同調回路はコイルとコンデンサーの組み合わせで出来ています。
この回路に高周波電圧 Eが加わると回路に電流 Iが流れます。
普通 同調回路はコイルとバリコンで組み立てられていますが、実際のコイルの巻線には抵抗が有ります。
バリコンにも損失があり、コイルにも直流抵抗の他に高周波損失があるので、これを総合してRとします。
ここでZは回路のインピーダンスです。
ωは角周波数で、f を周波数とすると、ω=2πf になります。
ここで言うRは抵抗ですが、単なる直流抵抗ではありません、その周波数での実効抵抗で、高周波損失を含んだ値です。
高周波損失は下記のようなものの合計になります。
@導体の抵抗(これがいわゆる直流抵抗)
A表皮作用による抵抗の増加
Bシールドケースなど近接した金属体の影響による抵抗の増加。
C巻き枠 被覆に用いられた誘電体による抵抗の増加。
Dバリコンの高周波損失による抵抗
この回路に高周波電圧を加えると、
回路の抵抗が低いほど流れる電流が多いことがわかります。
この電流が多いほど、同調回路に発生する電圧が高く、選択度も高いことを意味します。
同調回路の良さはコイルとコンデンサ-(バリコン)の総合的結果ですが、実際はコイルの良さで決まります。
これはバリコンのRに比べ、コイルのRが圧倒的に大きいからです。
コイルやコンデンサーの 良さを表すものにQが使われます。
コイルの場合 Q=2πf L/R (ここでRは高周波数における抵抗分)
コンデンサーの場合 Q=1/2πf CR
ラジオに使われる並四コイルや5球スーパーのアンテナコイルのQは60〜100くらいです。
バリコンのQは2,000程度。
この為 同調回路のよさは殆どの場合コイルのよさで左右されます。
保管状態が悪いと並四や高1コイルもQが30〜40位に落ちていることがあります、
さらにバリコンも、Qが100近くに落ちる事があります、こうなると受信機の性能が落ちて、使用に耐えないくらいになります。
QはQメーターで測定することが出来ます。