ラジオ用真空管規格表

家庭用のラジオを修理する際、参考になる真空管情報を集めました。
コメントは管理人自身の独断と偏見で書かれています、多少の間違いはご容赦。
ベース接続は、底面(下)から見た接続です。

型名 ベース接続 写真 主要規格 コメント

01A

(201A)

Ef 5V
If 0.25A
Eb
Ec1
Ec2
Tb
Tc2
rp
gm
μ
RL
Po
ラッパ付きラジオ時代の真空管。
201→201A(茄子型)→01A(ST)と進化。
201Aが最も多い。
201Aのトリタンフィラメントは点火すると明るい。

1D8GT
1R5
1S4
1S5
1T4
1U5
1V

2A3

Ef 2.5V
If 2.5A
Eb  250V
Ec1  -45V
Tb   60mA
rp   800Ω
gm  5250
μ   4.2
RL  2500Ω
Po   3.5W
電蓄(電気蓄音機)の出力管の王様。
2A3が使って有るだけで高級品。
A級シングルで電磁型SPを使うと、B電圧がふらついて苦戦した記憶有り。
昭和28年のマツダの卸価格617円(散髪180円の時代で)、
当時から高価だった。
2A5 Ef 2.5V
If 1.75A
Eb 250V
Ec1 (410Ω)
Ec2 250V
Tb  34mA〜35mA
Tc2 6.3mA〜9.7mA
rp 
gm
μ
RL 7000Ω
Po  3.1W
42の2.5V管。
戦前の高級ラジオに使われた。
戦後はまず見かけなかった。
UZ-2A6 Ef 2.5V
If 0.8A
Eb
Ec1
Ec2
Tb
Tc2
rp
gm
μ
RL
Po
戦前の5球スーパーの検波 低周波増幅管。
日本での使用例は非常に少ないと思われる。
2B7か57を使うことが多かったようだ。
Ut-2A7 Ef 2.5V
If 0.8A
Eb
Ec1
Ec2
Tb
Tc2
rp
gm
μ
RL
Po
戦前の5球スーパーの周波数変換管。
短波帯は引き込み現象が強いと言うことで、発振管が別に使われることもある。
戦後は生産されず、替わりに3W-C5が使われた。
(配線が変更されている)
Ut-2B7 Ef 2.5V
If 0.8A
Eb
Ec1
Ec2
Tb
Tc2
rp
gm
μ
RL
Po
戦前の5球スーパーの検波 低周波増幅管。
この時代は5極管が使われた。
3A8GT Ef 
If 
3S4 Ef
If  
3V4 Ef 
If 

3Y-P1

Ef 2.5V
If 0.9A
Eb 180V
Ec1 -10V
Ec2 180v
Tb 15〜16mA
Tc2 2.5〜4.5mA
rp 130KΩ
gm 1750
RL 12KΩ
Po 1W
47Bの代替え品として戦後生産、6ZーP1の2.5V管。
47Bに比べヒーター電流が多い、立ち上がりが遅い(ケミコンに負担)など欠点もある。
なお3YーP1のKはヒーターの中点に接続されている。
これはマツダの特許だったので、他社では1か5に接続したものが一時期売られていた。
これを持っていれば大珍品。47BKなどと言うのも有る。
経緯は無線と実験 昭和28年4月号参照。
5C-G4 5Y3の防熱型。

5M-K9

Ef 5V
If 0.6A
mT管の発売時は6X4しかなかった。
5V巻線のトランスを利用するため、
他のmT管に比べ、少し遅れて発売。
80HKのmT。
日本独自の球なのに、最近何故か外国ブランドの物を見かける、逆輸入らしい。
5R4-GY Ef 5V
If 2A
昔送信機を作る時お世話になりました。
高電圧を作るときに使います。
尖頭陽極耐逆電圧 2800V(最大整流電流150mA)
最大整流電流250mA(尖頭陽極耐逆電圧2100Vの時)
5R−K16 Ef 5V
If 1.2A
最大整流電流150mA。
mT管としては大電流が取出せる。
6CA4の5V版、ただしピン配列は異なる。
5U4-G Ef 5V
If 3A
5Z3のオクタルベース管。
その後TV用に改良され5U4-GBが発売された。

5Y3GT

Ef 5V
If 2A
80のGT管、アメリカにはG管の5Y3Gもある。
規格が少し改良されているようだ。
最もアメリカにはチューブ型の80が有るようだが。
5Z3 Ef 5V
If 3A
電蓄や大型ラジオ用の整流管。
2A3 5Z3は立派(高価)さの証明だった?。
6A7 Ef 6.3V
If 0.3A
周波数変換管。
引き込み現象が強く、特に短波帯では76(発振管)等と組み合わせて使った。
この為昭和23年に6W-C5が作られてから、ほとんど使われなくなった。

6AR5

Ef 6.3V
If 0.4A
Eb
Ec1
Ec2
Tb
Tc2
rp
gm
μ
RL
Po
ST管の41相当、GTでは6K6GT。
日本の家庭用ラジオではSTでは42だが、
何故かmTではこちらが良く使われた。
アメリカでは6AQ5の方が多いらしい。
おかげで、現在 高価だ。
放熱注意。

6AT6

Ef 6.3V
If 0.3A
Eb
Ec1
Ec2
Tb
Tc2
rp
gm
μ
RL
Po
6AV6より3極管のμが少し低い(100→70)、出力電圧はこちらが高くとれる。

6AQ5

Ef 6.3V
If 0.45A
Eb
Ec1
Ec2
Tb
Tc2
rp
gm
μ
RL
Po
6V6GT相当管だが、小さいので、PとG2電圧は250Vまで、無理をしない事。
放熱注意。
接続図は5極管と同じに書かれているがビーム管。
中古品を購入する時 TV用の5AQ5が紛れ込んでいる可能性があるので注意。
(5AQ5はレスTV用のヒーター4.7V 600mA)

6AU6

Ef 6.3V
If 0.3A
Eb
Ec1
Ec2
Tb
Tc2
rp
gm
μ
RL
Po
6BA6と同じピン接続だが、差し替えると
カット オフの関係で、不具合になる事あり。
5球スーパーのIFに使えると思っている人が居るがこれは間違い。
マジック アイが閉じるような電界強度のところでは駄目。
高周波増幅(シャープカットオフ)、勿論低周波にも使える。
FM受信機のIFには良く使われている。

6AV6

Ef 6.3V
If 0.3A
検波と低周波増幅
3極管のμは100

6BA6

Ef 6.3V
If 0.3A
日本では6BD6より多少早く発売されたようで、
発売時「gMが高いので発振する」と騒がれた。
5球スーパーで6BD6の代わりに使っても、
カソードバイアスで使う限り、充分代用可。
でも正規の100Ωにすると発振するかもしれない。
バリミュー管なので、検波にはどうも?、と言う話も有るが、グリット検波には充分使える。

6BD6

Ef 6.3V
If 0.3A
6SK7GTのmT版。
6BA6に比べ使用例は意外に少ない。

6BE6

Ef 6.3V
If 0.3A
周波数変換管。
ほとんどの5球スーパーに使われている。
6B−G8

6BM8

Ef 6.3V
If 0.78A
Eb
Ec1
Ec2
Tb
Tc2
rp
gm
μ
RL
Po
ヨーロッパ生まれの複合管
低周波増幅用3極管と電力増幅5極管。
TV用に開発されたもの。

6BQ5

Ef 6.3V
If 0.76A
Eb
Ec1
Ec2
Tb
Tc2
rp
gm
μ
RL
Po
ヨーロッパ生まれの出力管。
7189や7189Aはこの改良型。
東芝はこの対抗に6R−P15を出した。

6C6

Ef 6.3V
If 0.3A
Eb
Ec1
Ec2
Tb
Tc2
rp
gm
μ
RL
Po
シャープカット オフの高周波用5極管。
日本では昭和11年に発売。
日本製の6C6はトップ グリットへのリード線は直線。
なお日本製は昭和20年代中頃から身長が低くなっている。
シールドケースとの相性に注意、これは6D6も同じ。
ほぼ同じ球として77がある。

6D6

Ef 6.3V
If 0.3A
Eb
Ec1
Ec2
Tb
Tc2
rp
gm
μ
RL
Po
バリミュー高周波増幅用5極管。日本では昭和11年に発売。
終戦後は作るのが難しいと言うので、標準真空管候補から外された事もある。
トップグリットへのリード線が螺旋状になっている。
これはマークが消えた時の目印でしょう。
ほぼ同じ球として78がある、これは何故か旧軍用に多い。

6E5

Ef 6.3V
If 0.3A
マジックアイは寿命が有ります、段々暗くなります、一般に数百時間と言われている。
新ラジオ資料館のマジックアイを参照ください。
プレート電圧により、閉じるG電圧が変わります。
シャープカットオフ特性の3極管が封入されているのでP電圧250Vの時-7Vで閉じます。
親戚に6Z−E1や2E5などが有り、また古いものはダルマ型もあります。
一般に閉じる方が下側です、誤解すると不味いので念のため。

6E5D

Ef 6.3V
If 0.3A
トーヨーの独自製品。
中々奇麗です。
但し、アマチュアーしか使わなかったので、今となっては珍品。
学生時代に使った時の事が忘れられない。
6E5M Ef 
If 
6F6-GT Ef 6.3V
If 0.7A
Eb 250V
Ec1 (410Ω)
Ec2 250V
Tb  34mA(零信号)〜35mA(最大)
Tc2 6.3mA(零信号)〜9.7mA
rp 
gm
μ
RL 7000Ω
Po  3.1W
42のGT管
歴史的には42→6F6(メタル)→6F6G→6F6-GT。
日本製では42とGTのみと思われる。
不思議だが、出力管はGTでは6V6-GTの方が良く使われた。

6F7

Ef 6.3V
If 0.3A
戦前の珍しい3極、5極複合管。
終戦後もの不足の時代には憧れの球。
ラジオ雑誌にはこの球を使った1球受信機の製作記事が多かった。
軍の放出で、多数出回った。また当時としては安かった。
見かけると懐かしさのあまり、つい大量に買ってしまった。
6G5/6U5 Ef 6.3V
If 0.3A
マツダは昭和13年に6G5(ダルマ)を作っています。
これはリモートカットオフ特性(-22Vで閉じる)の3極管が使われています。
スーパー受信機には最適なのですが、実際は理論より、すぐ閉じる6E5に人気が行ったようです。
(東京など強電界では短いアンテナでAVC電圧は簡単に-7Vを越します)
6E5と6G5の両方の特性を封じ込めたのが6G-E7(上下に表示)です。
これもほとんど見かけません。
6G6G Ef 6.3V
If 0.15A
アメリカでは珍しい小出力5極管。
自動車ラジオ用に作られたらしく、日本製は見たこと無し。
12(6)Z-P1のモデルではないかと思われる。
ヒーター電力を除いて非常によく似ている。
47Bの例に見られるように日本ではカソード材料の点で、同じヒーター電力で作るのは難しかったらしい。
6K6-GT Ef 6.3V
If 0.4A
41のGT管。
日本では余り見かけない。
TENで作った可能性あり。
6L6-G Ef 6.3V
If 0.9A
無く児も黙るビーム出力管。
送信管に改良されたのが807。
本来はメタルの6L6だが日本ではガラス管のみ。
TENなどでは6L6-GTなるものを作った。
Ut-6L7G Ef 6.3V
Ef 0.3A
アメリカの6L7-GのUt版。
混合管です、別に76などの発振管が必要。
Ut足のものは日本独自か?。
6R-A8 Ef 
If 
6R-E13 Ef 6.3V
If 0.2A
現在 比較的購入しやすいマジックアイ。
ただラジオに使われているのは見たことが無い。
ヒーターカソード間の耐圧が160Vあり、TVに使う事を考慮してあるのかも?。
6SA7-GT Ef 6.3V
If 0.3A
スーパー用の周波数変換管であることは有名だが、
6SA7(メタル)とはソケットの接続が違うので注意のこと。
これはメタルとGTで異なる珍し例です。
6W-C5のお手本になった球です。
6SK7-GT Ef 6.3V
If 0.3A
6D6→6K7(メタル管)→6SK7(メタル管)→6SK7-GTと進化。
RF増幅 IF増幅に使われる、バリμ管。
6SJ7と言うシャープカットオフの真空管もあり。
6SL7-GT Ef 6.3V
If 0.3A
高μ(70)の双3極管
6SN7-GT Ef 6.3V
If 0.6A
中μ(20)の双3極管
6SQ7-GT Ef 6.3V
If 0.3A
スーパーの検波 低周波増幅用。
双2極 高μ(100)3極管。
時代により構造が違う 2種類あり、新しい方は6AV6と同じつくり。
2極幹部がバンザイ型になっている。
6V6-GT Ef 6.3V
If 0.45A
この球を使うとなんとなく高級品のように感じた。
高級ラジオの出力管。

6X4

Ef 6.3V
If 0.6A
両波整流管、mTの5球スーパー用が発売された時はこれのみ。
5M−K9は遅れて発売。
6X5-GT Ef 6.3V
If 0.6A
6X4に同じ(歴史的にはこちらが先)。

6W-C5

Ef 6.3V
If 0.35A
6SA7GTのST版、日本独自の規格。
当時の材料や電源事情により、ヒーター電流を増加して有る。
また当時 この球だけヒーター電圧を7Vくらいにして使えなどと推奨した例もある。
ただ0.3Aで作られた6WC5Aもあり。
昭和23年頃から大量に出回った、それ以前は6A7が使われた。
なお12W−C5のヒーターは12V 0.175Aです。
3W-C5と言う2.5V管もある、これは高1の改造用。

6Z-DH3

Ef 6.3V
If 0.3A
戦前のスーパー用真空管75の代わりも出来るよう
ダイオード部分は1つにして、他のピン配置は同じにした、此の為トップグリットがついた。
この球を使ったラジオは昭和23年頃までに作られた可能性が高い。
(24年に作られたラジオではまず見かけない)

6Z-DH3A

Ef 6.3V
If 0.3A
トランスレス用の12Z−DH3Aの6.3V管。
NECがまず勝手に作ったらしい。
使って見ると便利なので、他社が真似した。
なお6ZDH3Aは電極の作りに2種類ある、2極管部をシールドした物と、6AV6の如くバンザイ型だ、後者が新しい。
改良と言うよりもユーザーから見れば改悪に近い、ハムを拾いやすい。

6Z−E1

Ef 6.3V
If 0.3A
6E5と同じ規格だが、影が上下に出るように改良されている。
6G-E7のように上下で、感度が違うわけではありません。
(上下対称に閉じます)

6Z-P1

Ef 6.3V
If 0.35A
Eb 180V
Ec1 -10V
Ec2 180v
Tb 15〜16mA
Tc2 2.5〜4.5mA
rp 130KΩ
gm 1750
RL 12KΩ
Po 1W
日本を代表する真空管と言ったら怒られるかな?。
日本の家庭用ラジオに多く使われた。
愛着の多い球だ。
昔は沢山有ったが、最近は珍しい。
なお発売時の電力事情で12Z−P1に比べヒーター電力が増加されている。
また後日プレート電圧が180V→250Vに改良され、最大出力が1W→1.5Wに。
製造時期の古い物は当然昔の規格(180V)で使うべきでしょう。

12A

Ef 5V
If 0.25A
並四の出力管。 112→112A→12Aと発展。
古いラジオ(昭和初期 112Aの時代)には整流管として使われたものもある。
傍熱型の12AK(0.4A NECが作っていた)もある。
戦後 並四が6.3V管になった時も、6C6 76 12A 12Fで生き残った。
112Aの発売は昭和3年。

12AT6

Ef 12.6V
If 0.15A
12AV6より3極管のμが少し低い(100→70)。
12AT7 Ef 12.6V
If 0.15A
Ef 6.3v
If 0.3A
双3極管。
ヒーターの接続方法で6.3V 12.6Vどちらでも使える。
どちらかと言うとこれは高周波で使う。
最近はHi Fi ampにも使うようだ。

12AU6

12.6V
If 0.15A
高周波増幅(シャープカットオフ)
勿論低周波にも使える。
間違っても、5球スーパーのIFには使わないように。
12AU7 Ef 12.6V
If 0.15A
Ef 6.3v
If 0.3A
双3極管。
ヒーターの接続方法で6.3V 12.6Vどちらでも使える。
どちらかと言うとこれは低周波で使う。

12AV6

Ef 12.6V
If 0.15A
検波と低周波増幅
12AX7 Ef 12.6V
If 0.15A
Ef 6.3v
If 0.3A
双3極管。
ヒーターの接続方法で6.3V 12.6Vどちらでも使える。
どちらかと言うとこれは低周波で使う。

12B

Ef 5V
If 0.5A
maxEb 180V
maxIb  30mA
交流化の最初は112AのPとGを接続して整流。
(昭和初期のラッパ付きラジオに多い、その前は電池式)
UXー112A(3極管)→KXー112A(2極管)→112B(KXは省略以下同じ)→12B→12Fと進化。
この球は4本足です。112Bが発売されたのは昭和5年です。
12Fは12年に発売されましたが、その後も12Bは売られていたようです。
(新製品のラジオにはさすがに使われなかった)
(交流入力180V 最大整流電流は30mA)

12BA6

Ef 12.6V
If 0.15A
高周波増幅(セミ リモート カットオフ)

12BD6

Ef 12.6V
If 0.15A
高周波増幅(リモート カットオフ)
何故かmTのトランスレスにはあまり使われていない。

12BE6

Ef 12.6V
If 0.15A
周波数変換管

12F

Ef 5V
If 0.5A
Ep 300V
Io  40mA
日本独自の球(交流入力300V 最大整流電流 40mA)。
12Bの改良型、昭和12年発売。
最初は4本脚だったが何時しか3本になった。
昭和15年7月号のマツダ通信に戦時規格として、今回3本脚になった云々と記載あり。
愛着有ります、戦後の子供時代 整流管は弱いので貴重でした。
シリコン整流器の無い時代は、B電源は大変な思いでした。

写真左は3本脚 右は4本脚の12F。

12FK

Ef 5V
If 0.5A
Ep 300V
Io  40mA
日本独自の球。(交流入力300V 最大整流電流 40mA)
12Fの傍熱型、他の規格は12Fと同じ。
戦後のケミコンの品質不良時代の救世主、松下が早かったと記憶する。
高1で47Bを3Y-P1に交換した場合、傍熱管の立ち上がり時間のため、
無負荷状態が十数秒続くのでケミコンが危ない。

12K

Ef 5V
If 0.6A
Ep 350V
Io  60mA
マツダなどが一時発売した、すぐ80HKやBKに変わった。
比較的珍しい。
(交流入力350V 最大整流電流は60mA)

12Y-R1

Ef 12V
If 0.15A
6C6の12V管、日本独自。
昭和14年に発売、雑誌には13年末には発表済み。
資材節約の為、5ピンになっている。
高周波増幅(シャープカットオフ)。
発売初期と量産時では球の作りが微妙に違う
放送局型122 123号受信機に使われた。

12Y-V1

Ef 12V
If 0.15A
6D6の12V管、日本独自。
放送局型123号受信機に使われた。
資材節約の為、5ピンになっている。
高周波増幅(リモート カットオフ)昭和14年に発売、雑誌には13年末には発表済み。
発売初期と量産時では球の作りが微妙に違う
12Y−V1Aのヒーターは12V 0.175Aです。
12Z−DH3A Ef 12V
If 0.175A
トランスレス5球スーパー用に作られた6Z−DH3の12V球。
75との互換性が不要なので、トップグリットを省略した。
同じピン接続にした6V球が6Z−DH3A。
歴史 6ZーDH3(75の代用可)→12Z−DH3A(代用不要)→6Z−DH3A(75代用不可)

12Z-E8

Ef 12.6V
If 0.15A
6E5の12V管、
但しレス用なのでP電圧が低くても動作する工夫有り。
(6E5のターゲット電圧は最低150V)

12Z-P1

Ef 12V
If 0.15A
Eb 180V
Ec1 -10V
Ec2 180v
Tb 15〜16mA
Tc2 2.5〜4.5mA
rp 130KΩ
gm 1750
RL 12KΩ
Po 1W
6Z−P1の12V管、日本独自。昭和14年に発売、雑誌には13年末には発表済み。
でも本当は12Z−P1が先で、6Z−P1はその後(昭和20年前後)に作られた。
アメリカの6G6Gの規格によく似ているので、
6G6Gの寸法で電極をつくり、ヒータ電力を増加させた製品と思われる。
日本製のカソード材料が悪かったので、妥協の産物か?。
放送局型122 123号受信機に使われた。
カソード ヒーター間耐圧最大150V
12Z−P1Aのヒーターは12V 0.175Aです。

19A3

Ef 19V
If 0.15A
Ep 127V
Io  60〜70mA
Ehk 50?
高周波増幅やマジックアイ付きトランスレス用として発売。
電圧が低いので、パイロットランプ(3V 0.15mA)が暗いのが寂しい。

24B

Ef 2.5V
If 1.75A
24Bは日本独自の球、24(224)の改良型。
アメリカでは24Aが有るが少し外形が大きい。
バリミユー管は製造が難しかったらしく高価で、58 57が発売された(昭和8年)後も安いためか、13年頃までは多量に使われた。
尤もバリミュー管を作ろうとしてうまく行かず、シャープカットオフを作るつもりが、グリット巻線が不揃いで、
擬似バリミューになったりした可能性はある?。

24Z-K2

Ef 24V
If 0.15A
Ep 125V
Io  30mA
Ehk 300V
トランスレス用の整流管。放送局型122 123号受信機に使われた。
平滑用のコンデンサーの容量は大きくしない事。
指定より大きいと、カソードをいためる。
昭和14年に発売、雑誌には13年末には発表済み。
カソード ヒーター間耐圧最大300V

同じ接続で36Z−K12がある、いわゆるAシリーズと一緒に使われた。
このヒーターは36V 0.175A。
25M-K15 Ef 25V
If 0.15A
Ep 235V
Io  70mA
Ehk 330V

26B

Ef 1.5V
If 1.05A
日本独自の球。
26(226)の改良型、増幅率が少し大きい。
アメリカ製の26で電気的には代用できるが、外形が多少大きいので注意。
226は昭和3年に発売。

27

Ef 2.5V
If 1.75A
27Aのヒーターは1.5A、27Bは1A
227は昭和4年に発売。
なお27Bは増幅率が高い。
30 Ef 2V
If 0.06A
電池ラジオ用の3極管。
国防受信機などに利用。
同じ特性で外形の異なる兄弟がある。
30MC Ef 2V
If 0.12A
30を2個封入した日本独自の複合管。
軍用に使われたので、戦後大量に放出された。
マジックアイのようなストレートタイプのガラス管。

30A5

Ef 30.0V
If 0.15A
トランスレス用の出力管。
35C5より、少し遅れて発売。
元々はヨーロッパ系の球、5極管
33 Ef 2V
If 0.26A
本来は電池ラジオ用の出力管。
日本独自の出力管47Bの原型になったと言われている。
両脚にそれぞれ1オームの抵抗を入れれば47Bの代わりに使える。
日本製はST38だがアメリカ製は一回り大きい。
35 Ef 2.5V
If 1.75A
4極のバリミユー管で、日本では余り使われなかった。
もっぱら24Bの方が使われた。

35C5

Ef 35.0V
If 0.15A
トランスレス用の出力管。
30A5より発売は早い。
一般的に、この球を使ったラジオは発売時期が古い。
ビーム管(図は5極管表示で代用)
35L6-GT Ef 35.0V
If 0.15A
トランスレスラジオ用の出力管。

35W4

Ef 35.0V
If 0.15A
Ep 235V
Io  60〜100mA
Ehk 330V
トランスレス用の整流管、修理時 断線し易いので注意の事。
ラジオ修理メモ」を参照ください。
最大整流電流はPLへの並列抵抗値で異なる。
5球スーパー用に日本独自規格の25M-K15(25V 0.15A)もある。
これはヒーター端子Eが出ていない。
35Z5-GT Ef 35.0V
If 0.15A
Ep 235V
Io  60〜100mA
Ehk 350V
トランスレスラジオ用の整流管。

B37

If 0.15A トランスレス用の安定抵抗管、37V用。
放送局型123号受信機に使われた。
他に放送局型122号受信機に使われたB49(49V用)も有る。
電灯線電圧の変動にも対応出来る。
最近の電力事情では普通の抵抗やコンデンサーで代用しても可。
38 Ef 6.3V
If 0.3A
日本でも作られたが、あまりなじみの無い球。
6Z-P1を5本足にして、トップグリットをつけたような形。
もちろんこちらの方が時代的に古い。
41 Ef 6.3V
If 0.4A
Eb 250V
Ec1 -16.5
Ec2 250V
Tb  34mA
Tc2 7mA
rp 35K
gm 2300
μ  −
RL 7000Ω
Po  3.2W
6AR5の御先祖。
6K6、6K6GTなど兄弟がある。
日本では戦後あまりなじみが無い、軍用に使われたらしい。

42

Ef 6.3V
If 0.7A
Eb 250V
Ec1 (410Ω)
Ec2 250V
Tb  34mA(零信号)〜35mA(最大)
Tc2 6.3mA(零信号)〜9.7mA
rp 
gm
μ −
RL 7000Ω
Po  3.1W
47の傍熱型として開発された。
日本の高級ラジオの出力管として最も多く使われている。
兄弟に41(mTでは6AR5)が有るが、何故か日本では42が多い。
また他に兄弟が多数(6F6 6F6G 6F6GT)。
日本では昭和9年に発売。
45 Ef 2.5V
If 1.5A
最大出力2Wの高級電蓄用出力管。
超45などと言う日本製の球もある(貴重品で有名)。
戦後はマツダが作らなかったので、なじみが無い。
(最近は一般的だが)
47 Ef 2.5V
If 1.75A
5極出力管のはしり、5極管を3極管と同じように使ったので、
音が悪いと最初 悪評だったらしい。
他に日本では47Bをはじめ47D 47Gなど47と互換性の無い紛らわしい球がある。

47B

Ef 2.5V
If 0.5A
アメリカの33(233)を手本にヒーター電力を増し、
2.5V管にした出力管。この時ガラスの大きさをST38にしている。
247Bは昭和7年に発売。
戦後マツダが3Y−P1を代わりに作って、生産中止にしたので、
エミ減球が多く、活きている47Bは極端に少ない。
33を使った代用真空管の作り方はラジオ修理メモ15をご覧ください。
50C5 Ef 50V
If 015A
トランスレスラジオ用の出力管。
50L6-GT Ef 50V
If 015A
トランスレスラジオ用の出力管。

56

Ef 2.5V
If 1A
並4の低周波増幅用として多数使われた。
なお56にも茄子型がまれにある(普通茄子型は3桁数値だが)。
またメッシュプレートの56もある。
(太平洋戦争当時作られた56Aは0.8A)
日本では昭和8年に発売。

57

Ef 2.5V
If 1A
第2世代の並4の検波管。
(太平洋戦争当時作られた57Aは0.8A)
高周波増幅(シャープカットオフ)
勿論低周波にも使える。
日本では昭和8年に発売。

57S

Ef 2.5V
If 1A
24Bの代わりに作られた真空管。
少し性能が上がる。
「修理メモ」にも書いたが、中身は57そのもの。

58

Ef 2.5V
If 1A
バリミユーの高周波用5極管。
(太平洋戦争当時作られた58Aは0.8A)
日本では昭和8年に発売。
75 Ef 6.3V
If 0.3A
μ 100 6Z-DH3の2極管部を2個封入したもの。
当然こちらが古い。
6Z-DH3はこの75の代わりに使えるよう、ピン配置が決められた。

76

Ef 6.3V
If 0.3A
56の6.3V管
昭和10年に発売。

80

Ef 5V
If 2A
両波整流管。
大型のラジオや電蓄で使われた。
80は昭和9年に発売。

80BK

Ef 5V
If 0.7A
80の半波と言うよりは、12Fの傍熱、強化版。
(最高交流入力 350V 最大整流電流 75mA)
何故かマツダは作らず、80HKを作った。
なお戦前80Bと言うのが有ったが、これは直熱。
(ヒーター1.25A、Bは70mAの半波)

80HK

Ef 5V
If 0.6A
12Kの強化版、80BKとほぼ同じ。
(最高交流入力 350V 最大整流電流 65mA)
ヒーターがBKの0.7Aにくらべ0.6Aなので、
旧来の0.5A巻線でも無理が少ないのが12Fの補修用としてはメリット。
80BKか80HKのどちらを採用するかは、電流値の制限より、
使われる真空管メーカーによって決まると考えてよい。
保守用にはどちらを使っても実質的に問題は無い。

80K

Ef 5V
If If 2A
80の傍熱型。
戦後は松下が作ったが、戦前にもあり。
戦前のはヒーターの中点にカソードが接続されていたとの事(藤室さんの「真空管半代記」参照)。
83 Ef 5V
If 3A
水銀整流管。
整流時の電圧降下が15V一定と少ないので、大電流用に使われる。
TV−7などの真空管試験器に使われているのは、この15V一定と関係あり。
内部が充分温まってから高圧をかけるのが原則。
83V Ef 5V
If 2A
83に匹敵する高真空整流管の意味でVをつけたそうだが?。
175mAで25Vの電圧降下
CZ-501D Ef 3.5V
If 1A
増幅用5極管。GMは3500マイクロモー。
電電公社の中継用増幅器に使われたらしく、昔は放出管が大量に入手できた。
ヒーター電圧が3.5Vなのは直列接続で電話局のバッテリーで動作させたらしく、電流が1A。
出力管の504Dも同じ理由らしい。
兄弟にCZ-501Vがあり、これは6.3V(0.55A)管。
CZ-504D Ef 5V
If 1A
電力増幅用5極管、特性は42に近いが少し違う。
電電公社の中継用増幅器に使われたらしく、昔は放出管が大量に入手できた。
GMは3500マイクロモー
ヒーター電圧を工夫して42の代わりに使うと便利だった。
兄弟にCZ-504Vがあり、これは6.3V(0.9A)管、これは少なかった。
UY-807 Ef 6.3V
If 0.9A
愛着あります、泣く子も黙る807。
アマチュア-には無くてはならぬ送信管。
大型拡声器の出力段にも使われた。

2001年11月1日
2004年8月29日

 

 


2006年7月2日よりカウント

radiokobo-all