マグネチック・スピーカー

2007年7月2日



並4や4ペン(高1)に良く使われたスピーカーです。
馬蹄型の永久磁石に組み込まれた可動鉄片(アーマチュアとよぶ)の回りにコイルが沢山巻かれています。
コイルに電流を流し、この鉄片を振動させて音を出す仕掛けです。
12Aなど250mW程度の小さな出力で充分な音量が得られます。
0.08mφ程度の細いエナメル線が5000回程度巻かれていて、インピーダンスも10KΩ程度で出力管に直接負荷できます。
昭和初期に使われたラッパ型スピーカーに比べれば低音が出ますが、ダイナミックスピーカーに比べれば低音の出ない貧弱な音です。
しかし これぞラジオと言う懐かしい音がします。
製品としてメーカー製ラジオに使われたのは昭和25年頃までです。
その後も安価と言う特長で有線放送のスピーカーなどに使われていました。
26Bクラスの微小な出力(数十mW)でもこのスピーカーが使えます。
47Bや6Z−P1に使った例も多いです。


可動鉄片はアーマチュアと呼ばれています。
コイルに流れる音声電流でこのアーマチュアを振動させます。
この振動をコーンに伝えて音声に変換する仕掛けです。



製品は0.07か0.08mmφ程度のエナメル線が5000回程度巻かれています、直流抵抗は1KΩ程度です。
断線した場合、オリジナルの太さでは切れやすいです、0.1mmφのウレタン線を巻枠一杯に巻いてください。
線材が太いので3500回程度しか巻けませんが、実用的に使えます。
器用な方は0.07か0.08mmφで挑戦してください。

元々は鉄フレームでしたが、戦時中に厚紙製に変更されました。
製造後半世紀以上経過しているので、磁力が弱っているものがあります。
この回復は難しいです。
コイルの断線はコイルを巻きかえることで修理できます。