タカトモワンダーカップ報告            記載者 瀬戸 正博

『第10回日伯国際交流少年サッカー大会』

 今年度の県トレセン5年の指導テーマは,"チャレンジする選手の育成"とい
うことで活動していることは,既にご紹介しました。今回の遠征では,サンパ
ウロFCとの試合ということもありましたが,指導の継続性を優先させました。
チームの組織づくりを指示するのではなく,経験した中から修正をして試合を
成長させられればと考えて望むことにしました。結果としては勝敗については
大差がついてしまいましたが多くの収穫を残せたと思っています。簡単に今回
の大会についての報告をさせていただきます。
 今回は,きちんとした形でのミーティングを取ることが出来ませんでした。
初日の最初に会場で今回のチームのコンセプトを話し合いました。先ず,いか
にして点を取るかということで,グランドが広いので,スペースを有効に使い
パスを繋ぐこと。[実際には,少年の大会の広さだったのですが感覚的には広
く感じたのでしょう]それと,ゴールが大きいことを分からせた結果,積極的
にシュートを狙うことになりました。二つ目は,指導者側の意図も入りました。
このことで相手もそのことを考えてくることを理解すればディフェンスの意識
も高まると考え,是非理解させて経験させたいと考えました。
 当然,以前からのテーマである,状況を判断し,自分で決断をして意図を持
ったプレーをするか。いかにボールをコントロールし,いかに正確に蹴るか。
などは,当然のこととして選手には意識はさせました。
実際に,大会に臨んだ中で,チームのレベルの差に戸惑いがあり自分たちが期
待したものが得られずに,サンパウロと試合をする状態になってしまい非常に
残念でした。攻守の切り替えを意識し,どう攻めて,どう守るかを考えさせた
かった。更には,守備の重要性と,コンタクトプレーの質を高めさせたかった。

『対戦成績』

13日
宮城県トレセン  9−1  山形県トレセン[地域代表] 
宮城県トレセン  6−0  FCコラソン[神奈川県所属チーム]

  14日
宮城県トレセン  5−2  古川地区トレセン
宮城県トレセン  0−5  サンパウロFCジュニア
宮城県トレセン 16−0  福島県地区トレセン 
  

 今回の大会の中では,サンパウロとの試合が最も得るものが大きかったのでは
ないかと思います。勝負に対するこだわり,そのために何をするか。チームとし
て一つになっていたのではと思います。宮城との差は,有りますが私個人として
は決して大きな差だとは思いません。ただし,その差が簡単には埋められない決
定的な勝負への差だとも思います。身体的には決して差があるチームではありませ
んでした。でも,勝負に関しては,決定的に違いました。私としては,敗戦で涙
していた選手がいたことは,絶対に次へのステップに繋がると信じています。決
定的な差を絶対に埋めることの出来る選手が育つことを,そしてそれを越える選
手が育つことを期待しています。
 指導スタッフと一緒に,今回のゲームについての分析をし指導を続けて行きた
いと考えています。サンパウロの代表からは,一試合毎に,宮城のチームがレベ
ルアップして言ったことと,特に3名の優秀な選手が居たことを評価されました。
優秀な選手と評価されたのは,勝負の意識が高く,積極的にスピードに乗って前
に出られること,スピードに乗った場合でも技術の精度が高いこと,バランスが
良い選手だったと思います。
 サンパウロの選手の良さは,ボールコントロールのよさと,戦術の意識と,な
んといっても勝負へのこだわりだと思います。具体的には,観ていただくのが一
番だと感じます。観ていただいた方は,言葉ではなく分かっていただいたと思い
ます。