2007年7月2日
骨董市やオークションで買ってはいけないラジオ。
昭和初期のラジオの箱を再利用して、5球スパーが組み込まれている例があります。
昭和26年頃の民間放送開始時 このような改造が流行りました。
したがって組み立て後 半世紀以上経過しています、素人目には改造してあるか区別が難しいのです。
外観は綺麗で、見掛けがすばらしいと骨董屋さんがつい高値をつけてしまいます。
このようなラジオに骨董的価値はありません、買ってはいけません。
下記のラジオは68,000円でオークションに出ています。
外観が綺麗だと高額の値札がつきます、でも骨董ラジオとしての価値は低いです。
写真無し(募集)
下記写真はオークションより転載 (了解を取るのは難しいと思われる 別途準備要)
http://page17.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/v18813572
岡部さんよりの写真
昭和初期のラジオのケースに戦後の5球スーパーが組み込まれている事が多いです。
戦前ではスーパーは極めて珍しいです。
昭和26年に民間放送が開始されたころ、スーパーに改造することが流行しました。
初心者が避けた方が良いもの
@昭和19年〜23年頃のラジオ
戦中 戦後の物不足が激しい時代の製品で、修復して動作させるのは相当難しいです。
このラジオは当時の物としては良くできているほうです。
この時代の物は電源トランスの材質が悪く、
たとえ修理して動作するようになっても恐ろしくて使えません。
歴史的価値はありますので、部屋の飾りにするのなら良いでしょう。
Aプラスチックキャビネットでシャーシがプリント基板のもの
経験を積むと簡単ですが、最初は避けた方が無難です。
どちらもmT管ラジオの製造最終時期に作られたものに多いです。
合理的に作られ過ぎて修理が難しいです。
プリント基板を使ったものは、配線をたどって行くのが意外と大変です。
部品の流用もし難い構造です、初心者は避けた方が良いでしょう。
Bプラスチックキャビネットで金属シャーシが縦方向に組み込まれているもの
シャーシを垂直に立てて組み込んだものは、
構造上配線面(シャーシの裏側)にバリコンのプーリーやダイアルの糸が配置されます。
修理時 ダイアルの糸かけを外す必要が多いです。
糸かけを外すと元に戻せなくなったり、そのままで修理すると半田鏝で糸を焼き切ったりします。
ダイアルの糸かけが自由に出来るようになってから挑戦してください。
なおナショナルのIFTはシャーシにかしめて固定する方法で組み込んであります。
IFTの部品取り用にラジオを購入するのは向きません。
シャーシを取り外したところ。
前面のパネルと指針を取り外す必要があります。
真空管のソケットの裏には抵抗やコンデンサーが組み込まれていますが、
ダイアルプーリーを取り外さないと、電圧の確認が出来ません。
ダイアルの糸かけが自由に出来るようになってから、
修理に挑戦した方が無難です。
C電磁型のスピーカーのついたラジオ
このラジオを購入する時はスピーカーのフィールドコイルが断線していないこと、
スピーカーのコーンが破損していないことを確認して購入した方が良いでしょう。
壊れていると代わりのスピーカーを探すのに苦労します。
出力トランスは断線しやすいですが、フィールドコイルの断線は少ないです。
ただ断線していると修理が大変なので、経験を積んでからにしてください。