恋の戦争は十年越し(後):B
 
 
 
 
 
 
 
 屈辱と恥辱。
 この二つの単語は義姉妹、或いは兄弟である。
 だから、両方とも「辱」の字が付くのだし、恥辱に至っては恥と辱が並んで、大変お得な感じなのだ。
 …いや、そんな事はともかく。
 
 
 
「や…あ、やめ…あっ」
 股間に二本の指が入ったままひっくり返され、“母達”とは言え恋敵に、そこを舌で嬲られているルイは、屈辱と恥辱のまとめ買いに違いない。
「駄目、大人しくしていなさい」
 片手は自分の膣内で固定完了されてしまい、しかももう片方の手まで、連鎖反応を起こしたように動かない。
 そっちは変に凝固しているだけなので、股間に突っ込んだままよりは幾分ましなのだが、
「膣痙攣なのね」
「それもオナニーの最中に」
 ぴたりと波長の合った声に、ルイは人格が崩壊したような気がしたが、何故か二人とも怒った表情は見せなかった。
 その代わり、
「あんた達、そこに正座」
 と、ルイにちょっかいを出そうとしていたシンジとアサカを、全裸のまま正座させ、
「母の愛で治してあげるわ」
 などと、猫なで声で言い出した。
 以前、とある雑誌で繋がったまま病院に運ばれていく男女、すなわち膣痙攣の体験談を絵付きで見た事があるルイだけに、このままでは処女にして早くも人生最大の汚点と絶望感に囚われていたが、ほんの少し安堵した。
 がしかし。
「左手も一緒に硬直してるわ、これじゃ無理ね」
「そうね、ここからほぐしてあげないと」
 二人でにやっと顔を見合わせると、すてんとルイをひっくり返したのだ。
「ちょ、ちょっと、な、何をっ」
 もがこうとするルイを、レイが片手で押さえつける。
 レイの腕力は、見た目よりもずっと強いのだ。
「つまり、襞の収縮がちょっとイキすぎたの。だから−」
 その先は言う代わりに、レイの顔が股間に近づいてくる。
「い、いやーっ」
 そう、今のルイはひっくり返されており、要するにお襁褓を取り替えられている姿勢に近いのだが、指が抜けぬ性器は勿論、後ろの穴までくっきりと見えている。
 後背位、いわゆるバックからを恥じらう娘が多いのは、姿勢に加えて全部見えてしまうことにあるのだが、ルイはまさにそれであった。
 シンジだって、娘達の肛門などまじまじと見たことが無い−小さい頃を別にしては。
「アスカはおっぱいに回って」
「りょーかい」
 胸、と言わずわざわざおっぱいと言った辺りに、レイの作意が感じられる。
 下を担当のレイは全裸だが、乳房に回ったアスカはこれも全裸である。
 性器を眺めることなく、すぐに舌が這わされたのは、幾分ましだったかもしれない。
 これでもし、エッチになったのね、などと言われたらルイは舌を噛んでいただろう。
 一方乳房担当のアスカは、娘の張りのある乳房を見ながら、
「ルイも、いつの間にかすっかり大きくなったのね」
 妙に感慨深げな声で呟いた。
 ちゅ、と下乳に口づけすると、
「もうすっかり敏感になっちゃって…こんなに」
 こんな状況下でも、つんと上を向いている乳首を口に含んだ。
「は、あああ…」
 切なげな吐息と共に身をよじろうとすると、
「治療中よ、動かないで」
 股間から声が聞こえてくる。
(お、お母さんなんかに…いや、いや…)
 理性はそう叫んでいるが、その一方で肢体が反応してしまうのは、やはり自慰の影響が残っているせいだ。
 それも−シンジをネタにして。
 身体がまだ醒めきっていないから、手慣れた二人のそれに身体は素直に反応する。
 本音はともかく、淫唇を軽く吸い立てるレイも乳房を丹念に愛撫しているアスカも、それ自体は普通の前戯そのものだ。
 端から見ればレズの3Pに見えるに違いない。
 母親二人の前に、すべてをさらけ出して好きなように弄られている姉妹を見ながら、
「ね、お父さん」
 アサカがそっとシンジを呼んだ。
「なに?」
「ルイさあ、本気で感じて…って、見れば分かるか」
 ぽうっとその頬が赤くなったのは、正座しているシンジの股間が勢いよく答えていたからだ。
(すっごい大きくなって…ん?)
 ふと気が付いた。
 対象は幾つかあるが、誰を見ての反応か?
(まさか、お母さん達じゃ…あらっ?)
 アサカの見ている前で、それがゆっくりと鎮まっていったのだ。
 怪訝な顔の娘に気付いているのか、シンジがすっと目を細めている。
「お父さんどうしたの」
「あれ」
「え?」
「ルイが変わってきた」
「はあ?」
 アサカが見た時、ちょうど乳首に軽く歯を立てられて、またルイが声を上げてもぞもぞと動こうとした所であり、何を言い出すのかとシンジを見たら、
「ルイの顔をよく見てごらん」
「……ん?」
 何となく、そう何となくだが、ルイの表情が変化している事にアサカは気付いた。
 無論快感が先立っているのは変わりないが、どことなくうっとりしているように見える。
 それも、快感のそれとは少し異なるもので。
「どうしちゃったのルイ?」
「多分…思い出したのかもしれない」
 シンジが優しい声で囁いた。
「何を?」
「一緒に、お風呂に入っていた時の事とか」
「……」
 確かに親子で肌が触れ合った事など、もう何年もないのをアサカは思い出した。
「でも…あれだよ?」
「うん…」
 性器、と言うのは元々が濡れてる存在ではないし、まして家庭内とは言え膣痙攣など羞恥のトップクラスの筈だ。
 だから自分の性器に指を捕獲された娘に、最初はレイも唾液を垂らしていた。
 見られて事もあってか、そこがあっという間に乾いていたからだ。
 が、既に自己供給のそれだけで十分になっているのは、レイの舌から繋がる糸が、愛液に変わっているのを見れば分かる。
 アサカも、その区別は付くようになったのだなったのだ。
 ただし、これを成長と喜んでいいのかは不明だが。
 第一、見た目はどう見ても親子レズ、それも3Pであり、膣痙攣になった娘の治療する事自体尋常ではない。
 それに、ルイの表情は親に甘えている子のそれであっても、乳首はすっかり尖っているし、股間は既にアヌスの辺りまで濃い液が滴っている。
 それにしても、女三人が全裸で絡み合っているのは、肢体はどれも抜けているだけに美よりも淫靡の雰囲気が強く、まして親子のそれは背徳その物に見える。
(やだ濡れてきちゃった…)
 アスカもレイも、歳に比べれば肢体は遙かに若く、出産経験を信じない者も多い。
(?)
 そのアスカが乳首から顔を離して、すっとルイの顔に近づけた。
 何をするかと思ったら、赤い舌を出してルイの唇の上で止めたのだ。
「キス、してる…」
 妙に喘いだ声でアサカが言ったとおり、うっすらと目を開けてアスカに気付いたルイは、自分から舌を絡めていったのだ。
 唇は重ならず、舌だけをお互いに絡め合うアスカとルイ。
「はっ、あ…ん…」「ふうっ…あんっ…」
 二人の痴態に躰がかーっと熱くなり、アサカの手が股間に意識せずに伸びようとした途端、アスカがこっちを見た。
「こら、そこの淫乱娘」
 びくっと肩が震え、寸前で指が止まる。
「終わったら相手してあげるから、それまで待ってなさい」
「あ、あたしは別にっ」
 真っ赤になって否定したが、
「一人ですると、この子みたいに固まっちゃうから駄目よ」
 レイの言葉に首まで染めて俯いた。
 一方そのルイはと言うと、アスカとの舌戯に夢中で、自分のことを言われたのにも気付いていない。
 舌をアスカに絡め取られたルイの股間で、段々とレイの舌の動きが激しくなっていった。
 そして。
「ふあっ、ああ、あっ、ああーっ」
 ひときわ甲高い声と共に、ルイの股間から迸った液体がレイの顔を直撃し、同時にルイが四肢をびくびくと痙攣させた。
 
 
 
「ご、ごめんなさいお母さん」
 さすがにルイが俯いて謝ったが、レイはにこりと笑った。
「気にすることはないわ。それよりも」
「え?」
「ルイも潮を吹くようになったのね」
 真っ赤。
「……そ、そんなことは…」
 下を向いたままごにょごにょ言ってるルイだが、イッタと同時にその指は抜けた。
 こんな方法でも、ちゃんと治るらしい。
 唇の回りに付いた液を、ぺろりと舐め取ったレイに、
「そう言えばあんたさあ」
「何?」
「最初にシンジとした時も、確か潮吹いてなかった?」
「な、何を言うのよ…」
「思い出したわよ」
 にやっと笑って、
「碇君を汚してしまった、ごめんなさいって泣きながら謝ったのよねえ。しかも、イッタ余韻の中だから声はうわずってるし」
「や、止めなさいアスカ」
 親子揃って顔を赤くしている二人を見て、
「そうだったの?」
 アサカがシンジに訊いた。
「確か…うーん、そうだったような気もするね」
「ふーん、やっぱり親子なんだ」
 それを聞きつけたレイが、
「さっき、私達を見ながら指を股間に当てようとしていたのは誰かしら。やはり親子だけあってよく似てるわね」
「レ〜イ〜、それはどーいう意味かしら〜?」
「あなたが一番分かってるんじゃない」
「何ですってー!」
「…何」
 ひょんな事から睨み合う二人を見て、
「ま、まあまあ二人ともその位で」
 シンジが止めたが、ふと全員が気付いた。
 すなわち、自分達が皆全裸である事に。
 いや分かってはいたのだが、ふっと現実に気付いたのだ。
「で?」
 数秒沈黙が流れた後、最初に破ったのはアスカであった。
 咳払いしてから、
「あんた達、そんなにシンジとしたいわけ?」
 オブラートも何もないストレートな言い方だったが、アサカとルイが揃ってこくんと頷いた。
「ま、そうだと思っていたわ」
 驚いた様子もなく、ごく普通の口調で言うと、
「いいわ、させてあげる」
「へっ?」
 と、これはシンジ。
 まさか、こんな反応をするとは思っていなかったのだ。
「ア、ア、アスカさん?」
「アスカさん、じゃないわよ馬鹿ね。処女のおまんこが二つもあるんだから、もっと嬉しそうな顔しなさいよ」
「……」
「アスカ、それだけじゃ分からないわ」
 シンジの表情に気付き、レイが間に入った。
「してもいいって言ったの−試験的に」
「試験的〜?」
 ?マークを顔に付けたシンジに、
「そう、試験的なの。こんな小娘達より私達がいいって、躰で知ってもらった方がいいでしょう」
「こ、子供じゃないもん。母さん達より、私達の方がずーっと締まりだっていいし、お父さんだって若い子の方がいいに決まってるんだから」
「何ですって」
 娘と張り合わなくても、と思ったシンジだが放っておくと収拾がつかなくなりそうなので、
「アスカ、レイ…本当にいいんだね?」
「ええ」「いいって言ってるじゃない」
 二人の声がそれぞれ冷たく、少しぶっきらぼうに聞こえたのは…気のせいではあるまい。
「分かった」
 頷いた時、自分の声が強ばってなかったかと、少し気になった。
 娘達からは最初だけでもと言われ、既に頷いてはいたのだが、こうもあからさまに言われるとちょっと引く。
「アサカ、ルイ、い…あれ?」
「ルイからでいいわ」
 アスカがルイを前に押し出した。
「中がきつくなってたから、シンジので少し緩くしてやって」
 口許に微妙な色を浮かべたアスカに、
「あの、アサカは?」
「この子はこっちよ」
 レイの白蛇のような手が、にゅうと伸びてアサカを捕らえた。
「私達が可愛がってあげるわ。最初から二人じゃ、シンジも大変でしょう」
 いや二人の時も一緒にだったけど、そう言いかけたのをシンジは飲み込んだ。
 頷いておいた方がいいと思ったのだ。
「ルイ、いいかい?」
「お、お願いします…」
 まるで初夜を迎えた人妻のように、ちょこんと座ってルイが頭を下げる。
「う、うん…」
 みょーに初々しい感じの二人に、
「いいなあ」
 ぽつりとアサカが呟いた途端、
「ひゃうっ!?」
 すっと伸びた指が、アサカの乳首を挟んできゅっと引っ張ったのだ。
「さっきは随分と楽しそうだったわねえ」
「それも私達を眠らせておいて」
 左右からの熱い吐息がアサカの耳朶をくすぐる。
「あ、あれはルイが…はああんっ」
 臍の辺りにふっと息がかけられ、アサカが逃れようとしたところへ、
「アサカ、キスしようか?」
「え゛!?」
「ちゃんとした事なかったもんね」
「ちゃんとって私達実のおや…むぐーっ」
 容姿は違うが、紛う方無き実の親子の二人であり、その二人が濃厚な−アスカが強引に舌を入れたのだが−キスをしているのを見て、
「アスカは強引なんだから」
 ふっと笑った時、ルイの肩から力が抜けているのに気が付いた。
「ルイ…」
「も、もう大丈夫だから…お父さん、来て…」
 潮まで吹いた割に余韻は浅いのか、ルイは一度シンジに抱き付くと、自分から仰向けなって手を差し伸べた。
 シンジも、もうルイがほぼ出来上がっているのは分かっているから、すっと腰の間に躰を入れた。
 とその時、一瞬シンジの脳裏にある光景が浮かんだ。
 すなわち…ぎゅっと締め付けられて抜けなくなっている自分が。
 刹那見えたヴィジョンはやけにリアルだったが、すぐに首を振って打ち消した。
 きゅっと目を閉じていたルイに、それを悟られなかったのは幸いだったろう。
(あの馬鹿…)
 勿論、横目で窺っていたアスカとレイにはお見通しだったが、二人とも気配を感じさせなかったのはさすがで、お互いに目配せすると、アサカの秘裂への責めを更に強くして甲高い声を上げさせた。
「あああーっ、そ、そこやあ…ら、らめえーっ!!」
 肛門にレイの指がぬぶりと入った瞬間、アサカが甲高い声で叫んだ。
 それと同時に、膣がきゅっきゅっと収縮し、おまんこ担当のアスカの指をきゅっと締め付ける。
 軽くイッタらしい。
「お尻に突っ込まれた位でイッちゃってるのよあんたは」
 アスカがぺちぺちと尻を叩きながら、からかうように言う。
「ち、ちがうもん…こ、これは・・マ、ママ達のを見てたから…」
「でも一番濃いわ」
 指で液を掬い取りながら、レイが分析するように言う。
 からかうよりも、こっちの口調の方がずっと堪えるのだがアサカも例外ではなく、いつもの性格はどこへやら、しゅんと俯いてしまった。
 そんな娘にまだ子供ね〜、と思ったかは分からないが、後ろに回ったアスカがすっとアサカを抱き寄せた。
「ママ…?」
 ルイと違い、こっちは余韻が残っているアサカに、
「入れるときはね、やっぱり痛いのよ」
「え?」
「ほら、ちゃんと見てなさい」
 指した先にはぎゅっと、きつく眉根を寄せているルイの姿があった。
「ル、ルイ…」
 
 
 
 自分の指が抜けなくなる位だし、収縮はきついと思ってはいたのだが、中は予想以上の反応であった。
 亀頭も入りきっていない内から、襞が強烈な反応を返してくる。
 この分だと、三段どころか五段くらいで締め上げて来そうだ。
 そんな事を考えた時、必死に痛みを堪えているルイに気付いた。
 濡れていたから擦れての痛みはそんなに無いはずだが、やはり処女喪失と、狭い膣内からの反発が痛みになっているに違いない。
 だが止める、とシンジが言わなかったのは、既に前例があったからだ。
 
 
「だ、大丈夫…アスカ?」
「い、いいから…いいから、一気に来てっ」
 呻くように言ったアスカだが、その顔は蒼白になっていた。
 レイは至極すんなりと入ったのに、アスカは進んだ知識とは裏腹に、中は初なままであった。
「だ、だけど…」
「いいから…早く…」
 躊躇うシンジの肩に、そっと手が置かれた。
「大丈夫、アスカの言うとおりにしてあげて」
「で、でも」
「いいの。こう言うときは一気に入ってあげた方が楽になるから」
「う、うん…」
 快感よりも心配が先に立ち、結局この時は快感に変わったアスカが先にイッてしまったのだが。
 
 
 
「十八年ぶりね」
「ええ、間違いないわ」
 だいぶ以前、どこぞで聞かれたのに似たような台詞だが、アサカが奇妙な顔で、
「な、何が十八年ぶりなの?」
「アスカの時と同じよ」
「アスママの?」
「そうあの時の…ほら入ったわ」
 レイの言葉と同時に、シンジとルイの腰が密着する。
 奥までどうにか入ったらしい。
「で、でも痛そうだよ…すごく」
「すぐに慣れるわよ」
 と、これはアスカ。
「最初は違和感あるけど、すぐにおまんこが疼いて来るんだから」
「……」
「…アスカ」
 本能そのままのアスカだが、実体験だから説得力はある。
 そして数分後。
「もう大丈夫だから、お父さん動いて…」
「いいの?」
 うん、と頷いて、
「私の中を、お父さんので一杯にして欲しいの…」
 せがんだ顔には、紛れもなく欲情の色がみなぎっており、
「ほらね、言ったとおりになったでしょ」
「……ルイあんたって…」
 唖然とするアサカと、面白そうに眺めるアスカ、そして冷静に見つめるレイの前で、自分から腰を振りだしたルイの嬌声が室内に響き渡った。
 
 
 そして十分後。
「ひっ、ひぐっ…イク、イッちゃうっ!」
 抑えようとしても抑えられない、そんな感じでルイがシンジに脚をぎゅっと絡みつかせて、大きく仰け反った。
「イッたわね」
「そうね」
「え?え?」
 確かにルイが達したのは分かるが、シンジはどう見ても絶頂で射精した、ようには見えない。
 それよりもむしろ−
「痛くなかった?」
「ううん…最初はきつかったけど…すぐ良くなっちゃって…」
 肩を上下させながら、頬を染めているルイに、
「出血が多かったから心配したけど、大丈夫みたいだね」
 すっと腰を抜いたシンジだが、その肉竿は萎えた様子はない。
「し、してないの?」
「何を?」
「お、男の人って…セ、セックスすると射精するんでしょう?」
「『え?』」
 ぴたりと重なった直後、揃って吹き出した。
「アサカ…ぷっ、くくくっ」
「そう言う生理もあるけれど、絶対ではないわ」
 大笑いしているアスカと、これも笑うのを何とか抑えているレイ。
 アサカにしてみれば、射精は付き物だと思っているから心配したのにと、ぷーっとむくれてしまった。
 アスカが先に気付き、
「ごめん、ごめん。別に馬鹿にしたわけじゃないのよ」
「嘘、私の事子供だって馬鹿にしたくせにっ」
「そう言う訳じゃなくてね」
 不意に真顔になると、
「避妊は知ってるでしょ?シンジはね、子供に自分の子供を産ませるような事は出来ない、いえ性格的にしない人なのよ。あんた達だから、コンドームも付けないで生でしたんだからね。光栄に思いなさいよ」
「そ…そうなの?」
「あなた達だから、シンジを貸したの。さ、次はアサカ、あなたの番よ」
「あ…う、うん」
 大股開きのままで、やっと肩の動悸が収まったらしいルイに、何故かアサカは複雑な気分に襲われた。
 微妙な表情のアサカを見て、
「シンジ、次はこの子にしてあげて」
「分かってる」
(やっぱり冷めてるわね…)
 理由は知らないが、シンジの気は冷めているのを二人は知った。
 そうでなければ、娘とは言えこれだけ締め付けるルイを相手にして、まったく反応しない事はあるまい。
(でもどうしたのかしら)
 首を捻ったが心当たりはない。
「ほらアサカ、どうするの?」
「う、うん…」
 躊躇っているアサカに、
(ははーん、そう言う事ね)
 顔には出さずして笑うと、
「ねえ、シンジ」
「何?」
「アサカがね、ルイの中に入ってたそのままじゃ嫌だって」
 レイもすぐに気付き、
「私達が綺麗にしてあげるわ」
 二人してかさかさと近づき、シンジの肉竿へにゅっと手を伸ばした途端、
「だ、だめーっ」
 アサカがびっくりするような声で叫んだ。
「『どうしたの?』」
 アスカもレイも、分かっていながら人が悪い。
「あ、あたしが…あたしが綺麗にするんだからっ」
 言うなり、二人を押しのけるようにしてシンジの前に膝を付いた。
(お、大きい…)
 ドキドキしながらも、そっと手で持って口に含む。
 塩と酸のような味がしたが、無論足して塩酸ではない。
(これが精液の…あ、出してないから…ルイの?)
 姉妹の愛液だと思うと複雑な気がしたが、思い切って根元まで含み、何度か吸っていると段々と味が消えてきた。
 自分達の夫に賢明にフェラチオしている娘に、二人は顔を見合わせて、
「仕方ないから、あたし達はこっちで我慢しよっか」
「自分だけイッた罪は重いわね」
 訳の分からない事を言い出すと、ふにゃあと溶けたような顔で焦点が合っていないルイに、猛禽みたいな目を向けた。
  
 
 
 
 
「で、やっぱりアサカも?」
「うん…」
 母親達に責められ、こっちはレズで失神してしまったルイと、抜かないまま四度もイッてしまい、シンジの膝の上で気を失ったアサカ。
 二人とも、妙に幸せそうな顔でベッドの上に並んで寝かされている。
 どこか浮かない顔のシンジに加え、アスカもレイもまだ全裸のままである。
 結局シンジは、二人のどちらにも射精する事はなかった。
 初めてのぎこちなさとは言え、処女の初めてと言う事を考えれば、かなり驚異とも言える。
 早漏でもないが別に遅漏でもない。
 少なくとも、二人を相手にして全く射精しないシンジでは無かったはずなのだ。
「どうして冷めたの?」
 不思議そうに訊いたレイに、
「分からないんだ」
「分からない?」
「何か…何か大切な事を忘れている気がして…」
「ふーん?」
「私達の方がイイって、躰が拒んだのよ−きっと」
 やけに自信ありげなレイに、一瞬アスカが呆れたような顔で見たが、
「ま、それもそうね。畳とおまんこは使い慣れた方がいいって言うし」
 奇怪な事を口走ると、シンジの股間に熱い視線を向けた。
「やっぱり出すのはコッチがいいわよね〜」
 正座した脚を少し崩し、秘裂を指で開いて見せたが、奇妙な事にそこは既に濡れていた。
「シンジのことだから、きっとしてくれると思って待ってたのよ。さ…来て?」
 と、これはやはり娘達では敵わない、艶めいた視線をシンジに向ける。
 慌ててレイが、
「わ、私だってして欲しいのに…シンジ、好きな方にしていいのよ」
 好きな方、とはアスカかレイか、と言う意味ではないのは明らかだ。
 そう…少し後ろに姿勢を倒し、淫唇とアヌスをそれぞれ開いている姿勢を見ればいやでも分かる。
 娘達のようには行かないが、それでもまだ若さを保っている性器が二つ、シンジの前にぱっくりと口を開けて待っている。
「『さ、どっちにするの?』」
「え、えーと…じゃ、じゃあ両方一緒に…」
 シンジの答えに二人とも溜息をついたが、どっちを先にしても残った方が悔しいのは分かっている。
「レイ、あんたが下ね」
「ええ、いいわ」
 レイが下になり、アスカがその上に躰を重ねる。
 四つの乳房が、生き物みたいに潰し合い、二人の花心がぴったりと触れ合う。
「あ、んくうっ」「あんっ」
 同時に声が洩れ、
「レイ、あんたやけに濡れてない?」
「ア、アスカこそきゅうっと締め付けて来るわ」
 互いに求め合うかのように、ぴったりと二人の性器はくっつき合っている。
 そこへシンジが、勢いの戻ってきた肉竿を押し込んでいく。
 娘達が全裸で眠る横で、大人達の淫らな光景が展開して行った。
 
 
 
 
 さて翌朝。
 
 シンジが見たいなんて言うから、濃厚なレズまで演じてしまったアスカとレイ。
 お互いに感じ合った所へ、交代で後ろから貫かれ、年甲斐もなく絶叫してイッてしまった。
 それでも、いつも通り三人で寝て、その手がシンジの股間に伸びているのは習性だろうか。
「ああんシンジぃ…はげし…!?」
 リアルな感触に、がばとアスカが跳ね起きようとして…起きられない。
 一瞬遅れて、レイもかっと目を見開いた。
 二人とも、性器に違和感を感じたのだ。
「おはよう、アスママ」
「おはよう、レイ母さん」
 二人の顔がぎこちなく動き、自分達の股間を見る…そこは、娘のそれと一つに繋がっていた。
「初戦は私達の負け−やっぱり年の功には敵わないわ」
 ルイがいつもの声で言ったが、幾分粘っこく聞こえる。
「でもまだ戦いは始まったばかり。まずは、昨日のお礼をさせてもらうわ。そう、たっぷり可愛がってもらったことのね」
 言い終わらないうちに、アスカとレイがひぐっ、と呻いた。
 ディルドーで繋がった股間が、ぐいと押し込まれたのだ。
 しかしディルドーと言うことは、アサカとルイも股間に入っているわけであり、責め合いなら負けはしない。
 すぐ平静を取り戻した二人だったが、次の瞬間に愕然とする事になった。
「そうそう、五分五分なら初な私達より淫乱なママ達が有利だから、ママ達の方には催淫剤を塗らせてもらったわ。即効性だから、いつ効いてくるか楽しみねえ」
「あ、あんた達っ!ちょ、ちょっとシンジ…!?」
 そこにはぐったりしているシンジの姿があり、
「ちょっと一服してもらってるだけ。起きたときには、お母さん達のイッた姿を見てすぐに頭がはっきりするわ」
「なっ…はうっ」
 効いてきた!
 強烈な疼きが股間から全身に拡がっていく。
 母親達の悶えを見ながら、
「お父さんは私達に譲る?」
「だ、だれが…あああっ」
「レイ母さん、私達の方がイイって認める?」
「こ、子供が生意気を…ひううっ」
 子供に、それも娘から道具で貫かれるなど、屈辱もいいところだが、今の二人には全身を襲う疼きの方が強く、段々と娘達の腰使いに自分から合わせ始めた。
 ただし、彼女達が正常に戻った時どうなるか、そこまで娘達は考えていない。
 取りあえず昨日のお返しをと思っただけであり、その辺はまだ子供と言える。
 いずれにせよ…シンジを巡る実の母娘間の争奪戦は、まだまだ始まったばかりであった。
 
 
  
「これは…僕の失敗だったね」
 娘達に責められる母親がいる、その遙か上空で声がした。
「両方が同時に達しないと、“前世の記憶”は戻らないように設定したのが失敗だったよ」
 一人ごちた後、
「まあいいさ、機会はまだあるんだし、あの二人も黙ってはいない。しばらくは、母娘のレズ合戦でも見せてもらおうかな」
 他人事みたいな口調だが、それを聞いたらシンジは驚くか、それとも?
 
 
 
 
 
(終)

終わったー!
四分割もひとまず終了です。
マナ・マユミ、この記憶が戻るとどうしてもL行きになるモンで(そっちに走りたがる作者)
少しでも楽しんでいただければ−幸いです。