判裁京東


パル判決書(上)

昭和五十九年二月十日 講談社学術文庫 税別二千二百円
ISBN4-06-158623-8 C0130

 パル判決書──和訳して八十八万五千字余りの大文章は、多数派判決の法律的見解と事実認定に真っ向から反対し、連合国司令部の意向を歯牙にもかけず、堂々と法の権威と独立を守り通した。その卓越した法理論、歴史に対する造詣の深さは驚くばかりである。そして全篇を貫くものは、冷徹にその真因を追求し、なにが真実かを識別して行く、厳正にして真摯な態度であった。


パル判決書(下)

昭和五十九年二月十日 講談社学術文庫 税別二千円
ISBN4-06-158624-6 C0130

 本書は、パル判決書の解説書としては、東西を通じて初めての試みである。この公刊を機に、より広くより深く、パル判決書の研究が進められ、太平洋戦争の解明に役立つなら、それはやがて、被爆民族としての、世界平和への切実な使命感へと実って行くであろうし、また、かつての国際軍事法廷で、敗者の正義を守った英知と勇気の人──ラダビノッド・パルへの、こよなき餞ともなるであろう。


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