KNVB(オランダサッカー協会)サッカークリニックテキスト
図等は省いております。オランダ協会作成です。博報堂が翻訳しました。

図入りのがほしい場合は、管理者までメールでご連絡ください。但し日本サッカー協会に登録しているチームの指導者に限らさせていただきます。 (チーム名・氏名を明記してください)ワードA4文書34枚です

1999年 日本                              ニュースに戻る
於 東北・仙台


4対4
「楽しみながら上達する」

目次:

1 ユース・サッカーに対する「オランダ式思考」
  ・「オランダ式思考」における基本理念
  ・各練習の目的

2 なぜ4対4か

3 コーチの役割
  ・コーチは選手に対して、いかに働きかけるべきか。
  ・それぞれの段階における練習・指導の目的

4 基本形としての4対4
  ・ゴールキーパー無しで、2つの小さなゴールを使った4対4

5 4対4ゲームの種類
  ・ライン・サッカーで4対4  −ドリブル・ゲーム
  ・4つの小さなゴールを使った4対4 −パス・ゲーム
  ・ゴールキーパー無しで、2つの大きなゴールを使った4対4 
−シュート・ゲーム
  ・細長いコートでの4対4  −カウンター・ゲーム
  ・ゴールキーパー有りで、2つの大きなゴールを使った4対4 
−クロス・ヘディング・ゲーム

6 4対4トーナメント戦
 ・16人から100人が参加し、1人の勝者を決める。管理者は1人だけである。 
                              
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ユース・サッカーに対する「オランダ式思考」

 80年代始め、代表チームのコーチであったリナス・マイケルス(Rinus Michels)の指導の下、ザイスト(Zeist)にあるKNVB(オランダ・サッカー協会)の技術スタッフは、オランダのユース・サッカー教育について、研究・調査・実践を繰り返していました。
サッカーを子供に教える最良の方法について、十分に検討したのです。
現在のユース・サッカーとその指導方法は、ストリート・サッカーが原点になっています。

50年代始めから60年代にかけて、子供達は、サッカーを道端でしていました。学校に行く前、休み時間中、放課後にサッカーをしていたのです。毎日毎日、週6~7日はやっていました。
時代も若者達に味方していました。ストリート・サッカーには、大人も親もコーチもいません。たまに、警官や近所の人に邪魔されるだけです。そこでは、「勝敗」が大きな意味を持ち、技術・戦術・体力など、サッカーに必要なあらゆる要素は、その中で培われました。

もっとも、現在の状況は一変しています。道端でサッカーをするには往来が激しくあまりに危険です。
そのかわり、今の子供達は、6歳からサッカークラブに入ることができます。ただ、そこでは週2時間練習をしてから、ミニ・ゲームをするぐらいです。
もちろん、クラブ以外でもサッカーをしている子供はいますが、それだけに熱中している訳ではありません。他のスポーツやテレビや趣味がサッカーよりも優先されることを考えると、1998年の子供達がサッカーをしている時間は、その父親の世代に比べてかなり減ってしまったことになります。

ジュニア・シニアのサッカーとその練習・指導に対する「オランダ式思考」は、ストリート・サッカーを通して、子供達がどのようにサッカーを学んでいくのかを研究した成果です。
ストリート・サッカーの最大の利点は、ユース・サッカーの練習計画に反映されました。その基本的な理念は、子供達が自らゲームの目的や意味を発見することにより学ぶ、ということです。

4対4形式のゲームは、サッカーに必要なことを習得するために、利用されています。この形式は、ストリート・サッカーが持つ面白さの全てを持ち合わせています。つまり、参加した者はみなボールに触って、困難な局面を打開しなければならないのです。そこでは、数多くのゴールが産まれ、興奮の度合いも違います。
4対4形式のゲームには、サッカーの重要な要素の全てが含まれています。但し、子供達が実戦形式でサッカーを学ぶべきだと考えた場合、練習メニューをいかに組み立てるかが重要になってくることを、コーチは認識しなければなりません。練習の目的・意味をきちんと説明して、プレーをしている選手に働きかけていく必要があります。
コーチは、ゲームを中断し、指示を与えることができます。また、選手に質問をして、何か疑問がないか尋ねることもできます。更に、コーチが理解させたい部分を選手にプレーさせたり、コーチ自身で模範を示します。ここでは実際の試合で選手がどのレベルで戦えるかに、焦点を当てて指導します。

従って、実戦に必要なことを想定して練習内容を決めることが重要になってきます。そうすれば、サッカーの様々な局面を打開できるようになり、試合中、局面ごとに意識してプレーすることができます。練習内容は、グループの年齢・技術・経験によって左右されます。サッカーを学んでいく各段階によって、指導上設定される目的は異なってくるのです。
選手は、実戦形式のなかで評価されなければなりません。では、ゲームのルールの中でどうすれば選手は必要な役割を果たすことが出来るのでしょうか。
そのためには、試合中になすべき仕事と役割をきちんと選手に伝える必要があります。

 つまり、サッカーの能力を測るためにテスト(クーパーテストなど)の結果を見ることは意味がないと理解できます。これらのテストは、実戦での能力を全く考慮していないからです。サッカーの最大の目的は勝つことであり、どれだけ遠くに走れるかとか、どれだけ速く走れるか、ということではないのです。勝つための視点で考えると、選手の体力トレーニングについても別の側面から考えることが出来ます。若いサッカー選手の指導は、単純なものから複雑なものへと進展します。コーチは、子供達が上達するために必要なステップを一歩一歩進んでいくのです。サッカーを学んでいく過程(練習や試合)を段階的に構成することは、複雑な全体像を子供達に理解してもらうためにも重要なことです。以下では、子供達を教える中でコーチに求められること、つまりサッカーの指導方法について述べます。

 まず、ゴールキーパーを個別に考える必要はないということです。ゴールキーパーもチームの一員であり、多くの場面で、重要な存在になります。
FCバルセロナでゴールキーパー・コーチをしているフランス・フック(Frans Hoek)は、KNVBでもゴールキーパー・トレーニングについて教えています。彼も、KNVBの技術スタッフと同じ考えを持っているのです。

ユース・サッカーに対するKNVBの方針をオランダに浸透させる上で重要な役割を果たしたのは、20人あまりの専属コーチをそれぞれの地区に配置したことです。KNVBは、20地区以上に広がる3000ものクラブに関わっています。
KNVBのコーチは、ユース育成プランを考え、選手をスカウト・選出し、またクラブで4対4形式の練習を取り入れる、という役割を担っています。
さらに、KNVBのコーチはクラブの練習計画をサポートし、また、KNVBとクラブの連絡役にもなっているのです。

「オランダ式思考」の基本理念とは

・楽しいサッカー
サッカーを選手がやる気を持ってすればより多くを学ぶため、いい選手になることができます。私達の目標は、サッカーからできる限り楽しさを引き出そうとすることです。練習においても、選手が多くの得点を挙げ、またそれを防ごうとする状況を作り出すことで大きな喜びを得ることができます。通常のコートの広さでは、子供達はボールに十分触れることができないので上達も遅くなります。従って、11歳までの子供達は、小さなサイズのコートでプレイさせるべきでしょう。それによりボールに触れる回数も増え、実戦形式の中で判断力も身についてくるのです。

・反復練習
サッカーを教える上で、反復作業は重要です。練習、練習の繰り返しです。同じことを何度も何度も繰り返すことは、かつてのストリート・サッカーと同じなのです。
具体的には、
− 何度も反復する
− 待ち時間を作らない
− ボールやゴールを十分に用意する
− きちんと計画を立て、組織化する
− 正しい指導をする

・適切な指導
以前のストリート・サッカーとは違い、今は大人が付き添います。しかし、いつもうまくいくとは限りません。子供のサッカーを大人のサッカーとして考えてしまうことに問題があります。コーチが子供達の理解できないような指示を与えることもあります(また、親も口を挟むべきではありません)。従って、コーチは子供達のサッカー体験を理解し、どうしたら子供達にわかりやすく教えられるかを知っておく必要があるのです。サッカーを教えたり指導したりするには、ゲームに対する十分な知識と理解が必要です。
サッカー指導についての「オランダ式思考」とは、子供達にサッカーをうまく教えるための方法なのです。
この方法によって、より良いサッカー選手を作り出し、より多くの喜びをゲームから得られると信じています。

各練習の目的
1 サッカーの目的
・ゴール
    ・組み立て
    ・ディフェンス
2 反復練習
    ・反復回数と計画性
・十分なボールと用具    
3 グループ対する配慮
    ・年齢、技術、レベル
4 適切な指導
    ・選手への働きかけ
    ・介入、指示出し、模範プレー、質疑応答              先頭に戻る


2 なぜ、4対4形式なのか

「オランダ式思考」のシンボルとして、1986年に4対4の形式が取り入れられました。新しい「ストリート・サッカー」です。

・サッカーに要求されるいかなる要素も失わずにゲームをする場合、4対4が最小の単位です。サッカーの要素とは;

 − ボール
 − 対戦相手
 − チーム・メイト
 − スペース
 − プレッシャー
 − ルール
 − 制限時間
 − 監督

・全ての能力は高めることができます。
 T− 技術、筋力、身体能力
 I− 洞察力、判断力(直感力)
C− コミュニケーション

・4人という人数によって、常にコートの縦・横又は後部を使ってプレイできます。つまり、実戦そのものを体験できるのです。

・子供達は、繰り返して現れる様々な局面を意識的に理解することができるようになります。局面を意識的に理解できれば、次のプレーによる適切な対応ができるようになるでしょう。
  − ボールをコントロールする
  − ボールのスピードを変える
  − パスの方向を変える
  − ボールを奪いに行く
4対4形式のメリット
 − 少人数   − 小スペース
 − 簡易ルール − ボールタッチの多さ
 − 相手とのコンタクトの多さ − 子供の身長に従いゴールの大きさを変化
結果
 − より楽しいプレー − 緊張感
 − 味方と協力したプレー − 大きな成果
 − 判断力の養成 − サッカーを学ぶ瞬間が多い
 11対11    4対4

11対11 4対4
選手22名/レフリー1名 公式ピッチ上に5つのコート
ゴール:7,32×2,44 40名以内の選手/レフリー無し
(選手自身による試合進行)
パイロンや杭で2~3m幅のゴールマウス
小コート×5 40×20m

7対7
         7対7 公式ピッチ上に2つのコート
選手28名 /レフリー1名
ミニゴール:5×2m                               先頭に戻る

3 コーチの役割

コーチは選手のプレーを発展・向上させなければなりません。

従って、コーチには次のことが必要とされます:

− サッカーにおける3つの主要な場面の理解:
 ・攻撃(味方にボールがある場合)
 ・守備(相手にボールがある場合)
 ・攻守の入れ替わり(ボールを失ったり、ボールを取り返した場合)

− 基本的技術についての知識と理解
 ・パス
 ・トラップとボール・コントロール
 ・ドリブル
 ・シュート
 ・ヘディング

− 適切な指示
 ・模範プレー
 ・適切な練習
 ・選手の年齢やレベルへの配慮

11歳までのユース・サッカーにおいては、サッカーの技術を習得することが、主要な目的です。
出発点としては、
 − 技術それ自体は目的ではなく、何かをするための手段である
 − 常に設定された目的と関連づける
 − サッカーに対する洞察力と技術は、ゲーム形式で習得する

18歳までの選手の場合
 − ゲームの戦術的な側面を向上させる
   ・洞察力、判断力、コミュニケーション
   ・味方と協力したプレー
 − 一定のノルマを与えてプレーさせる
   ・ゲームに勝つことが最も重要であることを理解させる
 − ゲームの流れを読む
   ・状況を理解して、判断する
重要ポイント
技術の習得が、最も重要であると考えるべきではありません。ゲームに勝つこと、成熟したプレーをすること、試合の中で喜びを見出すことが、通常最も重要なのです。
ヘディング、ターン、フェイント、ボール・コントロール、パスなどの技術は、個人個人で練習する傾向にあり、実戦的な場面から離れすぎています。つまり、個人的な駆け引きの道具として教えられているのです。

コーチは、どのように選手に働きかけるべきか?
段階ごとに考えていく:

1 サッカーを3つの場面に分けて考える:
  ・攻撃(味方にボールがある場合)
  ・守備(相手にボールがある場合)
  ・攻守の入れ替わり
2 よく聞いて、よく観察する(ゲームの流れを読む)
  ・集中力
    − 全員集中しているか?
    − 良いプレーをする雰囲気か?
  ・技術
    − ゲームで設定された目的のなかで、技術をマスターしているか? 
   ・ゲームの洞察力
    − プレーの意味を選手が理解しているか?
    − 選手が状況を把握しているか?
    − 組織的にプレーしているか、フォーメーションはどうか、
コートのどこでプレーしているか?     
    − スペースをうまく利用しているか?
    − 味方同士で、正しいポジショニングができているか?
  ・コミュニケーション
    − 選手はお互いに理解し合っているか?
    − お互いに協力してプレーしているか?
    − 全ての選手が、きびきび動いているか?

技術、洞察力、コミュニケーションは一応区別できますが、分けて考えてはいけません。お互いに影響し合い補い合っているからです。
3 問題点をみつけだす(問題を分析する)
11歳までのユース世代では、ほとんどの場合、技術的な問題点があります。従って、この世代のグループを担当するコーチは、基本的に技術の向上に取り組むことになります。これより上の世代では、試合での判断力や味方とのコミュニケーションに力を入れることになるのです。

具体例)
・相手に勝負をしかけられずに、得点できない場合
・ボールをキープすることができず、チャンスをつぶして得点できない場合
・シュート・チャンスに気付かず、また、十分なシュート技術がない場合
・数的優位の局面で、相手を抜くことができず得点できない場合

4 正しい練習法を選び、正しい指示を与えること。
そうすれば、選手はいいプレーをして、いいサッカーをするようになります。
選手には最高の環境を与えましょう:
− サッカーに関連した目標の設定
− 反復練習
− 様々な楽しさ
− 豊富な指導

コーチは次のことをしなければなりません:

・ ゲームの流れを読む

・ 問題点を分析する

・ 練習の目的・意味を伝える

・ 実際に練習をさせる

・ゲームの評価をする

各段階における練習や指導の目的

5〜6歳
・ボールへの接触、操作
・動き・スピード・正確さを身につけるためのゲーム

6〜11歳
・ゲームのための基礎的な能力の習得
・簡単な場面でプレーさせ、技術と判断力の養成
・技術的な指導

12〜16歳
・ゲーム能力の習得(11対11)
・ 通常のゲームやミニ・ゲームを通して、ポジションやゾーンごとに、チーム
としての機能の向上
・技術的・戦術的な指導

17〜18歳
・実戦能力の習得
・ゲーム指導
・無駄のない動きの習得・精神面の鍛練              先頭に戻る

4 4対4の基本形

ゴールキーパーなしで、2つの小さなゴールを使った4対4
コートの大きさ :縦40m×横20m
ゴールの大きさ :縦1m×横2m

攻撃(味方にボールがある場合)
・組み立て
  ・(縦に横に)できるだけ広いスペースをつくる
  ・できるだけ素早く状況判断し、プレーする
  ・サイドに広げてから深く攻める
  ・組織を崩さないようにする
  ・ロング・パスのタイミングを逃さない
・チャンスをつくる
  ・広がって攻める
  ・主導権を握り、次の局面を予想し、事前に判断する
  ・ボールを受けたら、ポジショニングを考える
・点を取る
  ・タイミングを逃さず、パスを求める(目で合図する)
  ・相手ディフェンダーと勝負する
  ・できるだけ素早く、点を取ろうとする
守備(相手にボールがある場合)
・得点チャンスをつぶし、ゴールを防ぐ
   ・ボールに接近してマークする
   ・味方のカバーに入る
   ・相手を自分の正面において、シュートをブロックする
   ・ファールをしないようにする
・ボールカット
   ・相手の力に応じて、スペースを与えないように努力する
    (プレッシャーをかける、後退する、密着する)
   ・相手が良いポジショニングをしないようプレッシャーをかける
   ・ボールから離れた位置でカバーする
   ・タイミングを逃さずボールを奪いにいく
   ・常に適切なポジショニングをする
・相手の組み立ての邪魔をする
   ・相手の組み立てを崩す
   ・ロング・パスを防ぎ、ボールにプレッシャーをかける
   ・相手が横にプレーするように、横にドリブルするようにさせる
   ・プレッシャーをかけて、接近する

攻守の入れ替わり(ボールを失ったとき、ボールを奪ったとき)
ボールを失ったとき
・ロング・パスを防ぐ
・ボールにプレッシャーをかける
ボールを奪ったとき
・できるだけ深く攻め込む
・味方をサポートする
・ボールをキープする                 先頭に戻る

 
5 4対4の基本形の種類
・ 組織編成、コートやゴールの大きさ、ルール、得点方法等が異なるので、
それぞれのゲームには独自の特徴があります。
・ルールにより、選手に要求されることは異なってきます。
・選手に要求されることには:
  − 技術力
  − 身体能力・精神力
  − 味方との連携・コミュニケーション
コーチはきちんと理解して教えるために、それぞれのゲームの特徴を把握しておかなければなりません。

ライン・サッカーで4対4  ドリブル・ゲーム
コートの大きさ:縦40m、横20m(それ以上も可)
ゴールラインの目印にパイロンを使用

このゲームの重要ポイント
・ゴールラインをドリブルしながら越えれば、得点になる
・いいポジショニングをすれば得点機会は増えるし、1対1の局面が生まれる
・ ディフェンダーは相手とゴールラインの間で適切なポジショニングをしなけ
ればならない。

ゲームで要求されること

攻撃(味方にボールがある場合)
・適切なポジショニングをして、ボール操作を素早くする
・ 直接ボールに向かってプレーすることは、得点チャンスを生み出す上で重
要である。
・ 方向転換、状況判断、適切なボール操作技術は、重要な要素である(ドリブ
ルして相手と勝負する)。これらの場面に対処するための指導が求められる。

守備(相手方にボールがある場合)
・ボールから目を離さない
・良いディフェンスをして相手の得点を防ぐ。ファールをしてはならない。
・味方のカバーに入る

4つの小さなゴールを使った4対4 パス・ゲーム
コートの大きさ:縦40m×横20m
ゴールの大きさ:縦1m×横2m

このゲームの重要ポイント
・素早いサイドチェンジによって、得点チャンスをつくる

このゲームで要求されること

攻撃(味方にボールがある場合)
・速くプレーする(直接パスするか、2タッチまで)
・ ウィングの選手は、自分へのパスを予測し、ボールを受けたらでき
るだけ速くゴールに向かわなくてはならない。
・ 一番ゴールに近い選手は、後方かサイドの選手からパスを受けようとする。
注意し、タイミングを狙ってボールを要求しなければならない(アイコンタ
クト、フェイントを掛ける)。

守備(相手にボールがある場合)
・ ディフェンダーはタイミングを狙ってボールをカットしに行かなければならない。例えば、相手がボールを激しく扱いすぎてコントロールを失っている瞬間など。
・相手をタイトにマークし、ミスをするようプレッシャーをかける

ゴール・キーパーなしで、2つの大きなゴールを使った4対4 
シュート・ゲーム
コートの大きさ:縦40m×横20m
ゴールの大きさ:縦2m44×横7m32(または、縦2m×横5m)

このゲームの重要ポイント
・相手にスペースを与えすぎると、多くのゴールを許してしまう

このゲームで要求されること

攻撃(味方にボールがある場合)
・ チャンスがあったら、できるだけ素早く、いいシュートを打つ(シュート技
術は重要である。この点は、きちんと指導しなければならない)。
・相手を振りきって、シュートのためのスペースをつくる

守備(相手にボールがある場合)
・ ディフェンダーは相手をタイトにマークし、抜かれないようにする。自陣に攻め入られないように、ボールを止める
細長いコートでの4対4 カウンター・ゲーム
コートの大きさ:縦40m×横10m
ゴールの大きさ:縦2m×横3m

このゲームの重要ポイント
ゴール前の狭いスペースでボールを奪ったら、すぐに味方の一人と相手ゴールに向かって攻め込み得点する。
このゲームで要求されること

攻撃(味方にボールがある場合)
・ 注意深く攻めながら狭い空間で素早いポジショニングをし、ゴールを狙う
・適切なボール・コントロール、パス、ドリブルなどが要求される

守備(相手にボールがある場合)
・ボールを奪おうとする。ボールを奪ったら、敵陣深くに走り込んだ選手とボールを持った選手との適切な連係プレーが要求される。できるだけ素早くロング・パスをしなければならない。

ゴールキーパー有りで2つの大きなゴールを使った4対4 
クロス・ヘディング・ゲーム
コートの大きさ:縦45〜50m×横30m、中央に線を引く
コートサイドから5mはフリー・ゾーン

このゲームの重要ポイント
・ヘディングかボレーで得点する
・自陣から直接シュートして得点する
・ フォワードにとっても、ディフェンダーにとっても、ヘディングがポイント
になってくる
・外側のエリア(16m以上の距離)からのシュートをする
・ いいポジショニングをして組み立て、サイドから1対1をしかけて、センタ
リングをあげているかどうか
・ゴール・キーパーは、ハイ・ボールに対処する
・個人練習にも、この形式を利用できる
 例)− ウィングの選手にとっては、センタリングをあげる練習になる
   − ディフェンダーにとっては、ディフェンスの練習になる
   − フォワードにとっては、ヘディングで得点を取る練習になる

このゲームで要求されること
攻撃(味方にボールがある場合)
・選手は自分のポジションでプレーする
・ 慎重に攻撃を組み立て、サイドをついたり、ロング・シュートを放ったりしてチャンスを創り出す
守備(相手にボールがある場合)
・ ディフェンダーはいいポジショニングをすることが要求される。また、マー
クをタイトにして、相手がセンタリングをあげたり、シュートするのを防ぐ

指導上のポイント
・ポジショニング
・状況判断
・ボールに対するブロック
・スライディング・タックル
・ヘディング
・ボールカット
・ファールをしないこと                   先頭に戻る

6 4対4でのトーナメント戦

参加者:16〜100人
所要時間:90分
管理者:1名

特徴
・全ての選手が同時にプレーする
・簡単に行なうことができる
・最終的に、優勝選手1名を決定する
・1試合ごとにチームのメンバーを替え、計5回の試合をする
・1ゲーム10分で、小さなゴールを使う
・選手は、どのコートでプレーすべきかを自ら判断する
・選手同士でポジションを決定する
・選手は自分達の得点を覚えておく
・レフェリー無し
・子供達自身が、ルールに従ってプレーする
・ それぞれの選手は、1回勝つと10ポイント、同点の場合は5ポイントを獲
得する。また、自分のチームが得点したときには、勝敗に関わらず1ポイン
ト獲得する。

4対4 個人トーナメント戦の進め方
・5つの小さなコート(縦40m×横20m)を通常のコート上に創る
・パイロンや杭で、幅2〜3mのゴールをつくる
・コートには、アルファベットで目印を付ける(図参照)
・センターサークル付近から各コートの位置が確認できるようにしておく
・ 参加者の人数は16人から50人である。もし、50人以上の参加者がいる場
合には、更に別のコートが必要になる
・それぞれのコートには、5枚のゼッケンが置いてある
・参加者から見える場所に、ゲームの進行表を設置する
・そして、以下のことを参加者に説明する
  − ゲーム進行表の読み方
  − 得点
  − 試合後毎にチームが変わること
  − 選手交代
  − 開始と終了の合図
  − どちらのチームがゼッケンを付けるか

どのようにゲーム進行表を使うか
・参加者の人数を数える
・コートがいくつ必要なのかを調べる(1チーム5人)
・選手の名前を記入して、それぞれの名前に番号を付ける
・ 参加者が20人の場合には、「ゲーム1」の列の空いたスペースに、5×A、
5×B、5×C、5×Dと記入する
・ 次に、「ゲーム2」の列には、アルファベットの順序を「ゲーム1」とは変え
て、記入する
・ さらに、「ゲーム3」の列についても、アルファベットの順序を前とは変えて、
記入する(以下同じ)

注意点
・ 子供達が同年齢になるように注意する。もし、40人の参加者がいる場合は、
例えば、20人のグループ2つに分けることもできる。そうすると、それぞれ
のグループにつき、別の表が必要になる。
・ ポイントやゲーム進行表への記入のための多色のフェルトペン
・ゲーム進行表の大きなコピーを作っておく
・ゲームを開始する前に、それぞれのチームの人数が正しいかをチェックする
・ポイント算出は計算機を用いる
・ゲームの最終的な得点を書き込むために、スコア・カードを利用する
・次の試合の間に、ゲーム進行表に得点を記入する

4対4個人トーナメント戦の基本ルール
・子供達自身がルールに従ってプレーする(レフェリー無し)
・ゴールキーパー無し
・キックオフは、所定の位置から行なう
・ゴール後は、バックラインからドリブルまたはパスでゲームを再開する
・ フリーキックは常に間接フリーキックで、相手の選手は、ボールから少なく
とも3ヤード(約2,7m)離れなければならない
・ サイドからは、スローインではなく、キックインでおこなう(直接ゴールは
狙えない)
・オフサイド無し
・ペナルティーキックは、キックオフの位置からキーパー無しで行なう
・コートのどこからでも、得点することができる
・ 1チーム5人の場合には、ゲームの最中に交代しなければならない(選手達
が決定)                                先頭に戻る


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