Kowa/Six


 コーワ6は日本で最初のレンズシャッター式6×6判一眼レフです。もっとも国産のレンズシャッタ式一眼レフはこれ以外にはゼンザブロニカしかありません。現在、コーワの光学・電気部門(他にも製薬部門がある、あの『キャベジンコーワ』とか『コルゲンコーワ』ね)は民生用カメラからは撤退してしまいましたので、ブロニカが孤高を守っている状態です。
 私のコーワ6はもっとも初期のものです。シャッタがやや不調で何も写っていないコマを量産してくれるのが困りものででしたが、このコーワのカメラを修理してくれる職人さんが見つかり、代金は結構かかりましたがカンペキに修理してもらえました。今では軽快に撮影しています。


楽しい縦型デザイン
一番の特徴はその縦型のデザインでしょう。現在こういうデザインのカメラはローライフレックスのSLR一機種が残っているだけです。ちょっと背中が丸まっていて、達磨さんみたいに見えるところが愛嬌かなと思います。縦型というのはなかなか愛嬌のあるもので、ペンギンだのペリカンだのというあのあたりの鳥も縦型で可愛いものです。
高性能なレンズ
 レンズには名前がありません。しかしものの本によると「プロミナー」と言うそうで、この標準レンズ85/2.8も開放ではやや甘いですが一つ絞ったあたりからよい描写になります。レンズの作りも良くなかなか美しいものです。まだ余り使っていないので描写についてはどうこう言えないのですが・・・。
 シャッターは高性能ながらトラブルが多いと悪名高いセイコーSLVが装着されています。僕の手元はこのセイコーSLV装着のレンズとカメラが4台あります、うち1台は新品で購入したものですが、どれも見事にトラブルに見舞われています。このレンズのSLVも最初からトラブっていましたが、現在は修理してもらって快適に使用できています。

明るいファインダー
 このカメラのもっとも素晴らしい点は、ファインダーが明るく、ピント合わせが非常に楽なことです。多少薄暗いところでも平気、明るいけれどピントの山も掴みやすく、大変快適に撮影が出来ます。現在は標準のウェストレベルファインダーですが、ファインダーが良いものですからちょっとプリズムファインダーにも食指が動いてしまうのですが、我慢です。コーワシックスはレンズのラインナップも多くシステムとして充実していますから、はまり込んでしまうと大変なことになってしまいそうです。ボディと標準レンズ、50ミリや150ミリは中古でみかけるものの、その他の交換レンズやアクセサリは、市場で滅多に見かけないことがせめてもの救いといえるかも知れません。
 何はともあれ、こんないいカメラが製造中止になってしまったのはとても残念なことだと思います。最新のテクノロジーが導入されて、今も製造が続けられていたら、もうひとつの、今は孤高を守っているブロニカとはまた違う進歩をとげた、素晴らしいカメラができあがっているに違いなかったでしょうに。




作例
"梅田ガーデンシティ"


 F4 1/15 スキャンの際に一部干渉渦が生じています、お許し下さい。