出会い No.022 なにがしたくぞうさん ------------------------------------------------------------------ 「なんて失礼な男なんだろう。」それが私の彼に対する第一印象でした。 「・・・何だか・・・頭が痛いわ・・・」 「大丈夫ですか・・・エイリアさん?」 優しく声をかけてくれたのは、非番で、ハンターベース内に残っていたエックス。彼の隣で珈琲を飲んでいたゼロも心配そうに私の顔をのぞき込む。 「一度・・・メンテルームに行ってみた方が良いんじゃないか?」 「でも・・・」 「大丈夫ですよ!ここはおれがしっかり見てますから」 「へぇ・・・お前がか?」 「・・・・ゼロ、今なんか言った?」 「さぁ・・・」 そんなふうにじゃれあっている二人に笑顔を送り、軽く会釈をしてメンテルームに向かった。―・・・これが事件の始まりだとも知らずに・・・・。 レプリロイドでも頭が痛くなるものなのね・・・。そんな馬鹿ばかしい事を考えながら一歩一歩足を進めていった。心なしか足が重いのは・・・頭痛のせいかしら・・・? 「そこのボインの姉ちゃん、下、はき忘れたんか?」 「きゃあっ!!?」 いきなり後ろからなまりのある声が聞こえたかと思った瞬間、お尻をパシッと叩かれて思わずはしたない声を上げてしまった。 「い、一体何なんですか!?あなたは・・・」 「・・・・ども、今日はv」 後ろを振り返ると、私よりだいぶ背の高い・・・いかにもちゃらんぽらんそうな男が笑みを浮かべながら立っていた。 「アンタ今からメンテルームに行こうとしてるやろ?・・・エイリアさん?」 「な、何で私の名前を・・!?・・・その前にあなた!!ハンターベースの者じゃないわね!?」 「そんな分かり切った事・・何、今更言ってんねん。それになぁ・・・あんたの名前、青いちっこいのと赤い性格の悪そうなのが・・・おいアンタ!しっかりせぇや!?・・・エイリア!?」 突然目の前が真っ暗になって・・・何も見えなくなっていた。遠くの方で、彼の声が私の名前をそう呼ぶのが聞こえていた・・・。 「ん・・う・・・・」 「起きたのか・・・・大丈夫か?」 そこにはまだ多少のなまりは残っているものの、さっきと全く違った口調で話すその男が座っていた。ここはどこだろう・・・と、周りを見回すと、そこは慣れ親しんだハンターベース内のメンテルームで・・・。 「・・・あなたが・・・ここまで?」 「俺の名前はダイナモ。・・・目の前で倒れたレディを放っておける男じゃないもんでね?」 「ダイナモ・・さん。あ・・・ありがとう・・ございます・・・」 彼は私に笑い掛けながら首を振った。・・・こうして見ていれば・・・別に普通の人なのに・・・。―って何考えてるの私は!? 「・・・?どうしちゃったの・・・?顔真っ赤だよ・・?」 「な、何でもないです!!・・・それより・・何で・・・私を・・・?もし、ハンターベース内の誰かに見つかってしまったら・・・捕まってしまうかも知れないのに・・・」 「さっきも言った様に、俺は女の子には優しいんだぜ?・・・それに・・・・」 「え・・・?」 ダイナモの顔が突然アップになったかと思った刹那、彼の唇が私の唇に触れた。声を出そうと口を開けると彼の舌が滑り込んできて、更に深く顔が重なる。顎に手を掛けられ、逃げるにも逃げられない。ちゅ・・・っと音を立てて離れたかと思うと、もう一度深く口付けされ、頭の中が朦朧としてくる。唇の端から伝わっていく唾液を追いかける舌の動きに、顔が真っ赤になった。 ・・・どうしよう・・・心臓が・・・割れちゃいそう・・・ 「・・・そろそろ行かないと・・本当ヤバイかもね・・・。エイリア、またどこかで会おうな!・・・・じゃ、またな!」 今度は掠めるだけのキスをして走り去ってしまおうとする彼。何かを彼に告げたい気持ちは一杯なのに、口がパクパクするだけで、言葉が詰まって出てこない。胸に熱いものが込み上げてきて・・・ただただ、涙がでるだけで・・・。 ・・・恋をするって・・・こんな切ない気持ちになるんですか? ―・・ダイナモさん・・・ ------------------------------------------------------------------ ふみー(鼻血!!めちゃめちゃ出会い編なのに初っ端からラブ度全開なのですね!このお二人の場合は!! っていうかダイナモさんってば〜・・・紳士的〜と見せかけて、キス魔ー!!きゃーv なにがしさんチューの描写が凄くお上手すぎですよ〜v読んでいて凄くドキドキしてしまいました!!ダイナモさんは何気に舌使いがお上手・・・と(笑。 |