内部事情3/15版
すべてが白い!もう一ヶ月前にタイムスリップしたように何もかもが雪に覆われていたのだ。山は我々の期待を裏切らなかったのだった。
そして、少年の家へと向かう。下見とはいっても事前に知らせていたわけではないので、あくまでも外からの観察。けれども去年とどこも変わってはいなかった。特に問題はなさそうだ。
そして最も心配していたゲレンデの雪の状態だが、これがまさにパウダースノー!!アスピリンスノー!もう、ウィンタースポーツにはうってつけ、これとない雪の状態。我々の胸は高鳴った。
時刻は5時と少し。6時から打ち上げもあることだしそろそろ引き返すことにした。
しかし、今思えばこのウキウキした気持ちがあの事件を呼び起こしたのかもしれない。
帰り道、もちろん下り坂である。愛知県出身のドライバーはこの目の前に広がる雪の恐怖に気づかなかったのか、坂道をエンジンブレーキもかけずに進んでいく。「おい、大丈夫か?スピードだしすぎじゃない?この先急カーブあるよ。」青森&北海道出身の同乗者が忠告した矢先!。雪の山に突っ込んだのであった。Y字路が曲がりきれなかったのである。幸い雪に突っ込んだだけでけがはなく、車も損傷していなかった。あと1メータ違えば電柱だった。このときほどシートベルトのありがたさと、ぶつかる瞬間のショックのすごさを感じることができた。
「ああ、びっくりした。さあ、早く出ようや!」
ドライバーはバックギアに入れて戻ろうとする。
しかし、駆動輪である前輪がスリップして車はウンともスンともしない。
ちょうどその時近くを散歩していたおじさんに、「車で引っ張ってあげようか?」と親切に言われたにもかかわらず、「いや、大丈夫ですよ。」と強気の返事をしてしまった。このときはまだ、タイヤの下に板でも挟めばすぐに出られると思っていた。やはり雪を甘く見ていたのかもしれない。
トランクにあった使えそうなものをありったけタイヤの下に入れてみる。・・・失敗
近くの木の枝も入れてみる。・・・失敗
ジャッキで車を持ち上げてより深く入れてみる。・・・失敗
手袋をも犠牲にしてみる・・・・・・失敗
・
・
・
試行錯誤を繰り返した。なんと、タイヤは路外に出ていたのだ。雪でカモフラージュされてはいたが・・・。このときほど、このインテグラがFR駆動の車であったら・・・と。
午後6時、もう辺りは暗かった。いやおうもなく寒さが襲う。もう疲れた。打ち上げが始まってしまう。もう、最終手段に出るしかしかたがなかった。
「近くの民家に頼もう!」
なぜもっと早くあの時のおじさんに素直に頼まなかったのであろうか。そう思いながら、自然の怖さと自分たちの力の小ささを感じずに入られなかった。
民家の方は嫌な顔もせず、親切に救出作業を手伝ってくれた。今まで1時間ほどかかって無駄足に終わった作業とは反対に、RV車でのけん引作業はあっという間の出来事。
難なく脱出に成功したのであった。本当にうれしかった。
念を押すようだが本当に親切な方々だった、これは春合宿でもう一度来たときにお礼でもしなきゃとも思った。そう思いながら帰路についた。もちろんほぼエンジンブレーキかけっぱなしの超安全運転で・・・・・。
教訓:「いつも心にエンジンブレーキを!」