しゃべる物たち
時計がある。
会社から創立うん周年記念にもらったヤツだ。
正確な時間を自動調整するらしい電波時計の置時計で、
上についた細長いボタンを押すと「ただ今、何時何分です」としゃべる。
前面に飛び出しているアラームの設定ボタンを押せば
「アラーム時刻を合わせます」としゃべる。
これがだ。
ちょっと通りかかったときに軽く触ったりすると、しゃべる。
猫が顎を押し付けると、しゃべる。
まちがって倒すと、しゃべる。
新聞を押しのけるとボタンに当たって、しゃべる。
ぽんとけとばすと、しゃべる。
とにかく何かするたびにボタンに触れる確率が高くて
それがもうやたらとうるさいのである。
説明書を見てもしゃべりを止める設定はない。

さらにうちの電話。
留守録をセットするたびに「ただいま留守にしております・・録音なんたら約10分」
と長々しゃべる。
録音を聞いたり消したりする時も、
「録音・されています」 「消去・しますか」 「消去・しました」
「再生が・終わりました」
などとわかりきったことをしゃべりくさる。
液晶に表示されるわけだから見りゃわかるってゆー話である。

何故しゃべらせるのだ。
しゃべりが止まらないのは近所の奥さま連中と選挙カーだけではなかったのか。
やっぱ素人さんにもわかりやすく、ということなのか。
(何の素人さんだ)
というか何故OFF設定が付いてないんだろう。
ただでさえ騒音の中に生きているので
少しでも静かな空間を作りたいのになーと思うんだけど、
そういうひとって少ないのかなあ。

OFF設定さえついてればいいことかと。それ希望。
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