美少女侵入(2nd stage)
 
 
 
 
 
 三人が、おかしな関係になった日の帰り道。
 アスカとシンジは、いつものように並んで歩いていた。
 ただ、それがいつもの光景と少し違うのは、二人の距離がいつもより近いこと。
 たいていの場合、アスカが先に立って歩き、シンジがお供するような形になっていたのだ。
 だが、違和感はそれだけには留まらない。
 何よりも、二人の手は繋がれているではないか。
 今までなら、到底あり得なかった光景である。
 羞恥心を質屋へ入れ、代わりに快楽のそれを得た二人は、手を繋ぐ行為に対して気恥ずかしさは殆ど感じられない。
 と言うよりも、まるでありふれた光景と化しているような雰囲気さえある。
 てくてく歩いていた二人だが、ふとアスカが口を開いた。
「ねえシンジ」
「何?」
「くやしいけどさ…レイって、いい顔で笑うのよね」
「…?」
「なによ」
「あのさ、何でくやしいの?」
「……あんた、本気で言ってるでしょ」
「冗談なんか言ってないよ」
 (こういうやつなのよね)
 古い、と言う程でもないが、ある程度アスカには、シンジの性格が分かりかけて来ていた。
 エヴァの操縦に関しては、ここの所生意気にも上がってきているが、こんな所はてんで鈍い。
 それはそれで、と諦めて、
「あのさ、シンジ」
「何?」
「あたしの事好き?」
 これも分かった。
 すなわち、もったい付けずに直球で行くべし、と。
「嫌いじゃないしそれよりは…あ」
 ちっ、とアスカは内心で舌打ちした。
 せっかくさりげなさを装ったのに、しかも半分くらいは上手く行っていたのだ。
「何よう、あたしが言ったんだからあんたもはっきりしなさいよね」
「だ、だけど…」
「だけど?」
「よく分からないんだ」
「…え?」
「アスカは僕の、何処が好きになったの?」
 ふふん、とアスカは笑った。
「それはね」
「そ、それはっ?」
「帰ったら教えてあげる」
「ちょ、ちょっとそんなのずるいよアスカっ」
 アスカが逃げ、シンジが追う。
 道に長く伸びた影の中に、女が逃げて男が追うと言う、古来からの形は確かにそこにあった。
 
 
 
 
 
「これは碇君の」
 アスカとシンジが、天下の往来でじゃれ合っている頃、既にレイは帰宅していた。
 いつもの通り、さっさと制服を脱ぎ捨てて下着一枚に。
 誰かが来る、と言う発想はないし、第一来るのは基本的に二人だ。
 あまりに殺風景、と言うことを別にすれば、一応乙女の部屋として見られない事もない。
 だがしかし。
 問題は今、レイが嬉々として選んでいる物であった。
 腰の周りに着けるようなバンドだが、そこに付いているのはロングサイズの肉竿である。
 無論レイが、実は首狩族で切り取った肉竿を、と言うことはない。
 俗に言う肉竿バンドであり、女性用の物だ。
 偽りでもいいから太さと長さを、と男性が着けるかどうかは不明である。
 とは言え、それ自体の長さが二十センチ以上もあり、これなら文字通り貫かれる、と言う感触があるはずだ。
 そしてもう一つレイが持っているのは、卓球ボールによく似ていた。
 違うのはその大きさと、あちこちに穴が空いている事だ。
 そしてこれも、肉竿バンドのように革ひもが通されている。
 ギャグボールだ。
 使い方は簡単で、口の中に押し込むことで奴隷を作り上げる代物だ。
 ところで、この二つだが、本来はボールが少なくともシンジ用であろう。
 シンジが受けに回る、と言う事態を無視しての話だが。
 が、
「碇君の処女…私が」
 奇怪な台詞と共にレイは、口元に妙な笑みを浮かべたではないか。
 だとしたら、レイはシンジにこの人工男根を使うつもりなのか?
 
 
 
 
 
「ちょ、ちょっとアスカ何を…あうっ」
 
 かぷっ。
 
 家に入った途端、シンジはいきなり捕まった。
 抗う間もなく押し倒され、チャックが下ろされる。
 さすがに飛び出してくるような勢いは無く、アスカはそれを指で挟んで取り出すと、朱唇にくわえ込んだ。
 
 じゅ、じゅる、ちゅちゅっ。
 
 最初は全部飲み込まず、そっと亀頭から舌をはわせていく。
 そして大きくなった所で、肉竿から顔を離した。
「ね、シンジ。さっきの答え、なんだと思う?」
 上目遣いにシンジを見上げながら訊いた。
「な、何でって僕には分かんないよ…」
「じゃ、お仕置き」
 言うなりアスカは鈴口に軽く舌を付ける。
 すぼめた口から唾液を垂らすと、シンジの身体がびくっと震える。
 ぺろり、と舐めては離し、ちゅっと口を付けてはまた離す。
「ア、アスカお願いだから、そ、そんな意地悪しないで…」
「やーよ」
 いつ覚えたのか、アスカは小悪魔のように笑った。
「シンジが言えたらね、ちゃんとしてあげる。ここも使ってあげよか?」
 言いながら、器用にブラウスのボタンを外していく。
「アスカそれっ」
 肉竿をなぶられながら、シンジが思わず上体を起こす。
 ブラウスの下はいつも通り下着…ではなかったのだ。
 透けて見えるそれにシンジが想像するその状態では。
「そう、の・お・ぶ・ら」
 一語一語を区切ったアスカの言うとおり、アスカはブラを着けていなかった。
 ぷる、と現れた乳房は、妖しい白さを伴って、シンジを本能ごと誘惑する。
「挟んでしてもらうのって、男の夢なんでしょ?」
「し、知らないよそん…ああっ」
 白を切った途端、亀頭だけがアスカの口に飲み込まれた。
 ぢゅーっと、音を立てて吸い上げてから、アスカは口を離した。
「シンジの液っておいしいわよね」
 シンジが真っ赤になるのを楽しみながら、
「パイズリって単語、シンジ先生の辞書にあったんだけどなあ」
「なっ!?」
「おとなのふうぞく、でしたかしらシンジ先生?」
 秘密が暴露されたのをシンジは知った。
「ア、アスカどうして…」
 半泣きになったせいかは知らないが、アスカが真顔になった。
「…え?」
「好きな人の事だったら、全部知りたいと思うじゃない」
 赤面物の台詞だが、アスカは平然と言ってのけた。
「アスカ…」
「でも」
「でも?」
「鈍いあんたにはおっしおき〜。シャワー浴びたから綺麗よね」
 奇妙な台詞の意味はすぐに分かった。
 アスカはそのまま、ズボンとブリーフを一気に引き下げたのだ。
「目標発見、これより侵入します」
 にゅっと指を立てたアスカに、シンジの顔色が変わった。
「ま、まさか…」
 片方の手で肉竿が虜囚となったままの情けない格好で、シンジが逃げようとする。
 勿論アスカが逃すはずもなく、ぺろりと指を舐めてから、
「頂きまーす」
 ずぶり、と指が差し込まれた途端、
「いやだああああっ!!」
 哀れな子羊の、断末魔のような悲鳴が部屋に響いた。
 もとい、玄関先に。
 
 
 
 
 
「部屋はずぶ濡れ、修復も楽じゃないわね」
「後、三時間くらいです」
 マヤの言葉にミサトは、うんざりした表情になった。
「あーあ、何でちっぽけな使徒のせいで残業しなきゃいけないのよもーう!」
 そこへリツコが、
「ミサト、同居人達の事は心配しないの?」
「あ、そうだ」
 と、
「ビール、冷やしておいてもらわなくちゃ」
「『……』」
 二人の視線が集まり、
「な、何よ」
「あなた、いいお母さんになれるわよ。パチンコ中に、子供をその辺に放り出すようなお母さんにね」
「あーっ、何よリツコその言い方は!いいわよ分かったわよ、手元に置いておけばいいんでしょ」
 誰もそんな事は言っていないが、ミサトは受話器を取ると、
「ああもしもしシンちゃん、あたしよ。今日ご飯一緒に食べるから出てらっしゃい…え?アスカは来ない?じゃシンちゃんだけでも来るのよ、いいわね」
 強引な口調で言うと、一方的に電話を切った。
「ちょっとミサトそう言う意味じゃ…」
「何?」
「何でもないわ」
 リツコはそれ以上は言わず、またデータの復旧に専念する事にした。
 だがもしミサトがこの時、アスカを電話に出させていればすぐに知ったはずだ。
 すなわち、その声が濡れきっていた事に。
 そして、その吐息が隠しきれないあえぎを含んでいた事に。
 シンジの逆襲に遭い、アスカはシンジの膝の上にいた。
 そして堅くなった肉竿が尻に当たるのを感じながら、ぐにゅぐにゅと乳房を揉み立てられていたのだ。
 しかも。
「アスカの胸って大きいよね。いつも自分で揉んでるんだ?」
 指の谷間に乳首を挟み、くりっと捻ったシンジに、アスカは身もだえした。
「バ、バカそ、そんな訳な…あんんっ」
「馬鹿?この僕が?じゃ、アスカは馬鹿な僕にされて、感じてるんだ」
 つう、とショーツの中にシンジの指が侵入する。
「あふふうっ」
 くちゅ、と滑り込んだ指は、粘度を伴った液をそこから引き出してきた。
「にちゃあ」
 と言いながら、二本の指を拡げてみせる。
 ほとんど触れていないのに、シンジの指は滴りそうなくらいの液がくっついていた。
「これ、お漏らしじゃないよね。アスカどうしちゃったの?ほら」
 アスカの鼻先までそれを持って来るシンジに、立場は完全に逆転した。
「シ、シンジお願いだから焦らさな…え?」
 携帯が鳴ったのは、まさにその時だったのだ。
 余韻が中断されても、躰の熱は治まらない。
 まったくどこのバカがと思ったら、
「アスカ、ミサトさんが食事しようだって」
 小声で訊いたシンジに、激しく首を振った。
 電話を切った途端、
「もう、シンジったら手、休めないでよねっ。ほらもう、乾いちゃったじゃないの」
 中断されてくすぶったせいか、アスカは自分からシンジの手をショーツの中に招き入れた。
「ホントだ、もうすっかり乾いて…うそつきはお仕置きだね」
 切りそろえた爪で、かりかりっと大淫唇をなぞられて、
「ああん、シンジぃっ!も、もっといじってえっ」
 玄関先で着替えもしないまま、二人の痴態は続いた。
 
 
 だがその十分後。
 
 
「まったく、いいところだったのに…」
 ぶつぶつ言いながら歩いているアスカがいた。
 無論、シンジに付き合った訳ではない。
 レイから電話があったのだ。
 それもちょうど、二人で躰を入れ替えて、お互いの性器を舐め合おうかというまさに寸前で。
「ぼ、僕の舐めてくれたからお返しに…」
 シンジの誘いを、アスカは喜んで受けた。
「待っているのに…来てくれないの?」
 レイの声が聞こえてきた時、既にシンジの口元には、アスカの愛液が付いていた。
 変な声を聞かれないよう懸命に抑えながら、
「い、今出るから…ちょ、ちょっと待ってて…さ、三十分くらいで行くから…」
 が、くぐもった声の様子は隠せない。
 不審に思ったのか、
「具合でもわるいの?」
「い、今ちょっと立て込んでるから…だ、大丈夫よじゃあねっ」
 取り繕って電話を切ると、通話中ずっと太股に舌を這わせていたシンジにヘッドロックをかましてから、シャワーを浴びて出てきた。
 いくらアスカでも、おかしな匂いのするまま、レイの家には行きたくない。
 が、ちょっとばかりおしゃれしてきたのを、アスカは猛烈に後悔する事となる。
 
 
「あんた…何よこれ…」
 洒落だと思っていた。
 たまった郵便物も、完全に壊れた鍵も。
 きっと、
「これがホラーハウスなのよ」
 とか言うに違いない、と。
 だが、
「ゆっ、床歩けないじゃないっ、こ、これ蛾の幼虫よ幼虫っ!!」
「それは蛾じゃないわ」
「はあ?」
「恙虫よ」
「何それ」
「刺されると、大体五十パーセントの可能性で死亡するの」
「なっ、なっ、ちょっ!」
「冗談よ」
 真顔のレイを見て、アスカは絞め殺したくなったが取りあえず抑えて、
「毛虫でも羽虫でもいいから、取りあえず掃除するわよ」
「掃除…するの?」
「するの!こんな部屋、女の住む所じゃないじゃないのっ」
「そう、残念ね」
「ざ、残念?」
「なんでもないわ」
 後ろ手に、既に卵形のローターを握っていたレイだが、アスカは無論知らない。
 変なやつねえ、と言いかけたのを途中で止めて、
「で、掃除用具はどこにあるのよ」
「お風呂場よ」
「そう、風呂場ね」
 で。
「何よこれー!!」
 バケツの中に、無造作に放り込まれた包帯と、水分を喪い干涸らびたような雑巾に、アスカの叫び声が上がるのは三十秒後の事である。
 
 
 
 
 
「で、アスカは具合悪くなったの?」
 訊かれた時、シンジは内心で嫌な予感がした。
 じゃあ切り上げて帰るから、などと言われたら困るのだ。
 いや、泊まりに行っているのはレイの家だが、今まで仲が悪かっただけに、おかしな勘ぐりなどされて黒服をレイの家になど行かされては困る。
 なぜか、レイには黒服が張り付いていない事を、シンジはレイに聞いていた。
 無論、今もレイの家までは付いて行ったかも知れないが、内部の盗聴まではしていないはずだ。
 だから、ミサトが余計な気を回さない限りばれない筈なのだ。
「いえ、そんな事はないんですけど…」
 口ごもったのはもっと不審である。
 が、ミサトは違う意味に取ったらしい。
「ああ、そう言う事ね」
 三人が、全裸でテストに臨んだ今日の事を思い出したのだ。
 シンジを先に行かせたからその裸は見たわけで、アスカなりに照れてるのかも知れないと、おそろしくいい方に解釈したのだ。
 これがもし、口腔性交は体験済みと知ったら、どんな顔をするだろうか。
 とまれ、ミサトが勘違いしたらしい事を知り、シンジは内心でふうと溜息を付いた。
(ミサトさんが鈍くて良かった…)
 と。
 
 
 
 
 
「はあっ、はあっ、はあっ」
 別に喘いでいる訳ではない。
 いや、喘ぎが元々息を求める、の意にあるとすれば、あながち間違いでもないが。
 要するに、やっとこさレイの家の掃除が終わった所なのだ。
「あんた一体どういう生活を…」
 言いかけて、アスカは途中で止めた。
 ずぼらかつ面倒だからしない、彼女の家の家主とは一線を画しているような気がしたのだ。
 無論根拠がある訳ではなく、単に感じただけだが。
 しかし、事実を見れば当たっていたと言えよう。
「ありがとう、アスカ」
「え?べ、別にいいわよ。ただ…こんな所でスルのは嫌だか…あ」
 余計な事を口走った、と気付いた時にはもう、レイの顔が迫っていた。
「ちょ、ちょっとあんたっ、んむむーっ」
 顔を捉えた手と唇は柔らかかったが、舌はするすると侵入してきた。
 咥内は狙わず、真っ直ぐに歯の間を割ったレイの舌は、あっさりとアスカの舌を捉えていた。
「むむんっ」
 アスカの背が反ったのは、いきなり舌の裏側を責められたからだ。
(や、やだキス上手い…)
 捕まえた舌を解放すると、今度は丹念に咥内を舐りにかかった。
 口の中でレイの舌が踊るたびに、アスカの全身から力が抜けていく。
「んん…むう…んうう…」
 声にならぬ声が漏れ、開いた唇からは混ざった二人の唾液が滴り落ちる。
 レイがやっとアスカを放したのは、アスカがもう自力では立っていられなくなってからである。
「な…何すんのよぅ…」
 舌足らずな声で言ったアスカに、
「何も出来ないから、せめてものお礼よ」
 レイはひっそりと笑った。
「お、お礼ってあんた…」
「さ、続きしましょう」
 言い終わる前に、アスカの躰は宙に持ち上げられていた。
 正確に言えば、レイの腕の中に。
「ちょ、ちょっと放しなさいよっ」
「駄目」
 あっさりとレイは拒否した。
 あまつさえ、
「花嫁をベッドに連れて行くときは、こうやって持っていくのよ」
「あ、あたしは花嫁じゃ無いわよーっ!!」
 アスカの叫びが、ガランとした室内に木霊した。
 他に住人がいれば、間違いなく警察に通報された筈であり、玄関前に黒服が張り付いていなかったのは、幸いだったろう。
 この細腕の何処にそんな力が、と思われる程アスカは軽々と運ばれた。
 とす、とアスカをベッドに下ろし、ゆっくりとレイが覆い被さっていく。
 アスカが来るから、レイは一応制服を着ておいた。
 しゅるしゅるとリボンを解き、アスカの胸元に近づいてくる顔が、アスカにはどこか肉食獣のように見えた。
 
 
 
 
 
「アスカ…何してんのかなあ」
 当然の事だが、ミサトがいない所へアスカもいなければ、家の中はひっそりと静まり返る事になる。
 いつも三人、或いは二人はいただけに、静けさが妙に迫ってくるような気がして、シンジはぶるぶると首を振った。
 
「ちょっとシンジ、早くコーヒー入れてよ」
「シンちゃーん、悪いけど今日の皿洗い当番代わってぇ?」
 難題だったり我が儘だったり、いると結構うるさいと感じるものの、いないと間違いなく寂しい。
 ふう、と溜息を一つ吐いてから、
「綾波と…ちゃんと仲良くしてるかな」
 大丈夫とは思いながら、今までの事があるだけに、シンジの胸中には一点の不安が残っていた。
 
 
 
 
 
 がしかし。
「ああっ、レ、レイそこやあっ、あああっ」
 あられもない声を、家中に惜しみなく聞かせているのはアスカであった。
 無論、好きなように責めているのはレイである。
 一応二人とも全裸だが、まだ躰は重ねていない。
 それなのに。
 レイが乳首に軽く歯を当てる度に。
 レイの舌が俯せになったアスカの背を這う度に。
 レイの指がびっしょりと濡れた淫毛を挟んで、くいくいと引っ張る度に。
 まるで、徹底的に開発され、快楽を教え込まれた調教済みの娘のように、アスカは呻き、背をびくびくと反らせた。
「アスカは感じやすいのね」
 ふふ、と笑みを乗せた声で言ったレイは、これも少し顔は赤いが、性的興奮のそれはほとんどない。
 もし誰かが今のレイに触れたとしたら、股間が濡れていないのはおろか、乳首も平素のままだった事に気付いたに違いない。
「ば、ばかぁ…レイがあたしをこんなにして…ひうっ」
 アスカが顔を赤くして抗議した途端、レイがその股の間に顔を埋めたのだ。
 はふ、と息を吹きかけられただけなのに、アスカのそこからはどっと濃い液があふれ出してきた。
「アスカ、おねしょでもしたみたいね」
 こんな時、冷静な声での分析は恥辱以外の何物でもない。
 しかもレイは、そのまま唇を付けると愛液を飲みだしたのだ。
 
 ちゅ、くちゅ…ぢゅ…じゅうっ。
 
「あアン、そんなにしたら私おかしくっ、ああ、あっ!」
 レイが、舌の上に愛液を乗せるようにして吸い出してから、きっちり二分後に、アスカは初の絶頂を迎えた。
「んむうっ」
 レイの声がくぐもったのは、イッた瞬間アスカがぎゅうっと脚で締め付けてきたせいだ。
 それも、レイの頭を挟み込んで。
「ア、アスカ苦しい…」
 レイの声に、慌ててアスカは脚を離した。
「ご、ごめんレイ、大丈夫?」
「大丈夫よ」
 レイは妖々と顔を上げた。
 口の回りを拭おうともせずに、
「アスカのを呑むのに夢中だったから」
「なっ!?」
 かーっとアスカが赤くなるのを見て、
「キス、しましょう」
 するりと上がってくると、あっという間にアスカの顔は捉えられていた。
 
 んっ、はむっ、ん…んっ。
 
 軽く唇を合わせるだけのキスから、急速にレイの舌が入り込んできた。
 舌が舌に絡み取られて、唾液が入り込んでくるのはさっきと同じだが、アスカはその中に違う感触を知った。
(これが…あたしの?)
 自分の愛液を味わうなど、普段のアスカなら間違いなく唾棄していたに違いない。
 が、レイの淫唇への愛撫が理性のネジを緩ませたのか、アスカは自分から舌を絡め返していた。
 
 アスカが吸うとレイが吸い返し。
 レイが舌を絡めていくと、ぎこちないながらもアスカが絡め返す。
 
 何時終わるとも知れぬキスに、二人の唾液が入り交じった糸が、繋がった唇の間からこぼれ落ちる。
 先に動いたのはレイであった。
 片手を下へ伸ばすと、アスカの下腹部へ指を送り込んだのだ。
 軽く内股へ爪を当てると、アスカの躰がびくっと震える。
 そこから円を描くようにゆっくりと動かすが、なかなか淫唇へは触れようとしない。
(レ、レイ、お願いだから焦らさないで…)
 舌を絡め合ったアスカの願いが通じたのか、
(じゃあ、アスカもしてごらんなさい)
(い、行くわよレイ)
 アスカも真似してレイの下腹部へ指を伸ばしてみた。
(なによこの肌、すごくきれい)
 自分の肌には自信のあるアスカですら、羨望を感じるほどの肌触りが、指先から伝わってきた。
 何とかレイを真似して、ゆっくりと指を動かしてみる。
 互いの内股を指で刺激しながら、先に秘所へたどり着いたのはアスカの指。
 ぴったりと閉じた大淫唇に触れた時、レイもアスカのそこへ指を辿らせていた。
 淫毛はレイよりアスカの方が濃く、しっとりと濡れたその付け根を、レイは二本の指でくすぐった。
「あふううっ」
 くすぐったいような刺激に、思わずアスカの唇が離れた。
「ちょ、ちょっとレイ」
「ここが濃い人はいやらしい証拠。こっちもほら、こんなに濡れて…」
 囁くような言葉と同時に、レイの指が離れる。
 見なくても、既に太股まで糸を引いている愛液を、指で掬い取ったと分かる。
「レ、レイだってこんな…あら?」
 負けじと指を伸ばしたが…あまり濡れてない。
「私の恥ずかしい証拠、見つかった?いやらしいアスカちゃん」
「くっ」
 二人とも、片手は相手の首に回したまま、もう片方の手で相手の秘所を弄り合っている。
 が、嬲るようなレイの言葉にも、アスカは反抗できない。
 なにせ、レイは殆どと言っていいほど濡れていないのだ。
 不感症、と言う単語がふと浮かんだが、シンジを前にした時は二人とも濡れていた筈だ。
(じゃ何、あたし相手じゃ濡れないって訳?上等じゃない)
 むらむらと負けん気のわき起こってきたアスカだが、その二秒後。
「ふああーっ」
 敏感すぎる身体に、クリトリスへの刺激は強すぎた。
 ましてそれが、既にもう鬱血して赤くなっているとなれば。
 今度はさっきより強かったと見えて、両足を突っ張らせたまま、アスカは肩で大きく息をしている。
「レ、レイあんた…」
「何?」
「あたし相手じゃ…濡れないの?」
 ひどく恥ずかしい気もしたが、二度も一方的にいかされては、プライドなどあったものじゃない。
 言葉は、唇から自然と出ていた。
 が、返ってきた言葉は意外な物であった。
「違うわ」
「え…?」
「アスカの躰は少し敏感だけど、それが普通なのよ。おかしいのは…私の身体だわ」
「レイ?」
 イッた余韻も忘れ、思わずアスカが起きあがり掛けたが、
「!?」
 何を思ったかくるりとレイが体勢を入れ替え、アスカの視界にその秘所がアップで飛び込んできた。
「アスカ、今度は私にもして?」
 言うなり、新たに愛液を湧き出させているアスカの泉に唇を付けた。
 一瞬腰が動いたアスカだったが、これも応じるようにレイの腰を引き寄せ、淫毛の辺りから唇を付けていく。
 シックスナインの姿勢で、互いの秘所をしゃぶり合うアスカとレイ。
 美少女同士の稚宴は、まだまだ終わりそうになかった。
 
 
 
 
 
「た、ただいま〜」
 ふらふらとアスカが帰って来たのは、明け方の頃であった。
「ア、アスカ?」
 うとうとしていたシンジは、玄関に入るなり倒れ込んだアスカに、慌てて部屋から飛び出してきた。
 ゴチン、と床にキスする直前でシンジに支えられると、アスカはにやあと笑った。
「へっ?」
「シンジ〜、あんたと最初にスルのはあたしだからねえ」
 ?マークを顔に貼り付けているシンジに、
「レイとねえ、賭けしたのよぅ。最初に相手をイかせた方がシンジとできるって」
「で、か、勝ったの?」
「勿論よう…シンジの為だモン…」
 そのまま、すやすやと寝息を立て始めたアスカからは、ほのかに石鹸の香りが漂ってくる。
 タンクトップからのぞく肢体に、つい指を伸ばしたくなる衝動を抑えて、シンジはずるずるとアスカを寝室へ引っ張っていった。
 ミサトがもうじき帰ってくる、と言う事が理性を何とか構築したのだ。
 
 
 
「五勝一敗、ね」
 うっすらと上気した顔でレイが呟いたが、その秘所には卵形のローターが収まっている。
 スイッチの強度は中、にしてあるが、アナルにも細いとは言えバイブが侵入しているのを見れば、シンジあたりは度肝を抜かれるに違いない。
「一度でも私が先にイッたら、碇君と先にさせてあげる」
 同居していながら、家ではそっちの進展がないと見ての言葉だったが、アスカはすぐに乗ってきた。
「ちょっと甘かったかしら…んっ」
 ぽん、とローターを引っ張り出し、レイは小さく喘いだ。
 その視界には、結局アスカに使う事の無かった器具が沢山転がっており、
「碇君を後ろから貫いて…楽しみね」
 口許に危険な笑みが浮かび、妄想が欲情を煽ったのか、レイは激しく乳房を揉み始めた。
 
 
 
 
 
(せかんどステージ了)

美少女同士の責め合いって、イイとか何より避妊絶対にないから楽。
ホモ?
それはや。