最後の忠臣蔵   NHK   金  21時 


原作:池宮彰一郎、  脚本:ジェームス三木、  音楽:宇崎竜童、  主題歌「雪燃えて」五木ひろし

寺坂吉右衛門(ここでは吉と略す):上川隆也、  背尾孫左衛門(ここでは孫と略す):香川照之、  篠:和久井映見、
大石りく(大石内蔵助の妻):平淑恵、  吉田菊(吉田忠左衛門の妻):伊藤栄子、  
一文字屋:鈴木正幸、  小雪:三林京子、
進藤源四郎:江守徹、  天川屋儀兵衛:津川雅彦、

仙石伯耆守…神山 繁  柳沢吉保…田村 亮 徳川家宣…榎木孝明
 



もう難しい関係と、名前で分からないぞ。NHKの公式HPから参考にする。
天川屋は赤穂との塩の取引で儲け、大石からも金を預かって、討ち入り後の経済的な支援の中心なので、吉などに援助をしてくれる。
進藤は元赤穂浅野家家臣で大石の親戚、近藤家に仕官して、近衛家の家老をしている。大石亡き後、赤穂藩の政治的中心となる。柳沢に戦いを挑む。
家宣は6代目将軍で、生類憐れみの令を廃し、柳沢吉保を罷免する。将軍交代で赤穂浪士の意地が赦免となる。
小雪は、各務八右衛門の妻、京五条若宮八幡前の茶屋「草の葉」の女将で、吉や篠の力となる。
大石りくは、大石の妻、討ち入り前に離縁されたが、藩士の家族の相談役である。
吉田菊は、吉田忠左衛門の妻、かっての家来である吉を優しく迎える。



最後の忠臣蔵★★★★  6話最終回  「花嫁の父」  12月10日放送

享保3年の春、大和郡山で、吉は墓の掃除をしている。嫁も貰わず、仕官もせず隠居の生活みたいに暮らしているのだ。そこに天川屋がやってくる。来年は赤穂義士の17回忌を法要する。世話人になってくれ、大石様ご指名の生き証人だ、仙人になるのは早いと言う。タイトル。
5月、大坂天満の天川屋で、大野黒兵衛で、今は商売をしている。世話人の筆頭が進藤様だが誰かで、苦情をいうのだ。大坂組と京都組で面目がどうのこうの、と喧嘩になる。天川屋も、啖呵を切る。吉は前途多難だ、天川屋「必ず折れてくる、あんな御仁ほど肝が小さい」と断言する。呼ばれて、茶屋と一席を共にする。茶屋四郎次郎の息子の修一郎が、女の見初めたのだ。姫のお供が孫だった、大石様の息女ではないだろうか。孫がせかして立ち去った。そこで、あの姫様が大石様の息女なら、息子の嫁にしたい。嫁を貰って隠居したいが、息子が縁談を断るという。天川屋は城代家老の娘だよ、吉「お可留さんはなくなるときに、娘は町屋に嫁に行かせたいと言ったので、大丈夫だ、だが、孫はお可音の素状を隠している」という。
吉は馬で、孫を訪ねる。笛を吹く女性に会い、名乗る。9年前に一晩泊めて貰ったことを告げると、お可音の表情が和んだ。孫に会う。吉「お可音様に会った、美しさに感じ入った、よくぞ育て上げた、頭が下がる、して、お可音様をどうする気じゃ、尼寺に生かすわけでは」。孫@時が来ればしかるところに嫁がせる」。吉「時は来ている、茶屋四郎次郎の息子が一目惚れをした、恋の病に取り憑かれた、縁組みの仲立ちを頼まれた」。孫「偽りをいうな、茶屋家は京でも1,2の豪商だ、素性の知れぬ娘を跡取りの嫁にするわけがない」。吉「素性は知れている、大石様の御息女なら」。孫は立ち上がり「お主喋ったな」。吉「喋って何が悪い」。孫「裏切り者」と斧を握ると襲いかかる。孫は「素性を明かさぬのが、大石様との約束じゃ、縁組みを断る」と怒る。吉「お可音様の幸せを考えろ」。孫「茶屋のせがれごときに」。吉「大石様もご満足、気は確かか」。孫「帰れ」。吉「手放すのが惜しくなったか、まさか横恋慕ではあるまいな」。孫は斧を振り下ろす。お可音が「錯乱いたすのでない、どうした」と止めに入る。孫は座り込み泣き尽くすこれには貰い泣きしてしまったよ、そう考えても孫の言うことに道理がある。大石様との最後の約束を死ぬまで守っていくつもりだったのに、吉はあっさり否定するのだもの。全人生を否定されたも同然だ。
茶屋が孫が訪れて、有り難く受けるとの口上であった。孫は作法通りで慇懃だった孫の願いは「大石様の子としての婚儀は本家にはばかりがある、表向きは可音様をしるべき方の養女として」。それを聞いて天川屋は進藤様に頼もうと決めた。孫の希望は「祝言の日取りを2月4日、大石様の17回忌法要に日にしたい、供養になる」。吉「大石様の法要に列席できないお可音様を不憫に思ってのことでしょう、手塩に掛けたお可音を手放すのは辛かろう」。天川屋「茶屋家で孫を封建人として引き取ったらと勧めた」。茶屋もそういったが、孫は断ったという。孫「余計な物が付いていっては足手まといになる、私は一人になりたい、16年卑怯者とさげすまれ生きているうちに、私の心はねじくれていました、気づかせてくれたのは吉です」。自分の心を見つめ直すと言ったのだ。吉が相談に乗ろうと話す。
2月4日瑞光院で、法要が行われ、進藤が仕切る。りくと息子大三郎が参加する。浅野からも供養料を貰ったことを報告する。大坂が席順が気にくわないと参加を拒否している。京の侍組と大坂の商人組で諍いする。そこに進藤が来て「目くそ、鼻くその争いをやめろ、望みなら、大野氏に上席を譲る」。大野「その儀は」。進藤「内蔵助氏は最後にこう言うた、町屋村衆のものには、商いの用だてをせよ、士分を望むものにはクギョウボウコウの道を開いて上げよ、赤穂浅野に仕えた者の心は一つじゃ、助け合い励ましおうて生き抜くべし、これほどのお人が何処にいる、その法要に角突き合わせ、恥じるところがない、かかる醜態に46士に顔向けできないで詫びるが、如何に」と啖呵を切るとまとまり法要が始まった。
夕方、白無垢のお可音は位牌に手を合わせる。孫は母が大石様に作った着物を差し出し、引き出物にしなさい。おじじ様からは長持ち一棹を頂戴した。おじじ「身内が何もしてやれずに」と泣く。お可音「孫、そなたの忠義は生涯忘れぬ、父に代わってお礼を申すぞ」と深々と頭を下げるここでも泣けましたね。籠に揺られて輿入れする。そして吉がやって来て、同行する。道に浅野家の家臣がそれぞれ、道中に待って同行を願う。可音は「皆様のお心使い嬉しい、熱く御礼申し上げる」と言う。次々に元家臣が参加する。列は長い長いものとなった。孫「お主の仕掛けか」。吉「進藤様の・・」。茶屋家に着き、お可音は籠を降りる。婚礼が行われる。天川屋が媒酌人を務める。進藤「可音さんには父が3人いる、実父は大石様、養父はこの進藤、そして育ての親は孫だ、孫をねぎらいたい」。茶屋も天川屋も喜び、孫を連れてくるように吉に命ずるが、孫はいない。吉は探す。外まで探す。婚礼は進んでいく。吉が孫の家まで戻ると、孫は位牌の前に座っている。吉「婚礼の最中にいなくなるとは」。しかし孫は自腹を召している。薄れゆく意識で「済まぬ、腹を切った」。吉「あほう」。孫「遅ればせながら大石様のお供をする」。吉「何と言うことを」。孫「やっと終わった、思えば長い生涯であった」と言い果てる。吉は大声と涙で呼びかける。外は由季が舞っていた。
享保5年5月大和郡山で、相変わらず墓守をしていると、篠が孫の墓参りにきた。吉「追い腹を切った、役目を終えた孫は抜け殻同然となり、大石様のあとを追った、同じ抜け殻でも私は死にきれずにいる」。篠「死ぬるばかりが忠義でしょうか、折角の命何故粗末にする、身内の悲しみはどうなる、兄を失い、あなたを失い、主人を失いました、それでも生きています」。吉「主人は?」。篠「一昨年亡くなりました」。雨が降る寺の縁で、吉は篠に14年前に江戸から帰るときに駿府で買った簪(かんざし)を渡す。吉「京に帰るとそなたは姿をくらましていた、もろうてくれぬか」。篠「厭です、昔のことは思い出したくない、それよりも何故、一緒に暮らそうというては下さらぬのか、あなたは言いました、もしも生きて帰れば、大和郡山で静かに暮らそうと」。吉「私はもう」。篠「また私を捨てるのですか、卑怯者」と抱きつく。おしまい。
何と篠は二人の男と結婚して、吉とも以前一緒だった。男なしでは生きていけない、あばずれじゃないか。しかも結構年とったのに、やる気満々だよ。恐ろしや、興ざめすべきか、エロさに乾杯すべきか。おじさんはエロが好きだけど、ちょっと手放しでは楽しめなかった。しかし、孫は見事だった。お可音と共に生きた時間は別の人生だったのだ。お可音が嫁ぎ、役目を終えて去った時に、大石との時間が戻って来たのだ。侍の時間が戻り、46士との思いに連れ立っていくことになったのだ。昔の男、あるいは侍は建前で生きて、建前に死んでいけるものなのですね。そこが悲しくも泣かされた。香川さん、上川さん、いい演技でした。お可音の水橋貴巳さん、気品がありました。ただ、婚礼の所では、顔をもっと照明を当てって綺麗に取って上げて欲しかったです。リアルさを優先して、顔が暗かったです。残念です。忠臣蔵の後日記が、人の営みがある以上続いていたのですね。初回の凄さに圧倒されて、中だるみもあったが、最後に法要と婚礼で締まりました。



最後の忠臣蔵★★★★  5話 「忘れがたみ」  12月3日放送

吉はおかまいなしとなった。吉は天川屋と進藤に顔を見せる。進藤は「お前の御陰で遠島の子供も帰ってくることが出来た、大手柄だ」と喜んでいる。天川屋「男をあげた」。進藤はマザコンの綱吉の前での恩赦の一件と首尾を話す。吉は、小雪の店に行くが、篠は店を辞めていた。小雪「生けていたのですか」。吉「篠は今はどこに」。小雪「篠は諦めて、一旦捨てた女は戻ってきしません、打ち首覚悟で自首した、噂では大島流罪だとか、篠には捨てられたも同然だ、もう手遅れだ、あんな別嬪さん、男がほっときません、所司代の役人に口説き落とされ嫁に参りました」。吉「裏切ったか」。小雪「裏切ったのは、寺坂さんでしょう、後妻の口を勧めたのはうちです、折角掴んだ幸せをそっと包んであげなさい、お願いします」。吉は江戸で買った簪を川に捨てようとすると、篠が登場して、抱き寄ってきた。いや、夜鷹の女だった。
宝永4年張る大和郡山へ、吉は向かう。吉田菊にお礼の挨拶に来たのだ。次男伝内は仏門に入っていた。吉田家は先代で終わった。そこに本多の家臣伊藤がやって来た。殿のお目通りを申しつける。仕官のできると勧めるが、吉は辞退する、見舞いも残っている。白河と常陸も残っているのだ。宝永6年1月10日綱吉が死去する。葬儀の予定が告げられる。6代将軍は家宣だ。所信を述べる。側用人の松平2名を解く、遺言で柳沢吉保だけを残す。但し、将軍への物言に吉保の取り次ぎは不要だ。老中や若年寄りは直々に話して良い。金銭の流通を滞らせる大銭の鋳造を取りやめる。生類憐れみの令は直ちに取りやめる。吉保は、遺言では100年の後まで続けよとあった。家宣「悪政は改めなければならない」。家宣だけは生類憐れみの令を守るが、民は許す。吉保「それがしは、綱吉公に仕えてきた、剃髪したい」。老中「重臣の剃髪は例がないので、許されない」。家宣「葬儀での剃髪は許さないが、葬儀後の剃髪は、そちの気ままにせよ、大儀」と立ち去る。吉保は飾りになったのだ。
5月、大阪天川屋、賄賂禁止、贅沢禁止令をだして、柳沢は隠居した。吉「大石様の勝ちですな」。天川屋「大石様の3男は浅野の本家に1500石で召し上げられた、浅野大学様は500石でお旗本に返り咲いた、お天道様はなにもかもお見通しだ、寺坂さんも良いことがありますよ」。吉「私はもう46です、足腰も弱くなった」。天川屋「もう一花咲かせなさい」。天川屋の床の間に花瓶があった、吉「大石様から譲られた物かきく」。天川屋「茶屋四郎のものを120両で譲り受けた物です、南宋の砧ですな」。吉「大石様も同じ事を言うた」。吉は大学の一行の見送りにはせ参じる。大学は「進藤から聞いている、良い家臣を持った、用が済んだら江戸に参れ、ワシもお前のような家臣を持ちたい、さらばじゃ」。
茶屋四郎次郎(江原真一郎さん)は花瓶を持っている。「見れば見るほど味わいがある、手放すのではなかった、200両でも買い戻したい」。天川屋「寺坂殿は、この花生けの出場所を知りたいのだ、売り主を知りたい」、茶屋「それは分かりません、古物屋から譲り受けた、箱書きも由緒書もなかった」。天川屋「これは大石様の持ち物ではないか」。茶屋「それなら300両でも」。吉「その古道具屋を知りたいが」。茶屋「何と言うたかな、刈屋孫兵衛」。吉「えぇーい」。天川屋「お可留様の墓を建てたのが刈屋孫兵衛だった、どんな男でしたか」。茶屋「色浅黒く、実直そうで、歳は45、6か、年に2,3回フラリと来るだけだ」。吉「それは背尾孫左衛門だと思われる」。天川屋「討ち入りの前夜に逃亡した、大石様の家来だ」。
上善寺に墓参りに行く。茶屋は一文字屋に聞く。茶屋「将軍も変わった、びくびくしなくていい、大いばりで良い、この方は後かたづけをしている、会わせてやれ、悪いようにしない」と言う。一文字屋「お可留が産んだ子はおなごです、その子は知りません」。吉はとある一軒家を訪ねる。尼に入れて貰う。尼寺は焼けた、墓守だけしているのだ。そこに女の子が出てきて「孫ざじゃないのか」。吉「雨宿りさせて貰っています」。食事までご馳走になっていると、孫が帰って帰ってくる。吉「俺だ」。孫「吉、何しに来た」。吉「7年もの間、お主を捜していた」。孫「何のために」。吉「お主の性根を聞きたかった、前日逐電した、何故じゃ」。孫「今更ゆうてもしかたない」。孫は冷たく帰れと言う。吉はお可留の墓の話しもする、あの子は大石様の忘れ形見じゃな、と聞く。さすがに孫も涙目になってくる。孫は会わせてくれる。孫「誰にも言うな、大石様の面目に関わる、討ち入りの前日、大石様に呼ばれた、そして京に帰り、お可留を助けるように、頼まれたのだ。回想で、大石「お可留には帰る所がない、どう暮らすか心残りだ、未練かも知れないが、気に掛かる、煩悩に苦しめられる、浪士は50名いるが、大石の家来は、お前しかいないすまぬが悪い主を持ったと思ってくれ」。孫「切なくて、やるせなかった、あの人のために死ねると思ったが、生きよと言われた」。そして、大石「100両と家と家財道具を売り払って、暮らせよ。時が車で素性を隠し、この事は誰に言うな、重臣や身内にも言うや、頼むぞ」。京に来て、住まいを変えて暮らした。お可留様は食事が通らなかった。切腹の方もあった、陰膳を備えていた、出産でお可音様は生まれた。しかし産後の肥立ちが悪く、破傷風で20歳で亡くなった、最後に「可音のことを頼みます、旦那さまには申し訳ないが、可音は町屋に嫁がせたい」と言ったのだ。吉は二つの位牌に祈る。孫は生まれた子を抱えて、貰い乳を貰った、子守で働けないので蓄えが減った。庵主様が見かねて、面倒を見てくれた。そして孫は古道具屋で商いを覚えた。店はないが、骨董屋としてやっていった。吉は大石の花生けを茶屋に売ったことを話すと、孫も分かったようだ。孫は「売ったことを咎めるのか、俺は地べたを這って生きてきた」と怒り出す。吉「苦労を分かち合おう、俺も大石様の遺命を受けて生き残った、似たもの同士だ」。孫「同類なものか、大違いだ、お前は討ち入った、47番目の義士として、天下に名をはせた、俺は逃亡した臆病者として悪し様にされている、一生惨めに隠れて暮らさねばならない、俺一人貧乏くじを引かされた、正直言って、俺は大石様を怨みたい、憎いと思ったこともあった、外に生まれた子を面倒見なきゃいけないのか、一生棒に振った、忠義のタメなら何でも許されるのか」。吉「分けて行こう、今は6代将軍で家宣の世だ」。孫「世の中はすぐまだ変わる、誰も信用出来ぬ、誰にも言うなと言った、それを反古にすれば、これまで生きてきた甲斐がない」。そこに可音が来た。吉も挨拶する。吉は朝に出立する。可音「またおいでなされ」。去る吉に孫は「2度と来るな、もし喋ったら生かしておかぬ」。吉「あい、分かった」。
最後の孫と吉の再会と思いのたけの言葉は無念さを吐露しましたね。汚名と受けながら、外の女の世話をする。悲しいことだ。この物語も、目的の所まで来ました。来週は最終回だ。今週は出なかった、篠も登場するのかな。



最後の忠臣蔵★★★★  4話   11月26日

吉は篠を小雪に任せて、江戸に立つ。篠は「命を捨てにいくんや、私は待ちません、勝手に死んで下さい、じっと待つのがどんなに辛いか、あなたには分からないのです、私は待ちません、もうこりごりや」と言い放つ。天川屋には「負けたらあきまへん、単身乗り込んで、柳沢に喧嘩を仕掛けるのだ、男として晴れがましい花道だ、大芝居うってくれや、近衛様がついている、切腹した46士の霊魂が憑いている」と激励され見送られる
箱根を越えて鎌倉の明石屋敷に着く。女将「此度は何をなさいます、大石様と同じ目だ」。吉「分かるか、大石様はこうおしゃった、人は生まれ、やがて死ぬ、死ぬるからには生き甲斐を尽くして死ねと、女将に聞きたい、女の生き甲斐とは、京に篠という女を置いてきた、討ち入り前に逃亡した孫の妹だ、篠とは祝言を上げるはずだったが、浅野家断絶と討ち入りのため、赤穂に置き去りにした、そして巡り会い、京で共に暮らした、惚れた女と2度も別れるのは辛かった」。女将「可哀想に」。吉「心残りは篠を泣かせたことだ」。女将「私の胸の中には今も大石様が生きている、たった一夜ですが、私は大石様の情けを受けました、その思い出が一生の支えです、人は死んでも誰かの中で生き続ける事ができる」。吉「女将の言葉、あの世で大石様にお伝えしよう」。女将「それには及びません、大石様には他にも思われる方が大勢いましたから」。笑い。吉「かたじけない、御陰で吹っ切れた」。
宝永3年1カ月5日泉岳寺、吉は墓を参る。そこに夫婦やたくさんのものが墓参りしている。そして、大目付仙石様の屋敷に入る。播州赤穂の寺坂吉衛門ですと名乗る。近衛家の道中手形をもっていたので、間違いない。大目付に会い。吉「子細あって抜けて諸国を放浪していた」。目付「なぜ、今頃のこのこ現れた」。吉「天下の大法にそむきし罪なんとも大きく、お裁きを受けるため、自首仕った」。目付「そちの一存ではあるまい、誰にそそのかされた」。吉「同士一党に対し、死に後れしこと遺憾、手前の一存です」。屋敷に留め置き、粗略に扱うな。柳沢吉保と目付は話す。進藤がいて、仕掛けられた。柳沢「とんだ火種をうけもった、未然に捕まえよといったのに」。目付「追い腹を」。柳沢「時遅し、赤穂浪士の人気が高まっている、切腹させたら公儀の威信は落ちる、しかし許せば大石らの処分がは柳沢の落ち度だと議論が蒸し返される、上手く急所をついてきた、閉じこめておけ、仕掛けた方の馬脚が現れるのを待つ」。2月、5代将軍綱吉は柳沢と話す。吉の処遇を聞く。綱吉「江戸の町内でも、女どもも大騒ぎだ。広く意見を求めて慎重に決めねば、浅野匠の守の切腹は早きに逸したのではないか」、柳沢「殿中の人情は大罪です、吉良邸への討ち入りは公儀への反逆です」。綱吉「世の中は義士じゃ、忠臣じゃと持ち上げている」。
目付の屋敷で吉は食事しながら話す。目付「数合わせをしたが、数が合わない、大石は何というた」。家臣「軽ろき身分の者ゆえ、うろたえての仕儀、詮議なきように」。目付「そこで討ち入りは46人とした、ところがいつの間にか、お前の名が世間に漏れ、本人が自首してくれば、ワシの立場がない、まあ飲まんか、上様の声がかりで、五手係?評定となった、総掛かりだ」。吉「切腹を望んでいる」。目付「公儀の都合がある」。酒を一緒に飲む。
六義園(柳沢の私邸)で、柳沢「奇妙な事件ははじめてじゃ、足軽一人に五手係とは」。岨来(笹野高史さん)「影で操る御仁が居る、評定がつきかねている、赤穂の旧家中、最近、重臣は西の丸詣だ、家允公の信任あつい間部あき房、農学者上がりだが、側用人となりましょう、赤穂の断罪は正しいと考えています、非理法権天という言葉がある、非道は道理に如かず、道理は法に如かず、而して法を運用いたすは権力だ、公儀の権力で決めたことにくちばしを挟むのは許されません、ただし、如何なる権力も天にはかないません、よもや、鶴姫様と綱教様が他界あそばし、コウシュウ様次におなりなさるとは・・」。
目付は評定所の意見はまとまった。罪一等減じて遠島だ。目付「ワシは無罪を言ったが、明日にも大老が上様の決済を伺う、今のうちに上手い者を食っておけ」。柳沢は間部に会う。近衛様が来て、忙しいので、吉の一件は返答を猶予くださいとの事です。夜の闇で、吉は「遠島では話しにならない」と呟く。回想で篠の言葉を思い出す。江戸城に近衛家ひろ様がおなりになる。家宣も一緒だ。綱吉は母の話になり、マザコンぶりを発揮する。近衛は母の追悼は寺院を造るばかりではない、冠位を増やすことだ。同行した進藤源四郎が、綱吉の母の従1位を申し込んではいかがですかと進言する。盛大な1周忌に、家宣は大赦例は如何だ、と進言する。マザコン綱吉は大喜びだ。吉も大赦で帳消しだ、と進言する大成功だ。
目付の家で、吉に遠島は差し戻しで大赦令で、お前は無罪で、遠島組も帰国も許された。目付「大した物じゃ、一介の足軽が・・」。6月15日増上寺での法要盛大であった。8月遺児は放免された。柳沢は目付に「そちの好きなようにすればいい」。目付は「お構いなしだ」。吉「大変お世話になりました」。目付「ワシに仕えないか、100石でどうじゃ」。吉「まだ、やり残したことがある、ご恩は一生忘れません」。目付は「吉良邸に討ち入った者は47士だ、書き置きを全て書き直せ」と命令する。吉が目付の屋敷を出ると、元の吉良の残党が勝負を挑んできた。残党「負け犬の遠吠えだが、恨みの一太刀を交えたい」。刀を抜いて戦う。そして著中で、ここまでにしてくれ、気が晴れた。左手はなかった。堀部に切りと落とされた。「この手を見ると腹が立った、やっとすっきりした、すまん」。帰り道で、吉は簪(かんざし)を買い求める。つづく。
やはり漢字が難しい。言葉が難しい。間違いは容赦下さい。非理法権天には感心しました。井kなる権力も天にはなかわないのだ。天とはなんだろう、宿命、運命、流れ、神とでも言うべきものか。こうして吉は戦わずして、勝った。政治の力で勝ったのだ。吉の大きな仕事がひとつ終わった。来週は孫さんも登場していた。次の仕事になるのですね。とにかく上川さんの立ち居振る舞い、殺陣も安心して見られる。時代劇を安心して見ていられる役者さんの一人です。しかも高橋英樹さんたちのように、型にはまりすぎていない。なんだか自然な新鮮な印象が残ります。評価アップだ。一つの山場だもの



最後の忠臣蔵★★★  3話 「男と女」

吉右衛門(以後、吉と表記する)は篠の夫と立ち会いすることになった。夫は剣術の指南もやっている使い手だ。吉はまたも逃げたとあざけりを受けるのは避けたかった。篠との離縁が条件だ、果たし合いは藩の掟で禁じられている。そこで、これは剣術の練習だということに立会人とも決める。その時、吉右衛門は孫右衛門(以後、孫と表記する)を名乗っていたのだが、本当の名を名乗り、方便だと吉は言い切ってしまう。果たし合いの殺陣が始まる、吉右衛門は腰を構えて、臍に向かっている。捨て身で相打ちを狙っている。相手も打ち込めない。立会人が引き分けを宣言する。吉と篠は連れだって、京へ向かう。進藤(江守さん)に挨拶する。吉はまだ11家族の訪問が残っていると報告する。そして吉は進藤の背中をかきながら、願い事を言う。吉は、公儀隠密に狙われているので、京にいたいと願う。そして長屋を借りたい。進藤は承知し、「隠れるなら大石流でおなごと一緒がいい」と助言される。吉はすでにいる。狭い長屋での二人の生活が始まる。別れて3年目にして、討ち入り、輿入れと離縁を、乗りこえたのだ。「もう離さない」。カガミの妻小雪の店に孫右衛門の行方を聞く。小雪の夫は無謀な企てだと言っている。長岡天神の近くで2度見かけた。
二人は訪ねると、そこは大石の隠れ家だった。吉は進藤から豊岡まで言ってくれと頼まれた。進藤は現状を説明する。遠島で耐えきれない者で死人も出ている。それに、大石の仏門に入った次男が15歳になった。そこでまた遠島になるかもしれない。これ以上被害者を出したくない。色々説明されたが、図表でないと分からない。とにかく、次期将軍が味方してくれるだろう。そして、長岡天神でお可留と大石は一緒だったと、聞かされて一文字屋を訪ねるが、「しりまへんで」と回答拒否だ。吉は篠に10日ほど留守にするという。また小雪に相談するようにいう。小雪は店で働かないかと言われた。篠は一人になるので不安で震えて涙目だ
1か月後、近衛家で吉は会う。残された家族が集まる会だ。天川屋(津川さん)も来て、吉と話す。吉田忠左衛門の奥方も来ている。そこに進藤がきて、守備は上々で、遠島の御赦免の手はずがつきそうだ。赤穂が潤ったのは天川屋が塩の売買を上手くやってくれたからだ。大石と天川屋はもちつもたれつだったのだ。戸山の局(大石瀬左衛門の母)、60人が雇ってくれたのだ。吉田菊(吉田忠左衛門の妻、伊藤栄子さん)の面々に、吉は挨拶をする。菊「内は46番目でよ、大和郡山に来られ」。景勝院が亡くなられ、御赦免が行われるので、精進しようと言うことになる。
吉は大石はお可留に行く末を金を与えて、孫に託したのだ。しかし、1年後にお可留は死んだ。篠は死んだなら墓があるはずだという。一文字屋に訪ねて墓の在処をききだした。今出川千本の上善寺に吉と篠は訪ねる。墓には銘があり、20歳で死んでいた。大石は京では久右衛門と名乗っていたのだ。二人は手を合わせる。墓を作ったのは刈屋孫兵衛だった。ひょっとして孫だ。寺で調べると、申し上げられないと言う。ご公儀の目を恐れているのだ。吉は月命日の3日に待ち伏せするしかない。篠は、便りがないので見捨てられた、腹が立ってきた。兄はいなくても、あなたがいます。ラブラブだ。進藤と天川屋のところに吉がやってくる。御赦免の攻勢は柳沢の策略で効果がないようだ。そこで柳沢と戦うというのだ。天川屋は今でも柳沢は吉を探している。そこで大目付に自首するのだ。世論が忠義に燃えている時は、処置に困るだろう。切腹はさせられない。そこで吉も赦免して、遠島処分も赦免することになるだろう。もう少し考えてみる。進藤は命は捨ててかからないといけない。情に忍びない。吉はすでに捨てた命だ、悔いはないと即答する。赤穂浪士の面目に掛けてやり遂げる。
夢で孫が登場して、江戸には行くなと助言している。吉は自首する、公儀に名乗り出るのだ。篠に説明する。篠は「その場で殺される、篠はどうするのです、3年前も聞いた」。吉「ここで逃げては男が廃る」。篠「あなたは言いました、易々と死んではならぬと」。吉「死ぬとは限らぬ、無事に帰ったら大和郡山に行こう、今度こそ祝言を上げて暮らそう」。篠「絵空事を聞きたくはありません」。吉「今でも、大石様の気持ちが分かる、惚れたお可留を京に残していくのは辛かったか」。篠「男の身勝手です、一人の殿様のために何故多くお家臣が命を捨てなければいけないのですか」。吉「侍とはそういうものだ」。篠は包丁を持って「侍は嫌いです、江戸へは行かせませぬ、どうしても行くなら、あなたを殺して、私も死にます、嘘つき、もう話さないというたではありませぬか」。吉は「落ち着け」と包丁を奪い取る。篠「私は弱い女です、一人では生きていけませぬ」と抱きつき泣く。つづく。


最後の忠臣蔵★★★  2話  「無念の逃亡」

元禄15年暮れ、鎌倉 明石茶屋に寺坂吉右衛門は女将「きよ」に世話をうける。吉右衛門は残された一党に説明をしないといけないと話す。そこで吉右衛門は大石たちがまだ切腹していないことを知る。大石内蔵助は細川家が預かっていた。吉右衛門は雪の残る山道を歩き、小田原関所を越える。いつ撮影したのだろうか、今年の冬だろうか。好意的に接遇される。江戸城では論議が交わされる。林大学は武家の忠義を評価する。萩生粗来〔漢字なく似せ字です、笹野高史さん))は騒乱を問題にする。大阪天川屋(津川雅彦さん)に大石は8000両を預かったので、吉右衛門は優遇される。、孫右衛門の消息を聞くが、天川屋は多い酢の密命を受けていることを示唆する。そこに、46名が切腹した知らせが入る。そこに奉行がやってくる。天川屋は四国で武具を買い集めて、大石に売ったといわれた。天川屋は啖呵を切って捕らえられた。巷では、瓦版でも面白く語られる、一族の子供などが島流しになった事を知る。吉右衛門は赤穂、草田村に入る。かっての仲間は武士を捨てている、そこで、一党は皆ちりじりだ、と知らされる。しかも噂では、吉右衛門は討ち入り前に逃げたことになっている。皆に石で殴られるぞといわれる。事情を説明すると、少し理解してくれたようだ。そして篠は嫁に行ったとの消息を聞く。。
元禄17年3月芸州広島。吉右衛門は謹慎中の浅野大学に目通りする。慰労を受ける。そして、相談相手になってくれと頼まれる。息子を島流しに遭った4家族は力を落としているだろう。励ましてやれと命じられた。宝永元年4月、つる姫が死んだことが5代将軍綱吉は驚き悲しむ。後継の有力が変わることになる。今度は浅野贔屓だここらの事情はよく分からないまま、過ぎていった。柳沢は47番目の吉右衛門を探し出し口を封じろという。それは浅野にも命令が来る。吉右衛門は逗留できなくなった。本家に迷惑を掛けられないので、姿をくらましてくれ、しかし生き延びてくれといわれる。流浪の旅に出る。夜道でも、追っ手に詮議され迫られる。無手勝流で逃げた。勢いですね。吉右衛門は篠のところにやって来た。再会する。孫左右衛門のことを聞きたいのだ。篠の後ろには姑の目があった。しかし、篠は方光院で吉右衛門と会う。篠は「孫右衛門は、怖くて逃げた、殺された」と答える。吉右衛門はよんどころない事情があるのだろうと言う。篠「兄を怨む、私もあざけられた」と言う。そして篠は「どうして私の行く末を聞かない」と言う。そして篠は逃げ出した裏切り者の身内を貰ったと旦那に殴られた傷を見せる。離縁状まで突きつけられた。しかし「篠には行くところがない、不憫と思うなら、どこへでも連れて行かれ」と言う。抱き合う二人に篠の旦那が来る。吉右衛門は引き取るという。お詫びすると告げる、大石はうつけ者だ。明石のへっぽこ侍と果たし合いをしろという。試してみるだけだと言う。旦那は剣術の使い手だ。
回想シーンが結構たくさん入って、次の展開に行くための、中だるみでしょうか。ちょっと説明的な部分が多くて、中味が薄くなっている印象だ。ちょっと残念だが、ドラマ的には終盤まで持って行くためには、必要な部分だ。