モルツの避妊手術
モルツは生後8ヶ月の時に避妊手術を受けました。
その時の様子を当時の日記から経過などを紹介。
予定では2週間で完治のはずが1ヶ月もかかってしまいました。
モルツの場合はちょっと好奇心がありすぎたようです。


2001.6.8

以前から獣医さんと相談していた避妊手術をする事に決めました。
当初の予定としては、朝病院にあずけてその日に手術。
普通は経過を診る為に病院に1泊ですが、不安なので2泊にしていただきました。2週間で完治。

前夜「いよいよ明日だ」と思うと「この小さな体のお腹を切るんだ。まだ生後8ヶ月なのに。」と
獣医さんと慎重に相談して決めた事なのに心配になってしまいました。
でも、あの病院なら大丈夫、たくさんのうさぎを診てきて病院でもうさぎを飼っているんだ
そう自分に言い聞かせました。モルツに健康で長生きしてもらえますように。


2001.6.9
朝モルツを病院へあずけに行きました。
看護婦さんにキャリーバックをあずける時に無性に心配になり
「モルツ、いじめるんじゃないからね、頑張ろうね。明後日にはお迎えに来るからね」そう言うと
看護婦さんが「診察時間でもTELしてもらって構わないですからね」と優しく言ってくれました。
モルツの頭をなでて「お願いします」と病院を後にしました。
看護婦さんの一言で何となく安心出来たのでした。

その日の夕方病院にTEL。
あの看護婦さんが「無事に手術終わりましたよ、今はまだ麻酔の関係でフワフワした感じですが、
大丈夫ですよ」と教えてくれました。

TELをきった後、モルパパと2人で「そうか無事終わったのか」とホッとしたのでした。


2001.6.10

朝病院にTEL。
「麻酔が覚めたとき用に野菜をケージに入れておいたんですが、朝見たら全部食べてましたよ。
普通術後はどうしても痛みや違和感があるので食欲が落ちるんですけどね。
麻酔もすっかり覚めて元気にしてますよ」あの看護婦さんが優しく教えてくれました。

TELをきった後、「モルツえらいぞー!」とモルパパとニッコリ。
モルツが野菜好きで良かったぁ。

夕方病院にTEL。
「何度もすみません」と言うと「大丈夫ですよ。モルツちゃん元気にしていますよ」との事。
「明日、お迎えに行きますので、よろしくお願いします」と言ってTELを切りました。
明日、モルツに会えるのが待ちどうしいです。


2001.6.11

病院にお迎えに行くとすぐにモルツを連れて来てくれました。
キャリーバックの中で見上げています。毛艶も悪くない。この時はホッとして帰ってきたのでした。
家に着くとケージの中で術後とは思えないぐらい元気にしています。
しかし事件はすぐに起こりました。

毛繕いをしているのかと思って見ていたら何やらお腹ばかりいじっています。
「プチ、、プチ、、」変な音もたてています。
よくよく見ると傷口を止めている針を歯でかじって引っ張っています。
針も少しゆるくなってきていました。
すぐに病院にTEL。状況を説明すると、「始めのうちは傷口が気になってする事もあるが、
すぐに止めると思いますのでもう少し様子を見て下さい」との事でした。
モルツがお腹を気にし出すと手をお腹に当てて引っ張れないようにしたり、
大きな音をたてて止めさせたり、他の事に気をそらそうと色々試しながら様子を見守りました。


2001.6.12

朝傷口を見ると針が取れている場所もあり、傷口も赤くなってきています。
様子を見守るどころではありません。すぐに病院へ。

「普通は引っ張ると痛いのですぐにやらなくなるし、病院にいた時には全く気にしていなかった」
との事でした。しかたがないので針をやめ、糸で縫っていただきました。
傷口を触れないように首に巻くカラーをお借りして、抗生物質の粉薬を出してもらって
帰って来ました。

カラーを着けていると毛繕いはもちろん、食事も満足に1人ではできません。
トイレに座るのにもクルリと向きを変えられないので、ケージの角に当たりながら
ちょっとづつ移動していつもの位置に座ります。
この時は「無理にトイレ使わなくて良いんだよ、
スノコでしちゃったら何度でも掃除してあげるからね。」と思うのですが,、それは嫌みたいで
トイレでしかしませんでした。
水を飲むのにも口が給水器の飲み口まで届きません。
カラーを少しずらしてあげるとやっと届く位です。
食糞も出来ません、口がおしりに届かないからです。
どうにか食糞をしようとしてもカラーの端に軟糞が付くだけで食べられないのです。
軟糞はうさぎにとって大切な栄養源です。ですから手で軟糞を取り口まで持っていってあげました。
そうするとちゃんと食べてくれました。
ご飯もお皿に口がなかなか届かないので、あまり食べてくれません。
その頃はペレットを主食としていたので2,3粒ずつ摘まんで口元に持っていきました。
そうしてあげればだいたい全部食べてくれました。
粉薬はにんじんを采の目に切りそれにまぶして与えました。

しばらくはモルツから目が離せません。
「モルツもう少しだから一緒に頑張ろうね」これが口癖になりました。

カラーがケージに当たって
飲みにくそう。
カラーを上にずらしてあげて
解消。

2001.6.16

診察の日。
「良好」との事でした。抜糸する事ができました。これでカサブタが取れたら完治です!
カラーもとれて久しぶりにノビノビ。


2001.6.17

朝起きて傷口の確認。事件はまたまた発生。
せっかくできたカサブタを剥がしてしまったのだ。何となく血がにじんでいる。
それに傷口から糸の様な物が出ている。内臓を縫っている糸が出てきてしまったようにも見える。
すぐに病院へ。獣医さんも驚いていらっしゃいました。初めてのケースのようです。
獣医さんが「もう1度切って、縫い直すしかありません。
今度はこんな風にできないように特別な糸を使います。少し高い糸になりますけど良いですか?」

糸の金額が高いのは問題ない。しかし「もう1度切る」この言葉に涙が出てきました。
処置は血が出るので外で待つように言われた、いたたまれず外の車で待つ。
その間2人で一言も言葉は交わさなかった。きっと同じ事を考えていたと思う。

1番最初にもっと注意していればこんな事にはならなかったんじゃないか。
完治するまで病院にあずけておけば良かったんじゃないか。
もっと他にできる事があったんじゃないのか。
あんなに小さな体に何度もメスを入れ、針を通し、本当にモルツの為になってるんだろうか。
「手術自体、自分たちのエゴだったんじゃないのか」とさえ思った。
実際は15分か20分位だったと思うがその時はもの凄く長く感じた。涙をこらえながら待った。

手術を終えた獣医さんの腕は傷だらけで、その腕はモルツの痛みと恐怖心その物だと思った。

カラーと薬をもらって帰ってきた。

写真の上にポインターを持ってくるとその時の
傷口写真になります。
抵抗のある方は見ないで下さい。

病院にこの写真を送る為に撮影した物です。
「記念に」などと思って撮った物ではありません。



2001.6.18〜19
「今度こそ絶対に治してあげるからね」そう誓ってのお世話です。
カラーを取ることは出来ないので食糞、おしり拭き、食事、水飲み
全て手助けしながら過ごしました。少し食欲も落ちてきています。野菜、果物など
好きな物を与えて乗り切ります。

手術前は夜9時半からケージの外で遊ぶ時間でしたが手術後はしていません。
ストレスも溜まってきている事でしょう。
時間を見つけてはケージに手を入れてなでてあげました。



2001.6.20

診察の日。
「傷口も綺麗ですし、良好です」そう言われて「よしっ!」とうなずきます。
まるで傷口との戦いのようです。
24日が抜糸予定となりました。



2001.6.24

診察の日。
予定通り抜糸です。モルツのお腹に綺麗にカサブタができ、傷口を塞いでいます。
しかし先日の事があるので、カラーは取りません。
次の診察は7月3日です。
この日までにカサブタをスノコなどに引っ掛けてしまわないように要注意です。
この日から、7月3日にカラーをとっても良いと言われる事を願ってのお世話です。



2001.7.3

診察の日。
「傷口は綺麗に付いていますが、前回の事もあるので、カサブタを剥がさないように
もう少しカラーは付けておきましょう」
がっくりしてしまいました。でもそんな事は言ってはいられません。
1番辛いのはモルツなのだから。
次の診察予定は7日.。次こそはカラーが取れるようにもう少しの辛抱です。



2001.7.7

診察の日。
「もう、大丈夫ですね。」と獣医さん。
「完治ですか?」半信半疑で聞き返してしまいました。
「完治です。カラーを取っての生活で大丈夫ですよ」
獣医さんのこの言葉をどんなに待った事か。


念のため、カラーはお借りして帰りましたが、もう使う事はありませんでした。


手術の前後で変わった事

1)手や足にカクカクしなくなった。(♂と同じ意味合いのカクカクだったのかは不明)
2)「ブーブー鳴かなくなった」(手術前は楽しい時などにずっと鳴いていました)
3)大人しくなった?(大人になったからなのかは不明)

人間嫌いになる、寄ってこなくなるなど色々聞きますが、
そんな事はモルツの場合ありませんでした。
大人しくなったような気もしますが相変わらず探検、いたずらに毎日忙しくしています。

ちなみに、モルツの場合は好奇心が旺盛すぎて2度も再縫合した為に
1ヶ月もかかってしまいましたが、この病院では普通は2週間ですんなり完治するようです。


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本当に長い1ヶ月でした。
人間より早く歳をとるうさぎにとって、1ヶ月というのはどんなにか長い時間だったでしょう。
帰りの車の中で「良かった」と何度言ったか解りません。
安易な考えで手術をした訳ではないけれど何とも辛い1ヶ月でした。
体重も少し減ってしまいましたがすぐに元に戻りました。

今も初めて避妊手術の事を獣医さんと話した時の様に、避妊手術はした方が良いと思います。
辛い体験でしたがこれでモルツの病気が予防できるなら充分に意味があったと思いますし、
高齢になってから癌などの手術をする事を思えば、体力のある時に手術して
本当に良かっと思っています。

今回の事で強く思ったのは、やはり「信頼できる動物病院に診てもらう」という事だと思いました。
今回の事は本当に心配でしたが、不安ではありませんでした。
「この病院に診てもらっていれば大丈夫。時間はかかってもちゃんと元通り元気になる」と
ずっと思っていられたからです。

この動物病院に出会えて本当に良かった。

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完治と診断されたその日の記念の1枚。
     まだ少し耳が開き気味ですが、いつものように甘えん坊です。
 モルツが健康でいますように☆

この事について他に質問、意見などがあればメール、BBSにご連絡いただければ
「モルツの場合はこうだった」というお話なら出来るかと思います。
又、あくまでもモルツの場合はこうだったという物ですので、手術に関しては獣医さんと
きちんと相談して、ご自分の責任で行ってください。

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