美少女侵入(1st stage)
 
 
 
 
 
「使徒の進入を許したのか!?」
 壁面に現れた一点のシミ。
 それがみるみる拡大していき、模擬体を操り出す。
 全裸のチルドレン達が水中に射出され、本部内では使徒対応に大わらわとなる。
 そして、MAGIが乗っ取られかけた頃−
 
 
 
 
 
「……」
 まだ、わずかに痛みの残る右腕を押さえながら、レイは自分の右肩を見た。
 既に十五分近くが立っていると、体内時計が知らせていた。
「碇君、どうしているかしら」
 自分と同じく、他のチルドレン達も放り出されているのだが、ふとシンジの事が脳裏に浮かんだ。
(碇君も裸、なのね…)
 まだ見たことのない筈だが、シンジの裸体が脳裏に浮かんできた。
 
 碇君の体…碇君の躯…碇君の裸…
 
 いつの間にか誤変換された単語に、レイの目許が段々と赤くなっていく。
「ここ寒いわ」
 不意に、レイがぽつりと呟いた。
 だが温度調整機能は正常に機能しており、一定の温度で保たれている。
 第一、この程度の時間でおかしくなっては、たまったものではない。
 が、そんな事態は無視して、レイはアーム横に付いているボタンを押した。
 小さなパネルが開き、出てきた画面には縦横の線が走っている。
 真ん中の光点は、おそらくこの零号機だろう。
 そして、そこからVの字を描くように二つの光点がある。
 その左は赤、そして右側は紫だ。
「碇君…暖めて」
 頬はうっすらと染めながら、だが口元には間違いなく妖しい笑みを浮かべて、レイはハッチを開けて抜け出した。
 前方の標的まで、その距離やく十メートル。
 息継ぎなしで、レイなら行ける距離だ。
 そう、このプラグよりもさらに近い距離にある、もう一つのプラグからお邪魔虫が来る前に。
 
 
 がしかし。
「もーう!こんな素っ裸でどうしろってのよっ!」
 元より、素っ裸でのオートパイロット実験には、一番反対していたアスカなのだ。
 挙げ句裸のまま射出されて、ほらみろ言わない事じゃないと、帰ったらミサトをとっちめてやろうと決意していた所である。
「それにしても」
 ふとアスカは周囲を見回した。
「バカシンジもファーストも、どこ行ったか分からないし。近くにいたらからかってやるんだけどな」
 そう、要するに暇なのだ。
 プラグ内にカメラが無いとは言え、すっぽんぽんで寝られるような神経を、あいにくとアスカはしていない。
「う〜、暇ねえ…暇暇暇ー!」
 プラグ内で、じたばたと地団駄踏んでいたが、ふとにやっと笑った。
「そうだ、バカシンジのやつからかっちゃえ。どーせ、あいつの事だから、その辺にぷかぷか浮かんでるんでしょ」
 そして、ソナーはさして離れていない場所の物体を感知した。
「でーい!」
 電気系統がおかしくなったか、開かないドアを蹴り飛ばすと、ぼんやりと見える物体への進軍を開始した。
 ただし。
 それがレイの物かも知れない、と言うことはころっと忘れていたのだが。
 
 
  
 
 
「もう…どうするんだろう…」
 裸、と言う状況で一番おろおろしているのは、このシンジである。
 やれ、と言われて否応を言うタイプではないが、三人揃って裸で出てくる時、
「レ、レディファース…ぐふっ」
「なーにがファーストよ!あんたがさっさと行きなさいよっ!!」
 誰もレイなんて言ってないのだが、先に行けとお尻を蹴飛ばされたのだ。
 しかもその時、背中がむずむずしたのは、決して気のせいではなかった。
(ふ、ふーん…け、結構男のくせに形いいじゃない)
(碇君のお尻…白くて柔らかそう…)
 二人の少女が自分を、それも臀部をじーっと怪しい目で見ている事に、無論シンジは気付かなかったのだが。
「このまま、忘れられたらどうしょう…僕は、僕はいらない子供だし…」
 他の二人と比べて、雲泥の差があるシンジだが、『一人落ち込み病』はシンジの持病である。
 いじいじと落ち込みかけた所へ、
「お邪魔するわよ」
「え!?ア、アス…あうっ!」
 扉が開いて、にゅっとアスカが顔を出したのだが、びっくりしてシートから転げ落ちたシンジ。
 その拍子に、後頭部を打ってたんこぶを拵えた。
「ア、ア、アスカど、ど、どうしてここにっ!?」
「遊びに」
「あ、遊びにってアスカ…」
 どぎまぎしながらも、既に視線はアスカから離せないシンジ。
 ユニゾン訓練の最終日、半乳はご開帳のアスカだが、それ以上は見てない。
 だいたい、寝言ごときでキスを断念するようなシンジに、風呂にカメラを仕掛ける度胸はないのだ。
(やっぱり、見てる見てる)
 三人とも裸でプラグに歩いていったせいか、あまり恥ずかしいとは感じず、それよりもどうやってシンジをからかってやろうかと、既にアスカの思考は小悪魔モードに入っている。
 が、
「ちょっとシンジ!あんたどこ見てんのよっ」
「だ、だってアスカがその…」
「何?無敵のシンジ様が、わたくしの躯なんかに興奮していらっしゃるんですの?」
(あれ?)
「ち、ち、違うよっ!」
 と、顔を真っ赤にして首を振るかと思ったら、なんか様子が変だ。
「…いよ…どいよ…」
(土井?誰の事かしら)
「あんた何言って…え?」
「ひどいよアスカ…いつも僕の事馬鹿にして…その気もないくせにからかったりして…」
(げ!?)
 すぐいじける奴、と言うのは分かっていたが、どう見てもその兆候である。
「ちょ、ちょっとあんた何言ってんのよ。べ、別にそんなんじゃないわよ」
 そんなんで最初は来たのだが、急遽予定が狂った。
 二人きりの密室で、いじけられたら鬱陶しい事この上ないのだから。
「ほ、ほら一人だと退屈だからさ、遊びにきたのよ。あんたが一人で心細いと心配してやったんだからね」
「…本当に?」
(か、可愛い…)
 普通は、いや絶対に逆の場面だが、シンジの顔が捨てられた子犬みたいに見えて。
 
 ちゅ。
 
 あ、まず…
 思わずキスしてしまったが、された方がしゅーっと赤くなって、茹で蛸のようになっている。
「ア、アスカ…?」
「つ、ついよつい」
「え?」
「べ、別に深い意味は無いんだからねっ」
 威張った時、自分たちの格好に気が付いた。
 素っ裸。
 二人して真っ赤になったが、先に我を取り戻したのはアスカだった。
「あらあシンジぃ?」
「え?あっ!?」
 アスカの視線の先に、シンジも気が付いた。
 そう、急速にフル充電された分身に。
(なんか…こけしみたい)
 この間、クラスの連中が沖縄へ行った時、洞木ヒカリが買ってきたのが、このこけしだったからだ。
 手足もない人形だと、奇妙な表情をしたアスカに、
「日本の伝統工芸なのよ」
 説明されたが、あの時のこけしに実によく似てる。
 ただちょっと違うのは。
「シンジ、これ筋が立ってるわよ」
「え?」
「この間、ヒカリに修学旅行のおみやげもらったのよ。“コケシ”ってやつね。シンジのとそっくり」
 くすくす笑ったアスカに、
「そ、そうかな」
「で、シンジ?」
「え?」
「これ…その…勃起って言うんでしょ…」
「う、うん…」
「それって…あたしの躯見たから?」
 違う、と否定できる所ではない。
 この空間には、二人しかいないのだ。
 ゆっくりと首を縦に振ろうとした時、
「碇君?」
 ハッチが開いて、レイが顔を出した。
「あ、綾波…」
「ファ、ファースト」
「…何をしているの」
 シンジの股間の状態を確認したレイが、アスカとの間に無言の火花を散らし、そんなに広くない空間に緊迫した空気が漂った。
 
 
 
 
 
「メルキオールが、使徒にリプログラムされました!」
 悲鳴にも似た声の直後。
「人工知能メルキオールにより自律自爆が提訴されました。否決…否決…」
「マギが敵に回るとはな」
 後方に冬月の呟きを聞きながら、
「エントリープラグ、射出しておいて正解だったわね」
 内心で洩らしたミサトだったが、その内二つが既に空だとは、まさか想像もしていなかった。
 そして、ガキ共(チルドレン)が三人とも、一カ所に集結しているなどとは。
 さらに、その内の一人が股間を“こけし状態”にしているとは、片鱗も浮かんでいなかったのだが。
 
 
 
 
 
 プラグ内にいやな沈黙が漂ったが、シンジの股間は依然萎えていない。
 最初に口を開いたのはアスカであった。
「ファースト、あんたなにしに来たのよ」
「あなたには関係ないわ」
 睨むようにレイを見ているアスカに対し、レイの視線はシンジに注がれている。
 いや、その元気になった股間に。
 アスカもそれを敏感に感じ取って、
「あ、あんたさっさと出て行きなさいよっ」
「あなたこそ出れば。あなた邪魔よ」
「な、何ですってっ」
 右手を振り上げたのを、慌ててシンジが止めた。
「ちょ、ちょっと待ってよ二人ともっ」
 自分を巡って二人の少女が、とか言うシチュエーションはシンジの脳裏にはなく、ただおろおろしているだけだが、喧嘩だけは嫌だとアスカの右手を懸命に抑えた。
「何よシンジ、あんたファーストの肩持つっての?」
「そ、そうじゃないけどその…」
「碇君」
 不意にレイがシンジを呼んだ。
「え?」
「セカンドに言ってあげて。邪魔だから、さっさと自分の所に帰るようにって」
「あ、あ、あんたっ!!」
「あいたっ!」
 アスカが、シンジの手を振りほどいてレイを張り飛ばそうとしたが、プラグ内だったもので、足を滑らせてシンジの胸に顔から突っ込んだのだ。
 あいにくシンジは裸であり、その胸にアスカの歯形が綺麗に付いた。
「い、碇君大丈夫っ」
 アスカを押しのけようとするのを、
「だ、大丈夫。僕は大丈夫だから…」
 手で押さえて、
「せ、折角来たのに、お願いだから二人とも喧嘩しないで…」
 どの辺が折角なのかは不明だが、
「シンジ…」
「碇君…」
 ちょっと視線の端でお互いを認めて、すぐぷいとそっぽを向いたが、
「じゃ、シンジ、あんたが決めてよ」
「え?」
「あたしとファースト、あんたに選ばれなかった方が帰るから。ファースト、それでいいわね」
「いいわ」
「あ、あの選ぶって何を?」
「待って、その前に」
 LCLの排出ボタンを押すと、みるみるプラグ内は酸素と入れ替わった。
 三人とも髪が濡れており、特にアスカとレイは、二人ともさほど濃くない淫毛が肌に張り付いており、それが視界に入ったシンジはごくりと生唾を飲んだ。
「ファースト」
「何」
「あんた、シンジに興味あるんでしょ」
 好き、と言わないのがアスカらしいと言えるかも知れない。
「興味?分からない。でも私は、碇君に私だけを見ていて欲しい」
 シンジの目をじっと見ながらレイが言ったもので、シンジの方が顔を赤くしている。
 一方、こんな答えが返ってくるとは思わなかったアスカだが、
「そう、でもそれはあたしだって同じよ」
 などと言い出した物だから、一瞬で顔から火を噴いたシンジ。
「あ、あうあう…」
 純情な乙女のように真っ赤になったシンジを見ながら、
「どっちをシンジが選ぶか、負けた方が身を引くのよ。さ、シンジ…」
 何をするのかと思った瞬間。
「ア、アス…ぶーっ!」
 噴き出したシンジの前には、四つん這いになったアスカの姿があった。
 膝を付いたアスカの脚の間には、ぴったりと閉じた淫阜が。
 そして、そのさらに奥にはぷくっと突き出した乳首が二つ。
 何よりも、シンジの目前にはピンク色のアヌスの襞が息づいているのだ。
 シンジが再度生唾を飲んだ時、
「碇君、見て…」
 シンジの左側に、まったく同じ光景が展開した。
 まるで陶器のようなレイの肌は、うっすらとピンク色をした乳首が、一際淫靡さを際だたせて見える。
 正面から二人の裸を見たとき、淫毛が恥骨の上でちょっと群れている感じなのがレイで、大淫唇を半分くらいまで覆っているのがアスカだ。
 二人とも、四つん這いになった姿勢からは、淫毛は見えておらず、殆どうり二つの光景に見える。
 が。
(あれ?)
 身を乗り出して二人の陰門に見とれていたシンジが、ふとわずかな差に気付いた。
(アスカのは、ちょっとびらっとしたのが出てるんだ)
 たるんでいる、と言うほどでは無論ないが、小淫唇がかすかにはみ出している。
(触ったら、きっと気持ちいいだろうなあ…)
「シンジ、どっちか…え、選んで…」
 涎でも垂らしそうな顔で見ていたシンジを、アスカの声が現実に引き戻した。
「そ、そんな事言われたって…」
 まさか人生十四年目にして、こんな選択を迫られるとは思わなかった。
 どっちかを彼女に、と言うならともかく、おっぱいどころか淫丘まで、しかもアヌスまでくっきりと見せて自分の前に全部さらけ出しているのだ。
 百戦錬磨のドン・ファンならともかく、優柔不断と一人遊びが身上だったシンジに、選べと言う方がはなっから無理だ。
 迷った挙げ句、シンジが選んだ方は。
 
   
 
 
 
「おかしいわね…」
 キーボードを叩いているリツコは、既に対使徒用のプログラムを打ち込んでいる最中だが、その横でミサトは携帯を手にして首を傾げた。
「どうしたの」
 訊きながらも、リツコの指は止まらない。
「プラグの通信機に直アクセスしたんだけど、繋がらないのよ。アスカもレイも出ないわ」
「寝てるんじゃないの。シンジ君にでも連絡してみたら」
「そうね」
 ミサトがボタンを押そうとした時、
「ミサト、そこのレンチ取って」
「え?ああ、うん」
 ひょいと取ってリツコに渡すミサト。
 一心不乱にキーを叩くリツコに、
「MAGIってさあ、あんたのお母さんが造ったんでしょ?少しは教えてよ」
 ミサトの興味はそっちに移り、結局シンジのプラグへは連絡される事が無かった。
 それが凶と出るか吉と出るか?
 
 
 
 
 
「ひうっ」
「あふうっ」
 殆ど同時に声を上げ、瞬時に相手を視界の端に入れた。
 そう、股間に手を伸ばされている相手の姿を。
「ちょ、ちょっとシンジっ!選んでないじゃないっ」
 アスカが抗議の声を上げ、
「碇君…」
 レイも、無言の抗議を含めた視線をシンジに向けた。
「だ、だってその…い、いきなり選べなんて無理だよう…」
 台詞も情けないが、股間を最高に膨張させて、しかも少女二人の股間に手を差し入れている姿は、一層の物である。
 ただし。
 これがもじもじと俯いて、股間すら萎縮していると来た日には、全身を縄でぐるぐる巻きにして追放の刑決定である。
 はーあ、と先にため息をついたのはアスカ、
「やっぱりシンジじゃ無理か」
 ちらっとレイを見て、
「ファースト、一時休戦よ」
「いいわ」
「ほげ?」
 何がどう休戦で、何がどういいわなのか、ちっともさっぱり全然分かっていないシンジ。
「あ、あの何が…」
「この場は、きょ、共同であんたを頂くって決めたのよ」
「頂く?」
 まだ分かっていないシンジに、
「いいわよ、あんたはじっとしていて。ファースト、でも最初はあたしだからね」
「仕方ないわ、セカンドは淫乱だもの」
 かーっとその顔が赤くなり、
「な、何よあんただって、ここもうぬらしてるくせにっ」
 二人ともシンジにかぶさるような格好になっていたのだが、そのレイの股間に手を伸ばしたのだ。
 くちゅっと、明らかに水音とは違う音の後、抜き出した二本指を勝ち誇るように開いて見せた。
「あらあ、このねばねばしたのなにかし…ひゃあんっ」
 食い入るようにアスカの指を見るシンジに、羞恥からか目許を少し赤く染め、そのままアスカの股間に指を伸ばすレイ。
 ちゅっ、にゅるっ。
 同じような音の後、
「私より濃いわ」
 ぽつりと呟く台詞は、こんな時はかなり利く。
 すぐにお互いの股間に手を伸ばし、刺激し合うのをシンジは陶然と眺めていた。
「んっ、んんっ」
「くふんっ」
 声を出さないよう、ぐっと唇を噛んでお互いを責め合う姿は、女を知らぬシンジに取って、余りにも刺激が強すぎた。
 何でこんな事になったんだろう、などと考える余裕も、ましてや僕を構ってよと止める余裕などさらになく、
「はあっ、はあ…はあっ」
 シンジの手は、いきり立った自分の肉竿へと伸びていた。
 たまらなくなったように、激しくしごき立てる姿に、先にレイが気付いた。
「い、碇君待ってぇ」
 同性だけに、感じる所は分かっている。
 急所を責め合って、二人とも乳首を硬くして胸を上下させており、指からはとろとろと愛液が滴っている。
 その手を止めて、発射準備が出来ていそうな肉竿をくっと押さえた。
 
 ぬるりっ。
 
 先から液が出ている肉竿を、愛液でぬるつく手で握った途端、シンジの背に初めての快感が走った。
 レイの手が肉竿に触れた時、包み込むようにぬるっと滑った事も、そして初めて異性の指で触れられた事もあったろう。
「ま、待ちなさいよぉっ」
 アスカが、これも濡れきった声でレイから肉竿を奪い返そうとした時、二人の顔はシンジの股間のすぐそばに来ていた。
 そして次の瞬間。
 
 びゅっ、びゅくびゅくっ。
 
「あっ」
「あふっ」 
 勢いよく迸った精液が、アスカとレイの顔を揃って白く染め上げた。
 しかもそれは、溜まりきった物を吐き出すように、すぐには止まらず、丹念な迄に二人の美少女の顔に射精を続けた。
 風俗でも、よほどの料金を取られるオプションを、異性の前での初めての射精で経験したシンジ。
「あ、ああ…はあ…はあ…」
 まだ勢いが萎えない肉竿と共に、荒い息をついていたが、驚いたのは掛けられた方である。
「な、何すんのよっ!!」
 叫びかけた途端、鼻の上に溜まっていた液がとろりと落ちて、アスカの口腔に侵入した。
「ご、ごほっ、げほっ、ごほっ」
「ご、ごめんアスカっ」
 吐き出そうとしたアスカだが、何を思ったかごっくんと飲んで、
「にがーい」
 顔をしかめたが、白色に彩られているせいでひどく淫靡に見える。
「飲んじゃったじゃない。シンジ、責任取ってよねえ」
「え?」
 そ、そんなあと言おうとした時、アスカの手がシンジの肉竿をねっとりと握った。
「やんちゃな子にはお仕置きよねえ」
 ゆっくりと顔を近づけて来た。
 その口が開いているのに気付き、まさか噛まれるのかと思った瞬間。
 
 ごき。
 
「な、何すんのよファース…むむー!」
 ごきりとアスカの顔を捻ったレイが、いきなりアスカに口づけしたのだ。
 アスカがわずかに顔をしかめた所を見ると、レイの咥内に溜まっていた精液を口移しされたらしい。
「碇君の精液、すぐに飲むのはもったいないわ」
 いや、それ以前に飲むものでは無いはずだが、
「アスカ、あなたの唾液もちょうだい」
 異様な程、積極的になったレイが、再度アスカと口づけする。
 初の顔射、それに飲精を経験して羞恥のねじが吹っ飛んだか、これも避けようとはしなかった。
 美少女同士の濃厚な生のキス、それだけでも貴重な画像だが、二人の顔は自分の精液で彩られていると来れば、シンジの心臓は爆発寸前であった。
 しかもふと股間を見ると、まったく萎える気配がない。
 まるで、今出したのはただの尿だった、とでも言うように。
「んふ…ふ…」
「はむふ…んーう…」
 最初は二人とも目を開けていたが、すぐに双眸をとろけさせて目を閉じた。
 さっきまでの対立が嘘のように、お互いの柔らかい舌をついばみ合っている。
 が、その繋がった唇から筋となって落ちてきたのは、溶け合った唾液ではなく…シンジの精液が混ざった唾液。
 アスカの唾液にレイの唾液、それにシンジの精液が加わった物を、二人は咥内でお互いにやりとりしているらしい。
 息が続かず、鼻息が漏れるようになってもまだ、二人は唇を離さなかった。
「『ぷはっ』」
 二人がやっと離れた時、その顔はすっかり上気していた。
 そして、勿論シンジの顔も。
「レ、レイ…あ、あんたキス上手じゃない」
「アスカの舌も、とても柔らかかったわ。でもまだ足りないわ」
「足りない?あっ」
 びっくりしたのは、レイの顔が近づいてきても唇が触れなかったからだ。
「顔はね、お互いに舐めて綺麗にするのよ」
 
 ぺろ…ぴちゃ、ぴちゃ。
 
「ちょ、ちょっとやだレイくすぐった…ああんっ」
 もだえるアスカの反応を楽しむように、わざといやらしく音を立てて、精液を綺麗に舐め取っていく。
 そして数分後、アスカの顔に精液の形跡はまったくなく、そしてその代わりにレイの唾液で濡れ光っていた。
「きれいになったわ」
「あ、ありがとレイ。こ、今度はあたしが…」
 レイの顔をそっと手で挟み、丹念にこれまた舐め取っていくアスカ。
 キスと、顔への愛撫にも似た舌使いのおかげで、二人の股間はさらに愛液をわき出させ、二人の太股まで伝っている。
 唾液で濡れ光るお互いの顔を見ながら、口元に微笑にも似た色を浮かべた二人。
 仲直りしてくれたのはいいが、置いて行かれたような気がしたのは、男の性(さが)かもしれない。
「あ、あの…」
 言いかけた時、
「次は碇君よ」
「あんた、仲間はずれって思ったでしょう」
 揃って妖しく笑うと、両側からすっとシンジの股間に顔を寄せた。
「碇君のここ、元気なままね」
 レイが言うと、
「違うわよレイ、あたし達のキス見てまた勃っちゃったのよ。ねえ〜?」
「そ、その…う、うん」
「じゃ、ごほーび」
「はうっ」
 低く呻いたのは、いきなり先端をアスカがちろりと、赤い舌を出して舐めたからだ。
 亀頭からだんだん下がってきて、付け根まで行ってからまた上る。
 一往復してから、
「あたしこっちでいい?」
 訊いたのには仰天したが、
「いいわ、でも交代してね」
「分かってる」
 勝手に納得し合うと、かぷりと亀頭を口に含んだ。
 ぞろり、となめ回した瞬間、腰の奥からずきずきと快感が押し寄せた。
 独りでに腰が浮き上がるのを、
「碇君、まだ早いわ」
 と、レイが艶めかしく押さえつけ、ゆっくりとストロークに入っているアスカの、顔の下から陰嚢を捉えた。
 
 はむっ。
 
 玉を舌で押さえてから、軽く歯を当ててなぞる。
「はあっ、そ、そんなにしたらっ」
 五秒も経たない内に、シンジはもう眉をしかめていた。
 このままでは、間違いなく射精すると分かっていた。
 いくら美少女同士の痴態があったとは言え、十秒も保たなかったら早漏だと、はっきりしない知識の中でシンジは思い出していた。
 
「早すぎるヒト」
「遅すぎるヒト」
 セックス系の雑誌を見せられた時、セックスしたくない、ワーストのトップにそれがあったのだ。
 見せた張本人のケンスケは、
「ま、どっちとするにしてもあまり過ぎるとやばいからな。ま、コンニャクとか色々あるから、今の内練習しとけよ」
 と、さっぱり分からない事を言っていたが、早過ぎと遅過ぎは駄目、それだけはシンジの脳裏にリフレインしていた。
(でも早いのと遅いのって、どれくらいなんだろう…勉強しておけば良かった)
 舌技や指技と違って、勉強すればすぐ直る代物ではない。
 が、そんな事にシンジは気付かず、
(どれ位我慢すればいいのかなあ…うーんとうーんと)
 しかめた顔が、いつしか快感を抑える物から、時間を悩む物へと変わっていき、その間にも、アスカとレイの動きは止まらない。
 シンジが悩んでる間に、アスカとレイは幾度か位置を入れ替え、今はレイが肉棒を咥内深くまでくわえ込み、
「んぐんぐ…ぴちゃっ、ぴちゃ、ちゅぽっ」
 勢いよく上下運動を繰り返している。
 何とか気を逸らそうと、時間は時間はと考えていたが、乙女二人の舌攻撃には、悪あがきもあっさり撃退された。
「も、もう…僕…」
 既にシートは倒しているが、女の子のような声に、アスカとレイが揃ってシンジを見上げた。
「ふぐ?」
「ぬむ?」
 レイは根本近くまでくわえたまま、そしてアスカは袋を咥内で転がしたまま。
 揃っての上目遣いに、
「あうっ」
 一気にシンジは放出していた。
「ゔっ」
 一瞬むせかかったレイだが、すぐに口元を押さえ込み、口を一杯まで膨らませてたっぷりと受けた。
「ご、ごめん綾波…」
 二度目の射精も顔、それもレイの咥内へとあれば、これ以上の場所はあるまい。
 謝りながらも、さっきと違ってどこか満足げな物があるのは、多分そのせいだろう。
 また、レイの方もリスのように口をふくらませたままで、ふるふると首を振った。
 
 こく…こく…ごく。
 
 喉を鳴らして飲み干した後、
「ごちそうさま」
 口元を白濁に彩ったまま、にっこりと笑った。
「『え…』」
 アスカとシンジが、レイの顔を見つめたものだから、
「な、なに…」
「あ、あんた笑えるんじゃない」
 アスカが驚いたように言ったのに続いて、
「綺麗な顔で笑うんだ…」
 シンジまでこんな事を言いだし、
「な、何を言うのよ…」
 口元は精液が生々しく残り、とてもいやらしい状況にもかかわらず、なぜかとても綺麗に見えて、二人とも一瞬見とれたが、すぐにアスカがシンジのお尻をつねる。
「いたっ」
「な、なに見とれてるのよっ」
「べ、別にその…」
 その様子を見て、レイがくすっと笑った。
「な、何よ…」
「アスカも、碇君に褒めて欲しいのね」
「ばっ、あ、あたしはっ」
 かーっと赤くなったが、その表情は肯定している。
(さ、碇君)
 表情でレイが促したのを、ちょっと下を向いたアスカは気付いていない。
「あのアスカ…」
「なによ」
「アスカも、その…可愛いよ」
 が、何を思ったかこのシンジ、褒めただけではなく、アスカの乳房をぐにゅっともんだのだ。
「お、おっぱいだって形いいし…」
「ばっ、ばか…」
 真っ赤になったが、平手を飛ばす事もなく、手を振りほどくでもなくその代わりに。
「シンジ、キスしよ」
 シンジの返事も待たず唇を合わせていく。
「ん…ん…」
 初めてのキスは甘い味、はしなかった。
(なんか苦い…)
 絡めてくるアスカの舌の感触より、巧みになぞってくる舌技より、妙な苦さを舌に感じていたアスカ。
(これ…精液かな…)
 自分の体液かと思った時、シンジの股間はおとなしくしたまま。
 それを見たレイがふふ、と笑う。
 やっと唇を離したアスカだが、なぜか赤くなっているのはアスカだけ。
「シンジ…どう…ん!?」
 ちらっと股間を見たのは、女としての物に違いないが、そこがしーんとしているのを見て、その眉が上がる。
「ちょっとシンジ!これどういう…」
「待って」
 レイがすっと指を伸ばし、アスカの唇に当てた。
「男性器は、そんなに続けて勃起できる物ではないわ。一度射精すると、ある程度の感覚は必要なの」
 教科書を講義するように言うと、
「取りあえずここまでにしましょう」
「だ、だってレイ…」
 アスカが不服そうに言うが、完全に主導権はレイに移っている。
「続きは私の家でしましょう。二人とも、泊まりに来るといいわ」
「『え?』」
「これだけの時間、迎えがないのは本部で何かあったのよ。だとすれば」
「『だとすれば?』」
「葛城三佐は、後始末で帰って来ないはずよ。二人とも、私の家に来れるでしょう」
 冷静に分析するレイを、アスカとシンジは呆気に取られたように見ている。
 レイもそれに気付いて、
「私の家に来るのは…嫌?」
 すこうしだけ悲しそうな口調で訊ねたから、二人揃って首を振った。
「そんな事ないわよ、レイ。だってもう…他人じゃないんだし」
 言ってからアスカは恥ずかしくなったらしいが、レイと二人して赤くなっているのを見て、何となく蚊帳の外のような気がしたシンジ。
 ただ、二人股間を開いて比べさせられるより、シンジの気性としては遙かに楽と言える。
 だいたい、選べと言われて選べるような根性は、シンジを逆さに振っても出てこないのだから。
「そうね…」
 レイも一緒に頬を染めていたが、
「この中は、もうLCLもないし匂いもきついわ。移動しましょう」
 言われて初めて気付いたが、LCLを排出したもので、室内は青い精の匂いが思い切り充満している。
 特にアスカとレイは、その股間からむせ返るような匂いを発しているのだ。
 勿論、二人はまだ欲求不満だが、シンジが打ち止めになっても困るし、それ以前にちょっと元気になってくれそうもない。
「でも、どこに移動するのよ」
「私の所と、アスカの所よ。碇君はアスカの所へ行って。アスカは私の所へ。それとこのプラグは水で満たしておくの」
 殆ど、悪巧みIQ250と言った感じのレイに、二人は半分呆れ、半分感心して頷いた。
 ただ、そのレイも二人が自分の所に来るのか不安だったのか、
「私の家へ来るの…約束よ」
 ちょっと不安げな口調に、
「分かってるって。ちゃんと行くから」
 くい、とレイの顔を持ち上げかけて、
「ほら、あんたも」
 シンジの顔も引き寄せた。
 三人の顔がくっついた所で、舌を出したのも殆ど同時だったろう。
 
 ちゅぷ、ちゅぱ、ちゅぱっ。
 
 舌だけを絡ませ合い、その手は思い思いの所へ伸びている。
 アスカの手はシンジの股間へ。
 シンジの右手はレイの乳房へ。
 そして、レイの左手はアスカの股間を巧みに触れながら。
 顔が離れた時には、三人とも上気した顔になっており、
「じゃ、先に行くわよ。ほら、レイ」
 来た時とは豹変とも言える違いで、レイに手を差し出したアスカ。
「あ、ありがとう」
 きゅっとレイが握り返し、
「碇君、それじゃ」
 手を繋いだまま、水中に二人出ていく。
 パタン、と閉まったドアを見ながら、
「あんな事になるなんて…でも、二人が仲直りしてくれたのは良かったな」
 ぽつりと呟いてから、
「アスカと綾波の舌…柔らかかった…」
 むしろ、良かったのはこっちかも知れない。
 にやあ、と嬉しそうに相好を崩してから、
「そうだ、もう行かなくちゃ」
 これもドアを開けて、一気に水を蹴り出す。
 近いアスカの方へシンジを行かせたのは、レイの思いやりだったのだが、そこまではシンジも気が付かなかった。
 
 
 
 
 
「シンジ君達が移動していた?」
 アスカとレイが一緒にいた、しかも仲が良さそうだったと聞いて、ミサトは首を傾げた。
 ただ、シンジ用のプラグが浸水していたと聞いて、そうかもしれないわね、と納得。
 だいたい、使徒が侵入した騒ぎで、それどころでは無かったのだ。
 そのせいで、上がってきた三人がお互いの躯をちらちら見ながら、双眸にある種の光を浮かべていた事には気が付かなかった。
 そう、欲情と言う名の光を。
 
 
 
 
 

(ふぁーすとステージ了)


見た目は単なる三角関係にレズ有りの十八禁物
イヒッ。