すっぽん棒の夢
あれなんていうんだろう。
トイレが詰まったときに、棒の先にゴムのお椀みたいなのが付いてて、すっぽんすっぽんするやつ。「詰まるトイレ」に遭遇することも最近滅多にないし、すっぽん棒(仮にこう名づける)も見かけなくなったよな気がする。
きっとあえて探せばまだスーパーには売ってるんだろう。
そう、そんなすっぽん棒の夢を見た。

見知らない会社のオフィス内にいる。入り口近くに女子トイレがある。
前の会社にいた先輩がもう1人の女性とトイレに行ったまま出てこない。
入ってみると2人でトイレを見下ろしながらすっぽん棒を使っていた。
「どうしたんですか」
「詰まっちゃったのよ」
しかし、先輩のすっぽん棒の使い方がまるで時代劇の殺陣のシーンを思わせるような、大胆で見事な刀さばき、いやすっぽん棒さばきなのである。
桃太郎侍かよ、という突っ込みをいれたい感じなのである。
そんな大げさなことをやっているせいかどうかはしらないが、先輩が棒を振りかざしたとたん、先端のゴムのおわん部分が棒から外れ、ぽーーーんと遠くに飛んでいっちゃったのである。
ここは室内のはずなのだが、何故か通りを挟んだ斜め向こうに建っている凝ったビルの上階のベランダあたりへ、ゴムのおわんはきれいに弧を描きながら飛んでいって消えた。
2人が私を見る。私の出番である。
私はバドミントンの羽根を捜しに行くような気分で仕方なく外に出た。

ゴムのおわんが飛んでいったビルの敷地は広く、建物に入るまでにきちんと整備された公園のようなところをずいぶん歩いた。
建物は凝った造りだった。最先端ではなくバロック調。ビルのオーナーらしき白人の中年男が窓際で人に何か話している。
フロアにしゃれた喫茶スペースがあり、そこをぐるりと回って裏手にあった従業員用の階段にたどり着いた。ゴミ袋を持ったウェイターとすれ違いながら階段を上っていく。
ずいぶん上ったところで見当をつけてドアを開けると、まさしくそこはゴムのおわんが飛んでいったとみられる半円に張り出したベランダだった。
ガラクタがいっぱいあって、猫がいっぱいいた。ガラクタとガラクタの間に猫が隠れているという感じだった。
私はガラクタを分別しながらゴムのおわんを探した。いい天気だった。
おわり。

という夢だった。目覚めたら遅刻しそうな時間だった。

「見知らない街シリーズ」にも書いたけど、リアルな夢をみることが多いので楽しい。
けどすっぽん棒の夢って。
私の脳みそにはそんなようなへんなもんしか詰まってないのだ。
うーむ楽しいぞ。
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