19日(月曜日) 雨

小雨に煙る ロビーでバスを待つ
4:00 この時間に起きるのはいつものこと。まだ真っ暗。外は雨で道路が黒々としている。
8:00 風呂に入って、バスタブのある個室にいる贅沢を堪能する。 結局キングサイズのベッドは三分の一しか使っていない。
9:00 チェックアウト。Tさんが既にいらしてくれて、助かる。何せ2部屋分は”チューリップ・フェスティバル主催者”の払いなので、7人のメンバーだが、私は5部屋分を払う。こんなことホテル側で判っていて欲しいものだが…。海外でこういうやり取りは本当に面倒。 にしても、あれだけ贅沢な部屋だから結構な値段だ。
9:15 例の黄色いバス。また貸切状態だ。運転手は、携帯電話を片手に雨の道路を右へ左へぶっとばす…。
9:45 搭乗手続きを無事すませ、Tさんとお別れ。本当にありがとうございました。
在外公館の方に直接に、これほど面倒を見ていただいたのは始めてだろう。「チンドン屋を呼ぶ」と言うことに、他の在外公館が二の足を踏む理由も良く判るし、それらの批判や懐疑を乗り越えて、こんなに大事にしていただいた。ただ感謝あるのみ。
全ては2001年の全英ツアー、あるいは98年の在外研修から始まっている。あれからちょうど10年…、様々な思いが胸を過ぎる。

11:00 オタワを発つ
12:20 トロント着。そろそろ搭乗が始まっている頃だ。ちょっと焦る。また乗り遅れたら…。
脇目も振らずに、乗換えを急ぐ。荷物の引き取りはないので、出国手続きだが…。 殆ど何も無い。 小さなカウンターでパスポートのチェックのみ。拍子抜けするほど、簡単。
13:00 搭乗。 関東は低気圧で嵐のようだと言う、それが心配。



20日

16:00 強風の影響なのか、少し遅れて成田着。 無事戻って来た。荷物も問題無し。
17:30 華ちゃん、隈ちゃん、ハンバーと別れ、荷物を満載した私の車で事務所に向かう。
増水した真っ黒な河川や散乱する落下物など、嵐の後を物語る光景がいたるところにある。湿気の高さも半端じゃない。それでも、日本に帰ってくるとホットする。この多湿の日本が私の故郷なのだ。
18:00 事務所に着く。ご近所にビスケットのお土産を。こういう習慣も実に日本的だ。 トモコとカキは荷物の整理におわれている。
勤勉で真面目な日本人。そういう人たちによって日本は支えられている。テツは冗談を言って帰った。
20:00 自宅に戻る。 中国の地震の死者が5万人を超えるとか…? 出国前は2万5千とか報道されていたが、数日で倍になっている。
地震は天災だが、人災の面もあるだろう…。
自宅の風呂にノンビリ浸かりながらそんなことを考える。今、この瞬間にも失われ行く命が沢山あることを知りながら…。
他国の脅威を声高に叫ぶより、同じ地球に暮らす人間として、地球環境の脅威にこそ共に立ち向かうべきだろう。
そういう大転換、大変換に少しでも寄与したいと思う。文化の違いを認めつつ、批判しあえる関係をどう作り出せるのか?
それは何も国家間の大きな関係だけじゃない。人と人の関係全てに言える事だ。
リスク管理。危機管理。それらの責任を明確化した組織。
そういうことがちゃんと出きれば、現在の「年金問題」だって「道路問題」だって、起こっていないはずだ。
私は「東京大空襲」だって「原爆」だって、防げたはずと思っている。つまりあの戦争そのものを。戦争はまさに人災だ。
山本五十六は、日米開戦に反対だったと言う。しかし”止む終えず” 真珠湾攻撃を立案し、その際も「3,4ヶ月は存分に暴れてみせましょう。」と言ったとか言う有名な話がある。だが日本を指導する立場の将軍として、随分無責任、能天気じゃないか? 3,4ヶ月しかもたないことは、当時の指導者や官僚には自明だったのだろう。 それでも戦争に踏み切った。責任はどこにあるのか?
無責任と能天気、それは今も何も変わっていない、と思える。良くも悪くも…。
「交流と教育」この二本柱が、U-Stage の海外公演の意味だった。
「交流」に関しては胸をはって実績を語れるが…? 
カナダへ行く直前、Kは言った「人間は簡単に変わりませんよ。」  だから苦労しているんだろ? 変わることよりも、変わろうとする意思が問題なのだが、とうの本人にそう言われてしまえば、自分の力の無さにタソガレるばかり…。
日本人が変わらないとしたら、日本に民主主義は不可能。世界平和もありえないだろう。9条はまさに能天気な戯言に過ぎなくなる。
戦争の世界に危機感を抱いて、能天気な七福神的精神を世界に発信しようとしてきた。それは同時に能天気な自分達を世界の荒波の中で、鍛えることでもあった。だが、いつの間にか能天気に開き直っているのかも知れない…。
公演も表現も楽しまなければ意味が無い。だが楽しむことは目的では無い。楽しいからで「表現」などやってはいけない。
まして、税金の助成を受けるのだ。少なくとも「意味がある」と信じられる目的に向かわなければ…!