■蛍石■


蛍石
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 ――川の滸で蛍が見えた気がした

 ――その宝石は 自分を待っている

 そんな予感で一杯になった。
 だから子供みたいに駆け寄った、早く 川の精に逢おうと思って・・・。
 一度は見間違いと思った、でも 蛍に似た「宝石」が 輝いた筈だ。
 もう一度、風を待った。望みは まだあったから。

 ――水の上を 風が渡っていく

 光が瞬いて、闇に蛍が映えた。その蛍は風に靡きながら、人の姿を形作っていた。蛍たちが風に合わせ その人の髪の放つ光になって、消えたり瞬いたりしているのが、確かに分かる。

 ――俺は 幻を見ているのか

「――誰ですか・・・?」
 彼女が気付いた。サラっと、光を放つ髪を、気品ある動作で押さえる。姿からすると人間のようだ。 まあ、今の俺もそんな姿だが。
「誰です?
 名を 名乗りなさい。」
 毅然として名前を聞くのは、俺の事を 知っている人かも知れないとか思ったからだろうか。
「名乗らないのなら 私から話します。
 私は研究所の・・・。」
 この神秘的な風景に似合う姿は、まるで・・・、

 ――蛍石の精

「初めまして、蛍の姫君。
 モナムール(私の愛)と お呼び下さい。」
「―――え?」

 ・・・・・・・。
 ちょっとキザ過ぎた・・・?(汗)とか思ったら、
「――ふふっ!! 面白い人ですねv・・・」
 でも不思議・・・、どこか懐かしいけれども、やっと逢うべき人に逢えた気がしているんです、私・・・。」
「あ、やっぱ君もそう思う!?」
 だって、俺と蛍姫は逢って当然の宿命なんだから!!
そう思いながら 俺は、蛍姫に笑い掛けた。

 ――心地よい風は 希望を運んで来てくれた・・・



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エイリアさんの白衣さえ、ダイナモさんには精霊の衣に見えたとの事です。
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ご本人のご希望により、匿名とさせて頂きましたですー!
文章が凄く綺麗ですよねvエイリアさんの物腰が、確かに姫君って感じでドキドキですー!ダイナモさんのキザな台詞も凄く、彼らしいと言うか!
二人は出会って当然なんですね!きゃーv
これからエイリアさんは、ダイナモさんの事、モナムールって呼ぶんでしょうか(笑!?


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