月波通信


Vol.7 2001年号

今年は、世界にとって大変な年となりました。
一日も早く、みんなが平和で自由に暮らせる日が訪れますように…。

***

さて、私自身の今年を振り返ってみると。
なんと言っても、6月末に2冊目にして最初に考えた本「
だい好きな時間」を出版できたこと!
そう、これは、月波通信Vol.5にちらっと出てきた、「今一番書きたかった本」なのです。
季節感の都合で保留になっていたラフに、新たに手を加えたり削ったりしたものの中から、
編集Kさんがエピソードをいくつかピックアップ、まとめたのがこの本なのでした。
特にストーリーのない、日々感じる事を、絵と文で綴った本です。
かなり自分らしい内容になりました。

 


京都旅行

夏に、芦屋でのグループ展に参加したのをきっかけに、京都ひとり旅をしてまいりました。
3日間の、風情のある神社仏閣と、喫茶店めぐりです。
ひとりという事で、「効率」よりも「気まま」をテーマに、気分に合わせてぶらぶら。
もちろん、行きたいところはいくつもピックアップ済み(計画好きなのだ)です。


嵯峨野の竹林。

8/5(SUN)曇り時々晴れ。
イノダコーヒ本店〜efish(カフェ)でランチ〜河井寛次郎記念館〜清水寺〜恵文社一乗寺店(本屋)〜
sinamo(カフェ)で夕食
この日は、暑くてバテ気味。東京は酷暑が一段落したけれど、京都はまだまだ酷暑!

8/6(MON)曇り。晴れ好きの私でも、さすがに助かる!
鈴虫寺〜渡月橋〜(嵯峨野)野宮神社〜天竜寺〜大河内山荘〜昼食(湯豆腐セット)〜常寂光寺〜
トロッコ列車〜ランブルフィッシュ(カフェ)で夕食〜アンデパンダン(カフェ)〜六曜社(喫茶)
よく歩いた日。嵯峨野は、竹林が続き、とても趣き深い場所。おすすめ!

8/7(TUE)曇り一時雨。
永観堂〜南禅寺〜昼食(そうめんとビール)〜ソワレ(喫茶)〜三十三間堂

***


南禅寺の三門。


三門の上から。


嵯峨野の天竜寺。庭園も見事。

嵯峨野の、大河内山荘。今回見た名所の中で、一番気に入ったのがここ。役者大河内伝次郎が生涯かけて作り上げた、ゆっくり歩くと一周15分くらいかかる、大きな庭園。
うっそうとした木々の中を歩いているかと思えば、苔庭やあずまやが現れたり、見晴らしのいい所に出たりと、変化もいろいろあっておもしろい。
静かで趣きがあり、かなりのんびりしました。
抹茶・菓子付き、900円。

恵文社一乗寺店。有名な、サブカル・アート系本屋。ちょっと離れているけれど、一度行ってみたかった。
わくわくする品揃えや本の配置のしかたでしたよ。
私の絵本も置いてあったのには感激!

鴨川沿いのカフェ、efish(エフィッシュ)。ロケーション、味ともに、すばらしい。鴨川の透明な流れや鷺や、遠くに山を眺めながらのお茶は、かなりくつろげます。
アイスキャラメルティは絶品でした!
京都のカフェ・喫茶店の中ではイチオシ!
何度も通いたかったけど、時間がなくて…。

レトロモダンな喫茶店、ソワレ。
青いライト、木彫り細工の柱、緑のソファ。東郷青児の絵のついたグラスが素敵。おみやげに買い込みました。
2階がおすすめ。
こちらの昔ながらの喫茶店は、あらかじめお砂糖やミルクがはいった状態でお茶が出されるのですが、もちろんここもそうでした。(最近は、「お砂糖はどうなさいますか?と聞いてくれる店もありますが)砂糖等も含めて、その店の味なのですね。

***

今回は、かなりのんびりスケジュール。
お寺もカフェも、まだまだ行きたいところがいっぱいです。
もみじがたくさんあったので、今度は、紅葉の時期に行きたいな。きれいだろうな〜。


パソコンのなおしかた

Mちゃんの家に、スキャナーでの画像の取り込みのしかたを説明しに行った。

Mちゃんちの中古のマックは、相当古い。電源を入れると、画面全体が、紫がかっていた。
「画面が紫色なんだねー。画像を取り込むには、色がわかったほうがいいんだけど」
すると、家にいた、ダンナのK君が、
「ちょっと待ってて!なおすから」
と、いきなりパソコンをバンバンたたきだした。ひー。あんた、昔のテレビじゃないんだから…。
「あれ?なおらないなあ。(バンバン)いつもなら、これくらいでなおるんだけど。(バンバンバン)M!そっちから同時にたたくんだ!!(ふたりでバンバンバン!!)」
もう、大爆笑!
結局、50回くらいたたいて、やっと普通の色の画面になった。
「やった〜!」と私がにじりよろうとすると、「あまり動かないで!また元に戻るから」「…」

誰か、いらないパソコンがあったら、Mちゃんちに譲ってあげて…。  (6/1の日記より)


BOOK OF THE YEAR 2001

今年は、私としてはかなり沢山の本を読みました。
100冊は読んだと思う。と言っても、軽めのエッセイが多かったのですが、
それでもこれは、過去最高でしょう。
図書館にも大変お世話になりました。

で、せっかくこれだけ読んだのならばと、ベスト10を考えました。
読んだ事を忘れている本もあると思いますが、それはそれという事で。
(順不同。画集等の、ビジュアル書は除く)

模倣犯(宮部みゆき) サスペンス。本も厚いが内容も厚い。
コンセント(田口ランディ) 小説。直木賞候補にもなった処女小説。今年は田口ランディにはまり、ほとんど読んだ。エッセイもおもしろい!パワフルな人。
村上ラジオ(村上春樹) エッセイ。力の抜け具合と文体が好き。次の長編が待たれます。
お散歩ブック(杉浦さやか) イラストエッセイ。かわいい!センスも好き!
春画(椎名誠) 私小説(多分)。いつもとは少し違う、影の部分も。
陰陽師(岡野玲子) 漫画。原作を更にパワーアップさせていて、凄すぎ。画力もすばらしすぎ。
つれづれノート(10)島、登場。(銀色夏生) 日記。もう10冊目。淡々と、流れるように生きている。この先どこへ?
薔薇の木琵琶の木檸檬の木(江國香織) 小説。この人の小説、エッセイもたくさん読んだ。みずみずしい感性。
ああ言えばこう食う(阿川佐和子・壇ふみ) 往復エッセイ。抱腹絶倒。こんな友情うらやましい。
ターン(北村薫) SF。この人の本もたくさん読んだ。円紫さんシリーズ(推理)も好き。


コシノ母と私の関係

昨日、なんとなくついていたテレビで、デザイナーのコシノ3姉妹のお母さんを特集していた。88歳の今も現役デザイナーで、昭和の始め頃、大阪の岸和田で「コシノ洋装店」という小さな洋品店を開いたと、その当時の写真が写った。
そこで、ハっと思い出した。うちの祖母が、昔、大阪で洋品店の上に住んでいて、そこの娘さんが有名になったと言っていたではないの!
早速今日、電話して聞いてみた。「昔、洋服屋の上に住んでいたって言ってたよねえ、それって、コシノさん!?」「ああ、そうそう、そうだ。娘さんが有名になったんだ」
なんでも、大家さんはそのへんの地主で、コシノさんが借りた家の2階を、結婚する前のおばあちゃん兄妹が又借りしていたらしい。
テレビに写ったのは、コシノさんと仲間達が2階の窓から顔を出している写真だったけれど、あのあとはいったのだろうか。
いやあ、おばあちゃんが昔住んでいた家の写真(当時の)を、テレビで見られるとは、感慨深いというか、不思議…。(10/27の日記より)

その後、父から聞いた新事実。祖父の父は、呉服屋さんをやっていて、そこに、小篠綾子さんのだんなさんが勤めていたらしい。という事は、そのつながりで、祖父と祖母は紹介だかお見合いだかで知り合って結婚したんだねえ。おじいちゃんに小さい頃、「なんでおばあちゃんと結婚したの?おみあい?」と聞いたら、「じゃんけんでおばあちゃんが勝ったから」と言われて、フに落ちなかったのだが(笑)、そういうきっかけだったのね。
てーことは!小篠夫婦がいなかったら、祖父母は出会ってなかったって事!?うーむ、あの人が、私の出生というか存在に、そんなに重要な人だったとは!!! (10/30の日記より)

コシノ母---コシノ父→(勤め先)曾祖父の呉服屋
 ↓(大家さん)          ↓(親子)
 祖母-----------
---------祖父


今年みた映画

今年見た映画は、全部で14本。
ほとんど見ない年もあるので、恥ずかしながら、過去最高です。
ハズレはほとんどなく、かなりの確率で、いい映画を見ました。
見のがして残念なのも、何本かありますが。
その中でも、特に心に残ったのは、以下の7本。

初恋の来た道(中国)
ぼくらと遊ぼう(チェコ)
ショコラ(フランス)
夏至(ベトナム)
千と千尋の神隠し(日本)
蝶の舌(スペイン)
アメリ(フランス)


パペットアニメーション

人形を、少しづつ動かしながらコマ撮りしたアニメーション。粘土を使ったクレイアニメもありますね。限りない手間と時間をかけて作られている、この素朴で、アナログな動きがたまらないのです。
ウォレスとグルミット、チェブラーシカ、ピングー、ナイトメアビフォアクリスマス等が有名ですが、中でも私のお気に入は、「
ぼくらと遊ぼう」シリーズ(ポヤル監督)。チェコのパペットアニメが秘かな注目を集めていますが、その中でも、「パットとマット」と並ぶ人気作です。
シャイな小さなくまと、強気な大きなくまのコンビ(実は兄弟)のお話。この映画のおもしろいところは、平面上で動く、2,5次元のセミ・パペットアニメであること。そのため、他のパペットアニメよりも、動きが自由自在で、背景もシュール。人形達のかわいさもさることながら、色使いも背景も書き文字もアートっぽく、とても今から30年も前に作られたとは思えないセンスの良さなのです。
あちこちの映画館で時々上映されていますが、このたびやっと、ビデオとDVDが発売されました。
友達は、このためにDVDを買ってしまったそうですが、私は当分ビデオで楽しみます…。
関連HP


(01.12.31)

 

 


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