4ヶ月〜
5ヶ月を目前にし、ようやく寝返りに成功しました。
指しゃぶりが大好きで、半分ほど体をねじった状態で下になった方の指をしゃぶっているのでなかなか、ひっくり返れなかったのです。それでも、コロンと一気にひっくり返り、お尻を何度も持ち上げ、体の下になった腕を自力で引き抜き、めでたく寝返り成功!
寝返りができるようになったことで、昼間、私達のベッドに寝かせておくのは危険になってきました。前から時々はやっていたのですが、床にタオルケットを敷き、そこに寝かせておくことにしました。
その、タオルケットは今は二つ折りです。大人が使うものだから二つ折りでも息子には大きい。
ところが、気が付くとタオルケットの真ん中にいたはずの息子が、タオルケットからはみ出して寝転がっているのです。
仰向けのままだから、寝返りをした状態で、上半身を起こし、腕の力で移動したわけではありません。頭とお尻でイモムシみたいに動いているのです。休みながらだし、指しゃぶりをしたり、寝返りを試みたりとしているので、移動スピードはゆっくりとしています。その様子に、私は思わずこれを想像してしまいました。なんだか、とんでもない発想だとは思いますが、気が付くとびっくりするほど動いている様子にこれを想像せずにはいられなかったのです。
逆イモムシでこれだけ動くのだから、頭をきちんと支えられるようになり、腕を使って匍匐前進で這い回るようになったら、目が離せなくなるだろうなと思います。
2回目の検診の時、4ヶ月を過ぎたら、ベビーシリアルを上げてもいいですよ、と言われました。
離乳食開始の指示です。
日本では大体5ヶ月過ぎから、早く始めてもメリットなしといわれます。私が参考にしている、ベネッセコーポレーション刊のひよこクラブ「離乳食大百科」を読んでもそう書かれています。ですから、離乳食は5ヶ月からと思っていました。
でも、お医者さまに始めてもいいよと言われたこともあり、とりあえずと思い、フリーズドライの重湯を与えることにしました。それまで、果汁は与えていたものの哺乳瓶を使っていて、スプーンの練習なるものはしていませんでした。ですから、スプーンの感触を嫌がるかなと思っていました。
ところで、最近の息子はお腹がすくと足をばたばたさせて「ミルク頂戴」のくれくれコールをします。この‘くれくれコール’は哺乳瓶を口に含ませるまで続きます。
「スプーンを嫌がるかな?」とか「重湯の味を嫌がるかな?」という不安はこの‘くれくれコール’が一瞬で吹き飛ばしてくれました。私の心もとないスプーン運びも気にもとめずに「もっと頂戴。もっと頂戴」と足をばたつかせます。慌ててスプーンに山盛りの重湯を与えてしまい、口からあふれた重湯が鼻に付いてしまったほどでした。
今、離乳食を開始して、2週間ほど経ちます。重湯の他にベビーシリアル、おかゆ、野菜や果物のペーストと種類が少しずつ増えていますが、どの食品も嫌がることなく食べています。
妊娠中、主人がお腹に「てっちり」だの「まる雑炊」だの「カルボナーラ」だのと話し掛けてきました。そのたびに息子は「ぼこぼこ」と動き回りまるで「僕も食べたい」と言っているかのようでした。
主人のこの話し掛け胎教のおかげか、今のところとっても食いしん坊です。
その日は、朝起きてすぐ、前の晩の後片付けをしていました。
前の晩、日本からの出張者の方も含め、日本人ばかりのパーティが我が家でありました。食器洗い機はあるものの、やはり洗い物の手間を省こうと、紙皿や紙コップを使ったのですが、やはり汚れた食器は出てきます。そういったものを洗っているとき、その事件はおきました。
数日前から、ベビーキャリーを回転いすの上に乗せ、そこに息子を乗せていたのですが、そのキャリーがバランスを崩したのです。バランスを崩したキャリーは息子を乗せたまま180度回転し床に落ちました。私はその一部始終を目の当たりにしたのです。
息子に背を向け、パソコンに向かっていた主人も私の悲鳴と息子の鳴き声で慌ててそばに寄ってきました。180度回転した状態のキャリーの中からは激しい泣き声が聞こえてきます。キャリーを持ち上げると、うつぶせになった状態で火がついたように泣き叫んでいました。でも嘔吐物などはなく、手足にも異常はありませんでした。主人が抱き上げると必死にしがみつき、私や主人を目で追い、シャツをしっかりと握り締めています。どうやら、外部異常はないらしいとは思ったものの内部的な異常があったらどうしよう、と思ったらいてもたってもいられず、実家に電話しました。
アメリカの朝11時ごろですので、日本ではすでに真夜中です。案の定すでに寝ていたらしく電話に出るまでに少し時間がかかりました。父に状況を説明し、今の息子の様子を話したところ、「大丈夫、もし、頭の中に何か異常があったら泣かないよ」と言われ一安心しました。その後、ミルクも普通通りに飲み、機嫌が悪くなることも意識が突然なくなるということもなく、さらに安心しました。
ドラマでは、こういう状況はスローシーンで表現されます。一瞬の出来事で一歩も動く事が出来なかったにもかかわらず、息子の乗ったキャリーがバランスを崩し落ちてゆく瞬間はスローシーンそのものでした。
その日の晩、赤ん坊で危険なのは病気ではなく事故だと父に言われたのを改めて実感しました。このときは、たかだか50cmくらいの高さからじゅうたんを敷いた木の床の上に落ちたのですが、当たり所が悪ければ・・・と思うと恐ろしくなりました。幸いおでこに小さなたんこぶが出来た程度で済み、本当にほっとしました。
3ヶ月を過ぎてすぐ、息子が大きな口を開けて笑いました。
食事を済ませた主人が、ベビーキャリーに乗っている息子のそばに座ろうとして、小さなボール箱にぶつかり、バランスを崩したのです。
それを見て、離れていても判るくらい声を立てて笑いました。
それまでは、目と目を合わせてあやすと、「あー」と言う程度だったのが、「きゃきゃきゃ」といった風に笑いました。
赤ちゃんの成長記録をつけるなら、多分、この日が初めて、はっきりと判るくらい笑った日なのでしょう。
このとき、私は、まだ食事中でした。そばにビデオカメラも、デジカメのなく、初めてのそして、今まで一番の笑顔を撮る事が出来ませんでした。
私達夫婦の記憶の中だけのとびっきりの笑顔でした。