Logicool
MouseMan


(注意:今回の紹介はハードウェアの作りに主眼を置いているため、ドライバの検証はあまりしていません。あしからずや)

 本日皆様に紹介するマウスは、Logicool(米Logitech)の「MouseMan」です。MouseManという商品名シリーズは、 Logicoolの中でフラグシップな位置づけをされることが多くあり、堅実な作りと少し変わったデザインで皆様に愛されております。ですがドライバが劣 悪粗悪で可哀相なマウスです。一例を挙げると、第3のボタンに「アプリケーションの終了」を割り当てても、実際には機能しないことが多々あります。本来 Alt+F4を実行するだけなら、他のアプリケーションを終了してデスクトップ上でAlt+F4を押せば「Windowsの終了」となるハズですが、 Logicool(米Logitech)のマウスウェアは99%そうはなりません。でもなぜか1%くらいの確率で「Windowsの終了」画面が出てきた りします。

 さて、今回取り上げるMouseManは、確か日本限定モデルで、マウス側面の親指が当たる部分に、ソニーのVAIOと似ている色のプラスチックを使っ た4ボタンホイールなしマウスです。米LogitechでMouseManというと、普通はおにぎり型の3ボタンホイールなしマウスを指します。ただ日本 では今回のマウスにMouseManと名付け、おにぎり型3ボタンホイールなしマウスは「MouseMan96」と名前を付けて区別したみたいです。でも 3ボタンホイールなしマウスを「MouseMan」として紹介しているカタログもあり、ここいら辺Logicool内部でも把握できていないみたいです。

   

 上の画像は1998年6月の日付が書かれたカタログの一部をスキャンしたものです。MouseManが「NEW」となっていることが分かります。4ボタ ンホイールなしマウスを「MouseMan」として発売したとき、それまでのMouseMan(3ボタンホイールなしマウス)を「MouseMan96」 と改名したのでしょうか?それはそれで現場は混乱するような…。ところでMouseMan96のロゴマークが古いタイプですね。


   
   

 外観です。写真をご覧になれば分かるかと思いますが、カタログで紹介されているものより、実際には灰色がかっています。また少しザラッとしています。ホ イールつきの「MouseMan+」は真っ白で、ザラザラ感もなく輝いています。さてこの変わった形がMouseManの特徴で、とても握りやすいので す。右側が高く、左側が低く、右手専用ながら自然な角度を維持します。親指と小指が当たる部分にブツブツがあり滑りにくい、ボタンが中心に向かって微妙に 窪んでいて指を置きやすい、など特徴を挙げればキリがありません。


   

 マウス側面です。親指が当たる紫色部分はプラスチックです。ホイールボタン付きで、この部分がラバーになっている「MouseManWheel」という マウスがありますが、それはおそらく米Logitechで最高傑作なのではないかと思われます。それ以降MouseManWheelの素晴らしい特徴は次 々に失われて行きました。さて、地面すれすれの部分に1つボタンが付いています。このボタンも非常に押しやすく、ポイントは高いです。


   

 内部です。パッと見で分かることは、基板が2枚であること、フラットケーブルを用いて両者を繋いでいるということです。マウスに基板を2枚も使ったり、 フラットケーブルを用いたり、かなり高級な作りをしています。ある意味無駄な仕様で高コスト体質に思えますが、じっくり見ると、マウスケーブルが上側の基 板(スイッチが3つある基板)の下を通っていることが分かります。この写真からでは分かりにくいのですが、上側の基板は外側に対応する形で傾斜づけられて おり、左側が高く右側が低くなっています。このお陰もあって、ボタンを押したとき、ストロークの差などの違和感がありません。外観を繕うだけでなく、ここ までコストをかけなければ、真に使いやすいマウスは作れないのでしょう。


   

 ボタン部分の拡大写真です。マイクロスイッチには「OMRON」ではなく「IC」のロゴマークが描かれています。確かMouseManWheelは OMRONだったような…。「IC」ロゴのスイッチは高級品から怪しげなパチモノまで幅広く使われていて、クリック感がありストロークも荷重も適切で、押 し心地はかなりよい部類に入ると思います。(でもピンキリあるでしょうね) ところでGNDがメッシュ状になっていますが、これは何かメリットがあるので しょうか?たまにサウンドカードでも見かけるのですが…?


   

 下側の基板アップ写真です。いや〜、見るにつけ、高級感を感じさせますね。これだけチップ部品を実装するマウスの基板は、多分MouseMan系だけで はないでしょうか?自分でICチップをデザインしているらしい点も考えて、かなりやる気満々です。実は私はMouseMan系のパチモノを見たことがあり ません。存在していないのではないかとさえ思っています。この複雑な構造を真似るのはコストがかさみ過ぎるからです。少し簡素にすると全てを失いそうな気 がします。逆にそれだから米Logitech自身も作りあぐねてMX系に移行してしまったのではないかと。ボタンが増えて光センサーになって電池を内蔵す るようになると、小型化技術も必須になります。そこいら辺に耐えかねてMouseManラインは破棄せざるを得なくなったのではないかと。


   

 親指ボタン付近です。親指ボタンを下側地面すれすれに持ってくることによって、マイクロスイッチを基板に直に取り付けることが可能になっています。無意 味に上部に持ってくると何かと問題が起き、コストに絡んで酷いことになります。二階建てのタクトスイッチになってしまったり、ケーブルで基板と繋げた り…。ボタンを下側に配置すると、間違えて押してしまいそうと感じる方もおられるかもしれませんが、このマウスは普通に握れば親指はブツブツのある側面中 くらいの高さにホールドされます。ですので押し間違いも滅多に起こりません。実装上の困難さをデザインでカバーするという思想は見事です。スイッチは他の 3つと異なりますが、押し心地に問題はなく、愚かしくもタクトスイッチを使うより遙かにマシです。マウスケーブルは7ピンという変わったもので、これが後 述する問題を起こすことになるのでした。


 さて、総括をしてみましょう。実はこのマウス、ほとんど使用できません。元々秋葉原で500円のジャンクとして購入したモノです。ボロボロの外観を見た とき「徹底洗浄すれば使えるかな?」と思い購入して見ました。綺麗にしていざ繋げてみると、カーソルが動かない!あれ?動いた!?おやぁ?また動かない ぞ?!と…。典型的なケーブルの断線症状です。その後数年復活の機会を探っているのですが7本線のケーブルなんて普通ないんですよね。ピンアサインも不明 だし。いかに素晴らしい構造をしたところでホイールはなく、手元にMouseManWheelと並行輸入品のMouseMan+がある以上、無理して修理 してまで使う必要もなく死蔵されています。

 ここまで素晴らしい構造を褒め称えて来ましたが、問題は定価7500円というお値段です。3ボタン目がホイールになっているMouseManWheel は9800円です。やはり昨今は受け入れられないのかな?と思い、ある意味最近のマウスのチープさは仕方ないのかな?とも思います。ですが創業後間もなく にマウス専業メー カとなって発展し、各種マウスで業界をリードしてきた米Logitechにはそれなりの責任があると思ったりもします。また現在のフラグシップモデル MX900は定価11800円だそうで、決して9800円とか7500円とかが受け入れられないわけではなさそうです。人々はあれほどまでたくさんの(押 しにくく且つ押し心地の悪い)ボタンを求めているのでしょうか?ギラギラな塗装を求めているのでしょうか?努力の方向が違うような気がするのは私だけで しょうか?MX系よりもClick!系の方が売れているのは、単純に値段の差だけなのでしょうか?是非ともMouseMan MX(MX MouseMan? MouseMan MX1200?)を発売していただきたいところです。

(最終更新日2004年7月)

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