2016年度第2学期一般教育演習「手話という視点」


連絡事項

2016-10-03: 昨日までに私に受講希望の連絡をくださった方は、ELMSの本授業グループに登録しました。moodleコースも見られるようになっています。後は抽選結果をお待ちください。


2016-09-29: 初回授業での連絡事項はこのページ末尾をご覧ください。授業の説明の後、1999年制作のTVドキュメンタリー「音のない世界で」(原題"Sound and Fury")を見ていただきます。


シラバス

科目名:

一般教育演習(フレッシュマンセミナー)

講義題目 Subtitle:

手話という視点

責任教員(所属):

土永孝(大学院メディア・コミュニケーション研究院)

担当教員(所属):

土永孝(大学院メディア・コミュニケーション研究院)

科目種別:

全学教育科目(一般教育演習)

開講年度:

2016

開講学期:

2学期

授業形態:

演習

単位数:

2

対象年次:

1〜

対象学科・クラス:

基礎1-53組

キーワード

手話、ろう文化、聴覚障害、難聴、ろう、中途失聴、障害学、社会モデル、人工内耳、新生児聴覚スクリーニング検査、情報保障

授業の目標

誤解されないようにまず断っておくが、これは手話言語学の授業ではないし、手話そのものを教える授業でもない。手話という視点を通してわれわれの生きている社会を捉え直すための授業である。

手話・ろう・難聴と聞いて、自分には関係のないことだと思ったり、ボランティアの話かと早合点する人は多いだろう。しかし、この問題圏をのぞいてみるならば、みなさんが生きているこの世界の諸問題と通底するものが見えてくるはずだ。とくに、行政・教育・医療などの各方面で仕事をしている人/しようと思っている人にとっては、実は知らないではすまされない問題、自分の専門分野の視点からだけではなかなか理解できない問題がそこにある。本演習では手話という視点を通して、聞こえない人々を取り巻く諸制度、教育、多言語社会、多文化、「障害」の個人モデルと社会モデル、生命倫理などをめぐる問題を考え、議論する。

到達目標

手話が言語であるということの意味と、手話・ろう・難聴が誤解と無知にさらされている実態を理解し、この理解を通して聴者主導の世界のさまざまな問題を考えることを目標とする。

授業計画

授業時間中は以下の流れで講義を進める予定。電子媒体で教材を配付したりアンケートや課題提出を行うシステムを使う予定。第1週は授業内容のガイダンスを行い、第2週には使用システムの使い方の説明を行うので必ず出席すること。

1. 手話が言語であるということの意味

2. 聞こえないということの意味

3. 「障害」とは何か:「障害」の個人モデル、社会モデル、新しい障害学

4. 聴覚障害学生と情報保障: 合理的配慮について

5. ろう教育をめぐる問題

6. 医療をめぐる問題

学期末にレポートを課す。

準備学習(予習・復習)等の内容と分量

積極的かつ主体的な準備学習(予習・復習)が求められる。

この授業では、毎回議論する内容について事前に電子媒体で資料を掲載するので、それを読み込んで、授業中に行う議論の準備をしておく必要がある。授業後はオンラインでアンケートを行うが、これには必ず回答すること。さらに、毎回の授業の後、確定した議事録を1週間以内に電子配付する。最低限これを読むことが十分な理解のためには必要である。これによって、講義内容を確認するだけでなく、講義で話しきれなかった内容も読むことができる。また、講義録中のリンク先をたどることによって、さらなる関連情報にも目を通して、理解を広げることも可能になる。また、参照文献リストは北大附属図書館の所蔵情報にリンクされているので、関心を持った文献を手にとってみることを勧める。また、オンラインで授業時間外に質問することもできるので、積極的に活用してほしい。

成績評価の基準と方法

授業中の議論への参加状況、毎回の授業アンケートへの回答、数回課す予定の小さな課題、学期末レポート等を総合して評価する。ただし、出席回数が全授業回数の3分の2に満たない受講者は不合格とする。詳細は初回授業で説明する。

講義指定図書

亀井伸孝/手話の世界を訪ねよう

ろう文化 / 現代思想編集部編, ISBN:479175803X

たったひとりのクレオール:聴覚障害児教育における言語論と障害認識 / 上農正剛, ISBN:4939015556

聾教育の脱構築 / 金澤貴之編, ISBN:4750314560

手話でいこう / 秋山なみ、亀井伸孝, ISBN:4623042545

手話の社会学 / 金澤貴之:生活書院

上記文献以外にhttp://icarus.imc.hokudai.ac.jp/jugyo/2016_2/shuwa2016/bibliography.html に掲載したリストから適宜選んで紹介する。

参照ホームページ

http://icarus.imc.hokudai.ac.jp/jugyo/2016_2/shuwa2016/

研究室のホームページ

http://icarus.imc.hokudai.ac.jp/

備考

履修条件については各学部の学生便覧を確かめること。

本演習を履修して単位取得した学生は、本学特別修学支援室が募集している支援員になるためのA講座を修了したとみなされます。(あとは、支援室で、ノートテイクの実技訓練をするためのB講座、C講座を受講すれば、支援員となることができます。)


初回授業連絡事項

連絡や質問のメールはtuti@imc.hokudai.ac.jpへ(半角英字に直して使ってください)

昨年度までは自分で立てて運用していたmoodleサーバを使っていましたが、今回から、ELMSが提供しているmoodleを使うことにしました。

私から受講者への連絡は、教室で口頭で行う他に、ELMSポータルおよびmoodle上で行います。

欠席は事前、あるいは事後にメール、欠席届、口頭いずれかの手段で連絡してください。北大以外の受講者はメールで連絡してください。

【重要】大学の履修登録が終わるのを待たずにmoodleの利用を始めるので、本日の初回授業に出て受講を希望する方は、大学の履修登録とは別に、授業担当者(土永: tuti@imc.hokudai.ac.jp)に学生番号と氏名を紙に書いて提出していただきます。初回授業に出席できなかった方は、以下の内容のメールを9月中に送ってください。いただいた情報をもとに、ELMSのグループに登録して、第2回授業の前にmoodleを利用し始めることができるようにします。第2回授業は、後日履修者が確定したときに、履修登録されなかった人をELMSのグループから登録解除します。

第2回授業は、事前に以下の動画を視聴してから参加してください。

北海道大学オープンコースウェア、「学びのユニバーサル・デザイン入門」第4回「『聞く』に関する情報保障(1)ノートテイク講座A」

http://ocw.hokudai.ac.jp/field/field06/udl-2015/

3本の動画すべてを視聴してください。