ハルとナツ 届かなかった手紙 NHK 日〜金 21時
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2005年10月ドラマ![]() スペイン 2005年 |
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(公式HPから)
高倉ハル(9〜12歳)…斉藤奈々
1925年、北海道の開拓農家に生まれる。兄がふたりに妹ひとり。冷害などで一家は困窮を極め、父の忠次が家族全員と弟の洋三夫婦とでブラジルに移住することを決断。が、神戸で妹ナツをひとり日本に残し出発することになるが、70年間もの別れになるとは全く思っていない。
コーヒー園の契約労働者(コロノ)として、子どもながらに頑張り自分ひとりで野菜の畑も作る。妹ナツにブラジルから手紙を何通も出し続けるが、ナツからの手紙は、配属された農園が予定と変わり、一通も受けとることができない。
高倉ナツ(7〜10歳)…志田未来
姉のハルとは2つ違い。いとこにいじめられるのをハルにかばってもらうなど、仲がよい姉妹だった。ともにブラジル行きを楽しみにしていたが、出発直前の神戸での健康診断でトラホームとわかり、ひとり日本に残される。伯母にいじめられ家出したために、姉ハルからの手紙は手元に届くことはなかったが、ハルへの手紙は出し続けた。牛飼いの徳治にチーズ作りを習い、その牛を譲り受けることになる。ひとりで生きる強さを次第に身につけていくのだった。
高倉ハル(16〜55歳)… 米倉涼子
アメリカ人地主の土地を借りてのハル一家の綿作は順調に。が、突然の日米開戦で追放され、奥地の入植地へ行き着く。戦後、父の忠次が日本の敗戦を信じない「勝ち組」となり、ハルも翻弄される。結婚にも反対され、一生両親のもとで暮らさざるをえないとあきらめる。しかし、かつてのコロノ仲間の山下拓也がハルのところへ。ふたりは結婚し、菊作りを手がける。父の死をきっかけに、一家はサンパウロの近郊で本格的な菊栽培を始める。息子の達夫がブラジル人女性と結婚することに反対するが……。
高倉(山辺)ナツ(14〜36歳)…仲間由紀恵
戦争中も徳治から引き継いだ牛を守り続けた。終戦後すぐに得意のチーズ作りを再開。それを札幌の闇市で売り出しうまく当てる。チーズの客だった日系二世のアメリカ人、ジョージ原田にクッキー作りを教えてもらいお菓子作りへと転向、工場を立ち上げる。が、その矢先ジョージがアメリカに帰国。彼の子を身ごもっていたナツには大きなショックだった。しかし、営業能力にたける山辺康夫と手を組み工場を拡大。山辺と結婚し、子どもも産む。やがて、東京にまで進出、会社を成長させ、長年社長を務める。
高倉ハル(80歳)…森光子
ブラジルへ移住して70年、今や息子たち大家族と暮らしている。夫の拓也にも先立たれ、家族のすすめで初めて日本に帰国。日本の大学に留学する孫の大和とともに、生き別れの妹・ナツを捜し出し話し合うためだった。が、ようやく会えたナツは姉を強く拒否、親も姉も自分を捨てたのだと責める。折も折、ナツが出していた昔の手紙がブラジルで発見され、ナツの波乱万丈の様子を知ることになる。そして滞在するホテルを訪ねてきたナツと和解、お互いのこれまでを語り合うことになる。
山辺ナツ(78歳)…野際陽子
菓子業界の大手、北王製菓の社長。ふたりの息子には、それぞれに会社を与え、独立させたところである。それは、実はバブルの時代に息子たちがゴルフ場やリゾート施設など別業に手を広げ、今になって親会社の屋台骨を揺るがしていたからだった。そんな折、70年音信不通だった姉のハルが突然ブラジルから会いに来たが、邪険にしてしまう。しかし、戦前のハルの手紙を従姉妹から手に入れその苦労を知り、逆にハルを訪ね謝る。姉に対する長年のわだかまりがようやく消えていく。そして再び姉ハルと別れ別れになるが…。
ハルとナツ★★★★★ 5話 平成17年10月5日放送 75分 適当に作ってあります
ハルは拓也に出会い。拓也は実にハーモニカをふく。拓也は「実は日本に帰るチャンスを狙っていた、海野中佐と出会ってよろこんでいた」と話す。拓也は今は、農機具を作ったり、修理しているのだ。父忠次は酒で祝杯をあげたいという。拓也は「町は苦手で、兄は工場をしているが、自分は農学部を出ている、野菜作りをしたい、こういうところで畑をしたい」と思いを語る。しかし母は畑仕事の大変さを語る。父は「気に入ったのならゆっくりしな」と話す。拓也は「綿ばかり作っていると、土地が弱る、色々な作物を作った方がいい」とハルに助言する。しかし、ハル「父は綿以外に作るすべを知らないので、こだわっているのです」。ハルは、日本に帰ることを諦めている。拓也はハルが結婚していないことを驚いた。その拓也も一人だった。拓也「農業をしたいという男のところに来る嫁はいない、ハルちゃんが忘れられないのかも知れない」。ハル「本気にしちゃうよ」と笑う。
平成のハル「結婚も諦めていた、日本も帰れない、両親と一緒に暮らすしかないと思っていた」。ナツ「ねえさんはそういう人だったんだ、私は自分の事しか考えていない、山辺が子供の父親になると言って、2度目の結婚をした」。昭和24年、ナツのドーナッツ工場で、山辺はナツの菓子を待っていた。山辺はナツの息子の照彦の相手をしていた。そして、ナツの会社の電話に出た。ナツの取引先の堀川が取引をやめてきた。シラカバ製菓が大きく事業をやってきたのだ。ナツは手作りでやると言う。山辺「発想の転換が必要だ、同業が増えたら、大量生産を考えないと潰れる、今踏み切らないと間に合わない、お客探して注文を取りに行く、セールスは俺が手伝う」。ナツ「考えられない」。山辺「もったいない、潰すのは」。北天製菓、女3人で相談する。律子「山辺の方が役者が上だ」と心配する。ナツ「山辺と結婚しても良いと思っている」。ナツは山辺からの手紙を出す。ラブレターだった。ナツ「事業が目当てだ、それで会社が大きくなるならいい」。律子「好きでもない男と一緒になるの?」。ナツ「照彦の父親になるという、一石二鳥だ」。おいおい、またもナツはこのパターンかよ。それにしても大胆だな、思い切りがいいね。女を仕事の武器にしている。そんな生き方もあるのかな〜〜。
平成のナツ「正式に結婚して、山辺は野心家で精力的に売り込んだ、やり手で浮気にも悩んだ、また男の子が生まれた」。ハル「割り切った結婚できない、7歳の子が一人日本に置き去りにされるのは、そんなに変えることなんだね、3年たったら帰る約束も守れなかった、国交回復しても帰れなかった、ごめん」。ナツ「ブラジルで必死に働かなきゃ、生きられなかった」。
昭和、ハルはサンパウロの奥地で拓也と農地を耕していた。拓也は土地を調べたら、拓也「色々栽培したい。私の夢を叶えたい、一つお願いがあります、ハルさんを頂きたい、ハルさんには言っていない、両親の了解をいただいて・・」。父忠次「お受けなさい」。母「簡単に決めて」。父「夢の手伝いが出来たら、女冥利につきる、ただ、ハルは私たちにとって、跡取りだ、拓也君に高倉の家を継いで貰いたい」。拓也「私は次男だ、厄介者だ」。父「ここに連れてきて、朽ち果てると思うと心配だった、これで安心して茂や実のところにいける、ハルをおよろしくお願いします」と土下座する。ハルと母が一緒に泣く。夜、ハルと二人で拓也「ハルちゃんとこうなる運命だ、断られると思って、お父さんにお願いした、断るなら、今私に言って下さい」。ハル「私のために、拓也さんをここに引き留めたくない、でも、ここで自分の夢を育てたいというなら、私も手伝える、一生ついて行かせて下さい」。二人は抱き合う。高倉家に、中山トキが訪ねる。父忠次はまだ、こだわっている。トキはハルが結婚するので、おめでとうを言いに来たのだ。トキ「立派な方とで良かった、私は花嫁衣装を日本から持ってきた、隆太はブラジルの女性と結婚した、せめて、ハルさんに着て貰いたい」。ハル「そんな大事なものを」。トキ「我が儘じゃが、花嫁衣装を着たハルさんをみたい」。父は黙って席を外した。これがキッカケで、村の皆が披露宴に参加してくれた。
昭和27年9月、ハルの結婚式だ。紋付きと着物の二人だ。隆太も久しぶりに顔を見せる。サンパウロから、山下夫婦もやってきた。お互い年取った、抱き合った。ここで最初、泣けました。日本人会館で、村中の人が来て、披露宴が行われる。父忠次は大泣きだ。忠次は、中山耕太郎に仲人を頼み、握手する。忠次「日本の着物を着せるのが夢だった、ハルの花嫁姿を見て思い残すことはない」。中山「いけいけ同胞を歌いましょう」。皆は起立して、♪いけいけ同胞♪、勝ち組と負け組も少しずつ交流しだした。幸せな日々だった。昭和34年、長男、次男が次々生まれた。畑に菊も咲いた。父忠次は「日本の花だ、見られるとは思わなかった」。ハル「拓也の執念だ、本格的に菊を出荷したいと言っている」。子供にも見せるが、小さな子供はブラジルの花の方が好きだと言う。今夜は日本の映画の上映会があるのだ。ハル「飛行機で乗り継いで5日で帰れるようになった」。シネマの上映会では、皇太子の婚礼の華やかなニュースがあった。父・忠次は立ち上がり拍手する。皆、それぞれの感慨を持つ。中山家で、忠次は「日本は勝ったのですよ、原爆にもやられた、しかし、日本人の粘りで頑張った、日本が負けたのなら、皇室は残っていない」。中山「今日のシネマをみて、日本の頑張りが分かった」。二人で乾杯する。ある意味、中山は負けて勝ったと言う意味で、勝ったと理解したのだろう。夜、酔って隆太が父・忠次を送って帰る。隆太「意気投合したのだ、感慨深い物があったのでしょう」。隆太とハルは、思いを持ちながら別れる。父は家でも嬉しそうだ。酒を実の霊前に供え、忠次「実、お前達が日本を守った、俺の誇りだ」というと倒れた。そして、あっけなく死んだ。墓に中山は「日本を信じないと生きてこられなかった」と別れを告げる。同じ苦しい時代を生きた者が理解できる心情だ。
平成、ハル「辛いばかりの一生だ、63歳、酒を飲んで辛い事を忘れたので、肝臓も心臓も痛めていた」。ナツ−−−事業を広げることで一生懸命だった、金太と勉もやってきた。金太「シラカバ乳業でやっている、社長に拾って貰った、時々会いたい、牛を世話したことが懐かしい」と懐かしむ。ライバル会社で二人は自分らしく、のんびりやっている。ナツは山辺を紹介した。ナツ「大きくなることはいいことだと突っ走っていた」。ブラジルのハル「父が死んで、変わっていた」。拓也42歳「サンパウロのそばに、日本に帰る日本人の土地がある」。ハル「あなた一人で行って」。母「何をいっているの、家族揃って新しい土地に行きましょう」。新しい土地はサンパウロからトラックで1時間だ。息子たちも農業を継ぐつもりになっていた。これが家族の繋がりだと思った。平成のナツ「いい息子だったね、両親の働く姿を見てきたからだ」。ハル「良いことばかりでない」。
ブラジルのハル(52歳)の息子の彼女がくる日だ。連れてきたのは日本人ではなく、ブラジル人のマリアだった。マリアは山下のところに働いている。マリア「日本語を覚えました」。ハル「悪いけど帰ってください、ブラジルの娘さんと結婚させるつもりはない」。マリア「よく分かりました、今日は失礼します」と帰る。ハルと母は見送るが、息子の達男と喧嘩になる。ハル「日本にこだわりたい」。拓也「マリアは良い子だ、でも、かあさんが反対している」。次男邦男「家族が大事だ」。ハル「マリアと結婚したいなら、この家を出て行くのね」。達夫は家を出て、マリアと結婚して二人で暮らした。ハル−−−マリアは結婚しても、畑に来ていたが、ハルはマリアとは口を聞かなかった。邦男の結婚は、私に任せるからと言われ、日本から写真を送ってもらった。だが来た娘は、日本人としてしつけがなっていなかった。次の年、菊が暴落した、それで、畑の菊を出荷しないで皆で抜いた。その時マリアは泣きながら菊を抜いていた。それを見たら、胸が熱くなって、抱き合った。達夫とマリアが一緒に暮らすようになった。すぐ子供が生まれた。母は次はひ孫の顔を見られたと。夕方帰ると、赤ん坊の側で添い寝をしているように母は死んでいた。一つの時代が終わった。説明的なセリフでどんどん話が進む。でも、妥当だと思います。
平成、大和が起きる。ハルとナツは朝まで話したのだ。ナツ−−山辺は亡くなった、バブルの絶頂期。ハル−−拓也も去年亡くなった。ナツは息子もいるし、立派な社長だ。ハル「息子に会いたい」。ナツ「会わない方がいい、ブラジルから日本に援助貰いに来たと思っている」。ハル「私たちのことを、出稼ぎに行ったと思っている、誰も分かってくれない、何故、今まで日本に来れなかったか分かった」。ナツ「おねえちゃんに愛されていると分かった、ありがとう」。ホテルには、ブラジルから葉書がきている。家族写真だ、ひ孫もいる。達夫と邦男の家族だ。ナツ「羨ましい、日本にそんな家族を持っている人はいない」。お互いに長生きしてねと言い、抱き合う。ハル「暇が出来たら、ブラジルに来てね」。大和が人形を渡す。ハル「じいちゃんの遺志を継いで、日本で日本人として生きる、ばあちゃんはブラジル人として、ブラジルに骨を埋める、そんな気になった、大和も大学を終えたら、ブラジルに帰ってくるんだよ」。
帰りの飛行機で、ハルは新聞に北王製菓の吸収が載っていた。北王製菓は、バブルで息子がゴルフ場とかに手を出して、イラカバ乳業の金太会長と勉相談役が、借金と丸ごと引き受けてくれた。ナツ「また、一人に返るだけ」。ナツは家も引っ越した。みんな処分した。大和がやって来る。ナツ「裸一貫に戻った、おばあちゃんに言わないでね、私にもプライドがある、お姉ちゃんには北王製菓の社長でいたい」。大和「これから、息子さんと一緒に暮らすのですか」。ナツ「ブラジルと違う」。大和「ばあちゃんから手紙が来た、ナツさんの事は知っている」。ハルからの手紙−−−やっと、ナツがブラジルに来られる日が来た、ナツと一緒に暮らす日を私は考えていた、ナツが私の家族として一緒に暮らせることを、みんなで待っています−−−。
ナツは北海道に行く。畑の真ん中に地神の石があった。その時、昔の両親とハルの家族が帰ってくる姿が幻影のように見えた。ブラジルでは、ハルが食事の支度している。サンパウロ空港にナツが降りる。達男が迎えに来ていた。ナツ「ブラジル移民を果たせる、日本に未練はない、70年前の私に戻って出直す、私は7つ、ブラジルで過ごす70年間をねえちゃんと過ごす」。ハルの家にナツが着いた・・・おしまい。いい終わり方でした。
ヤッパリ最終回は泣きました。かみさんは大泣きです。状況をセリフで説明するばかりでしたが、ドラマの味わいを損ねることはなかった。あの愚直な父忠次、それにじっと付いてきた母が死んだ時、どれも泣きました。結論は、日本には、日本の魂は残っていない。ブラジルへ行った日本人がタイムトラベラーのように、日本の魂を保っていた。周りがブラジルだと、自分が日本人だと、そして、日本が素晴らしい国であると信じないと、自分が崩れてしまうのかもしれない。大家族が残っていたのだ。ハルは結婚できて良かった。前回高島さんが登場した時に、決まりでしたが、笑い。しかし、中山トキの由紀さおりさんが着物を持ってきて、それを着て日本式の結婚式になった。ここで、ハルと拓也の二人とも色が黒いので似合わない。着物は色が白くないと映えませんね、爆。でも、披露宴で、忠次が大泣きして、いつ死んでもいいなんて、叫ぶ。こりゃ死んでしまうと思ったら、すぐに死んだよ。ミエミエだったが、やはり泣けた。なんだ、かんだ、いっても、おじさんには、このドラマの主人公は父忠次だよ。村田雄浩さん、本当に素晴らしい迫真の演技でした。有り難う。愚直で、意地っ張りで、変なプライドだけで生きてきた。しかし、忠次はブラジル行きも、ナツを残すことも、ブラジルで茂を見捨てたことも、コロノから逃げることも、ハルと隆太の結婚も許さなかった。愚かかもしれないが、自分で決断したのだ。同じ年になって、自分は流れに任せて決断したことがないな〜〜と反省だ。これは時代ではなく、キャラの違いかな。
ナツも大変だったんだ。大きくすることはいいことだ。高度成長から、バブル時代を進み。全てをなくしたのですね。息子とか家族よりも事業が大事だったのだ。最後に、金太と勉が救ってくれたのは、ちょっと出来すぎですが・・・だって、パッシリだった金太と勉が会長と取り締まりなんて、爆笑。今回のタイトルが「ブラジルへ」となっていたが、ナツが7歳のナツとなって、ブラジルへ移民をハルと二人で始める結末は意外だった。でも、多分、橋田さんはブラジルに残った日本的なものに希望をもっていたのかもしれない。でも、これが一番素敵な結末だったようだ。
5夜見終えて、やはり凄いよ。一部簡単に飛ばした部分もあった。でも、これが普通の10話のドラマでは集中を保てなくて感動できなかったかも。やはり、5夜連続で良かった。見終えた達成感もある。NHKさん、頑張りました。9ヶ月の四季を通じて撮影をやる気迫を評価したい。もちろん、ついていった役者さんには、さらに感動だ。米倉さんも、仲間さんも、意外と汚れても、凛とした日本人の女性の美しさを演じたと思います。もちろん、森光子さん、野際陽子さんは、見事です。二人に会わせて脚本を書いたようなキャラの際だちだ。
ハルとナツ★★★★ 4話 平成17年10月5日放送 75分 適当に作ってあります
ハルはナツを部屋に入れる。ナツ「ブラジルで辛い思いしたと知らなかった、おとうちゃんが警察に連れられたなんて、これから箱根みなでへいこう」。ハル「どうして」、。ナツ「イネって子にあった、鬼のようなおばちゃんだたけど残してくれた」。ハル「ナツが手紙出したとしって、探した」。お互いに手紙を読んで理解したのだ。ナツ「手紙が出なかったら、会わずに恨んで死んだ、ブラジルのこともっと知りたい」。箱根に大和と3人で行った。ハルとナツは話した。ハル「アメリカと戦争した時、こんなことになると思わなかった」。ナツ「お父さん、ひどい目にあったね」。
ブラジルで、ハルの語り−−隆太の口添えで父は帰れるようになった。隆太「留置場は日本人で一杯で疲れたのでしょう」。父は相変わらず、ブラジルにペコペコしないといけないのか、今に見ておれ、日本の勝利で終わるのだ、日本人は胸を張れ、敵国に協力するのは許さない」。しかし、昭和19年、ブラジルで静かにしていれば、土地も与えられたのだ。しかし、日本が負けていると噂されたいた。ハルは夕方、隆太のところで料理とポルトガル語を教えて貰う。父は「中山と付き合うな、非国民だ、蚕買っている、それはアメリカの落下傘になっている」と怒る。ハル「ブラジルで生きるには、そんな事でこだわっていられない」。
ハルは中山の家に行き料理を食べる。中山「苦戦している、日本が負けたら」。中山トキ「負けたら、日本はどうなる、なくなるの」。隆太「自分はもうブラジル人だ」。ハル「日本に妹はいる」と答える。隆太「戦争が終われば、会える、もうすぐじゃ、戦争が終わるのは」。隆太はその夜、ハルにポルトガル語で結婚を申し込む。そして、抱きしめる。その時、火事が怒る。隆太の蚕小屋だった。中山は「放火だ、犯人は分かっている」。ハルは帰ってくる。そこに父が帰ってくる。父「天誅だ」。母「誰がそんなことを」。父「愛国心があれば、誰でも良い」。おいおい、犯人は誰なんだ? そのままで終わったよ。ハルの語りで、戦争が終われば、非国民もない、と隆太さんは待ってくれた。−−−
徳じいの牛は残ったが、軍の統制で、牛乳はすべて供出した。食料もなくった。そして、草刈りにも行った。昭和20年。金太と勉は「牛を売るようにいう、牛を売って楽したらいい」。ナツ「あんたらの勤労動員は牛の世話しているから免除されている、牛も乳の出が悪いと、食肉用になれる、徳じいの大事な牛だ」。軍の係が牛乳を取りに来て、「決められた量に足りない」と文句を言う。出が悪いと食肉用になる。札幌、室蘭と空襲されたと告げる。8月15日、天皇の放送があるという。ナツ「死んだら、楽だ、ブラジルの人も、死んだも同じ、未練はない」と悟っている。昼、放送を皆で聞く。ナツが聞くと、戦争が終わった、日本は負けた、と知らされる。金太「アメリカ兵が来るから、山に逃げろ」。ナツ「もう、怖い物はない、軍隊がないのなら、私らの牛になる、チーズが作れる」。ナツ、自由になり、夢中でチーズを作った。完全にナツは悟りきっているのだ。潔いものだった。
ブラジルのハルにも、敗戦は知らされた。ハルのブラジルの昔話だ。しかし、日本が勝ったと信じる勝ち組の人がいた。中山耕太郎は、勝ち組の人たちを冷静に説得した。中山「日本は負けた、国破れて山河あり、しかし、不死鳥のように立ち上がるだろう、これから日本は自由と平和の中で、ほこりを持って生きていこう」。しかし、父忠次「日本は神国だ、負けるわけがない、ラジオもでっち上げだ」。中山息子も「日本は勝った」と騒ぐ。結局、殴り合いの喧嘩になる。中山耕太郎「負けてやっと、まともな道になる」。父は警察にまた捕まった。しかし、中山耕太郎のおかげで釈放になって、家に帰る。警察は暴動だと言ったが、中山は酒の喧嘩だと言い張ってくれたのだ。母「負けたといっても、ブラジル人は友好的だ、いい加減、目を覚まして」。父「俺一人になっても、神国として生きていく、実は軍人だ、俺たちを守ってくれる、負けるはずがない、あいつと勝利の祝杯を上げたい」。母「日本が勝ったと信じなきゃ、実が可哀想ですよね」。そこに隆太がやってくる。泣いていたハルが出る。話合いに来たのだ。しかし父忠次は「もう付き合わない、村八分になっても、顔も見たくない」と激怒する。隆太はおとなしく帰る。ハルは見送る。隆太「うちも大変だ、ショウゾウも勝ち組になって、大変だ」。ハル「勝ち負けは関係ない、でも、日本が勝ったと信じたい父の気持ちが分かる、父を裏切ることは出来ない、私、一生隆太さんのそばにいたかった、でも、馬鹿な父親でも、たった一人の父親です」。二人は別れてしまう。
平成、ナツ「お父ちゃんが重かったんだね、私は一人で恨んだが、背負う物がなかった、自由に生きられた」。ナツの昔話です。ナツは自家製のチーズを闇市で売りに行く。アメリカ兵にも売った。最初はうまくいった。でも、大きい会社もチーズを作るようになって、ナツのチーズにもかげりが出来た。そんな時に、アメリカの人ジョージ原田がチーズを買いに来る。わ〜〜い、大森くんでるが、地味ですね。本当にハーフに見えてしまう。チーズを5個買う。ナツがおまけすると、ジョージはクッキーをくれた。それをナツは食べる。ナツ「おいしい、クッキー屋さん、教えて下さい、自分で作ってみたい」。ナツは帰って、金太と勉にチーズは頭うちだ。これからクッキーを作りたい、進駐軍の中尉さんが付いている。だから砂糖などの材料は手に入る。ジョージの所でナツたちは、クッキー作りを教わる。ジョージ「バター、砂糖の量は決まっていない、それで自分の味になるのだ」。出来たので食べてみる。本当に美味しい物だった。原田「君たちのホームクッキーだ」。あの小屋から始まった。札幌に工場が出来た、4人で乾杯する。ナツ「ジョージさんのお陰だ、パンも焼ける、闇で物が動かなかったら生きていけない、お上は何もしてくれない」。そして、ジョージとナツは婚約したことを報告する。ナツ「ジョージが旦那なら怖い物はない、私らの時代がきた」。札幌に引っ越す日が来た。金太と勉はナツとジョージの結婚に反対する。ナツ「戦争だ、しかたない」。金太「無差別攻撃だ、原爆だ、俺はジョージを利用すればいいと思った、結婚するのは、日本人としてはいけない、日本人の誇りを持っていたらできないはずだ、それでも、結婚するなら、俺は出て行く」。ナツ「遅いよ、お腹にジョージの赤ちゃんがいる」。金太「ナツを見損なった、10年一緒に働いて楽しかった、後悔はない、幸せになれ」。ナツは工場で一人になって、さすがに泣いた。ジョージがくる。休暇で働くと言う。ナツ「金太と勉はやめた、お菓子の作り方教えて、日本一のお菓子屋になってみせる」。
ハル、誇り高い人がいたんだね。ハルのブラジルの話が出る。でも、ブラジルの村は二つに分かれた。勝ち組と負け組だ。中山隆太の結婚式があった。隆太が外人と結婚したのだ。しかし、ハルの一家は結婚式にでない。勝ち組は出席しなかった。そこに10年ぶりに忠次の弟の洋三がやってきた。洋三「勝ち組でまだ、やっているのか、馬鹿馬鹿しい」。忠次は連れ戻されて借金を全部背負わされた。しかし、洋三の妻は農業が出来ないことを言い、パトロンの下働きとして、屋敷に働くことになった。洋三も、ココノのマネジャーみたいになった。そして、今は支配人にまでなれた。戦争中も暢気にやれた。これから、サンパウロに出て、コーヒーを売る。綿に将来はない。アメリカで新しい繊維ができた。実は無事かな。敗戦後の日本はひどい状態だ。叔父さんの洋三も結構したたかに生きていたのですね。父忠次「日本にいる、金が出来たら、日本に帰る」。
平成のハル、「ナツは洋三おじさんに似ているかも知れない」。ナツは昔の話を続ける。ナツ−−−私の方が恵まれたのかも知れない。学校で菓子作りをやっていた女の子を募集して、いい物が出来た。でも、世の中うまくいく物ではない。従業員の律子「アーモンドクッキーを作りたかった」。もう一人「自由に材料が入ったら、何でも作れる」。そこにジョージが来て、夜の11時なのに、まだいるのか。ジョージは話がある。ナツはかまわないからここで言ってと話す。ジョージが、アメリカに帰国することになったのだ。アメリカに行って、ママに会って、結婚しよう。ママは喜んでいる。日本に帰れない。ナツ「ジョージ、日本にいてよ、アメリカへ行くつもりはない」。ジョージ「ベビーはどうなるの」。ナツ「私には、ブラジルに両親と姉がいる、私はこうして頑張ったと胸を張りたい」。ジョージは戻ってくると行って、去ったが、便りも来なかった。そして照彦が生まれた。認知もなしで、子供は父の顔を知らない、バチが当たった、でも、工場があった、だから、どん底からはい上がれた。
平成のハル「こんな旅館に泊まって、ナツと話すなんて夢のようだ」。二人は感慨にひたる。ナツ「もう諦めていた、でも父と母が生きているうちに帰って探してくれたら」。ハル「でも、村も出られない、よそに嫁にも行けない、実兄さんさえ帰ってくれたら」。ハルの昔話の続きだ。ブラジル。ハルの所に日本から元の中尉の海野がやって来る。海野は家で話す。父忠次「海野さんは恩人だと感謝していた」。海野「今日は実君を連れ出しました」と帽子とハーモニカーを差し出す。実は特攻隊としてレイテに突撃しました。遺骨代わりにお持ちしました。ハル「お兄ちゃんは戦死したんですか」。海野「広報は私の所に届きましたが、混乱で海外渡航できませんでした、国交回復まで海外に出られず、遅くなりましたことを深くお詫びします」と座って頭を下げる。父と母は号泣する。父「天皇陛下の兵として死んだのだ、笑って迎えてやれ、実、良くやった、戦友達とともに後刻の英霊として安らかに眠ってくれ」。♪海ゆかば♪ 海野も一緒に歌う。ハルは父は敗戦を信じたくないのだ。兄の死も犬死になる。海野「遠洋の漁師をしているが、南アフリカまでいける、日本には帰らないのですか」。ハル「日本に帰る余裕はない、私たち、日本から捨てられた、兄が帰ってくれたら、私も帰れると思った、両親を捨てられない、諦めている」。海野「大事な兄さんを奪ったのは私です、許して下さい」。ハル「父は喜んでいます、これで良かった」。その父忠次は「日本は勝った、負けたんなら、日本の軍人は自決している、それがブラジルまで来られた」。ここまで愚直に生きられる姿には思わず泣きました。かみさんも泣いていた。ハル「思いがけない人が訪ねてくれた」。拓也(31歳)がやってきた。高島君です。実君が死んだことを海野さんから聞いた、お参りしたい。つづく。
もう手紙がないから、面会してお互いに、自分の身の上を話す形式になりました。なるほど、構成上スムースな流れです。最初にお互いが抱き合って、良かったと安心しました。ハルのブラジルの勝ち組の話は聞いたことがあります。横井さんや小野田さんなどは、これ以上の状況だったのでしょうか。ハルは家に縛られで、両親を捨てられなかったのだ。あんな愚直な馬鹿親父を守るしかない。本当に村田雄浩さんも、ひどい親ですね、とあきれていましたが、笑い。でも、当時の農民は、愚直に国を信じ、逆らうことなくプライドをもっていたのですね。その点、女性はもっと現状を肯定して受け容れるのですね。ハルもブラジルで、ポルトガル語を覚えようとする。母は日本が負けたことを認めてもいたのだ。でも、二人とも、愚かな父・夫を守るのだ。ナツも現実を受け容れる。そして、捨てられたものの強みで、ジョージと婚約する。そこまでやるとは思えませんでした。ちょっと失敗したかもしれませんが、工場は順調だったのですね。砂糖などの材料も、ジョージなしで、調達出来たのですね。ここらは結構「おしん」みたいで、橋田さんは手慣れた物かも知れない、笑い。
まあ、とにかく、みんな国に騙されて、運命を翻弄されたのですね。でも逞しく生きた。しかし、情報がある今の日本も、大丈夫なのだろうか。構造改革というけど、何だかうさんくさい。郵政なんか、1ヶ月ほどで終わるが・・・。これでいいのだろうか。まあ、国なんて信じないし、人間も信じていない。ナツと同じような諦観を持っている。あるといえば、ない。ないといえば、ある。金があっても、たかが日本銀行券だし、銀行預金も単なる数字が載っているだけだ。妻や子もいると言えば、いるが、自分も含めていつ死ぬか分からない。そんな、カオス理論なのだ・・・ほどほどに生きていくヨ。
ハルとナツ★★★★ 3話 平成17年10月4日放送 75分
4月、ハルは大和に「騙された、私らが馬鹿だった、先の見えないより、たとえ殺されても、逃げよう」。大和「ばあちゃんの手紙を読んでくれたら、分かってくれる」。ハルの手紙−−−ここを逃げ出すことに決めました。昭和10年、農作業から帰る。山下が行くところを探した。アメリカ人から働いている20名のところがある。喜んで入れてくれる、コロノとは違います。山下は農業はもう嫌だ、工場をするつもりだと言う。サントスで荷役をするつもりだ。契約を果たさず、借金を残して逃げる。見つかったら、どんな目に遭うか。拓也「心配しなくていい」。ハル「行く先違う、別れ別れだ」。実「北海道の方がましだ、ブラジル来たのが間違いだ」。父忠次は逃げることを決意した。忠次「子供だけは日本に返したい、兄貴の所へ行かなくても、日本に行けばなんとかなる」。それを聞いた実「サントスで働きたい」。畑で山下から「明日夜に行きます、実君は私が面倒見ます」。
その夜荷物を持って、逃げ出した。叔父さんの洋三の嫁が足をくじいたのだ。負ぶって丘まで登る。そこに監督が来る。皆、身を潜める。しかし、逃げられないと悟った洋三夫婦が、足をくじいたと自分から出て、馬に乗せてもらう。それで、監督は馬で家まで乗せてもらう。もちろん、オーナーから怒られる。洋三は「何も知らない、誰もいないのに気づいて、追いかけた、しかし置き去りにされた」と答える。栗田「本当らしい」。洋三「借金どうしたらいいのだ・・・?」。栗田「借金払えるまで働いてもらう、住みよいところだが」。朝になって、忠次と山下一家は川を越えて逃げられた。森には珍しい鳥や動物がいた。待ち合わせた教会からには、車が迎えに来て、皆は連れられた。そこで、忠次は山下とお別れる。互いの成功を祈る。実は山下さんと一緒にいくことになる。母「日本に帰って、人並みに幸せになってちょうだい」。ハルは両親と3人になって、また車に乗って別れていく。もう今生の別れですね。ハルたちは心細かった。しかし、そこはコロノではなく、アメリカ人が地主で、原生林の土地を借りて、自分たちの土地にしていた日本人が全部面倒見てくれた。ありがたかった。畑が出来て、綿が出来て、実を付けて白くきれいだ。約束の3年になっても、日本に帰れない。金を貯めて日本に帰りたい。綿畑も綺麗でした。ジャングルの鳥や動物も興味深かった。撮影は頑張ったのですね。
昭和12年。ナツ(10歳)北海道の伯父さんのところにそっと行ったが、そこには誰もいなかった。捨てられた子なんだね、でも、私のこと思い出してもらいたくて、手紙を書いています。ナツの手紙−−−ナツは徳じいに教えて貰いチーズ作りを一人で出来るようになっていた。徳じいは「大丈夫だ。ナツは組合からも可愛がられている、俺はいつでも隠居してもいい」。ナツ「一緒に働く、楽しようとするのは大間違いだ」と励ます。しかし、徳じいは乳運びしたが倒れた。高熱だった。医者を迎えに行くという。徳じいは寝てもらった。医者に来てもらった。医者「こんな子供に迎えに来られたら、仕方ないよ、今、悪い風邪はやっている、寝ているのだぞ」。徳じいは「大げさだ」と答える。家を出て帰る医者は「いつ何があってもいい、心おきなく付いてやれ、肺炎起こしている、札幌でも手の施しようがなくて、たくさんの人が死んでいる、札幌行ったか? それなら、そこでうつった、今夜と明日が山だ」とナツに話した。徳じいは、チーズを売りに札幌へ行ったのだ。徳じい「お前は孫かと思う、娘が帰ってきたと思っていたが、孫娘がいても不思議ない、お前に開放してもらって死泡汗だ、一人に生きてきた、お前と一緒に暮らせた、明るい灯が灯ったようだったありがとう、娘が死んだ時を思い出した、同じはやり風邪だ、一晩で死んだ、オラ死なない、でもいつか一人で行ってしまう、そのときはブラジルの親の所に行くのだ」。ナツは粥を作ってたべさせる。その夜、ずっと看病したが、寝てしまった。その間に徳じいは息をしなくなった。奥さんと子供の所に行けます、少し嬉しそうな顔でした。ナツはすがって泣く。ここでも、別れがあるのか、淋しいな、折角いいじいさんだったのに・・・ナツは次々と脱皮して成長して行かなければならないのですね。牛飼い組合やお得意さんが葬式に来てくれた。みなから牛舎と牛を売ることを言われた、一人で守っていくと言いまし。徳じいの大事な牛を手放すことはできません、手紙も一度も来ません、捨てられた子だから、牛と一緒の方がいい、牛は家族で、徳じいがいてくれるみたい、チーズを待ってくれる人は親みたいだ。−−−
平成、ハル「この後、手紙が抜けている、私たちより大事なものが出来た、同じ頃、ばあちゃんもナツに手紙を出していない、開墾していた」。昭和13年、綿は高く売れて、自分の家も出来た。あと3年で日本に帰れるかもしれないと希望も見えた。実にいちゃんはサントスで、海軍の将校の海野中佐と知り合った。声をかけられた。実「私は移民で、失望して、日本に帰りたいので、荷役をしている」。将校「気の毒だ、海野中佐だ、待っているぞ」。当時ファシズム打倒のデモもあった。ホテルに実るがいく。海野「日本は非常時だ、情けない」。実「日本のために役に立ちたい、しかし帰れない」。海野「本当に帰りたいのなら、志願兵を募集している」。実「帰ってから、どうしていいか分からない」。海野「頼る人がいないのなら、私がなる、帝国軍人になってくれるなら」。実「粉骨働きます」。実は日本に帰れるが志願兵として、死んでしまうのでしょうね。本当に運命ですね。
昭和16年、綿は出来て、来年は日本に帰れる。ハル(16歳)は米倉涼子さんです。新しい土地を開墾して、倍の土地になった。やっと日本にかえれます。約束から5年遅れたが、10月1日に手紙だ。あと2ヶ月で開戦だ。ハルの家に日本から手紙が来た。実から予科練を卒業して帝国軍人だ。父は大喜びだ。ナツのことは書いてない。北海道に手紙出しても、返事がないのだ。ハル「来年は日本に帰れるんだね」。母「開墾した土地を残すのは辛いけど、帰るんだ」。そこに、日本の飛行機が真珠湾に。そこで、地主は日本人を招集する。緊急告知だ。アメリカ艦隊を日本は爆撃した。戦闘状態になった。土地を貸したが、戦争している相手に土地を貸せない。日本人に出て行ってもらう。日本人「開墾した土地は、俺たちのものだ」。しかし、地主は鉄砲で、脅す。戦争だ。父は「戦争だ、知り合いを頼るしかない、若夫婦中山さんから手紙で入植地を持っている、いい畑があるらしい」。母「一からやり直しか」。本当に諦めと再生ですね。粘り強く働くしかないのです。リセットなんて喜びわけにはいかない。次に朝、ハルは畑を手入れしている。「私たちいなくなったら、誰が面倒見てくれるのだろう」。父「どうでもいいことだべ」。はる「誰のものになっても、この畑大事にして欲しい、誰かが何かを育ててくれたら、私たちの苦労は無駄にならない」。ハルは畑にも別れを告げる。汽車に乗って、移動する。パシェンシア駅で、一家族と別れる。さらに奥地に向かう。父「こういうとき強くなる、日本は負けない、必ず勝つ」。−−
平成、ハルはこの手紙、真珠湾攻撃の2ヶ月前だ。これがナツの最後の手紙だ。−−−昭和16年10月、徳じいの仲間が世話してくれる。今は待っていません。心配していると気になって近況をしらせます。12月8日。ナツのところに若者がやって来た。アメリカの戦争だ。両親は帰って来れない。私は諦めている。チーズ作り続けるだけだ。俺らも牧場を続けるだけだ。−−−
ハル「手紙でナツのことが分かった、でも戦争の後を知りたい、でも会いたくないから、しかたない、その後も手紙を出した」。大和「手紙分かったら、分かってくれる、手紙探そう」。ハル「明日の飛行機で帰る、日本は疲れる」。ハルの手紙−−昭和21年、長い戦争でした、やっと日本への郵便も受け付けるようになった、開戦で、何もかも一瞬に奪われて、逃げた。サンプロの奥地に着いた。「日本人会館」があった。中山一家がいた。歓迎される。中山「ここは我々が治安を守ります」。隆太(岡田義徳さん)が世話してくれる。あばら屋だった。隆太「日本人通し助け合う、外ではポルトガル語、ブラジルはアメリカ友好関係だ、日本放送を聞かないように、今は刺激しないように」。ハル「ポルトガル語を話せない」。隆太「ポルトガル語、教えます」。母もハルも「何でもやりたい」。父「自分で土地を持ちたい、だから、娘を自分のところで働かせたい」。隆太「分かりました、また今夜」。父は「偉そうに命令される覚えはない、どこにいても日本人だ、日本語使ってどこが悪い、荒れ地を自分の手で農地にした、ブラジルとも心を持って戦わないと」。夜、隆太のところで食事を食べる。もう中山耕太郎夫婦は20年になって、ブラジルの食事になった。中山「なんぼ辛い思いをしたか、家族がいたから、踏ん張ってこれた、今度こそ成功してください」。隆太「土地はお世話します」。忠次「綿をやっていた」。中山「蚕もやった方が効率がいい」。忠次「綿しかできない」。ハル「蚕したい」。中山「蚕はアメリカが買ってくれるかな」。忠次「中山さん、アメリカに売る繭を作って平気ですか」。中山一家はハルの洋服も世話してくれる。皆、ポルトガル語で話す。貰った服をハルは着る。忠次は「ちゃらちゃらして、あいつら日本人ではない」と怒っている。ハルは隆太にポルトガル語を教えて貰う。遅れて帰ると、忠次は怒っている。「付き合うな、許さん」と怒る。畑仕事して、ポルトガル語で話しかけられる。忠次は日本語を話す。雨宿りしていると、日本人が連行される。それを、忠次は行って、「何が悪い」と警察に向かう。忠次は連行され、暴行罪で捕まった。ハルが助けようとするが、誰も助けてくれない。
平成、ナツの家の部屋に、二人の息子がやってくる。息子は吹けば飛ぶような会社だ。息子「どこが気に入らないのだ」。ナツ「親の苦労も知らないで、あんたに私の気持ちは分からない」。ハルのところに、ナツがやってきた。ロビーに行くと、ナツが座っていた。そして、ナツは走り寄って、ハルを抱き合って「私何も知らなかった、ごめんなさい」。ハル「私に会いに来てくれたんだ」。つづく。
子役の二人はもう出てきませんね。思うと凄い二人でしたね。寒そうな北海道や、ブラジルで頑張りました。自然に役が入っていたようです。橋田さんなので、こんな辛い話になると「おしん」を思い出しました。橋田さんは子役をうまく引き立てる脚本を書くのです。感心しました。米倉さんと仲間さんい替わりました。仲間さん、意外と牛と格闘しても、自然だね。スタパに出ていて、このドラマは9ヶ月、四季を通じて撮影したのですね。大変なドラマです。仲間さんは大雪が嬉しかったと話していました。そして、動物は大好きだが、牛は大きくて本当に動かない、と微笑んでいた。この牛は昔にあわせて、大きな角のある牛で北海道の別海町で探したのだそうです。ただ、米倉さんの16歳はちょっと辛いな。でも、年齢以外は結構似合っていた。ブラジルの自然の中に溶け込んで見えた。積み木崩しだね。少しうまくいっても、今度は戦争で崩されてしまう。国と国だから、どうすることもできない。ブラジルに同化するか、日本人のアイデンティテーを意固地に持ち続けることになる。どちらも辛い物だ。本当に大変だんだなと感じた。自分は年寄りだけど、やはり若い人にも見て欲しいドラマだ。
ハルとナツ★★★★ 2話 平成17年10月3日放送 75分
前回のまとめ。タイトル。昭和編もあるのだ、配役がでました。
平成17年4月、大和は日本の物価が高いことをぼやく。しかし、日本で稼いだ金がブラジルでは結構いい金になるのだ。ハル「私らはブラジルに出稼ぎにいったが、今は日本へブラジルから出稼ぎに来ている」。ハルは大和の部屋を掃除したりしている。ホテルを引き払って大和のところに一緒に住むことを考え始めた。大和の携帯にブラジルから荷物が着いた連絡がある。取り、封筒を見る。ナツの字だった。ブラジルの住所を訳分からずに、真似したのだ。ハル「70年も取っておいてくれたね」。本当だよ〜〜〜。ハルは読む。ナツの手紙−−−ブラジルにつきましたか、いいところでしょうね、神戸で置いてかれたことを今でも思い出して泣きます、船が見えなくなるまで、波止場で見送っていた、一人で収容所に帰りました、誰もいなく、一人に泣きました、ばあちゃんが迎えに来てくれた時は嬉しかった、祖母と抱き合って泣く。祖母「北海道から神戸が遠くて、北海道に帰っても、父さんも母さんもいない、でもばあちゃんが付いている、守ってやるからな」。他に行くところはない、北海道に帰りました、伯父は「トラホームは日本ではどうでもなかった、うちで待つのだな」。叔母「食い扶持、お金を置くもんだ」。伯父「本家の長男の役目だ」と見栄をはる。祖母「借金もある、おらも働いている、ぼっこ手袋を頼まれている、その金でナツは食べろ」。叔母「病気移るから、ナツと遊ぶな」。ナツは雪の中を学校へ行く。途中で、いとこはナツの弁当を取り上げる。いとこ「学校に行くなら、弁当を持たずに行け」。−−−ハル、やはり辛い思いしたのだ。学校行くの厭になるよね。
ナツの次の手紙−−毎日姉ちゃんの手紙待っている、3ヶ月になるのに、来ませんでした。−−本当は、ブラジルからハルの手紙が来ていた。伯母は勝手に手紙を開ける。すると金が入っていた、叔母「食い扶持も入れずに、内緒の小遣いなんて」と自分の物にする。手紙は破らなかったのは、鬼の叔母にもささやかな優しさが残っていたのだろうか。ナツが伯母に手紙来てないか聞く、伯母は「来ない、忘れたのでないか」と答える。ばあさんは「忘れることない、手紙書く暇ないのだ」。ばあさんは夜なべをする。伯母は油がもったいない、と文句を言う。ばあちゃんは「金がなくて、イライラするのだ、気にすることない」。しかし、そのばあちゃんが急に倒れて、死んでしまった。皆の分までしたから、ナツのための夜なべで死んだと、ナツのせいにした。余りにも早い、あっさりしたばあちゃんの死だった。予想はしたが、泣きの長セリフを渡辺さん、演じると思っていたのに・・・ちょっと簡単に流されてしまいましたね。ナツは食べない。伯母「ばあさんの分はナツに働いて貰う」。伯父は自分の子供に甘いと叱る。伯母は私の子供は私が働いている。−−−。
平成、大和「叔母さんはひどい、ナツさんに渡さなかった」。ハル「ナツが1通も受け取らないと言ったのは正しい、叔母さんが握りつぶした」。ナツの手紙−−−4ヶ月、手紙は来ない、伯母「ナツを忘れた」という。ナツ「私はそう思わない、3年待てば、帰ってくれる」。ナツは仕事を手伝うが、伯母は「ナシにつぶてで、あんたを捨てた親兄弟を恨むのだね」。夜、ナツは犬に食べ物がないと謝る。そして、ナツ「ねえさんが帰ったら、犬を飼いたいです」、楽しみに待っています。−−
平成、ナツも自宅で一人ハルの手紙を読む。ハルの手紙−−−コロノになって、半年、ただ働いています、主人と約束したのだから、皆はナツは日本に残って良かったと言う。ハルの畑つくりは順調だ。日曜日は休みだ。妹に金を送りたい。−−−
昭和9年。ナツは起きる、ブラジルへの切手代をもらう。伯母「返事も来ない、どぶに捨てるような物だ、あんたを食わすだけだ」。ナツは黙っているしかなかった。ナツは一人で地蔵を見つめる。家に帰り、棚の財布から金を盗む。そして、郵便局に行き、手紙を出し、そのまま駅に向かう。列車にのると、車掌が切符を調べにくる。そこで多分無賃乗車のナツは夜の駅で降りた。山を歩くき、川の水を飲む。山は綺麗な紅葉だった。そして倒れていると、男に声を掛けられる。徳治の井川比佐志さんです。ナツ「家はない、ほっといて」。結局、荷馬車に乗せて貰い、男の家に行く。徳治の家には誰もいない、。徳治「牛を見回ったら、ゆっくりすればいい、金盗んだら、帰れないべ、ここでいいなら、いつまでもいていい」。ナツ「いろりの火なら、見ている」。男は牛飼いだったのだ。ナツは一緒に牛小屋へ行く。牛は可愛かった。ナツは動物は好きだ、飼えたらいい。ナツ「一人で飼っているのか」。男「乳搾りして、チーズ作っている、組合とお得意さんに配っている」。ナツ「ここで仕事の手伝いをしたい、お願いします」と頼む。男は妻も子も死んで一人で暮らしている。手伝う仕事があって、置いて貰うことになった。古きよき時代ですね、今なら、大事件かも、幼児虐待で問題で、徳治の親切も、幼児監禁になるかも、笑い。古き良き時代?? ナツ「ここで、待ちます、住所が変わったので、ここに手紙下さい」−−
ハル、10月はブラジルで草取りしていた。3回除草するのだ。さすがに金が残るかと心配して話している。父忠次は「ここには豆がある、売店で借金もできる、北海道では借金もできない」。息子の茂は豆はもうウンザリだ、と逃げ出す。ハルも昼飯を抜いて、畑の世話をする。母は売店で塩500gを買う。そして、ご飯を炊いて、豚肉を買う。茂は食欲がない。ハルは自分の畑で作ったトウキビを売った。もっと畑を作って行くという。そこに栗田が来て、支払い額を知らせに来た。父は金を貯めて帰るという。しかし、栗田の話は驚きだった。栗田「コーヒーの売り上げが良くない、価格が安い、それで割り当てられた面積より、収穫が悪い」。日本人が「自分の畑は、実が付いていないので収穫が悪い」。栗田「そこで、辛抱すると、いい樹があたるようになる、高倉さんは、賃金よりも売店の金の方が高い、借金が増えた」。日本人「ただ働きだ」。栗田「借金できる売店があるので、生きられる、健闘を祈ります」。一同は沈黙した。ハルは夜、洗濯する。友達の山下拓也の家も、賃金よりも借金が多かった。山下父は騙されたと怒っているという。ハル「考えても、知恵しぼって、頑張る、妹が辛いので、泣いていられない、帰らないと行けない、ただ、妹は来なくて良かった」。楽しそうな音楽が聞こえた。イタリアの結婚披露宴が行われていた。ハルと拓也は見に行く。
平成、ハルは手紙出したけど、届いていないとつぶやく。ナツの手紙−−忙しくて、手紙書けないのですね、私は徳じいの子供のようです、近くの牛飼いが相談に来ます、徳じいは立派な牛飼いです。ナツは乳搾りをする。徳じい「娘が死んだのも、お前の年だ、風邪ですぐに死んだ、お前を見ると、娘が帰ったようだ、娘が死んで1年して妻は家を出て、そして青函連絡船から身を投げたと知らせが来た。お前は、どんなことがあっても死ぬな、周りの人を悲しませる。牛飼いの先輩が、牛飼いのいい点を3つあげた。人に頭を下げなくて言い、嘘を言わなくて言い、そして、日本人の身体を立派に出来る」。徳じいも悲しい人生を送っていたのですね。でも、淡々と自分の人生を受容していたのですね、本当にいい人です。
−−−平成のハル「ナツは運が良い子なのだね。ばあちゃんは運が悪い。野菜を外人のコロノに売りつけるまで行った。でも、。昭和10年。ハルの手紙−−−悲しいことや辛いことが続いた、茂にいちゃんが病気になった。父と母は家に帰ると、茂は高熱で意識なく、うなされていた。近所の日本人が集まっている。近所の人「医者に診て貰った方がいい」。そこにハルは走って、茂にトマトを食べさせようとする。相談に来ていた栗田「マラリアだな、でもあそこまでになったら、何もできない、医者は駅のそばだ、私は多くのマラリアを見たが、医者に診せてもどうにもならない、法外な金もかかる、でも、家族だから気の済むようにしたら」。母「馬を出して貰おう」。栗田「私は医者ではない、経験で言っている」。母「医者をお願いします」。父「あそこまでひどくなったら、茂の運命だ、医者に診せる金があったら、私も医者に診せたい、しかし借金が増えて、残された物が苦労するだけだ、茂、勘弁してくれ、詫びきれない」。もう、典型的な昔の日本人の諦観の境地です。ほとんどの人は医者に診てもらうことがなく死んでいった。国民皆保険だって、戦後してから出来たシステムだ。そして、昭和には医療費無料にまでなった。ただ、多分日本人の平均寿命は65歳くらい(?)だから、成立したと思う。。ハルは一人、医者を呼びに行くという。近所の日本人が皆集まって、一部は帰る。ハルが医者を連れてきた。父「医者だと」。近所の男「茂君、今息引き取った」。医者は「診察して、マラリアだ、間に合わなかった」。父「医者の金がない、また借金するのだ」。ハルは「苦しかったが、やっと楽になった、ご苦労さん、天国で幸せになって」。
近所の奥さんもパニックになって「こんなところにいて、何になる」。「甘い文句に載せられて、馬鹿だった」などと口々に叫ぶ。山下「私は見切りを付けている、ここを出る、ここにいても、駄目だ」。父忠次「借金もあって・・」。山下「私が何とかする」。母シズ「茂もこんなことになって」。父忠次「危険だ、銃で撃たれる、ここで頑張れば」。母シズ「茂は死んだ、実もハルも・・(このままでは死んでいく)」。ハル「私は我慢する、ここで頑張る」。父とハルは畑仕事をする。ハルはナツの手紙を探しに駅に行くというが、母は辞めなさいと止める。ガッカリするハルに近所のおばさんが連れてくれる。線路を歩いている。歌を歌い、野宿していると。ナツとの神戸での別れ、北海道のことが思い出される。疲れて、駅に着いた。ソコーホ駅に着いて「日本から手紙来ていませんか」。しかし、駅員「ここはブラジルだ、ポルトガル語を喋れ」と相手にしてくれない。そうか、ハルは手紙を探しに行ったんだ、でも、会話が通じない。日本人は差別されていたから、相手にしてもらえなかったんだ。納得しました。ハルは畑を作る。友達の拓也の父はいつか出ると言う。拓也「もう会えないかも知れない」。ハルが手紙を出すと言うが、拓也は「ここに残る人に迷惑をかけられない」。ハルはトマトを茂の墓に供える。ハル「茂にいちゃん、ここに眠っている、私たちが逃げたら、可哀想」。しかし、そこに大量の雹が降ってくる。ハルの畑は全滅した。父「凄いところだ、見たことない」。コーヒーも取れないかも知れない。大事に育てたのに・・・失意に落ち込む。ハルも気力を失った。ハル「米も野菜も売れない。借金返せない、借金増えるばかりだ、一生借金に縛られて、ここから出られない、逃げよう、日本ではナツが待っている、3年たったら、迎えに行かないと、でもこのままじゃ帰れない、逃げように、父ちゃん」。−−。
平成、その手紙をナツが読んでいる。ナツ「姉ちゃんが羨ましかった、まさか、こんな辛い思いをしていたなんて」。大和「ブラジルでそんな、辛い思いをしたなんて、本当に逃げたの?」。つづく。
まあ、予想どおりですが、叔母の根岸さん、きつかったですね。完全にかかあ天下だもの。受けて立つナツも、負けていませんでした。この二人のバトルは橋田脚本では、もうバッチリで、小気味いいものですね。評価アップです。そういえば志田さんと根岸さんは、女王の教室で一緒でしたね。でも、思い切って家出して、徳じいに会った。徳じいの井川さんは、善人顔ですから、安心ですね。徳じいが怖い人だったら、本当に怖いドラマになってしまう。もう、この時点で評価アップだよね。予告編では、徳じいが死にそうだったよ。しかし、ブラジル組も悲惨でしたね。気候はいいのだが、差別と搾取がひどいよ。あれだけ働いても、借金が増えるなんて、サラ金地獄の上をいく壮絶さです。父の忠次は農民独特の愚直さで、土地に食いしばって行く。しかし、工場などの山下さんは、もうあっさり逃げていたよ。唯一いいのは、親や拓也君と一緒のことだ。この拓也君と結婚するのですね。茂兄さんが死ぬところは、やはり泣かされました。何と言うことだ、遠いブラジルで苦しいことだけで死んでしまうなんて。父親を恨みますよね。その父は本当に愚直ですね。でも、まだ威厳を保っている。母が優しいからだが・・・。このまま逝くのかな。多分、あそこを逃げ出さないと、絶対上に上がれません。
映像も雹のシーンも結構凄かったです。NHKさん、頑張りましたね。北海道ロケとブラジルロケ、あなたはどちらを選びますか? 病気になる心配はあるが、ブラジルの方がいいかな。もちろん、あの農園からは逃げ出しますが・・・北海道の鬼の叔母さんは嫌だが、徳じいならいいかもしれない。そんなことをチョット考えました。
ハルとナツ★★★ 1話 平成17年10月2日放送 90分
はじめに時代背景と事情を説明する。タイトル。平成17年3月東京だ。大きな家に高倉ハルと大和はたどり着く。服装はやや地味です。インターホンで聞くと、会社にいるという。78歳なのに会社といぶかしがる。北王製菓で、大きなクッキーなどを作っている。受付で聞くと、社長だという。会いたいというと、受付は「約束があるか?」聞く。70年ぶりにブラジルから会いに来ました、そこで、思わず話し込んでしまう。人のいいハルだ。秘書が来て「存じ上げない、間違いだ」と言う。ハルは「調べてきた、間違いない」と言う。秘書「名前も存じ上げない」という。ハルは仕方なく。大和は「どこかで間違えた」と連れられて出る。ナツは社長室で淡々と仕事している。仕事が終わって、帰る。しかし、駐車場でハルは待っていたのだ。出て行く、ハル「やっぱりナツだ」と抱きつき、泣く。ナツは振りほどいて「親兄弟はいない、70年前に捨てられた」。ハル「捨てたんじゃない、いつも一緒だ、来られなかった訳を話したい」。ナツ「3年で来ない、手紙も来ない」。ハル「手紙は出した、金もいれた」。ナツ「何とでもいえる、出稼ぎにきたの、姉だからと頼られても、そうわいかない、捨てられたの」。ハル「手紙を北海道に出し続けた」。ナツ「ブラジルに手紙出した」。ハル「お互い出した手紙、受け取っていない」。ナツ「昔の話は聞きたくない、もう会うこともないでしょう」と車に乗り込んで帰る。ハルは呆然と立ちつくす。
戻ったホテルで、大和は怒っている。大和「馬鹿にしている、親戚になりたくない」。大和は日本で大学の勉強をしたいのだ。それで、来たのだ。大和はハルに70年前のことを聞く。それで、少しずつハルは話し始める。5家族が北海道で一緒に暮らしていた。飢饉続きで、飢えていた。そのとき、ブラジル移民の話があった。回想シーンになった。6人家族。おじさんは2人だ。運がいいと思っていた。北海道よりずっといい暮らしだと聞かされていた。
伯父から、高倉忠次らの一家は出る。3年で金も入って、土地も買える。ブラジルは1年中夏だ。年中働けば、稼げる。叔父洋三は疑っている。ハル「ブラジルは雪が降らない、1年中花が咲いている」。忠次は出稼ぎだ。船も、支度金ももらえる。住むところも用意してくれる。働けばいいだけだ。忠次は母(祖母)に別れを言う。ハルとナツは兎を源じいに預けるという。長男の子供たちは「穀潰し、兎もくれないのか」と怒る。ハル「あんな奴らと会わなくてすむ、私らはいつも一緒だ」。ナツ「ねえちゃんと一緒なら、安心だ、ブラジルで兎買おう」。−−ブラジルが天国に見えた、信じていた、北海道と別れるのも、悲しくなかった−−神戸で泊まる収容所で、医者の検査を受ける。ナツはトラホームだという。ブラジルへ行けない。母は気が付かなかった。父が帰ってきて、係の人に頼んだが、トラホームは入国させない。簡単に直せない、角膜もやられる、ナツは日本においていくしかない。ハル「私らもブラジルをやめないといけない」。父「どこへ行く、北海道も、日本でいけない、兄きも、ナツ一人なら面倒見てくれる、北海道にはばあちゃんがいる、守ってくれる、ハルお前も北海道に残るか」。ハル「北海道に帰るなら、死んだ方がましだ」。父は「引き返せない、3年だ、日本に帰ったら、迎えに行く、置いていけない、でも、そうしないと家族が飢え死にする、皆が助かる、待っていてくれ」。ナツは黙って泣く。
平成に戻る。ハル−−妹を置いていった。皆は3年の辛抱だと納得した。ナツ一人収容所に残した。記念写真を取った。桜が咲いていた。母はナツにキャラメルとお守りを渡した。父は「祖母に手紙を汽車賃を入れて一緒にだした、待っていられるな」。母は泣いて抱く。ハルも「北海道に残る、いつも一緒にいると約束した」。ナツ「3年で会える、待つ」。父「これがコーヒー園の住所だ、着いてから教えるのだが、特別教えてもらった、ここに手紙出せ」。家族写真も渡す。ナツ「これで忘れないでいられる」。父「波止場に見送るな、人で一杯だから危ない」。
サントス丸の船の中は混んで暑かった。船がでる、みなは甲板だ。母は船底の船室でつらそうだ。ハルは多くの人のいる甲板に上がる。ハルは甲板から声をかける。ナツ「私も一緒にいく」。ハルも走る。デッキでハルとナツは「行く」「戻る」と抱き合う。父が来て、ハルを抱きナツは警備の人が引きはがす。二人は大泣きです。テープと声の中、船は出て行く。ここは泣くところです。二人の人生を分かつ岐路だ。
平成に戻る。ハル「つらい別れだった、岸壁を離れても、波止場の端で立ちつくすナツの姿が見えた、どんなに淋しかっただろうか、北海道のばあちゃんを待っていたのだろう、恨んでも無理ない、あんなに堅い約束していたのに、でも、ブラジルの暮らしはつらいものだ、手紙を出したが、届いていなかった、でも。いい、今、幸せならいい、することはした、北海道の古里にも帰った、ブラジルに帰る」。大和「日本人として、日本の土に帰りたいと言っていたのに」。ナツの社長室に、ナツの長男が来て、「テレビに出るから、会っていない姉まで出るのだ、北海道のいとこからも連絡が来た、何を考えているかわからない」。ナツ「あんたに頼らない、あんたには会社を辞めてもらった、新しい会社をしなさい、あんたと公彦には平等に資金を出した、もう出せません」。ナツは車で中原イネさんの中原勝治の家へ行く。出たのは泉ぴん子さんだ。イネ(野村昭子さん)だ。イネ「貧乏のどん底で何もしてやれなかった、死んだと思っていた、テレビ見たから信じられなかった」。ナツ「ブラジルから手紙来ていませんでしたか」。イネ「手紙が気になって、テレビを見て、亡くなった母が、ナツちゃんに会って渡してくれ」と手紙を出した。イネ「手紙、謝って、中の金に目がくらんで、ナツちゃんに渡せなかった」と言う。おいおい、意外にも大変な事実が判明したよ。ナツはずっと事実を封印してきたのですね。だから、探せばすぐに見つかることでも、これまで見つからなかったのだ。
ナツは家に帰り、そのハルの手紙を読み出した。手紙はカタカナだった。手紙に従って話が進む。−−47日海ばかりで、大部屋の3等船室で、千葉の山下さん夫婦4人、広島の中山夫婦さんはブラジルのいおじさんの手伝いに行く。船では運動会もあった。皆大きな夢を持っていた。山下「大きな未来のある国です、日本に未練はない」。高倉父「出稼ぎです」。山下「日本人として頑張りたい」。中山「コロノというが、支配人と交渉しないといけない、ポルトガル語を勉強しないと」。高倉父は出稼ぎなので、ただ働けばいいと思い、勉強していない。子供たちも、それぞれの思いで来たのだ。野球をしようと言う子供もいた。ハルも少し前向きに考え出した。インド洋から、サントスに着いた。中山さんとは別れ、サンパウロの移民従事所についた。サンタナの方へ行く。しかし、行く農園はナツに教えた農園と違った。日本の金は使えないので、金を入れました。ナツが使って言いんだよ、何回も手紙を書きます−−−。次の手紙は2ヶ月後だ。−−−暑い日だ、鉄道モジアナ線で行く。船の人とは別々になった。3家族が一緒だった。山下さんも一緒だった。ブラジル人に引き渡されました。牛の車に乗せられ、丘や森の道を歩いた。そして、農園に着いた。コーヒーの木が生え、赤い実がなっていた。「私支配人、ここお前たちの家」と日本語だ。質問するが、答えられない。栗田(徳井優さん)が先輩として、世話する。入った家は埃だらけだった。何もなかった、母「ここの暮らし方がある、水や煮炊きもどうするか」。栗田が握り飯を持って来る。コーヒー8000本が受け持ちになった。米や野菜も自分で作っていい。コロノは色んなところから来ている。栗田もコロノで、3年ほどで独立するつもりだ。1年でポルトガル語も出きるようになる。ベッドはトウモロコシで、農園に売店がある。給料1年に一回だ。まとめて支払えばいい。売店は高い、収入よりも支払いが高いこともある。ハルは手紙を聞くと2ヶ月かかるという。手紙−−コーヒーの収穫をする。寝床も作ってくれた。歌を歌っている。朝5時の鐘で起床だ。豆の塩煮だ。6時に出かける。悪のは夕方の6時半だ。お日様がかんかんで、終わると帰る元気もない。監督がくる、収穫が悪い。日本人が出来が悪からだと悪態を付くと、銃を向けられた。妻が土下座して謝った。毎日、豆の塩煮だ。昼はバナナだ。北海道では水のようなヒエだ。長男はブラジルは天国ではない。畑の奥で、出来も半分だ。日本人はイタリアとかのコロノとは違う。父「日本人の底力を見せよう」。長男「つらくても、差別されなかった」と悔し泣く。コーヒーの取り入れが終わったが、草取りが始まったが、刈っても刈っても生える。監督に怒られる。ただただ、働いた。ハルは水くみして、野菜畑の世話をする。野球チームを作るなんて・・ハル「妹トラホームになってよかった」。友達は「手紙が来て、日本の友達は羨ましがった、手紙も配達してくれない、汽車の駅まで取りに行く」とこぼす。ハル「手紙来ていいよ、野菜畑をしてよくなる」となぐさめる。ナツを日本に置いてよかったかな〜と思います。高倉の息子の実はもう仕事はいやだと、逃げる。ナツからの手紙が来ないので心配しています。手紙をください−−−
平成に戻る。大和「そんな思いをしていたなんて、ナツの手紙は別の駅に届けられた、パパに電話して調べてもらおう」。ハル「ナツと一緒に日本で老後を過ごすなんて馬鹿な夢をみたんだ、ブラジルに帰りたい」。大和はパパに電話する。ナツは家の昔の家族写真を見ている。ハルはホテルで写真を見ている。次の朝、大和の部屋もバイトも見つかった。ブラジルを取引のある会社が見つかった。大和には日本人として生きて欲しい。大和は柔道も日本の日の丸で出る。そこにパパから、手紙が見つかったと言う。次男の邦男が近くの日系人の店にあづけてくれたのだ。3〜4日待ってくれ。手紙読んでくれ。ハルは手紙着くの待っている。つづく。これはハルさん、余裕が出来たら調べるべきでしたね。
郵政ドラマ第2弾ですね。最初は金曜日の「ずっと遭いたい」でしたが・・・手紙にお金を入れることはやめましょう、こんな結論ではないはずだ。ドラマは予想通りでした。これだけ番宣しているから、大体の感じは分かる。父役の村田雄浩さんも、スタパに出たのを見ていました。森さんが登場したのはかなり前なので忘れましたが・・・。確かに撮影は大変だったろうな。神戸の船のシーンもまんまだった。大きな船で、衣装もそれなりでした。役者さんは、予想通りでした。森さんは汚していたが、森さんだ。野際さんはまさしくぴったりですね。見事な対比的なキャラ分けしていました。橋田さんはわかりやすいキャラ設定にしてドラマを広げますね。子役も見事でしたね。微妙に似ている。ハルは情けない顔でしたが、これがぴったりでした。ただ、栄養失調を演じられませんでした。平成の役者さんには無理ですね。ナツの志田さんは、「女王の教室」の和美ちゃんのキャラが残っていた。和美ちゃん、目覚めなさい、と叫んでしまった、爆。でも、いい演技でしたね。多分、こちらの方が先に撮影したのでしょうね。北海道も、ブラジルも凄い絵でした。NHKかなり金をかけたのでしょうね。村田さんと姿さんの夫婦はよかった。ただ、姿さんは美しい。何で、村田さんの妻なんだ。これから、予想通りの展開になるのでしょうが、それでも画像やセットや衣装や、様々な分野の結集したドラマを見せてくれるのでしょうね。楽しみましょう。まずは★3つの平均点です。