11月15日には芸術祭、12月20日には定期演奏会が控え、慌ただしくなってきた今日この頃。われらギターアンサンブルは猛練習の日々を送っています。
とは言っても曲はまだまだ完成には程遠く、曲の表情どころか楽譜を追うだけで精一杯という状況。それに、指揮者を始めとする、3年生の教育学部の5名が、教育実習のため事実上11月中の練習に出られないと言った有り様。
こんな大変な状況を打破すべくあの人がやってきたのであった。
伝説のOB八重樫さん。あまりに伝説なため詳細はよくわかりません(笑)。
ただ一つ断言できるのは、めちゃくちゃギターがうまいということ、音楽に関する知識が半端じゃないということです。
そんな八重樫さんに我々の合奏を指導してくれることになったのでした。
10月25日(土)
1時から始まった練習中にさっそうと八重樫さん登場!相変わらず、まさに芸術家といった風貌であった。
指揮者が1年生に紹介したとき、ちらっとブイサインをのぞかせるなど照れ隠しをしてはいましたが、実際音楽の指導となるととてつもない力を発したのでした。
定期演奏会で弾くことになっているヘンデルの組曲「王宮の花火」。まずはこれを我々が全部通して弾き、八重樫さんに意見を仰ぎました。
一応、こちらの方でもオーケストラが演奏した曲を元に簡単な強弱を付けていたのですが、オーケストラの強弱の付け方とギターの強弱は必ずしも一致するわけではなく、無理と思われる個所も多々あったのです。
指導の仕方にしては
「テクニック的なことよりも、曲の表情の付け方を教える。」
との通り、「ここを強く、ここを弱く」という教え方ではなく。「この小節とこの後ろの小節、どちらの方が盛り上がるかを考えて強弱を付けなさい」という教え方でした。
なんというか、すぐに食べられる魚ではなく、それを取る網を与えられたとでも言いましょうか。
この理論に基づいて実際に強弱を付けてもらったのですが、今までと違い、「なめらか」というか、「自然」というか、そんな感じに変化していきました。
今までは、表情をはっきりするために強弱の差が激しかったのですが、確かに何か無理があるという感じだったのです。
それが目に見えて変わりました。本当に「曲が生きている」という感じにへと変化したのでした。
とは言っても、まだまだ完成には程遠い曲です。しかし、八重樫さんが口癖のように
「テクニックではなく、表情の付け方を教えに来た。」
と言った言葉のように、この指導はこれから生きているものなのだと思いました。
八重樫さん本当にありがとうございました。
なお、この指導の成果は、芸術祭と定期演奏会で見せることが出来ることでしょう。