=注意=
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しかたなかったんだよ…、私は心の中でそう繰り返しながら家路をとぼとぼ歩いた。
お母さんから夕食の買い物を頼まれて商店街に行ったまでは良かったんだけど
ふらっと立ち寄ったお店でまさか『これ』があったなんて…。

「ただいま…」

小声でつぶやいて靴を脱ぐ。 『これ』を部屋において自分のお小遣いを取ってきてまた急いで買い物に行かなきゃ。
お母さんは台所にいるみたいだし、そ〜と階段をあがら…

「おっ、名雪お帰り」
「きゃっ、ゆ、祐一!!し、し〜〜〜」

私は必死に口に指を当てて祐一に静かにするように合図する。

「な、なんだ…どうしたんだ?」

私はお母さんに気づかれてないか一度そ〜と台所の方に視線を向ける。
とりあえず気づかれてはいないみたい…。
ほっと一息ついてから階段の影に祐一を引っ張って小声で話す。

「あ、あのね…実は買い物のお金で『これ』を買っちゃったんだよ…」

そうささやいて、買ってきたものを祐一に見せる。

「こ、これは…」

祐一は私が差し出したCDを凝視する。

「これは本家「どさんこポップ」のI’veが出したスペシャルアルバム、
ゲームの主題歌がたんまりはいった『regret』ではないかぁ〜〜〜」

祐一がCDを掲げて大げさに反応する。

「ちょ、ちょっと祐一、し〜〜〜」
「あ、すまん。感激のあまり我を忘れてしまった」
「買い物の途中でふらっと寄った店で買っちゃったんだよ〜」
「そうか、いやでかしたぞ、名雪君。上官に君の一階級昇進を上申してあげよう!」
「私、軍人じゃないよ〜」
「ん、しかしこのCD確か一部のパソコンショップでしか売ってないはずだぞ。
なんで名雪が、ふらっと立ち寄るんだ?」
「え、え〜〜と…そ、それはちょっと電波が走ったんだよ!びびびっとね!」

笑ってさりげなくごまかす。

「そうなのか…う〜む…謎だ…」
そういえば私は祐一とゆっくり話している場合じゃないんだった。

「とにかくもう一度買い直しに行かなきゃいけないから、祐一、お母さんには黙っといてね」
「何を黙っておくの?」

突然後ろから声をかけられる。びくっとして後ろを向くとにこにこと秋子お母さんが立っていた。

「お、お母さん…!!」
し、しまった〜。祐一とのおしゃべりに気を取られてお母さんのことを忘れてたよ〜。
「名雪御帰りなさい、意外と早かったわね。夕食のお買い物をちゃんとしてきてくれた?」

え、えええ〜とと、しどろもどろになる私に肩に手をかけて祐一が前に出る。

「ここは俺に任せろ、とりあえず話を逸らすから」

ううう、さすが困った時は頼りになるよ〜。心の中で祐一に感謝する。

「秋子さん、今日はいい天気だったよね〜」
「あらあらそうだったかしらね」

お母さんは頬に手を当ててにこにこしている…。
よしチャンスだよ!と私はこそこそと階段を上がろうとする。

「こういう日って夕ご飯はおいしんですよね〜」
「そうよね。確かに雨の日よりはおいしいわね。あらそうそう名雪、買い物は?」

私は階段の前でころびそうになる。
あうう〜祐一を頼りにした私が馬鹿だったよ〜、と後悔する。

「すまん、名雪。努力はしたんだが、やはり俺では力不足だった…」
そういう祐一を無視して、お母さんに素直に謝ることにする。
「お母さん…実は………」

私の話をお母さんは黙って聞いてる。私は話終えてぺこりと頭を下げて後、
そっとお母さんの顔を覗き込んでみる。お母さんは何時もどおりにこにこしていた。

「あらあら、いいのよ。もうしょうがないわね」

そういって私の頭を撫でてくれる。
は〜よかったよ〜と思って、ほっと息がこぼれる。

「さ、じゃあ夕ご飯にしましょうか」
「は〜い」

と二人で返事をする。あれでもおかずがないんじゃ?

「秋子さん、買い物に行かないとおかずないんじゃないの?」

祐一も気になったのかお母さんに質問する。

「あらあら、大丈夫よ。二人の今日のおかずは特製のイチゴジャムにしてあげるから
「…」
「…」

やっぱりお母さん怒ってるよ…。

こうして水瀬家の一日は過ぎていく…。

「うふふ…私、『普通』のイチゴジャムがあればご飯3杯は食べられるよ〜」
「く〜この家族だと被害を被るのは俺だけか…(T_T)」
「祐一もイチゴジャムで食べればいいのに」
「できるか!」





=後書き=
まあI'veのCD『regret』を買った後に妄想したお話です。
つまりそういうことです。とりあえず僕は楽しく作れました。えへへ〜<マテ
では!(しゅたっ)

2000年1月7日 もとただ


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