この想い、J・R&Bにのせて。
シオン・シュリィさん
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ダイナモが、ある日突然イレギュラーハンターに入隊して、早二週間。
ダイナモとエイリアの見事なコンビネーションは、いまやハンターベースの中では、有名な話になっていた。
もちろん、ダイナモとエイリアの仲の事もである。
「ダイナモはほぼエイリア目当てで入隊を決めて、そんな彼をエイリアが入隊できるよう頼んだらしい」という噂がたつほど、二人のラブラブっぷりはすごかった。
しかし実際の話は、「ダイナモは、エイリアに出会って今までの罪滅ぼしがしたいと思いイレギュラーハンターに入隊。エイリアは、彼の実力を見込んで入隊する際に推薦。」と言うものだったが、本人達は、全く気にしていないようだった。
そんな、ある日の事。

―――溢れ出しそうな 涙 隠して
           それでも夜明けを探しているよ―――

「おや?」
エイリアの所にやってきたダイナモは、部屋の中に音楽が流れている事に気づいた。
やさしい曲調の歌だ。ゆっくりしているテンポだが、どこかどこかリズムがあって明るい。
「…ダイナモ?」
ダイナモの姿に気づいて、エイリアがこちらを向く。
「ノックぐらいしてから入ってって、いつも言ってるじゃない。」
「今日はちゃんとノックして入ったよ?…歌に気を取られてたんじゃない?」
「〜〜〜〜〜っ!!もう!」
エイリアは、顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。
そんなエイリアを見て、ダイナモはいつものように、「カワイイなぁ〜」と、思わずにんまりと笑ってしまうのだった。
正真正銘のバカップルである。

―――心から笑えた あの頃では
             自分の幸せ気づかないね―――

「きれいな曲だな…」
「そうでしょう?かなり前の曲らしいんだけど、私の部屋のファイルの中に、この曲のディスクが入ってて…かけてたら気に入っちゃった。なんだか元気が出るような…そんな気がしてね。」
「ふぅん?」
ダイナモはそううなずいて、目を閉じた。
「なんか、エイリアみたいだな、この歌。」
「えっ?」
突然何を言い出すんだこの人は、と言う顔になるエイリアを見つめてダイナモは言った。
「やさしい感じの曲だし、歌詞の「自分の幸せ気づかない」…ってところ。なんか、そんな感じがするんだよな、エイリアって。」
「まさか。」
ダイナモの言葉を否定したエイリアは、すぐにこう続ける。
「そんなこと言うんだったら、この歌、ダイナモにだって似ているわ。」
「え?」

―――前向いて歩き出そう   いつの日もどんな時も
                明日は必ずやってくる―――

「次のフレーズの所…ほらここ!この所!「前向いて」って所!あなたのセリフみたいじゃない。私、こんな前向きな性格じゃないし。だから、この歌…ダイナモのほうが似てると思うの。」
エイリアは、少し遠くを見るような目で言った。

―――大地は微笑みを歌い  空は光 届けるでしょう―――

「え?なんで…俺ってそんなに泣きそーな顔してたっけ?」
「そうよ。時々、とっても悲しい顔してるわ!」
揚げ足を取って、からかうつもりで言ったのに、逆に驚かされるダイナモ。
俺が悲しい顔?冗談だろ?
そう思うダイナモだったが、ここは合えて黙っておく。
エイリアは続けた。
「なんだか、悲しそうな笑い方。なんて言ったらいいかしら。ほんの少し、悲しそうって思えるくらいなんだけど…ね。」
「……。」
「だから、「涙隠して」るのもダイナモのほうなんじゃないの?背負ってる物だって…」

ダイナモは、エイリアの話を複雑な気分で聞いていた。
そんなこと、考えもしなかった。気づきもしなかった。
俺が悲しい顔を?いつも、エイリアの前では笑顔でいたはずだ。
それに、どんな時だって笑って気分を軽くして、どんなことも切り抜けられた。
なのに、悲しい顔だって?
結局俺は悲しいとか思ったり、それを隠し切れないでいたのか?
俺は、弱かったのか…

エンドレスな思考が回り始めたが、それを止めたのは、エイリアの言葉だった。
「だから、だからこそ…ね…。」

―――愛を探そう 人は皆―――

「せめて、私の前では思い切り、感情を出していてほしいの。」
意外な言葉に、ダイナモはただ黙るだけだった。
「無理して笑うよりも、泣きたいんだったら泣いて、寂しかったら寂しいって、言ってほしいの。そうすればきっと…」

―――きっと誰も  強くなれる―――

「きっと、悲しいのが混ざらない、きれいな笑顔になれると思うの。だから…!」
エイリアの言葉が終わる前に、ダイナモはエイリアを抱きしめていた。
「ダ、ダイナモ…?」
自分の胸あたりにいるエイリアをしっかり抱きしめたまま、ダイナモは心の中でそっとつぶやいた。

誰も、強くなれるのだろうか?
この歌が俺に似ているのなら、俺も歌の言う通り、強くなれるのだろうか?

だったらエイリア、俺を強くしてくれるのはきっと、
君と言う、存在だと思うんだ…



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凄く良いですよ!シオンさん!!ラブですねーv
確かにダイナモさんって、エイリアさんに余計な心配をかけさせないようにって無理しそうな感じがします。でもでも愛し合う二人だからこそ、自分の持っている全てを見せれるようにならないとなんですよね!そうする事で二人の愛も一層深いものになるんでしょうねv


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