2006年 1月 ドラマ             里見八犬伝   TBS  平成18年1月2、3日 
スタッフ
■原作 ・・・ 滝沢馬琴
(「南総里見八犬伝」より)
■脚本 ・・・ 大森美香
■衣装 ・・・ ワダエミ
■テーマ曲 ・・・
「Brave Soul」S.E.N.S
■アクション監督
・・・ 坂口拓
■アクション
コーディネーター
・・・ カラサワイサオ
■プロデューサー ・・・
鈴木早苗  中川善晴  
那須田淳
■演出 ・・・ 土井裕泰
キャスト
犬塚信乃戌孝 滝沢秀明
犬川荘助義任 佐藤隆太
犬山道節忠與 小澤征悦
犬飼現八信道 押尾学
犬田小文吾悌順 照英
犬坂毛野胤智 山田優
犬村大角礼儀 勝地涼
犬江親兵衛仁 山下翔央
伏姫 ・・・ 仲間由紀恵
大法師(金碗大輔孝徳)
・・・ 渡部篤郎
浜路 ・・・ 綾瀬はるか
里見義実 ・・・ 長塚京三
杉倉木曾介氏元
・・・ 山下真司
堀内蔵人貞行  奥村公延
玉梓・妙椿(二役)
・・・ 菅野美穂
扇谷定正 ・・・ 大杉漣
籠山逸東太 ・・・ 武田鉄矢
足利成氏 ・・・ 京本政樹
赤岩一角 ・・・ 陣内孝則
馬加大記 ・・・ 佐野史郎
山下定包 ・・・
佐々木蔵之介
遊女・偽一角の妻
船虫 ・・・ ともさかりえ
横堀在村 ・・・ 金田明夫
巨田助友 ・・・ 坂口拓
畑上語路五郎
・・・ 山口馬木也
大塚蟇六 ・・・ 小日向文世
亀篠 ・・・ 泉ピン子
網乾左母二郎
・・・ 田辺誠一
簸上宮六
・・・ 渡辺いっけい
犬塚番作
・・・ 杉本哲太
クミ ・・・ 三浦理恵子
ぬい ・・・ 黒川智花
きぬ ・・・ 坂本冬美
乞食 ・・・ 大倉孝二
和女九郎
・・・ 皆川猿時
鴎尻並四郎
・・・ 二反田雅澄
やす平 ・・・ 半海一晃
土太郎 ・・・ 佐藤正宏
 評価とコメント

前編 ★★★☆
これは物語なのだ。だから、ドラマとして、人物の心理や葛藤は描かない。単純にキャラの面白さ、ストリー奇怪さ、衣装やCGの斬新さを楽しめばいいのだ。なによりも犬年の今年に、犬の壮大な話をしたかったのだろう。それぞれの運命に翻弄されながら、一人ずつ剣士が集まって、協力して亡き母ともいうべき伏姫ための里見復興を果たすのだろう。
これまでも、何度もやって来ている。自分はNHKの人形劇で見ていました。そこでは剣士より、玉梓に魅了されたのだ。かみさんも本を読んでよく知っていた。山田優の役は女の姿だが、男か、両性具有らしいとか・・知ったいた。これは壮大な物語だった。今回は2時間半のドラマ2本にまとめるので、エピソードはドンドン進んでいく。進展が早いのは、判断が難しい。今の忙しい時代には、良かったのかもしれない。でも、余りに早いとストリーを説明されているだけに見える。今の時代にはCGという強い武器がある。それを駆使して壮大な奇想天外な物語を実現してくれたのだ。
最初の導入は、ちょっと臭いというか、辛かった。綾瀬はるかさん、同じTBS「世界の中心で」はおじさんはぞっこんで最高でした。ここでは、短いシーンで様々な運命の子の悲しさを表現しないといけない。それは描き切れていません。残念です。信乃がどうして好きなのか、説明なして演技で納得させないといけないのだ。レコード大賞の司会もして、TBSのお気に入りですが、今後を期待しましょう。一方、タッキーは義経で時代劇のコツを知り尽くしたのでしょうか。良かったです。殺陣も、CGが満載ですが、うまく表現していた。ただ、主役にありがちな馬鹿さ加減も愛嬌でした。
それにしても、役者のオールスターでしたね。左の役者表を見てください。まあ、役者が濃くないと、役名が分かりません。有名役者なので、役名が分かるという凄さを体験しました。それくらいでないと、この物語は成立しませんね。短いシーンで、登場しても、それぞれの役者のキャラも持っている。それが役にも反映するのだ。物語だから、それでいいと思います。豪華な役者を堪能しました。


後編 ★★★☆
最後は信乃と浜路の婚礼で終わった。ベタだけど、良い終わり方でした。笑い。8000の討伐軍と、8剣士の戦いはどう考えても終わらない。けど、村雨丸と浜路の首にかけられた八つの玉の数珠で光を帯びて、玉梓を倒せた。討伐軍は玉梓の呪いと言うことで、玉梓が成仏すれば終わるのだ。良かった、笑い。
NHKの人形劇でも、そうだったが、八剣士が揃ったら、すぐに終わった。原作がそうなのだろう。シンデレラも、王子と結婚して終わるのだから、八剣士が揃ったら、戦いに勝って終わる。潔いではないか・・その八剣士のキャラとか運命の不可思議さを楽しめばいい。
八剣士の品定めをすると、タッキーは今回も義経つながりで出番は少なめだったが、良かったです。馬にのって、武田鉄矢さんとの一騎打ちも楽しめました。他では、役者をやめたという、押尾学さんが気になりました。この姿は見られなくなるのかな・・。もったいない気がしました。主役でなくても脇で存在感出せると思いました。小澤さんは、相変わらず手堅いです。船虫との絡みは、テーマ的にも注目でした。女に金をやって、幸せになれじゃないよね。やはり、苦労しても一緒に暮らそうだ。仇討ちなので、ストイックにしないといけないが、中途半端な情けはかえって、残酷なのだ。船虫のともさかさんは、達者なものでした。役に入ると、哀れにも美しくも狂おしくもなる。いけない、剣士の話だ。山田優さんが意外と頑張りました。舞も凄かったし、太刀の扱いも良かった。しかし、どうみても女にしか見えないが・・照英さん、びっくりですね。若い勝地さん、山下さんは美しいが、演技をどうこういうもはない。
脇の佐野史郎さん、男の子好きの役、ぴったりです。陣内さんも、今回は化け猫に乗り移られた演技はさすがです。物語で、キャラが極端で単純なので、大見栄をきって演技をしていい。オーバーな演技が許されるので、本領発揮です。大杉漣、京本政樹さんも、楽しそうでした。得な役でした。
女優陣、やはり綾瀬さんが可哀想でした。あれだけの役者揃いだと、平板に見えてしまう。やはり、思い切り悲しい役か、はかなげな役だったらいいのですが、ちょっと中途半端でした。ともさかさんは、今回出番が多くて見せてくれました。
しかし、一番は玉梓の菅野さんです。もう、主役でしたね。正義は8人だが、悪の主役は菅野さんだ。あんな、大口を開けた凄い顔をしたり、倒れるときも頬骨を激しく床にぶつけていました。いいのでしょうか。前編では、大奥の桂昌院役の江波さんくらいでないと、駄目だと思って心配でした。しかし、後編では、入り込んでいました。満足です。菅野さんも結構楽しんで演技していたのではないでしょうか。
しかし、テーマの人と戦いの歴史だが、本当に里見の殿様のいうことが力弱く聞こえてくるのは何故だろうか。今も戦いが続いているからです。戦争の武器はいくらでも発明できるのに、平和になるための工夫を見つけられないのだろうか。生きている人間に欲望が必ずあるかぎり、玉梓のいうように戦争は続くのだろうか。悲しいことだ。
最後に、8剣士の名前を見ると犬が付いているが、それぞれ持っている玉の文字が入っている。しかも、両性具有者まで登場するなんて、江戸時代の滝沢馬琴さん、大胆で、うまく考えているものですね。


 公式HPから

室町時代の中頃。房総(いまの千葉県)の南端、安房国。世は戦国なりしころ。
各国の武将たちがそれぞれの領地を巡って血みどろの争いを続けていた。安房国では山下定包(佐々木蔵之介)が妻・玉梓(菅野美穂)と贅沢をしていたが、里見義実(長塚京三)に倒される。玉梓は助命を嘆願するが打ち首の刑に処せられた。死の間際、「私を斬るなら末代までたたってやる」と言葉を残す。玉梓の言葉通り、その日から里見は呪いに苦しめられる日々が続く。
義実の娘・伏姫(仲間由紀恵)は玉梓の亡霊に「そなたは呪いの犬の子をはらんでいる」と不吉なことを告げられる。伏姫は呪いを打ち払うかのように自害。伏姫の腹からは八つの玉、「仁」「義」「礼」「智」「忠」「信」「孝」「悌」が飛び出し、関東一帯に散っていった。これが八犬伝の始まりである。伏姫の婚約者・金碗大輔(渡部篤郎)は出家し、ゝ大法師と名乗り、八つの玉を探す旅に出た。
そのうちの一つ、「孝」の玉を持つ犬塚信乃(滝沢秀明)は大塚村にいた。信乃には浜路(綾瀬はるか)という許嫁がいたが、父の遺言に従い、足利家の宝刀・村雨丸を届けるために古河の御所に旅立った。しかし村雨丸はすり替えられていた。信乃は偽の刀を献上したとして追われ、芳流閣で犬飼現八(押尾学)と死闘を演じる。
「義」の玉を持つ犬川荘助(佐藤隆太)、「忠」の玉を持つ犬山道節(小澤征悦)、「悌」の玉を持つ犬田小文吾(照英)ら、犬の姓と牡丹の痣を持つ犬士たちは、ゝ大法師の導きと不思議な縁とによって次々と集結し、残る犬士を探して里見のために戦おうと誓う。



 あらすじとコメント 前編

山下夫妻(佐々木さんと菅野さん)の圧政を金碗大輔孝徳たちが、倒す。妻の玉梓は、うまく演じて安房の里見義実に命乞いする。大輔孝徳たちの反対を聞き入れず義実は助命を許す。しかし、悪ぶった玉梓は、いきなり毒を吐きました。「私を斬ったら、呪ってやる」。それを見て孝徳が玉梓を斬ってしまう。流れた血の跡は蜘蛛の形だった。伏姫を見ていた、それから、安房の国は天候不良で、飢饉となる。攻めら滅びるが、義実は伏姫を助け、里見の血を残せと言う。助かった伏姫だが、怨霊となった玉梓が出て、男の煩悩が8匹の呪いの子を孕ませた。人編に犬と書いて伏姫だ。玉梓を見つけ、矢を放つが、それは伏姫に当たる。刺された伏姫は「呪いの子はいるものか」と、小太刀で自らの腹を割く。その魂は玉になって、八つの善の魂を産んで、関東に八つの正義を産んだ。タイトル。
10数年後、孝の玉を持った信乃戌孝は上腕に痣をもつ剣士となった。網乾左母二郎が挑んでいくが、信乃戌孝はCGとともに、やりこめる。そこを村長の娘の浜路が、やって来て
浜路「私は信乃さんが好きだ」という。浜路の父と母は、信乃の父の跡を奪って村長になっていたが、浜路の純情困っていた。信乃の村雨丸を狙っているのだ。その信乃の父犬塚番作は、咳き込んで病に伏せていた。そして、宝刀の村雨丸を託す。血に濡れるとしぶきが出て、濡れて血を流してしまう。足利成氏から貰った銘刀で、それを見せると仕官できるだろ。父「強くなれ、愛する者を守る、正しきことを行う、強い男になれ」と言い残して死ぬ。CM。
信乃は父の墓に参り、涙する。横には浜路がいた。滝にやって来るくると、伏姫が夢に現れ「一人ではない」と「孝」の玉を見せる。目覚めた信乃のところに荘助義任が忍こみ、村雨丸を盗む。追いかけ捕らえる。居直った荘助義任は信乃と戦う。押さえた荘助義任は打ち身の跡が一杯だった。信乃「真剣勝負、気持ちよかった」。
荘助義任は「義」の玉を取り出す。母が死んだときに貰ったものだ。荘助の父は主君を諫め自害したのだ。母も、盗賊にあい、亀篠の家の前で雪の中、死に絶えた。村長の亀篠に下人として、馬小屋で育った。信乃は「兄弟になろう、同じ玉と痣を持つ、助け合おう、犬塚荘助だ」。CM。
信乃は、村長の蟇六に、宝刀を返す。そうすれば、浜路を嫁に迎えたい。それで、亀篠は網乾に宝刀を取ってくることを命令する。そうすれば、浜路をやるという。浜路が、古河にいく信乃に一緒に連れてくれと頼む。信乃は「立派な武士になってくる」と言う。宝刀は蟇六のところにあった。蟇六が振り下ろすと水が流れた。しかし、
それは偽物で、本当の村雨丸は、網乾が持っていた。竹を切ると、露が流れた。そうとも知らず信乃は旅だった。追いかける浜路だが、声は届かなかった。CM。
信乃のところに荘助がくる。「殺せと言われてきた」。浜路に代官から、嫁に恋と言われた。断ると腹を切らないといけないのだ。それを見て、浜路は止める。道節忠與が、火に飛び込むから財宝を差し出せといかがわしい商売をしている。燃えさかる火の中に入っていく。小銭が投げられる。一方、浜路と代官の婚礼が行われようとしていた。しかし、浜路は首をつろうとしていた。それを網乾が止める。打ち身を与えてとめる。
簸上宮六代官もやってきた。何とか間を持たせようとする。浜路と網乾を乗せた籠は盗賊と化した。もちろん、村雨丸で切り捨てる、それは素晴らしいものだ。網乾「これを将軍に差し出すと、思いのままだ」。しかし、浜路は小太刀で刃向かう。もちろん、網乾に討たれようとする。そこを焼け跡から出てきた道節忠與が小太刀を投げ刺す。倒れた網乾だが、怨霊の仕業で生き返り、向かってくる。そのとき、肩を斬られてたが「忠」の玉が飛んできて、網乾に当たり再び死ぬ。道節忠與は「忠」の」玉を持つ。CM。
古河に着いた信乃は宝刀を献上する。評判の悪い足利成氏に目通りする。そして、刀をあらためる。それは、錆て、刃折れした刀だった。足利は「成敗しろと」命ずる。しかし、信乃は襲われたので、仕方なく手向かいする。信乃は強かった。大屋根まで飛んで、戦う。次々と矢が飛んでくるが、CGで見事にかわす。足利成氏は捕らえられている現八信道を呼んでこようという。「めっぽう強い、誰も刃が立たない」。そこで、
燃えた現八信道は手合わせを願い出る。大屋根で戦いが始まる。大十手で太刀を絡め投げる。しかし、小太刀を与える。互いにもつれたときに痣を見つける。二人とも大屋根から川に落ちる。落ちていく水の中で、信乃は浜路を思い出していた。その信乃を捕まえて浮き上げられた。CM。
足利は早速取り押さえろと命ずる。戦乱の世で、扇谷定正たちから狙われていた。それを玉梓が呪っていた。その胸には蜘蛛の痣があった。川で遊ぶ犬田小文吾に手配書が届く。信乃は、ぬいと犬田小文吾に介抱されていた。現八信道は元気でいた。そこに手配書を見せられた。
小文吾にも、痣があった。イノシシと相撲したときにできた痣だった。その時「悌」の玉があった。飯から出てきた。犬飼現八信道は「仁」んも玉を持っていた。刃が抜けたときに出てきた。信乃「偶然ではない、呼び合ったのだ」。同宿の坊主の大輔孝徳が出て「牡丹は里見の印だ、伏姫の子たちを」。そして、これまでの経緯を述べる。伏せ姫「争いない世が来る」とい言い残したのだ。追っ手が宿にくるが、ぬいが追い払う。CM。
足利のところに玉梓が占い師の明珍と名乗って登場する。近親者に不吉な影、
それは犬村大角礼儀だと指さす。里見義実に大法師・金碗大輔孝徳は八犬伝の現状を報告する。そこに少年剣士が襲いかかる。親の敵だ、犬江親兵衛だと名乗る。義実「そなたが斬って、憎しみの我が切れるなら、私を斬れ」と座る。大法師「お前に切れない、お前の父を知っている、お前の父は一人城に残ると言った、そうか、お前の父も望んでいない」と太刀を自分の手で握る。信乃たちは大塚村に向かっていた。浜路は女田楽の一行と一緒に信乃を探していた。CM。
信乃たちがいない間に、大塚村の蟇六は、ついに代官に問いつめられた。そこで、浜路がいないので、代わりに村雨丸を差し出す。しかし、代官が振るが、水が飛び散らない。それどころか、錆だらけになっていた。「そこまで愚弄するか」とうち捨てる。浜路の代わりだと名乗り出た亀篠ももちろん、斬られた。駆けつけた犬川荘助義任が、訳を聞く。代官「浜路が逃げた、浜路も殺せ」。
犬川荘助義任は剣を握り「浜路様を殺させない」と代官を斬る。そして、犬川荘助義任は磔の刑となる。そこを間一髪、信乃が助け出す。八犬伝のメンバーも登場して、大殺陣が広げられる。玉梓は水鏡で犬が動き出しているっことを見つける。CM。
一同は犬川荘助義任の傷を見て、拷問がひどいことを知った。玉は里見の伏姫のものだった。しかし、皆は浜路の行方を知らなかった。一同はお尋ね者になっていた。犬山道節忠與が道の飲み屋で飲んでいると、遊女船虫が絡む。遊女は道節の傷をみて、「道節様ですか?」と聞く。女は偽一角の妻だった。
遊女船虫「主を亡くしたら、女はこうしていていくしかない」と言う。それで、道節は玉をやり、「売って国に帰って、男を見つけろ、敵の関東管領の扇谷定正は儂が討つ」と言う。その道節は、関東管領の扇谷定正の一行に村雨丸を献上する。お付きの籠山逸東太が、農民を斬って村雨を見せろと言う。道節は隙を見つけて、馬上の男を討つ。太刀から水が舞い散る。お付きの籠山逸東太「それは偽首じゃ」。管領を狙っている者がいるので、罠を仕組んだのだ。やっと、籠山逸東太が道節を討ち取ろうとすると大法師が助太刀する。二人は次々と討ち果たす。道節はマジシャンよろしく火を放ち、逃げ出す。大法師は道節の玉を買い取ったのだ。その、船虫は玉を売って、足を洗ったというが、男に金を巻き上げられ乱暴された。CM。
剣士5人は里見義実の前に目通りする。義実「伏姫の定めで結ばれた剣士だ。里見のために働いてくれ」と頼む。玉梓が水鏡で見ていると、亀篠が見つけた浜路の赤子は小太刀を持っていた。5人は残りの剣士を捜さなければならない。そこに、大法師の息子代わりの犬江親兵衛仁がやって来る。信乃は浜路を思い出していた。道節は、倒さねばならない相手がいるという。道節を見つけて、太刀の村雨丸を見つける。そして、浜路の小太刀を見つける。道節「行方は知らない」という。その小太刀には牡丹の紋があった。義実は「何と言うことだ」。杉倉木曾介氏元「その方こそ、鷹にさらわれた里見の姫様なのです」。一方、玉梓は浜路を見つけた。そして、呪いの玉から刺客を作り放つ。浜路は女田楽の犬坂毛野胤智に「古河にいくという」。訳を聞いた座長は見送る。その時、曇りだし竹から黒い男鯛tが現れる。犬坂毛野胤智が立ち向かう。浜路「凄い」。しかし、切り捨てても生き返るのだ。浜路は逃げようとするが、男に鷹のように連れ去られる。そして、玉梓のもとに運ばれる。玉梓「探したぞ、里見の姫よ」。続く。

里見八犬伝 後編   TBS  平成18年1月3日





 あらすじとコメント  後編

前回のまとめだ。犬の姓をもつ5人の剣士が揃った。残りは3人だ。
安房の富山で里見義美は墓参りする。付いていた犬江親兵衛仁 が犬を見つけて、その犬の親を探すという。
親兵衛は風を操れるのだ。初めて逢ったときも風が強かった。伏姫「おや、可愛い息子よ、大輔に知らせて、浜路を助けてあげて」。そのとらわれた浜路に玉梓は「男は自分勝手だ、美しい顔を傷つけてあげようか」。浜路「あなたの顔は憎しみで醜いわ」。玉梓は術を使い浜路を眠らせる。荘助と小文吾は一緒に新しい剣士を捜して歩く。道中で苦しむ人を助けるが、山賊の一味だった。活劇シーンだ。そこに、馬加が通りかかり、名を聞く。お尋ね者だから、荘助は早く答えて去ろうとする。しかし、屋敷に来て、礼を申したいと言われる。馬加「我が領地、断るとは言わせない」。玉梓が扇谷定正に占い師として会う。玉梓「定正様は天下を治める、関東を治め、京へ上る、しかし、影が、成氏は陽炎、怖いのは小さくとも蜂の里見義実だ、天下が欲しければ、里見を倒せ」。定正 「儂は何だ」。明珍「どんな獲物も食いつく、蜘蛛じゃ」。定正「儂は天下の星」。玉梓と籠山逸東太は一緒に計略をねる。明珍「私、醜い?」。籠山逸東太「美し過ぎて幻のようじゃ」。大法師は一人、浜路を探しに行く。信乃と犬飼現八信道も一緒に浜路を探している。現八信道「儂は、つまらぬ男だ」。信乃「浜路を守る、残した者はいないのか?」。現八信道「何もいない」。信乃「仲間がいるではないか」。そこに化け猫が登場する。信道が弓を放つ。しかし化け猫は信乃に襲いかかる。信道の放った矢が二つ当たり、死んでしまう。そこに、亡霊となった赤岩一角が出る。赤岩は明珍のせいで、追われた。道場を開いていた。そして、村人が化け猫で苦しんでいるので、退治にいった。「私は死んだ、その妖怪は私の姿で、村で暮らしている、犬村大角礼儀は化け猫が、ひどい扱いをして、家を追い出した、哀れな息子よ、現八、信乃、髑髏をもって、私は死んだと告げてくれ、頼む」。CM。
道節は金を与えて乞食に尋ねるが、乞食「安房の里見を討つ、何でも成氏も定正も、尼僧にたぶらかされている」。
道節は、落ちぶれた遊女・船虫と会う。船虫は目が見えなくなっていた。道節は船虫に絡んだ男を追っ払う。道節「目をどうした」。道節は船虫を背負って、祠まで行く。そして、金を与える。道節「この寺なら、大切にしてくれる」。船虫「行かないで、一緒にいてくれ」。道節「それは出来ん、仇討ちの大儀がある、いい男を見つけて、幸せになれ」。船虫「だったら、どうして助けた、ひと思いに殺せ」。泣きながら道節に抱きつく。道節「生きて帰れたら、必ず戻る、待ってくれ」。船虫「信じられるものか、男は捨てていくのだ、あんたなんか待つもんか、行け、役立たず」と泣く。道節は、一旦歩き出したが、振り返る。その船虫に玉梓が声をかける。玉梓「私も同じだ、所詮、女は一人では幸せになれない、男は女を利用するだけ、私に身を任せるが良い、そして、男に復讐してやるがいい」。その時、見えないはずの船虫の目が赤くなった。一方、荘助たちが馬加大記の館に行くと、屋根で犬坂毛野胤智が笛を吹いていた。籠山逸東太が、一緒に手を組もうと申し出ていた。互いの主君を倒し、天下を取ろう。足利成氏と定正が手を結んでいる。そこに部下来て荘助の処遇を聞くと、馬加大記「若者は家来にしょう」。寵愛を受けている若者が「馬加は欲が深い、この国を乗っ取る、私も父を殺され、ここに来た」。荘助が聞くが、その若者は玉を持っていなかった。帰ると、家臣の畑上語路五郎に「喋りすぎた」と殺される。信乃と信道に大角が「父は新しい女を娶った」。信道は髑髏を見せて「赤岩殿だ、化け猫だ」。大角「嘘だ、父上は生きている、化け猫だなんて、父が食われて死んだなんて、お引き取りください」。家を出て信道「信じられないのだ」。信乃「親が死んだことを信じるのは・・」。そこに赤岩が信道の弓で目を傷つけた姿で馬に乗って帰る。CM。
赤岩は目の赤い船虫と一緒にやってくる。赤岩「悪いことをした、成氏に追われて」。大角「父上と親子の縁を戻せるなら、何でも」。赤岩「よい倅だ、儂の左目は腐っている、海がまわって死ぬ」。大角「手だては」。船虫「血の分けた子の肝を食えば治る」。大角「分かりました、喜んで」。大角が腹を出すと、痣があった。そこを見ていた信乃が入り来む。大角「父のためなら」。信乃「そんな親がどこにいる、こいつは化け猫だ」。信道「髑髏を託したのは、赤岩殿の亡霊だ、心配していた」。
大角「父上を食ったのか、お前が父上を・・」。赤岩「年寄りの肉はまずいが、しゃぶり付いてやった」。大角が髑髏を抱いて涙を流すと、光り出して玉が出てきた。そして、化け猫に当たる。赤岩は化け猫に戻る。格闘が始まる。玉が青く光り、化け猫を包む。そして、大角の太刀が化け猫を斬る。大角「父上、どんなに無念だったか」と泣く。「礼」の玉があった。大角「疑って申し訳ない」。信乃「俺たち、兄弟がいる」。玉を見せ合う。「父上が導いてくれた」。CM。
荘助と小文吾は馬加大記の酒宴に呼ばれる。籠山逸東太が一緒だ。そこに女田楽たちが宴を始める。
犬坂毛野胤智が主となって踊る。少年愛の馬加大記「男にしているはもったいない」。籠山逸東太「儂の屋敷にも来い」。小文吾も一目惚れだ。犬坂毛野胤智は太刀を持ち、見事に踊る。そして、最後に馬加大記の胸に太刀を刺す。犬坂毛野胤智「親兄弟の恨み、報いたり、母が密かに産んだ、犬坂の血だ、あと、我が父を直接討った籠山逸東太の首を貰う」。そこで、荘助と小文吾が助太刀する。殺陣のシーンです。籠山逸東太は逃げて、多くの手勢が出てきた。川の小舟でにげることにした。CM。
犬坂毛野胤智は母の形見を見せる。犬坂毛野胤智「助けてくれて、ありがとう、いきなり剣士と言われても」。小文吾「惚れた、俺の妻になってくれ」。犬坂毛野胤智「残念ながら、妻にはなれない」と胸を見せる。「男は女を弱き者と見てしまう」。小文吾「剣士には扇谷を追う者もいる、一緒に」。
籠山逸東太は足利成氏と扇谷定正 に剣士の動きなどを知らせる。二人は明珍の予言通りの、里見の台頭を思い知る。玉梓に術をかけられ、二人は里見討伐の軍を出す。7人の剣士が玉を見せて会う。犬村大角礼儀「あと一つだ、仁だ、もっとも徳が高い、明珍の入れ知恵かもしれない」。ともに安房に行こう。扇谷が敵ならと、7人が一緒に行く。信乃に道節が村雨丸を返してくれた。荘助に信乃「浜路がいなければ」。荘助「きっと、ご無事です、伏姫様が守っていくれる」。一方、船虫が「里見が憎い」と夜歩く、影は蜘蛛になっている。玉梓「そうじゃ、7匹まとめて殺す」。剣士たちは地図を広げて合議している。一人席を外した道節に船虫がやって来る。そして、いきなり刺そうとする。気づいた剣士がやって来るが、船虫も強い。しかし、最後に斬られようとすると、道節は船虫を抱きしめ「目を覚ませ、今のお前は船虫ではない、戦いが終わったら妻になってくれ」と言うが、船虫の目が赤い。玉梓の「殺せ」声が聞こえるが、船虫は小太刀で自分の腹を刺す。船虫「道節様はまだ、私・・」。道節「もう喋るな」船虫「道節様が好きだった」。二人の涙を見守る剣士たちだ。道節「救ってやれなかった、すまない」。犬江親兵衛仁はがやって来て、浜路の居所が分かった、明珍に捕らえられている、と知らせる。CM。
籠山逸東太に明珍「切り札がある、里見の二の姫だ」。籠山逸東太「これは美しい、これはいい」。明珍「男は愚かな、欲がとどまらない」。籠山逸東太「そなたも、男の欲をむさぼるのが喜びだろう、哀れな女よ」。明珍は籠山逸東太を噛んでしまう。籠山逸東太の目が赤くなる。
明珍のところに、大法師がくる。大法師「玉梓か」。大法師に籠山逸東太が立ち向かう。大法師は隙を見て、浜路を馬に乗せて助け出す。里見討伐の軍が出陣する。CM。
浜で浜路に大法師は「探していた、姫、あなたは二の姫、浜路です、牡丹の守り刀が証拠、信乃様も帰りを待っている」。浜路「信乃様は生きているのですね、良かった」。大法師「これは亡くなった姉姫のもの、ともに参りましょう」。しかし、爆発とともに刃が飛んで、大法師に刺さる。砂浜から、黒い忍者が登場する。浜路は走り逃げるが、籠山逸東太が馬に乗って立ちふさがる。その時、信乃が馬に乗って助けに来る。犬江親兵衛仁も、大法師を足せ蹴るべく駆けつける。
7剣士、全員が来ていた。籠山逸東太と信乃は馬に乗って立ち合いをする。信乃が太刀を振ると、水が流れる。籠山逸東太は死んで馬から落ちる。信乃と浜路は抱き合う。信乃「離さないから」。一方、7剣士の活躍を見て、大法師は満足げだ。その時、戦う犬江親兵衛仁んも手に光かる玉があった。浜で、大法師は8剣士を確認して安心して「これでやっと、終わる、伏姫様」。夢に伏姫が出てきて「ありがとう」と言う。浜路に抱かれて、そこで果てた。信乃「戦おう、金碗(大輔孝徳)のために、里見のために」。CM。
里見討伐の軍は6000だ。足利は2000だ。里見義実は家臣に決断を迫られる。里見「城を守る」。山の上で、討伐軍を玉梓が見下ろす。討伐軍の弓矢は里見軍を次々と当たる。あっという間に、里見「八剣士は間に合わなかったか」。
表を見ると、何と8剣士が揃っていた。一人ずつ名乗りあげる。「ここに見参」。討伐軍は一気に攻める。草原で、道節は火を放つ。そして、馬に乗って大合戦だ。城の中で、伏せ姫の着物に義実は「息子たちが立派に働いている」。そこに蜘蛛から、玉梓が登場する。玉梓「長年の恨みをはらす時が来た」CM。
長い合戦が続く。8剣士の活躍だが、討伐軍はさらに兵を呼ぶ。斬っても斬っても、兵が来る。8剣士は城に引き上げようとする。城の中では、
義実「私を殺せ、それで呪いを解け。玉梓「お前を殺しても、争いは続く、人は争いが好きだ、人を滅亡させるのは簡単だ、欲に火をつけるだけだ、人は何年も争い続けた、この争いはほんの一つだ」。そこに浜路が駆けつける。「ちょうど良い、二人一緒に」。そこに信乃が駆けつける。斬っても斬っても、玉梓は笑う「そなたに、私が斬れるものか」。しかし、浜路の胸から下げた8つの玉の数珠が光り出して、村雨丸に光が移る。その光を帯びた村雨丸は、玉梓を斬る。雫が飛び散り、さらに光は城の外の戦いの兵士を倒していく。倒れた玉梓だ。里見義実「何故、我らは殺し合わねば生きていけないのだろうか、私は無駄に生きながらえてしまった」。玉梓は滝のそばの河原で目を覚ます。そこに現れた伏姫「あなたは死んだのですよ」。玉梓「殺されたのか」。伏姫「あなたは、もう死んでいた、成仏できるのです」。玉梓「難しい、花など、久しぶりに見た」。伏姫「花は、いつもそばにあった、戦の世で、感じる心がなかった」。、玉梓「心か、だが、人の世の戦は、これからも終わらない」。伏姫「後のことは、後に生きる者にまかせましょう」。玉梓「何らや、疲れた」。安房の国に日が差しだした。晴れやかな空の下で、蜘蛛の痣が消えた討伐軍の兵士が帰る。里見義実「俺たちの願いは簡単だ、愛する者と愛する土地で生きる、しかし、愛するものために戦う、何かを犠牲にして平和が成り立つ、生きるために殺すことに終わりはないのだろうか、終わりはある、儂が言っても、後に殺し合いはある、今だけでも、平和がこの世にあると信じたいのだ、なあ、伏姫よ」。戦いは終わった。CM。
城の中で、足利成氏に信乃は「村雨丸を預ける、父の願いを叶えたい」。成氏「祖父の形見が戻るとは、すまなかった、そなたと父の働きに感謝する、仕官せぬか」。信乃「お断り申す」。茣蓙に座った扇谷定正に道節は刀を振り下ろす。しかし、観念した定正を討ち取ることは出来なかった。里見義実「関東を制圧したと思わない、この安房を平和にしたい、軍夫を失った者たちに謝罪をして欲しい、同じ過ちを繰り返さぬために」。扇谷定正「申し訳ない」と深々と謝罪する。正式に和睦の取り決めがした。8剣士は一緒に歩く。信乃「戦いのない我が国には、銘刀は宝の持ち腐れだ」。
揃って、牡丹の碑を拝むと、剣士の痣が消えていた。安房に平和が戻って、里見の城で、信乃と浜路の婚礼が行われた。義実「何と似合いの二人であろう」。二人を剣士とぬいが祝福する。信乃「100年後、1000年後、そうなっているか、戦いは続いているか、希望のある世があると信じて」。