月波通信


Vol.15
水晶拾いに誘われて号

水晶拾いに誘われて
BEACH HOUSE eau cafe
湯の丸高原トレッキング

今回は、山と海です。自然はいいねー。
そういえば今年は、一度も海にはいらなかったな。
それって、モノゴコロついてから初めてかも…。
ちょっと忘れ物をしたような気のする夏でした。


◆水晶拾いに誘われて◆

拙著「月波通信」を読んでくれた、珈琲焙煎人のMさんは、水晶拾いに行った事があるという。
うらやましがったら、「今度一緒に行きましょう」と言って下さり、ずっと楽しみにしていた。
それから数ヶ月たったある日、Mさんから、水晶拾いの秘密計画書メールが送られてきた。
ライターのSさんも参加されるそうで、M隊長以下隊員2名、ここに、秘密探検隊が結成された。
秘密高速機動兵器(レンタカー)やら秘密体力回復研究所(温泉)やら、
計画にはどれも「秘密」がつくのであった。

5月のある晴れた日、新宿駅集合。
が、乗る予定だった電車は休日しかなく、今日は走らない事が判明。
2度ほど乗り継ぎ、ようやくBOX席に座れた時はホッとして、思わず
「わーい、旅行用の電車ですね!」と言ったら笑われた。えへへ。お弁当でも食べたい気分です。
やや混んでいて、BOX席に3人では座れず、通路をはさんで座る。
まわりはハイキングに行くおばさま方の団体。

景色もだいぶのどかになってきた頃、
Sさんがかばんからシャンパンを取り出し、
(なるべく)静かにシュポンと栓を抜いた。
まわりのおばさま方、「あらあら何のお祝?」
乾杯の時は拍手までいただいた。どもども。
Mさんは、カマンベールとレバーペーストの
サンドイッチを作ってきてくれていて、
シャンパンと共においしくいただいた。
おふたり供、なんて気がきくのでしょう…。

やがて電車は目的地へ到着、駅前でレンタカーを借りて、目指すは「乙女鉱山」。
が。またしてもスムーズには行かず、あちこち工事中で通行止になっていて
山の中を行ったりきたり。途中で車を置いて歩く事に。

早くも歩き疲れた様子のSさん、
「Mさん、コーヒー飲みた〜い」
「もう少し歩いたらにしましょう」
しばらくして再び「コーヒーまだですか〜」
「ゲートに着いたらですよ!」
おふたりの掛け合いがおかしい(笑)。
小1時間ほど歩いて、さびた門のあるゲートに着き、
お待ちかねのMさんのコーヒー!
山の中、家で焙煎してきた豆をその場でひき、
いれてくれるのです。う〜ん贅沢!



コーヒーを飲み、いよいよ鉱山にはいって行く。ここからはゆるやかな下りを1時間ほど。
やがて深く掘られえぐられた岩が現れ、ボロボロに朽ちた鉱山小屋の横を通り過ぎる。
そのうち道はなくなり、川に向かって急な崖を下る。


すっかりくたくたのSさんと私に、「ちょっとここで待ってて下さいね」とM隊長、
ひとりで水晶のありそうな場所を探しにでかけた。
あちらかと思えばこちら、山の中を岩の上を、身軽に走り回るMさんに、
Sさんが、「Mき」は「モンキー」がなまったのでは!と言い出す。
「しっぽを隠しているはず!」うんうん、時々バナナ食べてるし!
しばらくたつと戻ってきて、水晶のある場所へと案内してくれた。
おお、岩肌に、5mmから1cmくらいの小さな水晶がびっしり付いている!
水晶って、こういうふうにできるんだ〜。
でも、岩に付いてるのは取れないので(ハンマーで岩をくだいてもいいけれど、
固くてかなり大変)、落ちているのを探す。
ああ、まさしく、「水晶掘り」じゃなくて「水晶拾い」だなあ。

それぞれいくつか見つけたところで、
遅いお昼ごはん。
Mさんがラーメンを作ってくれた。
わりばしが見当たらなくて、
そのへんの小枝二本をお箸代わりにして食べた。
「おふたりが、こういう事に文句言わない人で
良かった!」とMさん。
自然の中だしね、臨機応変にいきましょう。

お店で売ってるような立派なものはなかったけど、自分で水晶を拾えたので大満足!
そして、来た道を戻るのだけど、もとより道なんてないのです。
木や根っこにつかまりながら崖を登ってると、前を行くSさんが足をすべらせて、
根っこにつかまったまま、ずるずるずる…。しばらくぶらさがったまま固まっていた。
「大丈夫ですか〜!?」と言いつつ、写真に撮りたい構図とも思いつつ(笑)、
そんな場合じゃありません。
でも、この光景が目に焼き付いてしまったので、後日絵に描いてみました。(大きくなります)


私も、やぶの中で右も左もわからなくなったりしながら(ふたりの声のする方へ…)、
なんとか鉱山小屋のある山道に出て、あとはひたすら車へ向かって戻る。
ゆるやかな上り坂で、帰りもけっこう疲れたけど、
おさるのMさんは、やはり涼しい顔をしてバナナを食べながら歩いていた。

帰りは、秘密体力回復研究所こと温泉へ寄って疲れをとり、
電車でビールを飲みつつ東京へ戻ったのでした。

水晶。最初は不透明だったのを、研磨剤で磨いた。まだにごってますが。
水晶を傷つける場合もありますので、研摩材を使う時はくれぐれもご注意を。


◆BEACH HOUSE eau cafe◆

8月のある日。用事で実家に行ったあと、海が見たくなり、江ノ島へ。
向かったのは、nfu cafeやeau cafe 系列が海の家を作ったという、
BEACH HOUSE eau cafe」。
実家から約1時間、途中で乗る電車を間違え、残念ながら夕日には間に合わなかった。
けれど、赤くそまる空と海を、やがて真っ暗になるまで眺める事ができました。
ここはカフェがそのまま海の家になったような店で、ロケーション重視の私としては、
嬉しい限り。もちろん、水着でも座れるプラスチックの椅子もあれば、
ユーズドのソファ席もあるのです。



最初は、海に向かったカウンター席で、ビールとパスタをいただいていたけれど、
この日はけっこう風が強く、海風でべたべたしてきたので途中で奥の席へ移動。
流れるボサノバもいい曲ばかりだなあ、と思っていたら、今日はDJがはいっているのですね。
カフェラテを飲みながら、心地良い風の中音楽をいつまでも聴いていました。


◆湯の丸高原トレッキング◆

8月、浅間山連峰にある、湯の丸高原へ行ってきました。
花がたくさん咲いている、景色の良いところ。
涼しく、夜はフリースを着ないと寒いほど。

20日早朝に家を出発。キャンプ場にテントを張り、湯の丸山(2099)〜
烏帽子岳(2066)登山。約5時間。決して厳しいコースではないのだけれど、
運動不足がたたり、下りではももがぷるぷる。
山中に、牛が放牧されていた。


湯の丸山から来た道。


烏帽子岳からの眺め。


キャンプ場へ戻るが、最初にテントを張った場所が、景色も良くないし虫も多いしで、
草っぱらの方へ移動する事にする。
疲れたカラダで移動は面倒だったけど、ホリーちゃんがだいたいやってくれたので
(てきぱきしたお方)、草原のまん中、ものすごく快適なテント生活でした。
またここに来よう!


キャンプ場から湯の丸山を望む。

夜は、細い月もやがて沈み、満天の星空でした。流れ星ふたつ。

翌21日。ももがやや筋肉痛。テント撤収、駐車場からシャトルバスに乗って池の平へ。
午前中は、東籠ノ登山(2228)へ登る。30分くらいで登れます。絶景。
下山、池の平湿原へ。木道にかこまれた湿原は、一面のお花畑!
「こりゃ失言」とかくだらない事を言いながら、湿原の周囲の山をぐるっとまわる。
三方ヶ峰〜美晴岳。景色の良いハイキングコース。



帰りの車中で一気にももの筋肉痛がすすみ、サービスエリアでは、
ぎくしゃくロボットのような歩き方になってしまった。イテテ。
ホリーは近々、今度は本格登山に行くらしい。私は、やめておきます…。

*この10日後に、すぐご近所の浅間山が噴火!!
行っておいて良かった。もしこの時に噴火していたら、何事かとびびっただろうな〜。



今頃、いつの話だという感じですね…。
次号(12月発行)で現在に追いつく予定ですので、しばしお待ちを。

2004.11発行
minami kawai


 

  

 

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