのだ。そこで、金田一は日下部の写真を大写しにしたが、コウモリを見つけてくれと頼む。神尾が何かに気づいたようにみえたが・・・。写真に気づくものもいたが・・そこに文彦が多門が来ていると告げに来た。芝居がはじまるり、智子が座ると、「幕間に喫煙室に来い」と紙が置いてあった。CM。
幕間に智子が立つと駒井が近寄るが、「ご用があるから、来ないで」とチョコレートを5つ与える。そして智子が走ると、階段で衣笠元殿下とすれ違てぶつかってしまう。智子が喫煙室に入ると、多門が立ち上がって声をかけた。多門は殺していない、捕まるとある人に迷惑がかかるから逃げた。つきまとう者は婚約者か、亭主の資格はない、俺が惚れているからだ、誰とも分からぬ男が大金を送って、未来の妻にあうだろうとい書いてあった。今夜も、歌舞伎座の切符を送ってきた。二人を結びつけようとする人がいる、と話す。その時、橘署長が金田一を捜していた。そこで、何と金田一が喫茶室にいた。
橘署長は駒井が殺されたと知らす。多門は逃げ出した。追いかける金田一は奈落に落ちる。橘署長は多門をつかめようとすると、衣笠元殿下が助けたのだ。駒井はチョコレートの中の青酸カリだった。赤いチョコを上げたのは智子だった。青いチョコは文彦が持っていた。智子は「私がやった」と罪の意識にさいなまれる。気づいた金田一は橘署長から聞かされて、 犯人は? 智子、多門、それとも、文彦!!・・・。CM。
九十九の所に智子がやって来る。九十九は願いを聞いてくれるか。智子は「どんなことでも、九十九さまの言うとおりにする」と約束する。二人だけにして、部屋の鍵を外からかける。その頃、金田一は、写真のことを嵐一座を聞く。一座は12人だった、写真に写っているは13人だ。嶋田という人が加わっていたのだ。欣造の家に戻ると、神尾が智子が九十九の所に行ったと騒いでいた。九十九はひどい男だったのだ。二人切りになった九十九は、19年前のことを話し出す。
祭りの日で、旅芸人の世話をしていた。そこに琴絵が、月琴で男を倒していた。内側の鍵を琴絵が開けて、中に入った。神尾は何としても、守るために、日下部を崖から海に捨てたのだ。九十九は琴絵に惚れていたのだ。動揺する智子に、九十九は琴絵に似た智子に襲いかかる。智子は拒否するが、九十九は術をかける。金田一と警察たちが九十九のところに駆けつけると、九十九の胸に小刀がささり死に絶えていた。かたわらに意識をなくした智子が倒れていた。CM。
外から鍵がかかっていた。凶器はご神体の刀だ。金田一が床が箱根細工だと、気づき見る。動かすと隠し階段があった。橘署長は犯人は多門連太郎として、連行する。智子「私がやった、気を失っている間に・・・」。取り調べで多門「智子さんが心配で後を付けていた」。金田一は「多門は犯人ではない」。そこに怪しげな老人・九鬼が登場する。金田一は衣笠殿下だと見抜く。金田一は
衣笠殿下は、智子さんのおじいさんで、多門を婿に推薦している。多門は衣笠元殿下の叔父に当たる。多門は特攻隊で死ぬところだったが、生き残って目標を見失い堕落した生活をしていた。衣笠元殿下二人を結婚させることで、うまくいくようにしたかったのだ。九鬼である衣笠元殿下は、時計台での遊佐は最初、立っていたと証言する。しかし、歯車の動きで、倒れたのだ。それを聞いて、金田一は、遊佐は9時15分以前に殺されて立っていたのかも知れない、と知る。皆のアリバイを再検討しないといけないのだ。CM。
衣笠元殿下は19年前の息子の結婚に反対しなければ・・・。しかし、衣笠元殿下のところに「男の血が流される、彼女は女王蜂だ」と同じく新聞文字を貼り付けた脅迫状が来ていたのだ。金田一「今回は金銭ではなく、候補者を殺し、島へ返す、智子さんを少女にしておきたい」。橘署長「神尾先生」。さっそく、金田一は神尾先生に聞くと、ロゼットを見せて写真があった、好きな人は琴絵だった。金田一は、19年前の真実を聞きたかったからだ。神尾は、
あの事件の1週間あとに、琴絵は思い出した。婚約指輪が見えなくなった。月琴島に、嶋田という者はいるか? いない。金田一は、是非調べて見たいという。その時、文彦が智子がいなくなっていた。「さよなら」と書き置きしてあった。金田一「月琴島へいこう、すべての謎は月琴島にある」。その頃、智子は月琴島の崖から、飛び込もうとしていた。その時、金田一は、助ける。金田一「開かずの間を見せてください、鍵がある」。鍵を貰って、皆が見ている間に、金田一は部屋をあける。金田一は一人で調べたいという。CM。
欣造、神尾、智子と入る。すべての窓は釘で打ち留められている。神尾は自分の手提げ袋から赤い毛糸を取り出す。金田一「発見しました」。この月琴から発見した。婚約指輪だった。神尾は近寄って、指輪に間違いない、どうして入っているのか。金田一「引き出しにあった、惨劇の直後に閉められた、琴絵さんは精神錯乱に陥った。琴絵さんがいきなり相手を殴るだろうか、指輪を取りに行ったのだ。そうでないと、指輪はない。
部屋は開けられ、日下部青年は残ったいた。日下部青年の後ろに周り、殴り殺した、日下部青年は犯人を知っていた。琴絵さんが指輪を持って、帰ってきた。そして、無意識に内鍵をかけ、テーブルに近づき月琴をもった、その時、指輪が破れた月琴に落ちた。気づいたあとで、指輪を取りに行ったことを忘れていた。そして、自分が殺したと思って悲鳴を上げた。金田一「神尾先生、嵐一座は全部で何人ですか」。神尾「13人」。金田一「犯人を知っていますね」。「琴絵さんを愛し、何人にも渡したくないと思った人・・」。神尾「みんな私がいけなかった」と叫ぶ。その時、欣造が、胸を苦しみ出す「日下部」と叫ぶと倒れる。そして、神尾はピストルを取り出す自らを撃つ。その事は、記事になった。橘署長が落ち着いた島を去る。金田一は島に残り、智子に「借りたいものがある」。智子「最後の言葉を信じることができない、先生はそんな人ではありません」。金田一「事件は終わった、19年前も、今度の事件も」。赤い毛糸の玉を解きほぐすと、紙が出てきた。金田一への手紙とペンダントだった。琴絵の写真の裏に、若かりし欣造の写真があった。−−結局、分からないまま東京に帰った−−。横溝に金田一は犯人は他にいる。真犯人は大道寺欣造です。遺書を見せる。−−事件の源は、私の浅はかな猿知恵です、日下部と琴絵は結ばれたが、私が結びつけた、それは私が欣造をお慕い申し上げているのに、欣造さんは琴絵さんを愛していた、だから、日下部と結びつけると、諦めるだろうと、しかし、欣造は日下部の愛のことばかりでなく、地位や、財産も羨んでいた、日下部亡き後、地位も手に入れた。欣造は、一座の者として紛れて、島にいたのだ。こうもりだった。島の人間でも、一座の人間でもない、鳥でも、動物でもない、コウモリだったのだ。神尾先生は引き延ばした写真を歌舞伎座で見たときに気づいた。金田一を奈落に落としたのも、警告書も出したのは神尾先生だ。欣造に琴絵そっくりの、智子に会わせたくなかった。しかし、智子は欣造と再会してしまう。神尾は欣造の恋心が再燃したことを感じる。連続犯行の犯人はすべて欣造だ。欣造は文彦の時計台での悪さを知っていた。時計台には3通の警告状を見つけ、利用して、遊佐を殺した。犯行時間にはアリバイがあった、その前には入浴していた。家族風呂がある、内鍵がかかるが、風呂から庭に出られる。時計台に入り、月琴で遊佐を殴り殺した。歯車に押しつける。庭から浴室に戻り、血を洗い落とした。歌舞伎座では、チョコレートを見つけた。文彦の缶から、チョコレートを取り、青酸を入れて、殺した。九十九も我々よりの先に行った。そして、背後から刺して、抜け階段から出て車に乗って、金田一たちを追いかけた。−−琴絵さんは私の言うことはきいた、だから、私が欣造と結びつければ、こんな悲惨な事件は起こらなかった、全ての災いの種を蒔いたのは、私の邪しい心です、私は欣造さんの家名や智子さまの将来を守らなければならない、殺人鬼の義理父よりも、家庭教師のほうがいいでしょう、すべては金田一さまの胸の内に・・哀れな家庭教師より−−。金田一はその手紙を破き、船の上から投げる。島に残った智子に衣笠元殿下がやって来る。そして、迎えに来た、淋しい思いをさせた、私のせいです、あなたの本当の父親は、一人息子のトモアキだ。智子「あなたはおじいさん」。衣笠元殿下「トモアキは琴絵さんを愛していた、でも、私が許さなかった、真剣に愛していた」。智子「おとうさまは、女たらしではないのですね、おとうさま、おかあさま」。衣笠元殿下「改めて紹介したい人がいます、多門連太郎です」。正装して、多門が登場した。そこに金田一が戻ってきた。衣笠元殿下「新しい太陽が昇るのだ」。横溝は「女王蜂」を書き始めた。おしまい。
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